バカとお酒とパチンカス 3浪と3留の物語   作:スピリタス3世

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バカテスト 現代文

問 以下の意味を持つことわざを答えなさい。

『(1) 得意なことでも失敗してしまうこと 』
『(2) 悪いことがあった上に更に悪いことが起きる喩え 』


姫路瑞希の答え

『(1) 弘法も筆の誤り 』
『(2) 泣きっ面に蜂 』

教師のコメント

正解です。他にも(1)なら『河童の川流れ』や『猿も木から落ちる』、(2)なら『踏んだり蹴ったり』なら『弱り目に祟り目』などがありますね。


土屋康太の答え

『(1) 弘法の川流れ 』

教師のコメント

シュールな光景ですね。


鷹狩龍之介の答え

『(2) 二日酔いに重労働 』

教師のコメント

その辛さ、とても分かります。


吉井明久の答え

『(2) 泣きっ面蹴ったり 』

教師のコメント

君は鬼ですか。



第一章 第一次試召戦争
第一問   自己紹介(前編)


  side 龍之介

 

 俺がこの文月学園に3浪の末入学してから二度目の春が訪れた。まあ3浪といっても中学卒業後は兄の名義で雀荘、居酒屋、風俗巡りをしてただけなんだけどね。そうしたら親に高校行かないと家追い出すって脅されて仕方なく受験した感じなのさ!

 

 そしてなんといっても、春休み中に20歳になったおかげで今日からは学校で合法的に酒が飲めるぜ‼︎今までは陰でコソコソと飲むしかなかったからね!バレて期限付きの停学になったこともあったけど今日からは気にせずに飲めるぜ‼︎いやっふぉぉぉぉ〜‼︎

 

 水筒にビールを入れた俺はスキップをしながら校門をくぐると、ある男に声をかけられた。

 

「おい鷹狩。」

 

 コイツの名前は西村先生こと鉄人。190cm並みの高身長にムキムキの身体。そしておまけに堅物。まさに鉄のような男だ。だから俺はこう呼んでるんだよね。

 

「ああ鉄人か!おはようございます!」

「鉄人じゃなくて西村先生と呼べ。」

「すいませんね〜w」

「お前には特別指導が必要なようだな。」

「そんな!酷いですよ!」

 

 せっかくぴったりなあだ名をつけてやったのにな〜。

 

「まあいい。そんなお前にプレゼントだ。受け取れ。」

「Wow!」

 

 賄賂だったりして〜。そう思って封筒を開けると、中には紙が入っていた。

 

 

鷹狩龍之介 Fクラス

 

 

 でしょうね。クラス決めの振り分け試験休んだんだし。

 

「一応言っておくが一番上がAクラスで一番下がFクラスだぞ。」

「分かってますよ〜!俺体調不良で休みだったんで‼︎」

「一応聞いておくがどんな体調不良だ?お前はAクラスに行けるレベルだったはずだぞ。」

「なんか頭が痛くて〜、嘔吐が止まらなくて〜、胃が変な感じでした‼︎」

 

 試験前日に大学に通う中学の頃の友達と飲んでたからね‼︎仕方ないよね‼︎

 

「鷹狩、今だから言うがな、俺はお前を去年一年見て、もしかすると鷹狩はアル中なんじゃないかと疑っていたんだ。」

「それは大きな間違いですね‼︎今に鉄人から節穴ってあだ名にされますよ♪」

「あぁ。試験の欠席理由を聞いて先生は自分の間違いに気が付いたよ。」

「そう言ってもらえると嬉しいです♪」

 

 良かった〜。あの堅物もやっと自分の間違いに気づいたんだね‼︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「喜べ鷹狩、お前への疑いはなくなった。お前はただのアル中だ。」

「そんな〜‼︎」

 

 一言も二日酔いって言ってないのに‼︎これはあんまりだよ‼︎てかその時はまだ19歳だからちょっとまずくね?でも証拠は残してないから大丈夫でしょ!

