地球を離れること百万光年。
地球のように美しい惑星ヴェルドーレが、爆発を起こして消え去った。
爆煙の中から、一人のウルトラマンが投げ出される。
「うわああああ!」
悲鳴を上げ、回転しながら飛んできたウルトラマンが、ヴェルドーレの月にぶつかる。
衝撃で月面にクレーターが出来上がった。
「くっ!」
立ち上がるウルトラマン。
その姿は赤く、胸部にプロテクターを装着している。
彼の名は、ヴェルク……ウルトラマンヴェルクだ。
ヴェルクは爆発したヴェルドーレで唯一のウルトラマンだ。
ヴェルドーレが崩壊した理由は、星人の侵略行為だった。
星人はなんとか打ち倒したが、ヴェルドーレが星人の攻撃に耐えきれず、ついには消滅してしまったのだ。
ヴェルクは以前から親交のあった地球を目指す。
ワームホールを抜け、あっという間に地球へ到着する。
(ん?)
地上で怪獣が暴れている。
ヴェルクは暫く様子を窺う。
地球の防衛組織が怪獣に立ち向かう。
だが地球人の力だけでは、怪獣には太刀打ちはできなかった。
ヴェルクは地上に降り立ち、怪獣と対峙した。
「タア!」
ヴェルクの攻撃が怪獣を怯ませる。
ヴェルクは拳を乱打し、トドメの光線技で怪獣を爆砕した。
光に包まれたヴェルクが小さくなって人の姿になる。
「誰か……」
声が聞こえた。
ヴェルクは声のしたところへ向かった。
女性が瓦礫に埋もれている。
ヴェルクは瓦礫をどかし、女性を救出した。
「ありがとうございます」
礼を言う女性。
「助けていただいたお礼にカフェでもどうです?」
「いいですよ」
ヴェルクは女性と共に近くの喫茶店へ向かう。
「私、
「僕はうると……
咄嗟に名前を聞かれたヴェルクはそう名乗った。
喫茶店に着き、中に入る。
席に座った徹は端正な顔立ちをした奏を見つめる。
「うん?」
「あ……いや、綺麗だなって思って」
「やめてよ。照れるでしょう?」
それよりも——と、続ける奏。「好きなもの頼んでいいわ。私が奢りますよ」
「それはありがたい。僕、現金を持ち合わせてなかったから」
「潤さん」
「……?」
「潤さんはどうしてあそこに?」
「僕は、その、彼が怪獣を倒すところを間近で見たくてね」
「彼って、あの赤いウルトラマンのこと?」
「うん」
「そうなんだ? でも怖かったんじゃない?」
「そんなことないよ」
「まあ!
奏が店員を呼ぶ。
二人は飲み物を注文した。
すぐに届く二人の飲み物。
「ねえ、潤さん」
「うん?」
「私、潤さんとは初めて会う気がしないんだけど」
「え?」
「私たち、昔どこかで会ってるんじゃない?」
徹が以前に地球を訪れたのは百年前だ。
奏とは会ったことはないはずだった。
「いや、僕はあなたとは初めてですが」
「そうかしら? もしかしたら前世で会ってたりしないかな?」
「僕は前世とか信じないんで」
「ああ、そうなんだ」
奏はコーヒーを一口飲んだ。