異世界で頑張ったので出戻りますね あるいは彼女は如何にして悩むのを止め、現代をエンジョイするようになったか 作:大回転スカイミサイル
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「庚申流組打術!緜緯!」
妖精の拳が怪物へと突き刺さる。
怪物の腹部が一瞬震えて、はらわたが背中方向へと爆散する。
「よし!やれ空悟!」「おう!」
ミナが血を払い後ろに飛ぶと、空悟の銃撃が怪物の残骸に突き刺さる。
一〇〇式機関短銃の掃射はそのまま怪物の後ろにいた別の怪物へと続き、そこに廻の腕部機関砲の銃撃が加わって怪物たちは沈黙した。
「……どう見ても普通のモンスターだな」
「ああ……白き空はバグダンジョンとも似た空間だから、魔物も出るは出るんだけどな」
それでもこの数は異常だ、とミナは零す。
白き空は異空間であってもダンジョンではない。
それをダンジョンと成すにはそれ相応を超える力が必要となる。
―――魔王や邪神と渡り合うほどの勇者ミナとてマジック・アイテムを駆使し、ルルがいなければそんな芸当は到底不可能。
空間に指向性を与え、ダンジョンと成すほどの魔力とあればそれは既に人間の領域を遥かに超えている。
「案外前世世界がヤバイのは決して私のせいじゃないと信じたい」
「今言っても仕方ないだろう、それは」
怪物をスキャンしている夕にそう言われ、「そうね……そもそも私のせいだとしても、私がなんとかするしかないしね」と笑った。
「私、じゃなくて俺たちじゃねえのか?そこは」
「ああ、オレたち『黄昏の傭兵団』がやんなきゃいけないことだ……」
空悟の言葉にミナは首肯する。
そして、自分がいなくても結局は事件は起きていた、と言った科戸神社の神様を想う。
それは今考えても仕方のないことだ、と言うことも。
『グァァァァァァ!!』
その思考は再び現れた黒い獣のような怪物によって掻き消された。
「突破しよう」
短く廻の言葉が耳朶に届く。
「偉大なるロジックよ!寄る辺なく燃える炎を我に!玉となり丸となり弾となし燃やし尽くせ!ファイヤーボール!」
ルルがまずは初撃として火球を放る。
その攻撃は現れた黒い獣に着弾し、爆裂する。
ジュウジュウと鉄をも溶かすその威力によって怪物は半ば溶け落ち沈黙した。
―――その光景を、ニヤニヤと上空から見ているものがいる。
「……なぁんだぁ。大したことないじゃぁん?」
それは空悟の前に姿を表したショッキングピンクの髪を持つ魔法少女。
イェカにメグミと呼ばれていた魔法少女である。
「……あのくらいイェカ様なら簡単にどうにかできそぉなんだけどなァ」
不満げに唇を歪め、少女はつまらなそうに空中であぐらをかいた。
―――彼女は気づいていない。
対魔王用の武器、即ち黄昏の剣や客人碎、上古の森人の衣を装備していないミナが本気を出していることなど一切ありえないということを。
ルルもまた最高の装備を身に着けているわけではなく、廻や夕の躯体は潜入活動用の弱化ボディであるということを。
何よりもミナとルルは―――多くの装備やアイテムをドミネーターの潜んでいた邪神の空洞で使ってしまい、それらが枯渇状態であるということを。
それらを知っていれば彼女も認識を変えたのだろうが、彼女にそれを知る機会はなかった。
「……マコちゃん来たら帰ろっと」
なんだか急に面白くなくなってしまったメグミは踵を返して飛び去ろうとした―――が。
「―――なんだ、逃げるの」
後ろを振り返らぬまま、暗闇の道を進む妖精の勇者がそう呟いたのが聞こえた。
「―――!?」
「物理的な隠蔽は合格。廻さんも夕ちゃんも気づいてなかった。でも、魔力や精霊力の隠蔽は全然駄目ね」
