比企谷八幡はボーダーに入っている   作:チャキ

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どうもチャキです!第22話どうぞ!


第22話

八幡side

 

翌日オレは5時過ぎに起きた。いつも早朝トレーニングをしているからか、この時間に起きるのが習慣になったのだろう。横を見るとみんなまだ寝ている。いや、1人いないやつがいるな。多分外にいるだろう。夏だと言っても朝の山中はかなり寒いからな、オレは厚手のジャージを手に取り足音を殺しながら外に出る。これぐらいなら隠密行動訓練で1位を取ったことのあるオレには朝飯前だ。外に出たオレは持ってきたジャージを羽織り深呼吸する。

 

八幡「スゥー…ハァ〜」

 

山の空気はおいしいとは言うけど、少し分かるかもしれない。

 

奈良坂「お、八幡か」

 

八幡「やっぱり透か。早いな」

 

奈良坂「八幡もな」

 

八幡「オレは習慣になってるからな」

 

透も厚手のジャージを着ている。ホントなんでも似合うなこいつ。

 

奈良坂「まだ続けてるんだな、朝のトレーニング」

 

八幡「当たり前だ」

 

奈良坂「もうすっかりやめてるのかと思った」

 

八幡「おい」

 

奈良坂「冗談だ」

 

八幡「まったく…」

 

奈良坂「それであの子はやっぱりボーダーに入れるのか?」

 

八幡「昨日も言ったがオレ達からは誘わない。本人から入りたいと言えばだけどな」

 

奈良坂「確かにな」

 

八幡「まあ、オレ達はそう言う意見だけど、問題は葉山だよな」

 

奈良坂「ああ」

 

八幡「アイツの意見を聞いてると、昔の玲の事を思い出してしまった」

 

奈良坂「ああ…あれか…」

 

八幡「あれはオレ達3人には嫌な思い出だな」

 

奈良坂「そうだな…」

 

ホントに嫌な思い出だ。思い出さないようにしてなのに、葉山の所為で思い出してしまった。いや、まぁ、葉山もオレ達の過去の事知ってるわけないし、悪気は無いとわかってるけどな。

 

八幡「さて、時間までまだあるし適当に散策してくるわ」

 

奈良坂「俺も暇だしついて行ってもいいか?」

 

八幡「ああ、良いぞ」

 

 

こうしてオレと透は散策をする事にした。と言うよりも散歩とも言えるかもしれないな。

 

 

 

時は過ぎオレ達は朝食を食べるため集合場所に向かう。着くとほとんど集まっており、朝食を取り分けていた。

 

玲「ハチくんおはよう」

 

八幡「おう、おはよう」

 

玲「はいこれ、ご飯」

 

玲はオレにおぼんを渡してくる。そのにはご飯や味噌汁などが盛られていた。どうやら玲はオレのために朝食を用意してくれたらしい。いや、マジで最高。ホントマジで玲が恋人で良かった。

 

八幡「サンキュ」

 

そう言って玲からおぼんを受け取る。よくあるラブコメではここでお互いの手が触れてしまって慌てる、みたいなイベントがあるそうだが、オレと玲は触れても何も無い。そりゃあ初めの時はあったが今はない。その後透達がいる席に座る。隣は昨日と同じで玲だ。目の前には透が座っていた。雪ノ下もこっち側の席に座っている。やっぱり総武組とボーダー組で別れる。そんな事気にせず朝食を食べる。

 

平塚「あー、朝食のところすまない。食べながらでいいので今日の予定について説明する」

 

と平塚先生がプリントを持って説明しに来る。まあ、簡単に言うと夜にやる肝試しとキャンプファイヤーの準備をしろという事だ。準備が終われば自由にしてていいそうだ。あと、おばけ役としても手伝えと言う事だ。

 

奈良坂「八幡はゾンビ役でいいんじゃないか?目とはピッタリだし」

 

オレの目の前で座る透がそう言ってくる。まぁ、確かにピッタリかもしれないが、少しケンカ売ってるような気もする。

 

八幡「おいコラ、もしやってみろ。暗闇でこんな目見せたら泣かせる自信あるぞ」

 

玲「自信あるんだ…」

 

玲に苦笑しながら言われた。

 

奈良坂「なんで威張ってるんだよ」

 

透からツッコまれた。

 

三輪「確かに比企谷が暗闇から出てきたら泣いてしまうかもしれないな」

 

出水「比企谷の目は腐ってるからな」

 

熊谷「確かに」

 

八幡「お前らな、一々言葉の揚げ足とるなよ」

 

いや、ホント目腐ってるからな泣かせてしまう可能性があるかも知れないな。あ、でもそれだったらおばけ役しなくても良くね?

