バカとお酒とパチンカス 3浪と3留の物語 作:スピリタス3世
問 次の問いに答えなさい。
『 古文における動詞の活用形を全て答えなさい。 』
鷹狩龍之介の答え
『 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形 』
教師のコメント
正解です。古文における基本ですね。
島田美波の答え
『 現在形 過去形 過去分詞形 』
教師のコメント
それは英語です。
蕨屋敷爽の答え
『 V系 』
教師のコメント
それは音楽です。
坂本雄二の答え
『 処刑 』
教師のコメント
人を勝手に殺さないで下さい。
side 龍之介
学園長室に着いたとき、意外な人物がやってきた。
「あれ、アンタたちも学園長に用があるの?」
「その通〜り!」
さっき女子更衣室にいたのを見逃してくれた木下だ。本日二度目の遭遇ってわけだね!
「アタシが後に着いたから、先いいよ〜。」
「サンキュー!」
というわけで学園長室に先に入れてもらえることになった。さて、中で何か話してるぞ〜?
「……賞品の……として隠し……」
「……こそ……勝手に……如月グランドパークに……」
ここは少し待つ……
「これはチャンスだな。中に学園長がいるなら話は早い。突入だ。」
「「雄二、マジかよ⁉︎」」
「坂本、それはダメでしょ……」
「失礼しま〜す!」
ということで雄二の強引な行動のもと、俺たち3人は木下を置いて中に入ることになった。
「本当に失礼なガキどもだねえ。普通は入る前に返事を待つもんだよ。」
と、かなりのゴミみたいな態度で接してきたのは学園長ことババア。ちなみに俺の実のばあちゃんとかいう訳じゃないよ!
「やれやれ、とんだ来客ですね。これでは話は続けられません。まさか学園長、貴女の差し金ですか?」
「馬鹿を言わないでおくれ。どうしてこのアタシが負い目があるわけでもないのにそんなセコい手を使わなきゃいけないのさ。」
「それはどうだか。学園長は隠し事がお得意のようですから。」
「さっきから言ってるように隠し事なんてないね。アンタの見当違いだよ。」
「そうですか。それではこの場ではそういう事にしておきましょう。では失礼させて頂きます。」
そう言って失礼したのは教頭。こっちはジジイって呼ぶ程老けてないから呼び方に困るんだよね〜。ジジババコンビって名付けたいのに!まあそれはともかく、ババアと話をしに来たんだった!
「やぁやぁばあさん、久しぶりですね!酒の話でもしましょうか?」
「鷹狩の兄の方かい。アンタはまた懲りずに酒を持ってきてるそうだね。」
「当たり前ですよ!しかも俺はもう20歳なんで1年のときみたいに停学には出来ないですよ〜。」
「そりゃ困ったもんさね。アタシが校則を変えてやろうか。」
「それは酷いですよ!俺はただ飲み物を学校に持ってきてるだけなのに!それにちゃんと未成年には飲ませてませんから安心して下さい!」
「飲むのをやめる気はないんさね。」
「当たり前じゃないですか!これは成人の特権ですからね!」
実は1年の時にまだ19歳なのにもかかわらず何回かお酒を飲んでたのがバレてその度に期限つき停学処分をくらってるんだよね〜。その度にババアとは何度か会ってるからこうして顔見知りになったのさ。
「龍之介、学園長と知り合いだったのか。」
「まあね〜。みんなも何度か停学になれば嫌でも顔を覚えるよ!」
「停学ってそう何度もなるものじゃないけどね……」
逆になんでこの2人は停学になってないんだろう?俺は別に学校の物品を破壊するとかしてないのにね〜。ちょっと飲み物を間違っただけでアウトとか、全く酷い世の中だぜ!
「んでガキども。アンタらは何の用だい?」
「今日は学園長にお話があってきました。」
「アタシは今それどころじゃないんでね。学校の経営に関する事なら教頭の竹原に言いな。それとそっちの2人は面識もないんだしまずは名前を名乗るのが社会の礼儀ってモンだ。覚えておきな。」
いやお前も大概だけどね〜。まあ俺は当てはまってないみたいだしいいか〜。
「失礼しました。俺はこのアル中と同じ2年Fクラス代表の坂本雄二、そしてこっちが同じクラスの2年を代表するバカです。」
「おい雄二!俺はアル中じゃないぞ!」
「あと僕の名前もちゃんと言ってよ!」
「ほう、そうかい。アンタ達がFクラスの坂本と吉井かい。」
「ちょっと待って学園長!僕はまだ名前を言ってませんよ!」
バカで明久だと通じてるのが面白いよね〜w。さて、ババアはどうでるかな?
「気が変わったよ。話を聞いてやろうじゃないか。」
どこをどう気が変わったら話を聞く気になったんだ?
