比企谷八幡はボーダーに入っている   作:チャキ

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どうもチャキです!第4話どうぞ!


第4話

八幡side

 

オレは、朝から日課のランニングをしている。二宮さんやレイジさんから聞いたけど、トリオン体は生身が重要らしい。トリオン体の操縦は生身を動かす時の『感覚』が元になっているから、生身で動ける感覚を掴めば、トリオン体では何倍も動けるようになるらしい。だからオレは生身を気たれるためにランニングや筋トレをしている。

 

 

ランニングを終え家に帰る

 

八幡「ただいま」

 

小町「あ、おかえりお兄ちゃん」

 

八幡「おう」

 

小町「ご飯できてるよ」

 

八幡「おう、サンキュー」

 

オレは、シャワーを浴び着替えて朝ごはんを食べる。ホント小町の作ったご飯はうまいな〜

 

小町「そうだお兄ちゃん、最近部活どうなの?」

 

八幡「ん?ああ、まあボチボチかな」

 

小町「玲お姉ちゃんも楽しんでる?」

 

八幡「おう、熊谷や雪ノ下と楽しく喋ってるぞ」

 

小町「へ?友子さんと雪乃さんも一緒なの?」

 

八幡「ああ、雪ノ下が入っていた部活に入ったんだ」

 

小町「へ〜、何する部活なの?」

 

八幡「簡単に言うと生徒の悩みを解決する手伝いをする、と言う活動内容だな」

 

小町「ボランティア?」

 

八幡「似ているがちょっと違うらしい」

 

小町「そうなんだ。でも楽しそうで良かった」

 

八幡「そうか」

 

小町「うん、玲お姉ちゃんも部活ができて嬉しそうだったよ」

 

八幡「まぁそうだな。部活に入れて嬉しそうな玲。可愛かったぞ」

 

小町「そうなの?小町も見てみたかったな〜」

 

八幡「まぁ、そのうち見れるんじゃねぇの?」

 

小町「そうだね」

 

オレと小町は、ご飯を食べ終わり学校に向かった。

途中で玲と合流し一緒に登校する。玲は小町と世間話や部活の話やらしていた。オレは度々振られる回答に合図ちをしたり会話に入ったりした。そして……

 

小町「じゃあ、お兄ちゃん、玲お姉ちゃん。いってくるであります!」

 

八幡「おう」

 

玲「いってらしゃい小町ちゃん」

 

小町を学校まで送りオレは玲と一緒に登校する。

 

玲「そうだハチくん、今日は私達防衛任務があるから部活は休みだから」

 

八幡「お、そうなのか。わかった教えてくれてありがとうな」

 

玲「どういたしまして」

 

八幡「任務頑張れよ」

 

玲「うん、ありがとう」

 

そうか、今日は那須隊は防衛任務か…じゃあオレもついでに本部に行くか。米屋や出水あたりがいると思うしランク戦でもするか。

 

そして放課後玲達は、防衛任務のため本部に既に向かったらしい。まぁ、早く行っといた方が楽だしな。そしてオレは、ゆっくりと本部に向かい、ランク戦のブースに来ている。

さてどうしょうかな。適当に戦うかな。と思っていると……

 

???「お!比企谷じゃあねぇか!」

 

横からオレを呼ぶ声がしたので見てみると、そこにはA級1位部隊の隊長で、アタッカーとソロランキング1位の太刀川さんだった。

 

八幡「どうも太刀川さん」

 

太刀川「比企谷もランク戦しに来たのか?」

 

八幡「ええ、まぁ」

 

太刀川「じゃあオレとやらねぇ?」

 

まぁ、そう来ると思っていたが今は丁度相手を探していた所だったから丁度いい

 

八幡「いいですよ。オレも丁度相手を探していた所でしたから」

 

太刀川「おお、そうかなら丁度良いな!よしやるぞ」

 

八幡「いいですよ。あ、あと1つ言っときますげど」

 

太刀川「?なんだ?」

 

八幡「この勝負で太刀川さんが勝ってもレポートの手伝いはしませんから」

 

太刀川「っ!…わ、わかってるよ。当たり前だろそ、そんな事言う訳ねぇだろ」

 

