バカとお酒とパチンカス 3浪と3留の物語 作:スピリタス3世
問 次の問題に答えなさい。
『 1603年に江戸幕府を開いた人物を答えなさい。 』
鷹狩龍之介の答え
『 徳川家康 』
教師のコメント
正解です。ちなみに旧姓は松平元康ですね。
土屋康太の答え
『 豊臣秀吉 』
教師のコメント
不正解です。豊臣秀吉は天下を統一しましたが江戸幕府は開いていません。その前に亡くなりましたね。
蕨屋敷爽、島田美波の答え
『 木下秀吉 』
教師のコメント
木下君は何歳なんですか?
side 龍之介
教室に戻ると、瑞希が大慌てで俺たちのところに駆け込んできた。
「大変です‼︎木下君が私たちを庇って不良7人に誘拐されました‼︎」
なんだって⁉︎さっきの明久と美波を襲った不良達といい、度が過ぎないか⁉︎
「姫路、状況を詳しく説明してくれ。」
「いきなり不良7人が教室に入ってきて私、美波ちゃん、葉月ちゃんの3人を誘拐しようとしたんです…。」
「そしたら木下が途中で帰ってきてソイツらに、拐うなら自分一人にしてくれ、その代わり他の人には手を出さないでくれ、って言ったのよ。」
「あの可愛いお姉ちゃんがワシに任せて、って言ってたのですぅ!」
「ウチが喧嘩でなんとか出来れば良かったのに……」
「美波、7人相手は無理だよ!」
明久の言う通り、7人相手に1人で挑むのは無理だ。さて、どうしたものか……。そんなことを思ってると雄二が口を開いた。
「妨害工作の一種だ。俺や明久とやり合っても勝ち目がないと考えたからこう来たのか。」
「どういうことだよ雄二!」
「落ち着け明久。これは予想の範疇だ。もう一度俺たちに直接攻撃してくるか喫茶店にちょっかいを出してくるか。そのどちらかで妨害工作を仕掛けてくるのは予想できたからな。」
妨害工作………まさか!
「雄二、常夏コンビと明久や美波を襲った不良達が繋がってるってこと?」
「俺の予想が正しければな。いくつか引っかかる点もあるしな。」
引っかかる点……、何度も起きた妨害工作……、ん?何度も?そういえば不自然なくらいに何度も会った人がいたような……。
「ねえ雄二、それに教頭も入ってる?」
「そうだな。妨害工作が起きた現場には毎回居合わせていたからな。」
「やっぱりね。アイツがこんなイベントを好むはずがないもん。しかも1日にそう何度も同じ人を見ることなんてなかなかないしね。」
「全くだな。今回の件も姫路達に危害を加えて召喚大会どころではなくするつもりなんだろう。」
となると、ババア&俺&雄二&明久vs教頭&常夏コンビ&不良っていうわけね。さてと、やることは一つだ!秀吉の………
「お主ら、何をやっておるのじゃ?」
あれ?秀吉が戻ってきたぞ?
「秀吉‼︎無事だったんだね!」
「助かった。秀吉、お前のおかげだ。クラスを守ってくれてありがとう。」
「木下君、ありがとうございます!」
「木下、本当に感謝するわ!そして無事で何よりよ!」
「お姉ちゃん、ありがとなのですぅ!」
「しかも無傷だし、良かったよ‼︎」
「な、なんのことかよう分からんのじゃ?」
「ほらほら〜、誤魔化さなくていいから〜。」
秀吉ってあまり成功体験をひけらかす人じゃないからね。こんな時でも平常を装っているのは流石だね!