 

雪乃「あら、いいんじゃないかしら。比企谷君がゾンビ役でも、ね、ゾンビ谷くん」

 

八幡「おいコラ雪ノ下!誰がゾンビ谷だ」

 

雪乃「あら、私は良いと思うのだけれどやらないの?」

 

八幡「やんねぇよ。問題起こしたくねぇしな」

 

雪乃「そう」

 

まったく雪ノ下の奴め、何がゾンビ谷くんだよ。やらねぇよゾンビ役なんてよ。しかもそれを聞いた玲はクスクス笑ってるしよ。

 

玲「ホント仲良いね」

 

八幡「いやいや、オレ名前いじられたんだよ?」

 

玲「いいじゃないちょっと位。私もハチくんの名前を変えて呼んでるし、出水君や米屋君も変えて呼んでるじゃない」

 

八幡「いや、名前の前にゾンビつけられたんだよ?」

 

奈良坂「まぁ、いいじゃねぇか。そんな細かい事気にしてるとハゲるぞ」

 

八幡「なるわけねぇだろ」

 

なんでそれぐらいでハゲるんだよ。……え?ハゲないよね?この年でハゲるの嫌だよ。ハゲて玲に嫌われたくないよ。

 

三輪「まぁ、その事は追追考えるとして、さっさと朝食食べるぞ」

 

八幡「そうだな」

 

三輪の一言でみんなは飯を食べ進める。その間少し世間話などをするくらいで、さっきみたいにギャーギャー騒がず静かに食べていた。そして、オレが茶碗の中が空っぽになりそうな時、玲が話しかけてきた。

 

玲「ハチくんおかわりは?」

 

八幡「ん?そうだな、まだ残ってるのならしようと思ってるぞ」

 

玲「じゃあ私がやってあげる」

 

八幡「いいのか?」

 

玲「うん」

 

八幡「じゃあ頼む」

 

そう言って玲に茶碗を渡す。玲はオレから茶碗を受け取り炊飯器まで向かって行った。玲は何やら鼻歌交じりで茶碗にご飯を盛り付ける。

 

玲「はい、ハチくん」

 

そう言って玲はオレに盛り付けられた茶碗を渡してくる。ご飯はちょうどいいくらいに盛り付けられていた。さすが玲、わかってらっしゃる。

 

八幡「ありがとう」

 

そう言って玲から茶碗を受け取り、おぼんにあったのりをご飯と一緒に食べる。

 

それを見ていた人達は…

 

熊谷「もう、ホントあれを見ていたら夫婦なんじゃって思っちゃうよ」

 

綾辻「ホントだね」

 

三上「でも、熊谷さんそんな事言ってると、昨日の米屋君みたいにランク戦100本させられるよ」

 

熊谷「それだけは嫌だな」

 

小南「いくら私でも100本は嫌だしね」

 

熊谷「ホントね」

 

とヒソヒソと話していたが、その話し声は八幡と玲には聞こえてはいなかった。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

あれから時間は過ぎ、男子達はキャンプファイヤーの準備をしている。三輪と米屋と透が木を切り、その木を葉山と戸部と彩加が運んでくる。その木をオレと出水で積み上げキャンプファイヤーの外枠を作る。

 

出水「なあ、ハチ」

 

八幡「あ?どうした?」

 

出水「こうやって積み上げてるとジェンガみたいだよな」

 

八幡「あー、確かにそうだな。昔よく玲と透と一緒にやったな」

 

出水「お?そうなのか?」

 

八幡「おう、まだあの時は玲の体は弱かったからな家で遊ぶしかなかったからな。そこで今さっき話したようにジェンガとかトランプとかして遊んだな」

 