 

 

 さて、今年から設備がクラスごとに変わるんだよね〜。俺が二日酔いじゃなければ入る予定だったAクラスでも確認しておくか〜。

 

 ってめちゃくちゃ広くね⁉︎パッと見た感じ普通の教室6個分あるよ‼︎更にはバカでかいディスプレイに個人用ノートパソコンとリクライニングシートもあるのかよ!それにちらっと冷蔵庫も見えるし…。おまけに高級ホテルのロビーみたいな内装…。ずるすぎるよ‼︎マジで二日酔いにならなければ良かったな〜。でもしょうがないよ!これはお酒が悪いんだからね♪

 

 

 さて、自分のクラスにでも行くか〜。最底辺はどんな設備なのかな〜。そう思って扉を開けると、そこには地獄が広がっていた。

 

 腐った畳にボロいちゃぶ台と綿が入ってるのか分からないような座布団。窓ガラスもボロボロでカーテンもない。そしておまけに教室の端っこの方には蜘蛛の巣まである。こんな汚い場所見たことがないぞ。居酒屋や安い雀荘の方がもっと綺麗だったね‼︎これじゃあせっかく持ってきたビールが台無しじゃん‼︎

 

 

 そんなことを思いながら適当な席に着くと、教壇の前に立ってる男が口を開いた。

 

「あれ、龍之介じゃないか。お前勉強『だけ』は出来るんじゃなかったのか。」

 

 そう言って俺をバカにしてきたのが俺の悪友、坂本雄二。昔はどうやら超強い不良だったらしいよ〜。

 

「振り分け試験を二日酔いで休んだのさ‼︎」

「相変わらずのアル中だな。そろそろ捕まれよ。」

「無駄だね雄二!なんせ俺はもう20歳だからね‼︎校則で持ってくる飲み物を自由にしている以上、これからは自由に飲ませてもらうよ!」

「他のやつらに飲ませるなよ。」

「それは分かってるさ!」

 

 まあ未成年に飲ませると流石に捕まるからね〜。あと3年は俺だけの楽しみにさせて貰おう!

 

「………酒臭い。」

「ごめんねムッツリーニ!あとで風俗の情報あげるから許して‼︎」

「………許す。」

 

 こいつは俺の悪友その2、土屋康太ことムッツリーニだ。エロについてはとても真摯な男で、いつも俺が行ってきた風俗の情報をあげる代わりに女子更衣室とかを盗撮した映像を見せてくれるんだよね!一応本人はエロに興味はないって言ってるからこんなあだ名になってるよ。

 

「あ、鷹狩だ!はろはろ〜!今年もよろしくね〜。」

「げっ‼︎島田かよ⁉︎」

「なんかウチに文句でもあんの?」

「胸小さすぎない?」

「死にたいようね!」

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 そう言っていつも暴力を振るってくるのがドイツからの帰国子女、島田美波。顔は可愛くてスタイルもいいのになんか勿体ない女なんだよね〜。

 

「ああ、お主もここのクラスじゃったか!」

「お、秀吉じゃん!相変わらず可愛いね〜。なんで男装してるの?」

「ワシは男じゃ‼︎」

 

 そう言ってきたのは俺たち2年生のアイドル、木下秀吉!めちゃくちゃ可愛い演劇部の女の子だ!戸籍上は男らしいけどね。あと双子の姉がAクラスにいるらしい。

 

「おい貴様。私の計算が正しければ貴様はAクラスのはずだ。それなのに何故ここにいる。」

 

 そう言ってきたのはまさかの中学の頃の同級生、蕨屋敷爽。頭が良さそうなフリをしてるけど、本当はただのパチンカスなんだよね〜。成績も悪いし。

 

「うわ!でたクズ‼︎さっき二日酔いで振り分け試験休んだって言ったじゃん!それよりお前こそなんで進級していないんだよ‼︎去年も2年生だっただろ!」

「私の計算が少し狂ってしまってね。出席日数と成績が少し足りなかったのだよ。」

「お前の計算いつも狂ってるよな!あとお前はパチスロをやってたから出席日数足りなくなったんでしょ!」

「私の研究によると、人類にはどうしても学校を休まなければならない時が3つあることが判明している。1つ目は自身や親戚の体調不良、2つ目は自然災害の発生、そして3つ目は設定6の台を見つけたとき、つまりはパチスロで当たる確率の高い台に座ってしまったときだ。」