その言葉に、メグミの顔が赤く染まった。
「三郎、わかってるなら言えよ」
「あー、すまねぇ。精霊力がすげーわかりやすかったから、道案内させようと思ってな」
空悟にそう返して、今度はメグミがいる辺りの空を睨んだ。
すると、空の色を歪めてピンク色の魔法少女が姿を表す。
「……いつから?」
「だいぶはじめから、ね。本当に感情の精霊力のアップダウンがわかりやすいのよ、あなた」
質問にミナは丁寧に答える。
―――精霊力の隠蔽は高位の意志ある魔物や精霊使いと戦う時には必須のもの。
ルルのダンジョンへ挑んだ時のハルティアやカイムもある程度出来ていたし、当時の自分は既に完璧に出来ていた、とミナは遠い日を想う。
中級冒険者以上の実力者はその心得があるのが常識である。
また、意志ある魔物たちもほとんどがその技術を知っている。
魔物たちの多くは、知ってはいても持って生まれた負の精霊力を隠蔽しきれはしないのだが。
それ故に、目の前の彼女は邪神の手勢ではなく、予想されていた魔法少女組織の構成員だとミナは判断した。
「くっ……!なんでよぉ!全然大した事なさそうなのに!」
「そりゃあ本気なんか出したつもり無いもの。魔王や邪神が相手じゃあるまいし。どこかの超勇者ちゃんだって太陽の聖剣をゴブリン相手にブッパはしないでしょ?」
どこぞのみすぼらしい鎧の戦士が主人公のラノベを知らなければわからない例えを出しつつ、ミナは微笑んだ。
「なるほど。我らに話せば気づかれるやも知れんからな」
ジャキリ、と腕部機関砲をメグミに向けて夕は不機嫌を絵に描いたような表情となる。
「そうむくれるな、夕。送り狼を逆用する戦法は有効だろう」
廻も同じよう機関砲を向け笑い、空悟は「大人をなめるから悔しい思いするんだぞ、お嬢ちゃん」となんでもないことのように言った。
「むむむ……!イェカ様の言ったとおりだったみたいね!我がスーパー・マジカルガール・ネットワークの最大の脅威はそこの金髪だって!」
悔しげにそう叫ぶ少女の姿に、ミナと空悟の目が点になる。
「……空悟、お前すごいわ。見事に当てたぞ」
「マジかぁ……マジでジャン○ー○ンリスペクトかよぉ……」
二人はある意味虚を突かれて一瞬呆然とする。
岬が同じ頃、ボーイング767の機内にあって思っている気持ちを殆ど寸分違わずこの二人も抱いていた。
「……あのさぁ、ちょっと平成初期キメ過ぎじゃない?その名前?」
「うっさあい!私は変えようって進言してるんだもん!私のせいじゃないもん!!」
若干涙目でそう叫び、少女は踵を返して飛んでいく。
「―――とりあえず、今後も岬ちゃんを狙うつもりなら容赦しねえからな」
ミナはドスの利いた声を少女に投げかける。
その殺意すらこもった声に、少女は小さく悲鳴を上げて全速力で逃げていく。
「覚えてなさいよねぇぇ―――!恥かかせてくれちゃってぇ―――!!」
遠く負け惜しみが響いていたが、ミナはその負け惜しみを素早く脳内から消去して、深い深い溜め息をついたのであった。
「ふぃーついたついたぁ……って完全に成田の空港じゃんか」
恋がのびのびと腕を伸ばして空港のターミナルに降り立ち、そう感想を述べた。
たしかにそこは成田空港にそっくりな建物であった―――が、そこには誰一人いない。
ゲートも機能していないようで、素通しで二人は外に出ることが出来た。
「だいぶ疲れたのです。というか、なんかあたしばっかり魔力吸われていませんでしたか?」
岬がもうへとへと、といった感じで天を仰ぐ。
「それだけ岬ちゃんが体の中に入れた虹の欠片のパワーがスゴイってことなんじゃねえの?」
恋がしれっとそう言うと、岬は「なんだか不公平なのです」と呟いた。