出水「へぇ〜」

 

八幡「玲と透と出会う前は1人でやってたな」

 

出水「え?1人でジェンガ?1人じゃ遊べねぇだろ」

 

八幡「ま、まぁ、そうだな。玲と透と遊んで初めてわかった」

 

出水「それじゃあ那須さんと奈良坂に出会って良かったな」

 

八幡「ああ、まったくだ」

 

そんな会話をしたながら次々と木を積み上げる。そして、積み終わる時平塚先生が近づいてくる。

 

平塚「2人ともお疲れさん。ほれ」

 

平塚先生はそう言いながらオレと出水に冷えた缶ジュースを渡してくる。

 

八幡「うっす」

 

出水「ありがとうございます」

 

平塚「ふむ、仕上げは私がやるから、君たちはもう休みたまえ。暑い中よく頑張ってくれたな」

 

八幡「あ、わかりました。ありがとうございます」

 

平塚「気にするな。既に他の奴らも作業をあらかた終えて自由時間だ。あとは私と小学校の先生で仕上げよう」

 

八幡・出水「「ありがとうございます」」

 

平塚先生にお礼を言って部屋に戻ろうとすると、木を切っていた透達と合流した。

 

八幡「よお、そっちも終わったのか」

 

三輪「ああ、後は平塚先生達がやってくれるそうだ」

 

八幡「そっちもか」

 

米屋「おい、あっちに沢があるらしいぜ!早く行こうぜ!水遊びだ!」

 

出水「お、いいねー」

 

そう言ってバカ2人は走って沢の方へと向かって行った。オレと透、三輪はその2人の後をついて行く。

 

八幡「ホントアイツら相変わらずだな」

 

三輪「そうだな」

 

透「ああ」

 

そんな会話をしながらしばらく歩いていると、水の流れる音が聞こえる。その音と同時に、2バカ以外の人の声も聞こえてきた。

 

八幡「この声は、あの2人か」

 

三輪「多分そうだろうな」

 

そうこうしているうちに沢の河原についていた。沢の水は案外綺麗で、とても気持ちよさそうだ。出水と米屋は服のまま水の中に入り水をかけあっている。まぁ、そんな事より顔でも洗うかと思い沢の水で顔を洗う。冷たい水のおかげで目が覚めるな。そう思っていると

 

小町「あ、お兄ちゃーん」

 

小町の声が聞こえたので、聞こえた方を見ると水着姿の小町がいた。

 

八幡「小町か。で?水着持ってきたのか」

 

小町「うん、そうだよ。それでどう?」

 

八幡「ん?ああ、うん、似合ってるぞ」

 

小町「うわぁ…適当だな〜」

 

小町の水着の感想を述べると、他のボーダー組の気配が近づいてくるのがわかった。そっちを見ると全員水着姿だった。君達用意が良いね。

 

玲「は、ハチくん」

 

八幡「ん?」

 

後ろから玲に呼ばれたので振り向いてみると、玲はフリル付きの白い水着を身につけて、恥ずかしそうに顔を赤らめていた。ちょっと、可愛すぎるだろ。

 

玲「ど、どうかな?」

 

八幡「お、おう。似合ってるぞ」

 

玲「そっか、ありがとう」

 

玲に正直に感想を述べる。というか目のやり場に困るな。玲の体はスラッとしてて、肌も綺麗で、水着の色とも合ってて、色々ヤバイ。

 

そんな時だった

 

米屋「比企谷!」

 

八幡「あ?」

 

米屋に呼ばれ、呼ばれた方を見ると米屋は腰を落とし、両手を水の中に入れている。あ、多分あれだな。

 

米屋「くらえ!」

 

案の定米屋はオレに向かって思いっきり、水をぶっかけてくるがオレはヒラリとかわす。するとオレの後ろにいた三輪にかかってしまう。

 

米屋「あ…」

 

三輪はかなり怒っている様子だ。

 

三輪「陽介…」

 

米屋「ま、待って!秀次!待ってくれ。今のはハッチが避けたからだ!」

 

なんと、米屋は避けたオレのせいだと言っている。なんでだよ、普通避けるだろ?なのに避けただけで、悪者にされなきゃならないのだ。

 