「相変わらずのクズっぷりだね、爽‼︎」

 

 ちなみにコイツは現役で文月学園に入学している。だから今は3留だ。文月学園は最大で6年しかいられないから、もうあとがないんだよね〜。

 

「爽兄!まさかお主と同級生になるとは思ってなかったぞい!」

「き、貴様は!秀吉じゃないか!私よりも3歳年下だから中学2年生のはずでは⁉︎私の計算が間違ってたのか⁉︎」

「お前が留年しすぎなんだよ‼︎てか秀吉とどういう関係なんだよ!」

「浪人しすぎている貴様に言われたくない!秀吉とはただの幼馴染みだ。何も気にすることはない。」

「爽兄とは家が隣じゃからの!ずっと仲良くしておるのじゃ!」

 

 クソ‼︎秀吉と幼馴染みとか羨ましすぎるぞ‼︎お前ただのクズのくせに‼︎

 

 

 そんなことを思いながら水筒に入ったビールを飲んでいると、1人が遅れて入ってきた。

 

「すいません♪ちょっと遅れちゃいました♪」

 

 そう言って入ってきたのは学年逆主席、吉井明久だ。成績もさることながら入学式の時にセーラー服で登校したりと色んな意味でバカな奴なんだよね〜。

 

「早く座れこの蛆虫野郎‼︎」

「あ、バカじゃん♪」

「ちょっと2人とも酷くない⁉︎あと雄二は何やってるの?龍之介はなんでここにいるの?」

「俺はFクラスの最高成績者で代表だからな。先生の代わりにここに立っている。今日からお前らは俺の奴隷だ。」

「俺は二日酔いで試験を休んだんのさ!」

「流石だね二人とも…。」

 

 そして何よりコイツには知らせなければいけないことがある。

 

「ねえ明久、お前にとっておきの情報があるよ!」

「何龍之介?お酒の話はやめてよね。」

「あの島田美波がいるのさ。」

「それ本当⁉︎また虐められるじゃん!」

「あ、アキもいるの?ダブルサンドバッグじゃん‼︎やった〜♪」

「「頼むから死んでくれ。」」

 

 俺と明久は2人そろって島田に虐められてるんだよね〜。まあ俺たちも胸ないのとかバカにしてるからお互い様なんだけどね〜。

 

 

 そんなことを思ってるとやっと担任が入ってきた。

 

「おはようございます。2年Fクラス担任の……」

 

 ってチョークないんかい‼︎酷いねこの教室!まるで廃墟だよ!

 

「……福原慎です。よろしくお願いします。まずは設備の確認をします。」

「先生、俺の座布団、綿が……」

「我慢してください。」

「俺のちゃぶ台の脚が……」

「ボンドをあげるので自力で直してください。」

「先生、窓が割れてて寒いんですけど!」

「分かりました。ビニール袋とセロハンテープの申請をしておきましょう。」

 

 いや酷すぎない⁉︎何この対応⁉︎Aクラスとは雲泥の差だね‼︎

 

「それでは自己紹介をして下さい。」

 

 という感じで自己紹介が始まった。ていうか今更だけどこの教室男多すぎない?島田と秀吉しか女の子がいないんだけど!そんなことを思っているとまさかの別の女の子が入ってきた。

 

「あの、遅れてすいません…。」

「ではちょうど良いタイミングなので自己紹介をお願いします。」

「あの、姫路瑞希といいます。よろしくお願いします……」

 

 正直言ってめちゃくちゃ可愛い!でもコイツ確か……

 

「姫路だっけか?俺から質問があるから聞いてくれない?」

「あっ、はい!なんでしょう?」

「自分で言うのもなんだけど、俺より成績いいお前がなんでここにいるの?学年順位一桁くらいだよね?」

「えっと、試験の最中に高熱を出してしまいまして…」

 

 途中退席して振り分け試験0点ってことね!