更にはムッツリーニと爽が帰ってきた。
「何があったんだ貴様ら。私に教えろ。」
「………なんでみんな喜んでるんだ?」
「秀吉が瑞希達を庇って不良7人に誘拐されたんだけど戻ってきたんだよ!」
「………意外な強さ!」
「私の計算が正しければ秀吉はメンタルが強いからな。不良共にも屈しなかったのだろう。」
良かった〜!これで万事解決だね!さてと、そろそろ閉店だし酒でも飲み………
「ちょっとお主ら、何を言っておるのじゃ!ワシは不良など相手にしておらぬ!」
「でも木下はさっきウチらを庇ってくれたじゃない?」
「いや、本当にそんなことをした覚えはないのじゃ!そもそもワシはお手洗いに行ってたのじゃ!」
え?どういうこと?記憶喪失………ではないような。
「秀吉、それは本当か?」
「本当なのじゃ!」
「記憶喪失………」
「してないのじゃ!」
じゃあ拐われたのは姉の方?でもそれだと引っかかる点が多い。そもそも木下はこの件を知っていたのか?知っていたとして、なんでわざわざ秀吉のフリをしてまで拐われたのか?意味が分からな過ぎる。そんなことをしたら本物の秀吉が帰ってきて誘拐が解決したと勘違いされ、一生助からないかもしれないのに。雄二も同じことを思っていたらしく俺の代わりに口を開いた。
「じゃあ拐われたのは秀吉のフリをした姉の方か?」
「そうじゃ……ん、姉上からメールが来ておる!2分前……このクラスのクレープ屋美味しいって自撮りしておる。」
「私にもだ。」
じゃあ木下姉でも無さそう……。となると隠し子?木下姉妹は実は三つ子で……とか?
「じゃあ一体拐われたのは誰なんだ?姫路達、本当に秀吉が拐われたのか?疲れてただけなんじゃないのか?」
「本当なんです!クラスの皆さんも見てましたよね⁉︎」
「「「「うん……」」」」
一体何が起きてるんだろう?そんなことを思ってると、葉月ちゃんが口を開いた。
「ところで、お姉ちゃんはまた普通のお洋服からチャイナドレスに着替えたんですねっ!」
「何を言うておる。ワシはしばらく………」
「すまない。私は用事を思い出した。これにて失礼する。」
「ん、そういうことじゃったか。それならワシもじゃな。」
突然爽と秀吉が帰ってしまった。こんな時にこの2人はタイミングが悪いなぁ。そんなこと思っていると………
「………誘拐された子の居場所を特定した。………カラオケ屋の盗撮機から。………しかも秀吉の声が聞こえる。」
何だと⁉︎それじゃあ囚われたのはやっぱり秀吉の真似をした木下か!俺たちのために自爆しようとしたんだな‼︎そんな恩を売られちゃあ仇では返せないよなぁ‼︎
「爽!秀吉!俺も混ぜろよ‼︎」
「………俺も行く。」
「僕も助けに行くよ!」
「おいおい、喧嘩と言ったらまず俺だろ?」
「貴様ら……」
「そうと決まれば姉上を助けに行くぞい!」
「じゃあウチらも……」
「姫路、島田姉妹は他のクラスの連中と喫茶店に残っていてくれ!閉店時間ギリギリまで稼ぐんだ!」
「「「了解‼︎」」」
こうして男6人による木下の救出大作戦が始まった。
side 優子
学園長室での学園長と教頭先生の不穏なやりとり。その後の学園長と坂本達との優勝賞品を回収して欲しいとのやりとり。そしてそれを何らかの手段で知った教頭先生が坂本達を妨害。だからクラスに何度もあのクレーマー達と教頭先生が来たり、吉井達が不良に襲われた時も教頭先生がいたりしたのね。しかも恐らくこれは全て教頭先生の指示。優勝賞品のどちらかに不備があってそれを利用して学園長を失脚させるつもりなのね。
しかも坂本達がここまで勝ち残った以上、何らかの妨害をしてくるのは予想できたわ。そして実際にしてきた妨害はウェイトレスの誘拐。ウェイトレスに危害を加えて召喚大会そのものを潰すつもりなんでしょ?でもそうはさせないわ!自分の目的のために生徒を傷つけるような貴方が新学園長になるのは絶対に許さないからね!
「お主ら、拐うならワシにせい!その代わり他の者には手を出すでないぞ!」
「おお、この嬢ちゃんいい度胸してるじゃねえか!」
アタシが秀吉のフリをして拐われる!こうすることで本物の秀吉が帰ってきた時に何事もなかったと思わせることが出来る。そうすれば無事に召喚大会は行われるわ!でもアタシだとバレちゃうのはマズいから保険を打っておかなきゃね!