三輪「言い訳するな」

 

米屋「ひぃ!?」

 

あ、これは死んだな。ご愁傷様米屋。そんな事思いながら近くの木にもたれ掛かる。すると透も座らずにオレの近くまでやってくる。水着を着た女子達は水のかけあいをしながら、遊んでいる。いつの間に来たのか雪ノ下もいる。そんな光景を見ながら透と雑談する。すると玲がこっちに近づいて来る。

 

玲「フゥ…」

 

八幡「どうした玲?」

 

玲「うん、ちょっと疲れちゃって、だから休憩」

 

八幡「なるほどな」

 

透「大丈夫か?」

 

玲「うん、大丈夫。ありがとう」

 

八幡「無理しない程度にな」

 

玲「うん、あ、隣いい?」

 

八幡「おう」

 

玲に許可をだすと、玲はオレの隣に座る。透は突っ立ているだけだけどな。すると、隣から知らない気配がした。多分これは、と思い気配がした方を見る。するとそこに居たのは

 

八幡「やっぱり鶴見留美か」

 

玲「え?」

 

オレの一言に驚き玲は同じ方を見る。

 

留美「なんでわかったの?」

 

ん〜、なんて説明しようか。サイドエフェクトの事言うのはまずいしな……

 

八幡「まぁ、ボーダーだからかな」

 

留美「へー、八幡はボーダーなんだ」

 

うん、いきなり呼び捨てですかそうですか。

 

八幡「ああ。後、この2人もボーダーだ」

 

留美「そうなの?」

 

奈良坂「ああ」

 

玲「うん、よろしくね」

 

留美は小さく頷き、オレのもうひとつの隣まで移動する。

 

八幡「どうした?1人か?」

 

留美「今日自由行動なの。朝ごはん終わって部屋戻ったら誰もいなかった」

 

おお…なんともえげつない。すると、オレ達に気づいた由比ヶ浜が近づいてくる。

 

結衣「あの、留美ちゃんも一緒に遊ばない?」

 

留美「……いい」

 

結衣「そっか……」

 

少し残念そうな顔になる。すると…

 

留美「八幡はさ…」

 

八幡「ん?」

 

留美「小学校の頃の友達っている?」

 

小学校?何それおいしいの?なーんってな、そんな事言ったらオレめっちゃ変態じゃん。

 

八幡「いや、いねぇな。玲と透はどうだ?」

 

玲「私はいるけど、もう会ってないかな」

 

透「俺も」

 

雪乃「私もよ」

 

いつの間にそこにいたんだよお前は。気配でわかってたけど、まさか会話に参加してくるなんて思ってなかったわ。後それとお前も水着なんだな。

 

結衣「……留美ちゃん、この人たちが特殊なだけだからねー」

 

八幡「いや、特殊じゃねぇよ。お前みたいに沢山いねぇやつもいるんだぞ」

 

結衣「それはヒッキーだけでしょ?」

 

コイツ、意外と失礼だなホント。

 

八幡「あのな…全員が全員、由比ヶ浜みたいじゃねぇんだぞ。由比ヶ浜は小学生の時上手くいったかもしないが、人それぞれなんだぞ」

 

結衣「そ、それは…そうだけど…」

 

八幡「オレも作ろうとしたけど無理だったわ」

 

透「なんか悲しいな」

 

八幡「うっせぇぞ透」

 

でも今は玲達がいるからいいんだけどね。

 

留美「ねぇ、八幡」

 

八幡「どした?」

 

留美「ボーダーってどうやったら入れるの?」

 

八幡「は?お前、ボーダーに入りたいのか?」

 

留美「うん」

 

なるほどな。これは昨日言ってた事になったな。自分から入りたいと言うのなら、入り方くらい教えてやらねぇとな。

 

 

八幡「そうか、でもオレらに聞くよりホームページを見ればいいぞ」

 

留美「そうなんだ」

 

玲「でもどうしてボーダーに?」

 

留美「ボーダーに入れば居場所や友達ができるかなって思って。できるかな?」

 

八幡「できると思うぞ。今ここにいるほとんどの奴らがボーダーだし、誰も悪いやつには見えないだろ?それに、お前…留美と歳の近い奴もいるし、少し努力すればできると思うぞ」