ホントかよこの人は……まぁ、言質はとったらいいか。もし破ったら風間さんに連絡すればいい話だからな。

 

八幡「わかりました。じゃあやりましょうか」

 

太刀川「おう、オレは183に入るから」

 

八幡「わかりました。オレは168に入りますんで」

 

太刀川「おう」

 

オレはそう言って個室に入る。申請を承認しそして転送され太刀川さんとのランク戦が始まった。

 

ステージは、住宅街か……まぁいい。太刀川さんは何処だと思いサイドエフェクトで、太刀川さんを探しながら移動する。

まぁ、サイドエフェクトで探すよりレーダーで探した方がいいけどな。意外と近かったのか太刀川さんは、旋空弧月を撃ってくる。

 

八幡「っぶね!」

 

太刀川「流石だな比企谷。あれを避けるとは」

 

八幡「ありがとうございま…す!」

 

オレはお礼を言いながらアステロイドを撃つが、太刀川さんは難なくシールドで塞ぐ。あ〜、やっぱダメか〜

 

太刀川「オラ!どうした比企谷!そんなもんかー!」

 

そう言いながら斬りかかってくる。ホント無茶苦茶だなこの人は…流石化け物だな……

 

太刀川「おい比企谷、今変な事考えてたろ」

 

八幡「ハハハッ、そんな訳ないじゃないですかー」

 

と言いつバイパーを撃つ

 

太刀川「うお!?っぶね〜、オラ!」

 

また旋空弧月かよ!オレは咄嗟に横に逃げるが右腕を斬られる。

 

八幡「っ!さすがスっね」

 

太刀川「ったりめぇよー」

 

一旦距離を空けるか……いや、あの人はグラスホッパーがあるからな〜。オレは何とか太刀川さんの攻撃を避けているがそれも時間の問題だな…くっ!こうなったら!オレは、太刀川さんと自分の間にメテオラを撃つ

 

太刀川「うお!?煙幕か?だが…」

 

煙幕でお互いを目視できない状況で、太刀川さんはオレに旋空弧月を撃ってくるがそれにオレは当たらなかった。

 

太刀川「?どういうことだ?…っ!」

 

太刀川さんは驚いた、それはオレがさっき撃ってできた煙幕から飛び出してきたからだ。え?旋空弧月をどうやって避けたかって?それはサイドエフェクトを使って避けたさ。煙幕から出てきたオレは太刀川さんの近くまで行き左でアステロイドを太刀川さんに向かって撃つ、太刀川さんはシールドを貼るが咄嗟だったので、間に合わずアステロイド数発が当たりベイルアウトした。

危なかった〜

 

太刀川『まさかあの煙幕から出てきて、至近距離でアステロイドを撃ってくるとはな。ビックリしたぜ』

 

八幡「一か八かでしたけど」

 

多分もうこの戦術は使えない。どうするか……

 

太刀川『よーし、次行くぞ!』

 

八幡「わかりました」

 

そして、勝負は終わり8-2で負けた。やっぱあの人は化け物だ〜。でもあれから1本取ったが、まぁあれはギムレットを撃ってシールドごとげずり倒した。それ以外にちょっとダメージを与えたりとかしたが無理だった。

ブースに戻り

 

太刀川「いや〜、やっぱ比企谷の戦いはやらしいな」

 

八幡「人の戦い方にいやらしいって言わないでくださいよ。それを言うなら太刀川さんは化け物でしょ」

 

太刀川「ハハハッ!オレが化け物か、そうか!ハハハッ!」

 

いや、何笑ってんだよこの人は……

 

太刀川「まぁ、でも楽しかったわ。ありがとうな、またやろうぜ!」

 

八幡「はい、いいですよ」

 

そうして太刀川さんと別れた。その後は、2,3人と戦って帰った。

 

 

翌日…

 

オレは部室に向かうと、4人が部室の前で立ち尽くしている。何やってんだそんな所で?