「ありがとうございます。」
「礼なんか言う暇があったらさっさと話しな、このウスノロ。」
「分かりました。本日はFクラスの設備について改善を要求しにきました。」
「そうかい。それは暇そうで羨ましいことだね。」
ババアの乱暴な言葉遣いは相変わらずだね〜。それにしても雄二がキレないって珍しいね〜。いつもだったらすぐにタメ口になってそうなのに。
「今のFクラスの教室はまるで学園長の脳味噌のように穴だらけで、隙間風が吹き込んでくるような酷い状態です。学園長のように戦国時代から生きながらえてる老いぼれならともかく、今の普通の高校生は健康に害を及ぼす可能性が高いと思われます。要するにボロい教室のせいで体を壊す生徒が出る前にさっさと直せクソババア、というわけです。」
前言撤回。いつもの雄二じゃないか!さてと、ババアの反応は……
「……ちょうどいいタイミングさね……」
どういうこと?タイミングとはなんぞや?
「よしよし、お前達の言いたいことはよく分かった。」
「え?それじゃあ直してもらえるんですね!」
「ばあさん、やっさし〜♪」
「却下だね。」
ブチ殺すぞ。でも俺は大人だからキレないぜ!
「雄二、このババアをコンクリに詰めて捨てて来よう。」
「明久、もう少し態度には気を遣え。」
「そうだよ〜!ちゃんと礼儀を弁えなきゃ!」
「全くこのバカが失礼しました。どうか理由をお聞かせ願えますかババア。」
「全くですね、教えて下さい、ババア!」
「ダメだね〜2人とも!ここは俺が大人の対応を見せてやるよ!」
「「龍之介‼︎」」
さて、俺は手元にあった水筒を取り出して……
「ばあさん、この2人がご迷惑をおかけしました!お詫びと言ってはなんですがこの水を飲みませんか?」
「感謝するよ、鷹狩。」
そう言ってババアはおもむろにポケットからライターを取り出して俺が渡した水に火をつけた。
「ところで、なんでこの水に火がついたんだい?」
「可燃性の水です!」
「水と称して酒を渡してくる奴のクラスの設備を改善するとでも?」
「黙れババア。」
「結局お前も一緒じゃないか。」
「さすが龍之介だね!」
クソ‼︎ババアに水と称してスピリタスを飲ませ、酔い潰す作戦が台無しになったじゃないか‼︎
「まあとにかく設備に差をつけるのはこの学園の教育方針だからね。ガタガタ抜かすんじゃないよ、なまっちょろいガキども。」
「それは困ります‼︎僕らはともかく身体の弱い子が……」
「といつもなら言ってるんだけどね。可愛い生徒の頼みだ。こちらの頼みも聞くなら相談に乗ってやろうじゃないか。」
なんかなんとかなりそう。それと頼みってなんだろう?
「ばあさん、俺たちは何をすればいいんですか?」
「清涼祭で行われる召喚大会は知ってるかい?」
「ええ、まあ。」
「じゃあその優勝商品は知ってるかい?」
「白金の腕輪と如月グランドパークのプレオープンプレミアムペアチケット×2組、ですよね?」
「その通りだね。」
「それに何か問題でも?」
「このペアチケットの方に問題があってね。出来れば回収したいのさ。」
腕輪じゃなくてペアチケットの方なんだね。開発した腕輪にバグがあったからとかなら分かるけどペアチケットにバグって意味分からないしね。それに……
「回収?それなら賞品に出さなければいいんじゃないっすか?」
「龍之介の言う通りですよね?わざわざ面倒なことをしなくてもいいと思いますが…。」
「けどね、教頭が進めた話とはいえ、如月グループとかわした正式な契約を今更覆すわけにはいかないんだよ。アタシが白金の腕輪の開発に手一杯だった上に最近になって悪い噂が出てきたのさ。」
悪い噂?ペアチケットでやってきた人を捕獲して他国に奴隷として密売するとか?そんなんじゃない限り大したことにはならないと思うんだけど……。まあいいか、聞いてみよう。
「それで、その悪い噂ってのは何ですか?」
「如月グループは如月グランドパークに一つのジンクスを作ろうとしてるのさ。ここを訪れたカップルは幸せになるってね!」
「それのどこが悪い噂なんですか?良い話じゃないですか?」
明久の言う通り、むしろ企業としては普通の話だよね〜。
「話は最後まで聞きな。それで如月グループはそのジンクスを作るためにプレミアムチケットを使ってやってきたカップルを結婚までコーディネートするつもりらしい。企業として多少強引な手を用いてもね。」
な〜んだ、それくらい普通じゃ……
「な、なんだと〜⁉︎」
「「どうしたの、雄二⁉︎」」
急に雄二が発狂した…ってあのことか!