実年齢は彼女より30年近く上なんだから我慢しろ、と自分の中の何かが言ったような気がしたが岬はその声を無視するかのように何故か電源が入っている自動販売機に100円を2枚入れてみる。
果たして、ちゃんと出るのか、と思えばきちんと清涼飲料水が出てきて、お釣りまで帰ってきたのを確認し「凝ってるのです」と呟いた。
そうして売店にお金を置いて食料を確保すると、二人で空港の外へ出る―――その瞬間、成田空港のような建物は消え去って、真っ白な大地が広がっていた。
真っ白な大地の上に建つものはミナたちがくぐったものと同じ巨大門。
「……ここをくぐれということなのですかね」
門に手を掛けると、岬はため息をつく。
センスオーラの術を使っても、触れた場所から精霊力が全く感じられなかったからだ。
「……ミナちゃんが言ってた精霊封じのトラップがかかっているのです。あたしたちだけじゃ危険なのですよ、これは」
岬は如何に冒険者現象によって人外の領域に達しているとはいえ後衛の魔法職である。
そして恋は鎌による近接戦闘も可能ではあるが、その能力は中衛から後衛に寄っている……
つまり、精霊封じが確実に仕掛けられていて、他の魔法封じが仕掛けられている可能性のある場所へ踏み込むのは大変危険であることを意味していた。
しかも今、岬はここまでの飛行で魔力を消耗している。
危険を承知で踏み込むにもリスクの高い状態であった。
「げーマジかよ!それじゃあここで待ってるしかないじゃん」
恋が地面に座って胡坐をかく。
「まぁ、ここまで来れただけでも御の字なのです。幸い、ここにはなにもないですし、休憩するには―――」
岬の言葉が途切れる。
「恋ちゃん立ってです!」「おうとも!」
二人は門から即座に離れ、50mは距離を取った。
門の向こうに巨大な気配を感じたからだ。
―――もちろんそれはミナたちのものではなく。
ギィィィィと金属が軋む音を上げて門が開いていく。
そこから現れたものは―――
『キシャァァァァァア!!!』
甲高い咆哮を上げて現れたは双頭の龍。
10mを超える巨体を見せつけるかのように威圧的に地面をズズンと揺らして闊歩する。
「ドラゴン……!?」
「虹の欠片の気配を感じるのです!アレが持っているはずなのですよ!」
岬は残り少ない力を振り絞って、ドラゴンへとステッキを向ける。
そして初手からアナン・レインボー・フラワーの詠唱を始めようとした―――が。
「夢と希望は悪しき心に歪められた―――その心、支配するものから解き放ち―――ぐぅっ!?」
岬は急激な疲労感を感じて、膝をついてしまった。
その額には脂汗が流れる。
「岬ちゃん!」
「ま、魔力切れ……なのです……そんな……こんなところで……!こ、このままでは……」
急激に意識が薄れていく。
精神力が尽き、一時的な昏睡に陥る前の兆候であった。
ここまでなのか、と岬が思った時、恋が岬の目の前に立って―――すなわち、ドラゴンとの間に立って鎌をかざす。
「ちょっと休んでてくれ!ここはあたいがなんとかする!」
「に、逃げるのです……だ、だめ……」
岬は彼女を止めようとするが、体がうまいように動かない。
そんな岬の肩を恋がつかんで、「逃げるなら一緒だぜ!?」と心配そうに見つめる。
ドラゴンはまだこちらを敵とみなしていないのか、今は唸りを上げて門の前に立ちはだかるのみだ。
アレが動き出す前に決着をつけなければならない。
岬に残された手段はもはやたった一つであった。
「ま、魔力を……魔力を借りるのですよ、恋ちゃん!」
岬は肩に置かれた恋の手に、自分の手を重ねる。
そして、再び詠唱を始めた。
「そっか!サンダーバードストライクと同じだな!?」
「そういう……ことなのです!行きますですよ―――!その心、支配するものから解き放ち給え!!」