そう思い近づくと……

 

玲「あ、ハチくん」

 

玲がオレに気付きそれに吊られて、皆もオレに気付く。

 

八幡「おう、で?何やってんの?」

 

玲「それが…部室に不審者がいるの」

 

八幡「は?不審者だと?」

 

熊谷「そうなんだよ」

 

雪乃「比企谷君ちょっと様子見て来てちょうだい」

 

八幡「はいよ」

 

気は進まないが仕方ない。玲が不安そうにしているからな。もしホントに不審者だったら通報してやる。

そして警戒をしながら部室を覗くとそこには、床に散らばった大量の紙、そしてそこに1人の男子がいた。その男は、こんな暑い中コートを着て、指ぬきグローブを着けていた。

 

???「クククッ…まさかこんな所で出会うとはな。待ちわびたぞ。比企谷八幡」

 

八幡「……」

 

どう反応したらいいかわからん……

 

熊谷「比企谷の知り合い?あいつ知ってるような口ぶりだけど」

 

とオレの後ろに隠れる玲の後ろから聞いてくる。

 

八幡「…いや、知らんな〜。ホントに不審者かもしれないな。通報しとく?」

 

???「ま、待って!?我だ!まさかこの相棒の顔忘れるとはな…見下げ果てたぞ、八幡!」

 

結衣「相棒って言ってるけど…」

 

由比ヶ浜がオレを冷ややかな視線で見てくる。やめろ!あんな奴と一緒にするな!

 

???「そうだ相棒。貴様も覚えているだろう、あの地獄のような時間を共に駆け抜けた日々を…」

 

熊谷「え?そうなの?」

 

真に受けるな熊谷

 

八幡「体育でペア組まされただけだ。で?何の用だ、材木座」

 

材木座「むっ、我が魂に刻まれし名を口にしたか。いかにも我が剣豪将軍・材木座義輝だ」

 

バサッとコートを力強く靡かせて、ぽっちゃりとした顔にきりりとやたら男前な表情を浮かべている。ハァ…ホントこいつといると頭が少し痛くなる。

とりあえず説明して、要件を聞くか

 

八幡「こいつは材木座義輝。…まぁ、体育の、時間にオレとペア組んでいる奴だ」

 

そう皆に説明をする。

 

雪乃「そうわかったわ。で?要件は?」

 

材木座「ムハハハ、とんと失念しておった。時に八幡よ。奉仕部とはここでいいのか?」

 

え〜、何今の笑い方。初めて聞いたわ。

 

雪乃「ええ、ここが奉仕部よ」

 

オレの代わりに雪ノ下が答えた。すると、材木座は一瞬雪ノ下のほうを見てからまたすぐさまオレのほうに視線を戻す。いや、なんでオレのほうを見るんだよ。

 

材木座「…そ、そうであったか。平塚教論に助言頂いた通りならば八幡、お主は我の願いを叶える義務があるわけだな?幾百の時を超えてなお主従の関係にあるとは…これも八幡大菩薩の導きか」

 

雪乃「別に奉仕部はあなたのお願いを叶えるわけではないわ。ただその手伝いをするだけよ」

 

材木座「…。ふ、ふむ。八幡よ、では我に手を貸せ。ふふふ、思えば我とお主は対等な関係、かつてのように天下を再び握らんとしようではないか」

 

八幡「どうでもいいが主従の関係どこいったんだよ。あとこっち見んな!」

 

材木座「すまない。どうやらこの時代は在りし日々に比べるに穢れているようだ。人の心の在り様が。あの清浄なる室町が懐かしい…。そうは思はぬか、八幡」

 

八幡「思うかかよ。あともう死ねよ」

 

材木座「ククク、死など恐ろしくはない。あの世で国盗りするだけよ!」

 

材木座はまた、ばさばさとコートがはためく。

 

熊谷・結衣「「うわぁ…」」

 

熊谷と由比ヶ浜はリアルに引いている。まあ普通はそういう反応

 

玲「ねぇハチくん。なんなのあれ?あの…剣豪…将軍?っていうの」

 

八幡「ん?ああ、あれは中二病というやつだ」

 

玲「ちゅーに病?」

 

玲は首をコテンと傾げる。今気づいたけど、女の子が「ちゅ」って口にする時の唇の形ってすげー可愛い。玲なら尚更可愛い。

いや、マジで可愛いな〜……

 

雪乃「病気なの?」

 

と雪ノ下も聞いてくる

 