 

留美「そっか…うん、ありがとう」

 

八幡「とはいったものの、ボーダーにはやっぱり親の承認が必要だから、親ときっちり相談することだ」

 

留美「うん、わかった」

 

結衣「じゃあ、留美ちゃんの事は私から隼人くん達に言っとくね」

 

八幡「ああ、わかった」

 

そう言うと由比ヶ浜は葉山達の方へと向かって行った。

 

留美「それと八幡」

 

八幡「ん?なんだ?」

 

留美「メアド教えて」

 

八幡「それはどうしてだ?」

 

小学生とメアド交換なんてしてみろ、絶対に犯罪者と思われてしまう。

 

留美「いや、ボーダーについて教えてほしいし、試験の日程とかも詳しく知りたいし」

 

そういう事か。それなら他の奴らも間違えないだろう…間違えないよね?

 

玲「大丈夫だよハチくん。そういう事ならいいんじゃない」

 

八幡「サラッと心を読むな」

 

玲「フフッ…ハチくんがわかりやすいだけだよ」

 

奈良坂「そうだな」

 

八幡「……さいで」

 

そんなやり取りに不思議に思ったのか留美が聞いてくる。

 

留美「八幡と那須さんって付き合ってるの?」

 

玲「うん、そうだよ」

 

留美「そうなんだ。八幡羨ましいね、こんな美人な人が彼女で」

 

八幡「まあな。それと、ほれメアド交換するんだろ?」

 

留美「…人に携帯渡していいの?」

 

八幡「あ?別に見られて困るものは無いしな。早く登録してくれ」

 

留美「うん、わかった…はい、できた」

 

八幡「おう」

 

留美「じゃあ、八幡。今度連絡するね」

 

留美はそう言うと、さきほど来た道を戻っていく。

 

八幡「これで一件落着かな」

 

雪乃「そうね」

 

玲「これで上手くいくと良いね」

 

八幡「そうだな」

 

透「ああ」

 

玲「よしっ!じゃあ雪乃ちゃん、私達もそろそろ遊ぼっか!」

 

雪乃「い、いえ、私は遠慮しとくわ」

 

玲「そんな事言わないで、ほら行くよ!」

 

雪乃「ちょっ、ちょっと那須さん!行くから引っ張らないでちょうだい」

 

そう言いながら玲に引っ張られて行く。そしてボーダー組の方に連れていかれ、全員から水をかけられている。雪ノ下も負けずと水をかけている。楽しそうだな……。そんな事思いながら、また透と雑談しながら過ごした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

時は変わり夜、今は既に肝試しは終わり、小学生達がキャンプファイヤーしているのを高校生組が一緒に楽しんでいる。オレはそういうのは苦手なので、端のほうでそれを眺めているだけだ。鶴見留美は小町を含めたボーダー組の女子と会話をしている。何やら楽しそうに話している。前よりも明るい表情になっている。すると、平塚先生の気配が近づいてくるのがわかったので、そっちを見ると。

 

平塚「比企谷、お前は混ざらないのか?」

 

八幡「オレは、ああいうの似合わないでしょ。平塚先生」

 

平塚「…ご苦労だったな」

 

とオレに言ってくる。

 

八幡「何がですか?」

 

主語を言いなさい主語を。小学生の時ならったでしょ?

 

平塚「鶴見留美の件だよ」

 

なるほど、その事か。多分、由比ヶ浜が言ったのだろう。

 

八幡「あー、あれですか。別にオレは何もしてませんよ。最終的に道を選んだのは留美です」

 

オレは本当に何もしてない。留美が自分で道を選びとり、自分で助かろうとした結果だ。

 

平塚「だが、その道を指し示したのは君だろう?それは充分素晴らしいことだぞ」 

 

八幡「そうですかね…。まあ、ありがたく受け取っておきます」

 

平塚「うむ、そうしてくれ。では、私は打ち合わせがあるから行くよ。合宿最後の夜、大いに楽しんでくれ」

 

八幡「はい、ありがとうございました」

 

オレは平塚先生にそう言って、再びキャンプファイヤーを見る。すると平塚先生と入れ違いに葉山が近づいてくるのがわかった。

 