「姫路、島田よ、ここはワシに任せるのじゃ!上手くやってみせるぞい!」
「木下君、大丈夫なんですか……」
「アンタ、無理しなくていいのよ……」
「可愛いお姉ちゃん………」
「大丈夫じゃ!すぐに戻ってくるぞい!」
こうしておけば秀吉がすぐに戻ってくることで辻褄が合う!あとはもし爽兄と秀吉本人に気付かれた場合についてなんだけど、それについては拐われた後で………
「おいテメェ!携帯を使って助けを呼ぶつもりか!」
「違うの。送るのはこの文章じゃ。」
「な〜んだ。それならいい。」
アタシ自身にアリバイを作っておく。元々Fクラスに来る前に別のクラスのクレープ屋で自撮りをしていたからね!それを使えば爽兄達もアタシが拐われたとは思わないはず。更には坂本達が傷つくこともないはずよ。
あと、元々寒いから下にTシャツと短パンを着てたのが助かったわ!私服姿でいれば文月の生徒に何かあったと思われないはず!メイド服を脱ぐのにちょっと時間がかかっちゃったけど、間に合ったからセーフよ!
教頭先生、残念ながら貴方の作戦は失敗よ!アタシをいくら虐めても何の意味もないんだからね!
でもここでアタシはめちゃくちゃにされるんだろうなぁ………。避妊薬は一応さっき買って飲んだけど………。怖いよ……どうなっちゃうの………助けてよ、爽兄………。怖い………って思ってる場合じゃないわ!いつまで爽兄に頼るつもりなのよ!怖がるのももうやめ!ちゃんと自分の役割を全うするんだから!
side 爽
優子、お前はいつだってそうだ。自分のことを度外視して他人のために頑張れる女だ。自分のことしか考えられない私とは天と地ほど違う。名前の通り優しい女だ。だからそんな優子のことを踏みにじる奴は誰であろうと許さない。絶対に許さない。
side 秀吉
姉上……。いつもお主は人のために頑張りおる。ワシはそんな姉上にいつも助かられておったのぅ。じゃから今度はワシが助ける番じゃ!
side 龍之介
雄二の指示の下、木下の救出作戦が始まった。ちなみに作戦はこんな感じさ。
①ムッツリーニと俺が店員のフリをして灰皿とマイクを持って侵入する。
②秀吉が酔った女の子のフリをして入り不良達の視線を集める。
③その隙に爽がゴムパチンコで不良の股間にパチンコ玉をぶつけまくる。
④その後で明久と雄二が乱入。先に入っていた俺、ムッツリーニ、秀吉と共に暴れまくる。
⑤気絶した不良達に俺が新世界の扉を開かせる代物を置いていく。
ちなみに万が一のことを考えてお酒で潰す作戦は中止になっている。人質である木下の口に入ったらマズいからね。
さて、まずは俺とムッツリーニの出番だ!
「………灰皿をお取り替えします。」
「新品のマイクで〜す。古い物と交換しに来ました〜。」
「おう。でこのネーチャンと早くヤッちまおうぜ!」
「そうだな‼︎」
とりあえずマイクを交換して店の奥の方に侵入。木下とも一応アイコンタクトを取っておいた。まあ頭のいいコイツなら察してくれるでしょ!そして次に入ってきたのは………
「え〜、ここどこ〜?ミキとネネはどこ行ったの〜?」
「おい、なんかもう一人可愛いネーチャンが入ってきたぞ!」
「コイツもヤッちゃおうぜ!」
「わ〜、お兄さん達、ステキね♪もしかしてアタシと遊びたいの〜?」
秀吉だ!姉を救うための色仕掛け!不良達は完全に釘付けだ!そして舞台は整った。後はアイツのお出ましだ!ヒロインを救いに来るのは、やっぱりヒーローだよなぁ‼︎
「私は優子に危害を加える者には、容赦はしないと決めている‼︎」
行け‼︎俺の悪友よ‼︎不良達に目に物を見せてやれ!