八幡「別にマジで病気なわけじゃない。スラングみたいなもん… 中二病というのはアニメや漫画のキャラ、もしくは自分で作った設定に基づいて行動する奴のことを言う。例えば、主人公が持つ不思議な力に憧れを抱き、自分にもそうしたものがあるかのように振る舞う。そういう感じだ」

 

由比ヶ浜はおそらく分かっていない、うーんと唸っている。多分熊谷も。玲と雪ノ下は考えている。そんな中雪ノ下が…

 

雪乃「ふぅん、つまりお芝居をしてるのね」

 

八幡「まぁ、そんなところだ。あいつは、室町幕府の十三代将軍・足利義輝を下敷きにしているみたいだ。名前が一緒だったからベースにしやすかったんだろう」

 

玲「でも、ハチくんを仲間としてみているけど」

 

八幡「ん、ああそれは、八幡っつー名前から八幡大菩薩を引っ張ってるんじゃないか?清和源氏が武神として厚く信奉してたんだ。鶴岡八幡宮って知ってるだろ?」

 

玲「へぇ〜、詳しいね」

 

八幡「まぁな」

 

雪乃「それで、依頼というのはその病気を治すことでいいのかしら?」

 

材木座「…八幡よ。余は汝との契約の下、朕の願いを叶えんがためこの場に馳せ参じた。それは実に崇高なる気高き欲望にしてただ一つの希望だ」

 

雪ノ下から顔を背けて、材木座は俺の方を見た。一人称も二人称もブレブレだ。どんだけ混乱してんだよ。

 

雪乃「話しているのは私なのだけれど。人が話しているときはその人の方を向きなさい」

 

冷たい声音でそう言って雪ノ下が材木座の襟首をつかんで無理矢理正面を向けさせた。

 

材木座「…モハハ、これはしたり」

 

 

雪乃「そのしゃべり方やめて」

 

 

その後も、材木座は雪ノ下の質問攻めにあった。この時期にコートがどうとか、指ぬきグローブがどうとか。そのたびにしゃべり方を言われ、材木座は、声が小さくなっていった。

玲と熊谷は、若干引いているようにも見える。

 

雪乃「それで、依頼内容はその病気を治すことでいいのかしら?」

 

材木座「あ、いや別に病気じゃなくて」

 

材木座は雪ノ下から目をそらしてすごい小声で言った。

完全に素だ。

 

 

見てられない。ちょっと助けてやるか。

 

八幡「んで?ホントの依頼はなんだ?」

 

材木座「依頼というのはこれだっ!?とくと見よ」

 

そう言って材木座は床に散らばった紙を集め俺達の前に差し出した。

 

結衣「これは?」

 

雪乃「原稿用紙ね。何か書かれているわ」

 

玲「これって小説じゃない?」

 

八幡「ああ、そうだな。しかも見るからにラノベの類だ」

 

そう、材木座が持っているのは自分で書いたであろう小説だった。

 

材木座「ご賢察痛み入る。如何にもそれはライトノベルの原稿だ。とある新人賞に応募しようと思っているのだが、友達がいないので感想が聞けぬ。読んでくれ」

 

雪乃「何か今とても悲しいことをさらりと言われた気がするわ…」

 

熊谷「え?これ…読むの…」

 

熊谷は、ちょっと嫌そうにしている。まぁ、確かにオレも嫌だけど…… 

 

でもなんでオレ達なんだ? 

 

八幡「投稿サイトとか投稿スレにでも載せたらいいじゃねぇか」

 

材木座「それは無理だ。彼奴らは容赦がないからな。酷評されたら我死ぬぞ」

 

うわぁ…心弱ぇ…

 

八幡「投稿サイトより雪ノ下の方が容赦ないぞ?」

 

そして帰り道

 

玲「あの小説読むの大変そうだね」

 

八幡「だな。玲は無理せず読めるところまで読んだらいいと思うぞ」

 

玲「うん、わかった。そうする」

 

八幡「これは徹夜かな…ハァ…」

 

玲「無理しないでね。体壊したら元も子もないから」

 

八幡「わかってるよ。玲もな」

 

玲「うん」

 

オレは玲を家まで送り家に帰った。

 

 

そしてオレはご飯を食べ終わり部屋に戻り材木座の小説を読むかとにした。ていうか結構ページあるな〜。これホントに徹夜かもしれん。

 

