異世界転移された彼は【注文(オーダー)】と言うスキルで商人を目指す事にした。 作:北方守護
タケアキがギルドに入ると様々な人種の冒険者達がいた。
「へぇ、こうやって見ると現実なんだな……「オイ、そこに立ってると邪魔だぜ」あ、すいません」
タケアキが立ち尽くしてると狼顔の冒険者が当たったので横に退けた。
「えっと……カウンターがあそこだから、多分登録はあそこだな……ん?なんで誰も並んでないんだ?」
タケアキがギルドに登録しようと見ると多数の列がある中で一ヶ所だけが誰もいなくカウンター内で前髪で目を隠した犬耳の女性が寂しそうにしていた。
「他の所には並んでるのに……すみません「あぁ?何か用か?坊主」えぇ、なんで皆さんあそこのカウンターに並ばないのかなって……」
「おいおい、そう言うって事は坊主はまだ登録してないって事か」
「はい、これだけの人がいて、あそこに誰もいないのが気になったので」
「そうか……あそこの担当は犬の獣人で【カーネ】って言うんだが、とにかく仕事が遅くてな……カーネが1人を担当してる間に他の担当は4~5人対応出来てるんだよ」
「なるほど……それだったら他に並んだ方が早いかもしれないですね……教えてくれてありがとうございます、そう言えば、まだ名前を聞いてませんでしたね、俺は……タケアキって言います」
「そうか、俺の名前は【ベノワ】って言うんだ、おっと俺の番だな、また会う事があったら話そうぜ」
ベノワはタケアキに手を振るとカウンターに向かった。
「うん……俺は彼女で良いな……あのーすみません」
「ふえっ!?あ!い、いらっしゃいませ!冒険者ギルド【アルバ・ランダ】へようこそ!私はカーネって言います!!ガツン!ハゥ〜」
タケアキに声をかけられたカーネは慌てて頭を下げてカウンターにぶつかって涙目になっていた。
「あ、あの、大丈夫ですか?……」
「は、はい大丈夫です……こう見えても私は頑丈なんで……それで、どの様なご用ですか?」
「はい、実はギルドに登録したいので声をかけたのですが?」
「え!?ほ、本当ですか!?あ……けど、私は仕事が遅くて今日中には出来ないかもしれませんよ?……(やっぱり、この人も……)」
最初カーネは笑顔だったが自身の仕事を思い出して落ち込んでいた。
「そうですか……ならお願いします」
「は?……えっとそれは私に登録を頼むという事でしょうか?」
「ええ、ギルドの職員に登録を頼むのが、そんなにおかしいですか?」
「い、いえ!そんな事ありません……ですがあなた様にも予定があるのでは……」
「俺の予定はギルドに登録する事ですよ……それに俺は自分であなたに決めたんです、だからお願いします」
(あ……この人って……本当に私に頼んでるんだ……なのに……私は……それに始めて、こうして手を握ってくれた人は……)
タケアキに両手を握られたカーネは、その暖かさと真剣な表情に涙を流していた。
「はい!分かりました、それではこちらの書類に必要な事を書いてください」
「はい、えっと……すみません実は俺はまだ住む所が決まってないので……宿屋にいるんですが……」
「あぁ、そうですか、それでは今泊まっている宿屋でも構いません、それとここは……」
タケアキはカーネから教わりながら書類を書いていた。
そして……
「はい、これで冒険者ギルドに登録されました」
「はぁ……やっと終わったか……すみません知らない事ばかりで教えてもらって」
「いえ……謝るのは私の方ですよ……もっと上手に説明出来れば早かったんですけど……」
「そんな事ありませんよカーネさん俺が分からない所を丁寧に教えてくれたじゃないですか、それだけで俺は助かったんですからもっと自信を持ってください」
「タケアキさん……は、はい、ありがとうございます……それでタケアキさんは、他のギルドに所属しないのですか?」
「え?他のギルドって……ここで出来るんですか?」
「はい、ウチのギルドは複数のギルドを兼任してますので登録も多重登録も可能なんです」
「なるほど……例えば、複数のギルドに登録してる時に無理だからギルド辞めて1つに絞る事は出来るんですか?」
「えぇ、その人によっては出来ない場合があるので可能です」
「そうか……」
「でも、そんなに直ぐに決めなくても構いませんよ、私はただ提案しただけですし、それに入らなくても特に罰則などはありませんから」
「分かりました、それじゃ少し考えてみます、ありがとうございました」
タケアキはカーネに頭を下げるとギルドを出て宿屋に向かった。
カーネ
犬の獣人で前髪で目が隠れている女性でギルド職員。
ベノワ
人間で戦士職の冒険者。
冒険者ギルド アルバ・ランダ
この王国では、それなりに歴史あるギルド。
複数のギルドの本部を兼用してる。
商人ギルド、鍛治ギルド、薬師ギルドなど。