「なんだて……ぎゃぁぁぁぁ‼︎」
「なんてことしやがるぅぅぅ‼︎」
「「「「「ぎゃぁぁぁぁ‼︎」」」」」
一気に不良達の股間にパチンコ玉をぶつけまくる!全弾命中だ!とんでもねえコントロールだぜ!そして援軍でやってきたのは……
「死に腐れぇぇぇぇ‼︎」
「丁度いいストレス発散の道具があるじゃねえか!生まれてきた事を後悔させてやるぜ!」
明久と雄二だ!明久はともかく、元々強い上に霧島に追い詰められてストレスが溜まった雄二の相手をするなんてアイツらも可哀想だよね♪
「クソ!坂本まで来てたのか⁉︎でもよぅ、お前ら大人しくしてろよな?コイツがどうなってもいいのかぁ⁉︎」
木下を人質に取った。これじゃあ雄二達はうかつには動けない。でもね……
「いいか?大人しくしてろよ。さもないとヒデェ傷を……」
「………負うのは」
「お前だ‼︎」 ドゴォ‼︎
「アガァッ‼︎」 バタン
俺とムッツリーニによるマイク&灰皿の攻撃‼︎有言実行させてあげたんだから感謝しろよな‼︎
「さあさあ、ひと暴れさせてもらうぜ‼︎」
「「「「おう‼︎」」」」
こうして雄二の乱暴タイムに俺たちも加わることになった。まあ俺は喧嘩弱いから端っこでちょっと加勢するだけなんだけどね。
side 優子
どうして……。なんで……。なんで貴方はいつもアタシが弱ってるときに助けに来てくれるの……。
「優子、遅くなってすまない。」
「爽兄…………」
「私の計算が正しければ貴様はこうするはずだ。」
「そんな………。い、いつもごめんなさい……」
「何故謝る。私には理解できない。」
「うう…………」
「とにかく帰るぞ。明日も頑張らないとな。」
「う、うん!あ、ありがとね!」
ありがとう爽兄……。こんなアタシのことを助けてくれて……。
side 明久
不良達を気絶させた後、龍之介が何やら謎の紙をアイツらのそばに人数分置いていった。なんなのかがよく分からなかったので学園に戻る途中で聞いてみた。
「ねえ龍之介、あの紙はなんなの?」
「明久も欲しいのか?ほら、これだよ!」
そうして紙を見てみると………
・超高収入月額50万も間違いなし!
・重労働はありません!楽しい仕事です!
・是非皆さんもここで働いてみて下さい!
と、すごく羨ましい言葉と事務所の地図が書かれていた。場所を調べてみたけど普通のビルみたい。でもそれじゃあ……
「ねえ龍之介、これじゃあ木下さんを虐めた不良達が喜んじゃうじゃん‼︎」
「いや、俺はいい奴だからさ〜。気絶したお詫びにと思ってね〜。アイツらは多分金目当てで教頭の言いなりになったからね。だから俺がもっと効率のいい働き方を教えてやるのさ!」
「龍之介!貴様どういうつもりだ‼︎」
「爽、そう怒るなって!作戦会議で言った通りだよ〜。俺はアイツらに新世界の扉を開かせてやるのさ‼︎」
そういえばそんなことも言ってたね。でもそれってどういう意味なんだろう?そう思っていると雄二が口を開いた。
「ちなみに、その事務所は何の仕事をしているんだ?調べても何も出てこないんだが。」
「簡単に言うと………」
ん?なんだろう?
「ウリ専、いわゆるゲイ専用風俗さ!兄貴達がよく通っている店の事務所だよ。そしてアイツらにはここでボーイとして働いてもらうつもりだよ‼︎俺はアイツらの性癖に関する新世界の扉を開かせてあげるのさ‼︎」
えげつな⁉︎それ新世界の扉だけじゃなくてお尻の扉も開いちゃうよね⁉︎というかよくよく考えたら外道の極みみたいなコイツが優しいことをするはずがなかったね!全く、復讐の仕方が怖すぎるよ‼︎
「お前は相変わらずだな。」
「同じ外道の雄二には言われたくないよ〜。」
「何を言ってるんだ。俺は単に他人の誠意に応えているだけだ。」
「それは俺もだよ〜。」
いや、2人とも随分外道だと思うよ。今後はこの2人への扱いに気をつけよう……。そんなことを思いながら僕たちは学園に戻った。
ということで人質になったのは秀吉ではなく優子でした。ムッツリーニの助言がなくとも気付く爽と秀吉は流石でしたね。
さて、次はババアとの会議からの決勝戦です。お楽しみに。