―――サンダーバードストライクでは、おそらくあのドラゴンは倒せないだろう。
ダンジョンで出会った魔物たちでは、戦略兵器の魔王には遥かに劣るだろうが、それでも岬や空悟や倒してきた魔物たちよりも格段に強い気配に、岬はそう判断した。
ならば、もはや一か八かでアナン・レインボー・フラワーをぶつけ、虹の欠片を奪うしかできない。
これに失敗すれば手詰まりである。
相手がこちらを敵と認識していないうちに逃げるべきだとも思う。
だが、動き出せばおそらくは逃げきれない。
それならば前に進むのが、かつてのコンビニ店長のおばちゃんではない阿南岬のやるべきことだと彼女は思った。
「悪しきを、凶つを、魔に落つ前の姿へ。天の道を思い出させるのです―――!お眠りなさい!」
「「アナン・レインボー・フラワーッ!!!」」
虹の向日葵がくるくると回りながらドラゴンに衝突する。
『キァァァァァァァァ!!』
衝突した花は竜を飲み込み、飲み込まれた双頭のドラゴンは叫び、そして―――
岬の手に、虹の欠片が二つ落ちる。
別の場所でミナが回収した1個と合わせて、これで3つ。
アリアリジゴクは最初から配置されていたようなのでノーカウントだ。
クロキがばらまいた虹の欠片のすべてがここに戻ったことになる。
―――しかし。
「マジかよ……」
岬に吸われて魔力のほとんどを消耗した恋が、岬の肩を抱きながら膝をつく。
双頭の龍は―――力の源である虹の欠片を失いつつも、なお。
その首を一つにしてもなお、大きさを半分ほどにしてもなお、龍として存在していたのだ。
『ガオォオォォォォン!!』
龍は咆哮を上げて岬たちを睨む。
敵として認識したのだろう、ノシノシと地面を振るわせて近づいてくる。
「つ、詰んだのです……!ですが……!」
諦めるわけには行かない。
意識が飛び飛びになりながら、岬は杖を向ける。
門の中ではないなら、まだ精霊術も古代語魔法も使える。
残った、ほとんど搾りかすのような魔力で出来ることは何か考え……結論を出す。
「小さき灯りの子リンカちゃん!あたしの手に小さな灯火をちょうだいなのです。その灯火をまっすぐ前に飛ばしてほしいのですよ!!」
狐火が龍の眼に飛ぶ。
同じく、目つぶしをして少しでも時間を稼ごうと、恋が火か光かの呪文を唱えているのが途切れる意識の中で見えた。
―――まだ終われない。終わらない。
岬の脳裏にその言葉が閃き、最後の力で2つの虹の欠片を額にかざす。
それはいつも通りに彼女に吸い込まれて―――わずかに魔力を回復させ、その能力を向上させる。
―――後は立つだけだ。
「み、岬ちゃん……?」
「恋ちゃん……今のうちに……逃げるのですよ……あたしが……ここは―――!」
岬の瞳が桃色から金色に変わる。
ティアラの中心の宝石の色もまた、金色に染まり。
そして、翼も。
桃と黄のドレスは純白に彩られ、岬はしっかと大地を踏みしめる。
「―――これが児童向け番組なら、スポンサーがあまりにも玩具売れないから矢継ぎ早に新製品出してる感じですね!」
そんなメタなことを叫んで、岬はステッキをドラゴンへ向ける。
『ぐるるるる……』
そのステッキを視界に収め、ドラゴンは立ち止まって唸りだす。
まるでそれを警戒しているかのように。
対照的に岬は走り出した。
まるで剣のように構えられたステッキを打ち下ろさんと走る。
そのステッキは、いつの間にかギターのような形状になって光を放っていた。
「相手をぶん殴るにはギブソンよりフェンダーなのですよぉぉぉぉ!!」
「何ロックなこと言ってんだよ岬ちゃん!?」
恋が走り出した岬にそうツッコむが、彼女が止まることはない。
『ガァァァァァァァァ!!』
その殺気を感じたのか、ドラゴンは動き出し―――炎のブレスを吐いた!
