「普段無口な無表情方言女子っていいよね?」
「回答が欲しいんですか?」
辛辣な言い方をする我が嫁の名前は皐月 夜見。
おかっぱ、無口、方言、巨乳!!
すべての要素が詰まったパーフェクトガールであり私の嫁だ(念押し)。
「嫁になった覚えはありません。後誰に話しかけているかはわかりませんが『私達』野中で騒ぐのはやめてください。うるさいです」
そして、私の心のつぶやきすら察知することができる。うん、相思相愛だね!!
「気持ち悪いのでやめてください」
辛辣なところも素敵!!
時が経ち、あの慎ましくもエロスを感じる体型から清楚な萌とエロスを感じるようになった夜見ちゃん。
出会いから今に至るまでを詳しく話したいと思うのだがそれはまたいずれ。
なぜかって?
簡単だ。
「三番部隊沈黙!! 至急救援を!!」
「追加の刀使部隊はまだ!?」
「市街地で荒魂が発生!? もう動ける部隊がありません!!」
絶賛地獄に居るからだよ。
彼女、流刃若火との出会いは忘れようと思っても忘れる事ができないものだ。
なぜ、昔語りを始めるかって?
簡単だ流刃若火は忘れっぽい。
故に、やると言いながら一生やらないとか結構ある。
それを皐月 夜見は知っている。
その日、私は鎌府女学院の裏林に向けて足を動かしていた。
目的はもちろん剣の修行だ。
では、理由は?
簡単、現実逃避だ。
私は12歳まで故郷の秋田で暮らしていた。そんな私がなぜ遠く離れた神奈川県にあるこの鎌府女学院に来ているのか?
荒魂という化物を倒す刀使の適性があるとわかった。
その時私は、とても天狗になっていたと思う。
地元では頭の出来がよく、剣術も私より強いものはいなかった。
まるで物語の主人公。
これからもこんな楽しい人生が続いていくのだ、とどこか楽観的に考えていた。
しかし今は違う。
全国から優秀な人材を集めるこの鎌府女学院では私のような『そこそこ優秀』な人物はくさるほどいる。その中でも私は下の下、無能の部類に属する人間だった。
刀使の適性も、得意と思いこんでいた剣術も、賢いと思っていた勉学も、上には上がいた。
地元からの期待。
学園でのプレッシャー。
止まらない無力感。虚無感。絶望感。
泣かない日はなかった。
吐かない日はなかった。
歩むのを止めた日はなかった。
けれど、
不幸な人物のなかでも1位になれない。
努力する人物のなかでも1位になれない。
上には、上がいる。
誰でもない。
誰にも認めてもらえない。
(わたしは・・・)
言葉が浮かんでこない。
何を感じているのかもわからない。
ただ、『しといたほうが良いよな』というルーティーンを繰り返しているだけ。
暗い雑木林。
昔はよくここで多くの刀使達が修行をしていたというが、今は荒れ放題。
人がいないこの空間。
ここにいる間だけ、私の心は正常に戻っていく。
雑草だらけの地面
手入れのされていない木々。
昔使われていた道場跡。
割れた岩。
それに突き刺さった人間。
本当に・・・・ん?
もうやだ仕事辛い。
人の話聞くの難しい。
なんで萎縮しちゃうのかな?
そんなときに感じて気持ちを込めて書いてみた。