 

「じゃあ体調不良で休んだ俺と同じようなもんだね!」

「貴様はただの二日酔いであろう。」

 

 いや二日酔いも高熱も一緒だからね‼︎姫路には厳しいけど体調管理出来なかった自己責任だからね!クソ‼︎俺もこの世に酒さえなければ‼︎

 

「俺も熱(の問題)が出たせいでFクラスに……」

「あぁ物理だろ?あれは難しかったな。」

「俺は弟が事故にあったときいて…」

「黙れ一人っ子。」

「前の晩彼女が寝かせてくれなくて…」

「今年一番の大ウソをありがとう!」

 

 最底辺クラスともあって俺みたいなろくでなしがいっぱいいるね〜。なんか安心したよ!って隣の明久がなんか言ってるぞ?

 

「姫路さん、やっぱり可愛いな〜。」

「何お前、姫路のことが好きなの〜?」

「ちょっと龍之介、変なこと言わないでよ!」

 

 なるほどね〜。明久はああいう子がタイプなのね〜。そんなことを思ってると当の姫路が俺と明久の近くに座った。

 

「あの……」

「よう姫路!俺は鷹狩龍之介!同じ体調不良同士仲良くしようぜ!」

「よ、よろしくお願いします!」

 

 明久が話しかけようとしてたけど遮ってみたよ〜。震えながら下唇を噛んでるのが面白いね〜。

 

「ってあれ?吉井君⁉︎」

「あ、姫路さん、よ、よろしくね〜。」

 

 ちょっと待て!コイツら知り合いなの⁉︎

 

「ねえ2人の関係を教えてくれな〜い?」

「小学生の頃から一緒なんです。」

「このクラス幼馴染み多いな!」

 

 全く、こんな可愛い子と幼馴染みなんて、けしからん‼︎

 

「はいはいそこ、静かに…」パンパン

 

 そう言って担任が教卓を叩くと、教卓がぶっ壊れた……。

 

「替えを用意してきます。」

 

 と言って担任が出て行ってしまった……。マジで最悪だね、この教室。こんなんじゃあ美味しく酒も飲めないよ!そんなことを思ってると明久から声をかけられた。

 

「雄二、龍之介、ちょっといい?」

 

 

 こうして俺と雄二は廊下で明久の話を聞くことになった。

 

「この教室って想像以上に酷いよね!」

「これじゃあ酒がまずくなるよね〜。」

「Aクラスとの差が酷いよな。」

「そこで僕からの提案!せっかく2年生になったんだし、試召戦争をやってみない?」

「戦争…だと?」

 

 なんか雄二が噛みついたぞ?

 

「うん、しかもAクラス相手に…」

「何が目的だ?」

「いや、だってあまりにも酷い設備だしさ〜。」

 

 明久がこんなことを言うなんて珍しいね〜。

 

「明久って勉強に興味がないから設備にも無関心だと思ったのに〜。」

「そ、そんなことないよ!興味がなければこんな学校には……」

「あれれ〜?試験校故の学費の安さで選んだんじゃなかったの〜?」

「姫路のためか?」

「別にそんなわけじゃ!」

 

 雄二が核心をついたみたい。明久のこういう誰かのために頑張ろうとするところは結構気に入ってるよ!

 

「気にするな。俺もAクラス相手に試召戦争をやろうと思っていたところだ。世の中学力が全てじゃないって、そんな証明をしてみたくてな。それにAクラスに勝つための秘策も思いついた。」

 

 秘策をもう思いついたのか!コイツの頭の回転の速さは相変わらずだね〜。

 

「俺も綺麗な教室で酒が飲みたいしね〜。」

「「お前は自業自得だろ。」」

「酷いよ2人とも〜‼︎年上に対する態度がなってないぞ!」

「「黙れ老害。」」

「麻雀で金を搾り取るぞ。」

「「いや、やり方知らんし。」」

 

 全く!なんで俺に対する扱いがこんなに酷いのさ!俺だってちゃんとした理由があるのに〜。まあ俺も普段から2人のことを雑に扱ってるからお互い様だけどね〜。

 そんなことを思いながら俺は雄二、明久と教室に戻った。




 というわけでアル中高校生、鷹狩龍之介(20)の物語の始まりです!いろいろアウトローで雑なところはあるかもしれませんが、よろしくお願いします!

 あと美波と明久のお互いの呼び方ですが、既にこの時点で美波⇔アキに変わっています。
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