ゴシュウウと空気を焼きながらブレスは放たれ、その吐息は岬を――― 一瞬で飲み込んだ。
「岬ちゃん!!」
恋が絶望の声を上げる―――しかし。
しかし、だ。
魔法少女なのだ。岬は。
この程度で倒れるだろうか。
焼き尽くされるのであろうか。
答えは―――否である。
「その炎から出でよ!炎を喰らい、鬼を狩るものよ!汝、大気を指と成せ!妙なる調べを鳴り響かせよ!!」
ギターのようだったそのステッキは、今やギターの意匠は一部を残すのみ。
岬のドレスは赤く染まり、瞳は緋色に輝く。
ドレスが一瞬炎をまとい、スカートの裾が焼き払われミニスカートに、腹部や腕部の布も同じように燃え尽きて肌が顕になる。
振りかぶったギターの意匠のついたステッキを振り抜くと、大気が爆ぜるようにギャンとギターの音が出た。
「マジカル・アナン!フレアスタイルなのです!!」
岬が高らかにそう叫んで―――ステッキを構える。
『ゴォォォォォッ!!』
ドラゴンは炎が効かないと理解するやいなや、その膂力でもって岬を叩き潰そうとする。
巨大な尻尾が岬の体を捉え―――だが―――岬はそれに吹き飛ばない。
相当に辛そうだが、ステッキで尻尾の攻撃に耐えてニヤリと笑う。
(保って後20秒――― 一気に決めるしかないのです!)
岬はステッキを脇に構え、集中する。
(集中しろ、集中しろ、集中しろ……!)
岬はステッキに集中して、魔力を送る。
魔力は収束し、そのギターの意匠に宿って金色の光を放った。
「調べよ踊れ!踊りて大気を切り刻み!大気を燃やし、心を燃やし、全てを焼き尽くせ!」
∞の文字を描くようにステッキを振ると、それはきっとどこかで聞いた音楽となって降り注ぐ。
音楽は魔力で編まれた楽譜となってドラゴンに巻き付き、拘束していった。
『グルォォォォ!?』
「喰らえ!アナン・マジカル・ヒートロック!!!」
そして岬は飛び上がり、ドラゴンの脳天へとステッキを振りかぶり―――
ステッキが叩き折れるほどの威力で、そのステッキはドラゴンの脳天に叩きつけられた。
『グァァァァァァァァァ!!!』
瞬間、ステッキはまるで壁でもぶん殴ったギターそのものであるかのように砕け散り―――炎となって爆裂した。
『ガァァァァァァァァァッッッ!?!?』
ドラゴンの頭が炎に包まれ、その炎をしてなお消せないほどの血しぶきがドラゴンから吹き出した。
「お返しなのです……!ざまーかんかんなのですよ……」
その言葉とともに岬の変身が完全に解けて、脳天から血を吹き出しながら燃えるドラゴンの近くにドサリと落ちる。
「も……無理……なのです……お、おのれマジカル飛行機……」
絞り出すような声で、眠気に耐えながら愚痴を吐く。
なんとか動く右腕で這ってでも逃げようとするが……
『ぐ、ォォォン……!』
龍の断末魔が聞こえる。
そして、その5mは下らない巨体が自分にめがけて倒れ墜ちてくるのがはっきりと見える。
―――恋が何かを叫んでいるようだが、もう耳には聞こえていなかった。
(あ、死ぬ……死んじゃう……)
意識が飛びそうになり、そして。
門から何かが飛び出すのが見えた。
「庚辰流奥義!雷電蹴ゥゥゥゥゥッ!!!」
それは紛れもなく、彼女の友であり師でもあるハイエルフの少女の姿。
紫電を纏って放たれた音速に近い速度の飛び蹴りが、岬に向かって倒れてくるドラゴンを文字通り一蹴して100mは吹き飛ばしていたのであった。
「み、な、ちゃ……」
意識があったのはそれまでだった。
どんな日常回が読みたいですか?
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メインキャラのエピソード
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サブキャラのエピソード
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敵キャラについての深掘り
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