 

……しばらく読んでいるとちょっと集中力が落ち眠たくなってきた。読者が眠くなるということはおそらくそこまで面白くないんだろう。けど、依頼である上に人が頑張って書いた物語だ。最後まで読むか。

 

八幡「フゥ…終わった」

 

やっと読み終わりオレは電気を消しベッドに入り眠りについた。

 

 

翌日

 

朝ごはんを食べ学校に行くため家を出た。小町は先に家を出ていたからオレは1人で登校していた。

 

玲「あ、ハチくんおはよう」

 

八幡「おう、おはよう」

 

オレは玲と一緒に登校した。オレはあくびが出てしまった。そりゃそうだ、あの材木座が書いた小説を徹夜して読んだからな。

 

玲「ハチくん大丈夫?眠たそうだけど」

 

玲は心配そうに聞いてくる。

 

八幡「ああ、なんとか大丈夫だ。玲はどうだった」

 

玲「私は、途中まで読んで寝たよ」

 

八幡「そうか、体は大丈夫か?」

 

玲「うん、大丈夫だよ」

 

八幡「それなら良かった」

 

そして学校に着きオレと玲はそれぞれの教室に向かった。

時間は過ぎ昼休み

 

オレは昼飯を食うためベストプレイスに向かった。

でも1人で食べるのでは無い。いつも玲と一緒に弁当を食べるのだ。

 

八幡「しっかしあの小説めっちゃページあるんだよな〜」

 

玲「確かに結構ページあったね。私は3割位しか読めなかったけど」

 

八幡「いいんじゃねぇの?玲はまだ体が弱いからさ、無理しない程度が1番いいと思うぞ」

 

玲「そっか」

 

八幡「しっかしまだ眠いな」

 

玲「じゃあ寝てていいよ。時間になったら起こしてあげるよ」

 

八幡「お、いいのか?」

 

玲「うん」

 

八幡「じゃあ言葉に甘えて寝るわ」

 

玲「うん、お休み」

 

 

オレは玲の言葉に甘えて、少し眠ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後…

 

「…くん」

 

「…ちくん」

 

玲「ハチくん、起きて」

 

八幡「ん?ん〜」

 

玲「おはようハチくん」

 

八幡「おう、おはよう」

 

ん?なんだ?この感触は…すごい柔らかい感触がある。しかも目の前には玲の顔がある。…まさか……

 

八幡「なんで膝枕してんだ?」

 

玲「なんでって…私がしたかったからだよ」

 

八幡「そうか、だから寝心地良かったんだな。ありがとう」

 

玲「そ、そっか。なら良かった///」

 

八幡「さて、そろそろ時間だし戻ろうか」

 

玲「そうだね」

 

 

オレと玲は教室へと戻った。

 

そして放課後。午後の授業の内容が全然頭に入ってこなかった。少し寝たけどやっぱりまだ眠い。そう思いながらオレは教室を出て部室へと向かっていると

 

結衣「ちょー!待つ!待つ!」

 

特別棟に入ったあたりで、俺の背中に声がかかった。振り返れば由比ヶ浜が薄っぺらい鞄を肩にかけながら追いかけてきた。

 

なんでこいつこんなに元気なの?おかしくない?

 

結衣「ヒッキー元気なくない?どしたー」

 

八幡「いやいや、あんなの読んでたらそりゃ元気なくなるだろ……。すげぇ眠い。っつーか、むしろなんであれ読んでお前が元気なのか知りたいわ」

 

結衣「え?……あ。だ、だよねー。や、あたしもマジ眠いから」

 

そう言いながら目を擦る仕草をする由比ヶ浜。

 

八幡「お前絶対読んでないだろ」

 

由比ヶ浜は誤魔化しているのか口笛を吹いて、視線を逸らした。

こいつ…後で絶対に読ませてやる

 

部室に着き

 

八幡「うーっす」

 

結衣「やっはろー!」

 

部室に入ると雪ノ下が穏やかな顔で寝息を立てているのが目に入った。玲と熊谷は起きていて、玲は小説の続きを読んでいた。

するとやけに元気な由比ヶ浜を見て不思議に思った熊谷が

 

