小町の突然の告白に兄は驚いたような、呆然としたような、なんとも言えない顔でこちらを見つめていた。
小町の目もまた、真剣そのもので、まさに迫真の演技といったところだろう。
そして
八幡「…そうか」
それだけ言って自分の部屋に向かってしまった。
その顔は今まで見たことのない顔で、小町は背を向ける兄に声をかけることすらできなかった。
この発言が原因で小町達の"兄妹"という関係は変わってしまったのだろう。
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八幡「おはよう」
小町「うん、おはよう。もう朝ごはんできてるよ」
八幡「ああ」
妹に声をかけられ、兄は席に座り、箸を取る。
「「いただきます」」
食事が始まる合図がリビングに響く。
そして、黙々と食事は進んでいく。
聞こえるのは箸と皿のぶつかる音、みずみずしいレタスの咀嚼音、そしてテレビから流れてくる退屈なニュースだけ。
普通の家庭で育った人間は恐らく、この状況に違和感を抱くことはないであろう。
しかし、この兄妹にとってこれは異常と言わざるを得なかった。
幼い頃から両親が仕事で忙しく、どんな時も二人で過ごしてきたこの兄妹はとても仲がいい。
妹は兄を「シスコン」と罵ることがあるが、妹も相当なブラコンであることは明確だった。
隠しているつもりなのだろうが全く隠し切れていないほどに。
二人きりの誕生日に、二人きりのクリスマス。
二人きりのお正月に、なにより、二人きりの日常。
いつだって二人の時を過ごしてきた。
時に口を聞かなくなる様な喧嘩もするけれど、数日経てば元の仲のいい、仲の良すぎる位の兄妹に戻る。
そんな二人が何もなしに会話がないなど異常と言わざるを得なかった。
「ごちそうさま」
兄は一足先に食事を終え、自分の皿を洗い始める。
「ごちそうさま」
妹も朝食を終え、食器の片付けを行おうとする。
「あ、小町。洗ってるからそれ寄越せ」
「あ、うん」
兄は皿を受け取り、一緒に洗う。
妹は学校に向かう支度を済ませる。
「…よし、行くか」
兄は食器を洗い終え、すでに準備してあった鞄を手に取り、先に家を出ようとする。
「いってきます。小町、遅れるなよ」
「あ、うん。いってらっしゃい」
兄の後を追い、妹も準備が完了し、家を出る。
「行ってきます」
家の中に響く最低限の会話と生活音。
これが"通常"であり、この兄妹の"異常"なのだ。
事務的で、端的な会話しか無いこの朝を通常と感じる家庭は少なくないのではないだろうか。
家を出た妹の背中は、親からはぐれた子供の様に小さく見えた。
アニメ三期までもうちょいですね。
展開はわかっていても、あれを声優さんが演じるというのはやはりワクワクしますね。
ではまた。