隼人「ヒキタニくん」

 

やっぱり話しかけてくるか。めんどくせぇが、返事してやるか。

 

八幡「なんだ?」

 

隼人「いや、お礼を言いたくてね。あの子を救ってくれてありがとう」 

 

八幡「別に、お前に礼を言われる必要は無い」

 

隼人「はは、でも、一応感謝してるよ。…ヒキタニくんは凄いな」

 

八幡「いきなりなんだよ?」

 

隼人「いや、君は俺にできないことをできるからね」

 

八幡「それは別に凄くはないだろ。お前だってオレにできないことをできる。人間は同じじゃないんだ」

 

そう、誰も完璧じゃあない。それはオレにも言えるし、葉山にも言える。何か似ているところがあっても、根本的にはすべて違うのだ。

 

隼人「確かにそうだな。人間は誰も同じじゃない。みんな違う。だからこそ、俺は皆が仲良くなれるような方法を探したいんだ」

 

八幡「そうかい」

 

こいつは完璧平和主義だ。平和以外を考えず、最悪の事態も考えない。成功することだけを考えている。だが、みんな仲良くなんて事は絶対に不可能だ。もし、仲良くなれるのなら、ネイバーさんとも仲良くなれると思う。そうなれば戦争なんて無くなるだろうな。

 

隼人「でも、俺と比企谷は仲良くできないだろうな…」

 

八幡「…かもな」

 

葉山の言う通りオレと葉山では仲良くできないだろう。

 

隼人「それじゃあ俺は行くよ」

 

そう言って葉山は三浦達所へと向かった。そして、オレは再びキャンプファイヤーの方へと視線を向ける。すると、少し遠くの方から玲が小走りで向かってくる。一体どうしたんだ?

 

玲「ハチくん!」

 

八幡「ん?」

 

玲「今からみんなで踊るんだって!だから一緒に踊ろ!」

 

と言ってオレに手を差し出してくる。

 

八幡「え?オレと?」

 

玲「うん!」

 

八幡「い、いや、いいよ。オレはそういうの苦手だからいいよ」

 

玲「むっ」

 

な、なんだ?なんで頬を膨らませているんだよ。するとすぐさま、シュンと悲しそうな顔になる。

 

玲「ハチくんは私と踊るの…イヤ?」

 

悲しそうな顔で、しかも上目遣いでオレを見てくる玲。ちょっとそんな顔しないでよ。そんな事されたらオレが悪いみたいじゃん。

 

八幡「いやでは無いぞ」

 

玲「ホント?」

 

八幡「ああ」

 

玲「じゃあ踊ろ」

 

と再びオレに手を差し出してくる。ここでまた、同じ事言ったらループしそうなので。

 

八幡「…わかった。じゃあ一緒に踊ってくれるか?」

 

玲「もちろん」

 

そう言われてたので、オレは差し出されている玲の手をとる。

 

八幡「じゃあ、よ、よろしく頼む」

 

玲「うん、任せて!」

 

そしてオレは玲に手を引かれてキャンプファイヤーの周りまで連れてこられる。そして周りは踊っているので、オレも玲と一緒に踊った。こういうイベントは苦手だったが、思ったより楽しめた。こうして2日目が終わった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

翌日、帰りの車は行きと同じで男子と女子で別れて乗っている。オレが乗る男子の方では、出水、米屋は寝ていて、それ以外は起きている。そんな時透が話しかけてきた。

 

奈良坂「昨日、玲と踊っていたようだな」

 

八幡「ああ、誘われてな」

 

奈良坂「それでどうだったんだ?楽しめたか」

 

八幡「まぁ、それなりにはな。ああいうイベントは苦手だったけど、玲と踊った時は楽しかったぞ」

 

奈良坂「そうか、良かったな」

 

八幡「ああ」

 

奈良坂「玲もその時、すごく楽しそうだったぞ」

 

八幡「そっか、それなら良かったわ」

 

そうか、玲も楽しそうだったか。なんだか嬉しいな。オレも玲と踊れて良かったからな。まぁ、時々こういうのもいいかもしれないな。こうして、林間合宿のボランティア活動は幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか?またお会いしましょう。
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