熊谷「ねぇ由比ヶ浜」

 

結衣「ん?何?」

 

熊谷「なんであんたそんなに元気なの?」

 

おー、やっぱり熊谷もそう思うか。そりゃそうだよな。あんな小説を読まさせて、眠たい筈なのに由比ヶ浜は元気だからな。

 

結衣「え、え〜と…それは〜…」

 

玲「もしかして…読んでないの?」

 

結衣「うっ…」

 

図星をつかれた由比ヶ浜は、返事をしなくなった。

 

八幡「ああ、読んでないらしい」

 

熊谷「えっ、マジ?」

 

八幡「マジ」

 

熊谷「由比ヶ浜…あんた…頼まれた依頼はちゃんとやりなよ」

 

結衣「うぅ…ごめん忘れてた」

 

そんな会話をしていると雪ノ下が目を覚ました

 

雪乃「あら、来てたの。気づかなくてごめんなさい」

 

八幡「別にいいよ。どうせお前も徹夜したんだろ」

 

雪乃「ええ、徹夜だなんて久しぶりだわ」

 

熊谷「私もめっちゃ眠い。なんなのあの小説」

 

八幡「オレが知るかよ」

 

玲「確かにちょっとわかんないね」

 

結衣「あ、那須ちゃんも読んでるんだ。まさか忘れてたとか」

 

由比ヶ浜はニヤニヤしながら言う。あー、こいつ多分仲間がいると勘違いしてるな。玲は途中まで読んで寝たから、今続きを読んでいるだけだからな。

 

玲「ううん、昨日は途中まで読んで寝たから、その続きを読んでいるだけだよ」

 

結衣「そ、そうなんだ」

 

ちょっと残念そうに言う由比ヶ浜。残念だったなホント

 

玲「うん、私生まれつき体が弱くてね。昔は家にいることの方が多かったの。でも今はこうして学校に行けるようになったけど、まだ無理しちゃダメだから途中まで読んで寝たの」

 

結衣「そうなんだ。…あっ、だからクッキー作りの時にヒッキー達が『無理しないで』って言ってたんだ」

 

八幡「まぁ、そういう事だ。それよりお前ちょっとは読んどけよ。材木座が来るまでさ」

 

雪乃「え?由比ヶ浜さん読んでないの?」

 

結衣「読むよ!今読むよ!」

 

由比ヶ浜はハァと溜息をついて鞄から例の原稿を散りだす。折り目の一つもついてないきれいな保存状態だった。由比ヶ浜はそれをぺらぺらと異様に速いスピードでめくる。

 

ほんっとつまんなそうに読むなこいつ。

 

そして数分後

部室の戸が荒々しくたたかれる。

 

材木座「たのもう」

 

材木座が古風な呼ばわりとともに入ってきた。

 

材木座「さて、では感想を聞かせてもらうとするか」

 

材木座は椅子にドッカと座り、偉そうに腕組みをしている。

そしてその顔は自信に満ち溢れていた。

対して正面に座る雪ノ下は珍しいことに申し訳なさそうな顔をしていた。

 

雪乃「ごめんなさい。私にはこういうのよくわからないのだけど……」

 

材木座「構わぬ。凡俗の意見も聞きたいところだったのでな。好きに言ってくれたまへ」

 

あーあー、そんな事言ってもう知らねぇぞ。

 

雪乃「つまらなかった。読むのが苦痛ですらあったわ。想像を絶するつまらなさ」

 

材木座「げふぅっ!」

 

一刀のもとに切り捨てやがった…。まあ、材木座が好きに言えって言ったからこうなったんだからな。

 

材木座「ふ、ふむ。さ、参考までにどの辺がつまらなかったのかご教示願えるかな」

 

雪乃「まず、文法が滅茶苦茶ね」

 

それから雪ノ下のダメ出しが続いた。そして次は由比ヶ浜の番になった。

 

結衣「え、えーと……。む、難しい言葉をたくさん知ってるね」

 

材木座「ひでぶっ!」

 

八幡「とどめさすな」

 

作家志望にとってその言葉は禁句である。褒めるところがそれしかないってことだからな

 

八幡「次熊谷」

 