「あ、なるほど!霧島雄二的には都合の悪い話だもんね〜w。」
「ぶっ殺すぞ龍之介!とにかくこれは大変なことなんだ‼︎どういうわけかうちの学園は美人揃いだし、試験召喚システムという話題性もたっぷりだからな!学生から結婚までいけば申し分ないし如月グループが目をつけるのも当然か‼︎」
「流石は神童と呼ばれていただけはあるね。頭の回転はまずまずじゃないか。」
こんなことで頭を使っても無駄だと思うけどね〜。
「ねえ龍之介、雄二には何があったの?」
「明久、アイツは何故か霧島と結婚したくないらしい。だから今こうしてうろたえているんだよ。」
「へ〜。雄二もバカだね〜。霧島さんと結婚できるなんて凄く幸せなことなのにね〜。」
「そうだよな!」
「うるせえぞ2人とも‼︎」
「「ごめんなちゃい♪」」
雄二にめちゃくちゃ強いイジリネタが出来て最高だよ‼︎あと明久、霧島と結婚出来ることを羨んだこと、美波と瑞希の前で暴露してやろっと!友達の面白いネタはとことん使う、それが俺のスタンスだからね!
「ま、そんなわけで本人の意思を無視して、うちの可愛い生徒の将来を決定しようって計画が気に入らないのさ。」
「なるほど、じゃあ俺たちが優勝してそれを手に入れるか、優勝者から譲ってもらうかすればいいんですね!」
「自力優勝だけ許可するよ。」
「クソが‼︎」
明らかに譲ってもらった方が楽なんだけどね〜。曲がりなりにも教育機関だから正攻法を好むのかな?そんなことを思ってたらさっきまでバグっていた雄二が正気に戻って口を開いた。
「分かりました、その話を引き受けましょう。ただしこちらからも提案がある。対戦表が決まったらその科目の指定を俺にやらせてもらいたい。」
「ふん、点数の水増しとか言ったら一蹴しようと思ったけど、それくらいなら協力してやるよ。」
「ありがとうございます。」
よし、提案が通った!あとは大会に出るのが2人だから……
「よし、そうと決まれば俺と雄二で参加しますね‼︎」
「申し訳ないが、吉井と坂本の2人でお願いするね。」
「は⁉︎なんでですか⁉︎俺がこのバカより相応しくないとでも言うのですか⁉︎」
「龍之介の発言は心外ですが、何故僕なんですか?」
だって勝ち上がることを目的としてたら点数の高い俺と雄二で組むのが妥当でしょ⁉︎
「それには理由があってね。召喚大会は準々決勝から多くの観客が観に来ることになってるのさ。」
「それなら俺は明久よりイケメンだから問題ないじゃないですか!」
「失礼な‼︎僕の方がイケメンだよ‼︎」
「どんぐりの背比べって知ってるか?」
「「ブチ殺すぞ、雄二。」」
全く、自分は彼女いるからって調子に乗りやがって!
「まあアンタ達の言う通り、鷹狩は顔に問題があるのさ。」
「スピリタスを飲ませましょうか?」
「落ち着け龍之介、これは事実だ。」
「仕方ないよね〜w」
コイツらまとめて酔い潰してやろうか?
「アンタはただでさえ20歳で普通の高校生よりも老けているのに、それに加えて老け顔だからね。観客からは教師が生徒の振りをして混ざってるように見えるのさ。もし誤解が解けたとしてもうちの学園が変な方向で話題になってしまうからね。それを避けたいのさ。」
「それでいて酒臭いですもんね〜。」
「アル中のおっさんが高校生やってるってだけでも面倒なことになりそうだしな。」
今まで居酒屋、雀荘、風俗で自分が老け顔であることを利用し、兄の名義を使って遊んできたツケが回ってきたのかな……。はっきり言ってとても泣きたい気分だよ……。
そんなことを思ってると、ババアがが会話を続けた。
「まあとにかく、引き受けたからには当然優勝できるんだろうね?」
ここは選ばれなかった俺からもエールを送ってやる‼︎
「2人とも、優勝しなかったら殺すよ?」
「当然だ。俺たちを誰だと思ってる?」
「絶対に優勝してみせますよ!そっちこそ約束を忘れないで下さいね!」
「それじゃボウズども、任せたよ。」
「俺からも頼んだぜ‼︎」
「「おうよ‼︎」」
そうして明久と雄二に任せてババア室を出ようとすると……
「鷹狩、清涼祭では治安維持の観点から酒の持ち込みを禁止することになったのさ。だから持ってくるんじゃないよ。」
死刑宣告をされた。こうなったら……
「分かりました。では俺は当日休ませていただきますぅぅぅ‼︎」 グギギギギ
「「来ないとブチ殺すぞ。」」
「はい……。」
こうして地獄の清涼祭当日を迎えることになった………。
ということでババアとの取引でした。龍之介がハブられた理由がかなり酷かったですね。可哀想に。
さて、次回からようやく清涼祭当日になります。酒禁止な上、老け顔のせいで召喚大会を不参加にさせられた龍之介は果たしてどうなってしまうのでしょうか。お楽しみに。