熊谷「うーん、ごめん私こういうの読んだことないけど…面白くなかった」

 

材木座「ひぎゃぁ!」

 

熊谷「じゃあ次は玲」

 

玲「そーだね。本の感想は苦手だけど…面白くなかった」

 

材木座「ひぎぃ!」

 

玲も容赦ねぇな

 

玲「じゃあハチくん」

 

オレか…

 

材木座「ぐ、ぐぬぅ。は、八幡。お前なら理解できるな?我の描いた世界、ライトノベルの地平がお前にならわかるな?愚物どもでは誰一人理解することができぬ深遠なる物語が」

 

うわぁ、材木座の目が『お前を信じている』と告げていた。

ハァ…めんどーだな。まぁ、ちょっとオブラートに包んで言ってやろうかな。オレは1度深呼吸をしてから優しく言ってやった。

 

八幡「んで、あれって何のパクリ?」

 

材木座「ぶふっ!?ぶ、ぶひ…ぶひひ」

 

材木座はごろごろと床をのたうち回り、壁に激突すると動きを止めて、そのままの姿勢でビクともしない。うつろな目で天井を見上げ、頬に一筋の涙が伝う。

 

玲「ハチくん…」

 

熊谷「比企谷…あんた」

 

雪乃「あなた私より酷いこと言ってるわよ」

 

八幡「逆に気を遣われる方が酷評よりダメージが大きいんだ。これでいい。それぐらいお前もわかっているだろ?」

 

オレの言葉に雪ノ下達(由比ヶ浜以外は)はそうねと言葉を返した。

 

しばらくして材木座が立ち上がり、埃をぱんぱんとはたいてまっすぐオレを見る。

 

材木座「…また、読んでくれるか」

 

驚いた。あんなけ言われたのにまだ書く意思があるのか

 

八幡「お前…」

 

結衣「ドMなの?」

 

八幡「いや、ちげぇよ」

 

結衣「え?」

 

意味すら分かっていない由比ヶ浜はほっておいて

 

八幡「お前、あんだけ言われてまだやるのかよ」

 

材木座「無論だ。確かに酷評はされた。もう死んじゃおっかなーと思った。むしろ、我以外死ねとも思った」

 

まぁ、確かにそうだな。あんだけ言われたら結構クルもんな。

 

材木座「だがそれでも嬉しかったのだ。自分が好きで書いたものを誰かに読んでもらえて、感想を言ってもらえるというのはいいものだな。この想いに何と名前を付ければいいのか判然とせぬのだが。

……読んでもらえるとやっぱり嬉しいよ」

 

そう言って材木座は笑った

それは剣豪将軍の笑顔でなく、材木座義輝の笑顔。

 

あ〜、なるほど

 

こいつは中二病ってだけじゃない。もう立派な作家病に罹っているのだ。

 

書きたいことが、誰かに伝えたいことがあるから書きたい。そして誰かの心を動かせたのならとても嬉しい。だから何度だって書きたくなる。たとえそれが認められなくても、書き続ける。それを作家病というのだろう。

 

だからオレはこう言った。

 

八幡「ああ、読むよ。だからできたらもってこい」

 

読まないわけがない。だって、これは材木座が中二病を突き詰めた結果たどり着いた境地なのだから。病気扱いされても白眼視されても無視されても笑いものにされても、それでも決して曲げることなく諦めることなく妄想を形にしようと足掻いた証だから。

 

材木座「また、新作ができたら持ってくる」

 

材木座はそう言って部室を出ていった

 

玲「すごいね材木座君」

 

八幡「そうだな。硬くて強い芯が通っている。すげえ奴だよ」

 

玲「そうだね」

 

熊谷「だね」

 

玲達もオレと同じことを思っていたらしい。

 

 

あれから数日後……

 

オレは変わらず材木座とペアを組んでいる。

 

材木座「八幡よ。流行の神絵師は誰だろうな」

 

八幡「いや、気がはやぇーよ。賞取ってから考えろよ」

 

材木座「売れたらアニメ化して声優さんと結婚できるかな?」

 

八幡「いいから。そういうのいいから。まず原稿書け。な?」

 

こうしてオレは、材木座と話すようになった。

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
ではまたお会いしましょう〜
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