喫茶店から出てくる徹と奏。
「それじゃあ、私は……」
「待って。送ってくよ」
「え?」
「また怪獣が現れて瓦礫に埋もれたら大変だしね」
「じゃあ、お願いするわね」
徹と奏は彼女の住むマンションに向かう。
「吉崎さん、お仕事は?」
「警察官をやってるわ」
ほら——と、奏は懐から警察手帳を取り出すが、徹には見覚えがない代物だった。
「うわああああ!」
どこからか悲鳴が聞こえてくる。
二人は悲鳴の元に駆けつける。
そこでは、男性が腰を抜かし、その目の前でウルフ星人が女性を襲っている。
「えい!」
徹は星人を攻撃し、女性を救出する。
分が悪いと思った星人は、脱兎のごとく逃げ出した。
「大丈夫ですか?」
「あ、ありがとうございます」
「さあ、戻ってこないうちに」
「はい」
女性は駆け足で去っていく。
「あなた、勇気があるんですね」
と、立ち上がった男性が言う。
「あなたは?」
「僕は探偵の
矢上も去っていく。
「行こうか、吉崎さん」
「うん」
再び歩き出す二人。
その二人を離れたところから星人が見つめている。
「ウー」
唸り声を上げ、後を追う星人。
奏のマンションに着く徹と彼女。
「ここでいいわ」
奏のマンションはオートロックだ。
彼女は鍵で扉を開け、中に入っていく。
去り際に徹へ連絡先を渡す。
「連絡してね」
奏はエレベーターに乗り、七階に上がる。
エレベーターを降りた刹那、星人と遭遇した。
「……!?」
驚き戸惑っていると、星人に噛み付かれてしまう。
「ああ!」
血を吸われ気絶する奏。
星人は奏に重なるかのようにして体の中に入り込む。
むっくりと起き上がると、奏はニヤリと笑みを浮かべた。
同じ頃、徹が奏のマンションのロビーから出てきた。
奏の苦しむ声が聞こえた徹はマンションを振り返る。
「吉崎さん?」
不審に思った徹はオートロックのガラスドアをすり抜け、エレベーターで七階に上がった。
エレベーターを降り、奏の部屋へ。
ピンポン、とインターホンを鳴らすと、奏が出てくる。
「あ……。どうしたの? ていうかどうやって?」
徹は宇宙人としての超能力で、中に入っている星人の存在に気づく。
「吉崎さんから出るんだ!」
「出す? 一体なにを?」
「貴様が吉崎さんじゃないことはわかっている!」
「……………………」
奏は徹を突き飛ばし、柵を飛び越えた。
「待て!」
徹も柵を飛び越える。
奏は着地すると、すぐに走り出した。
徹も地上に降り立ち、奏を追いかける。
奏は角を曲がって路地に入るが。
「……!」
行き止まりだった。
「逃げ場はないぞ! 出てこい!」
「ちっ!」
奏は星人に姿を変えて襲ってくる。
徹は攻撃を受け止める。
(どうすれば吉崎さんを傷つけずに助け出せる?)
徹は星人の乱打をガードする。
「守ってばかりじゃどうにもならんぞ!」
「貴様が出てくればいいだけの話だ!」
「それはできないな。この女は俺の嫁だ」
後退しながらガードしていた徹だが、壁へ追いやられてしまった。
「トドメだ!」
渾身の一撃を繰り出す星人。
徹は間一髪でかわす。
勢い余って、拳を壁にぶつけて痛がる星人。
「もう許さんぞ!」
星人は巨大化した。
「踏み潰してやる」
徹は駆け出し、頭上から迫る巨大な足をかわす。
「うわ!」
「さらばだ!」
踏み潰される徹。
「ふはははは! 呆気ない終わりだったな!」
だが、星人の足が持ち上がり始める。
「ん?」
ヴェルクに変身した徹がゆっくりと巨大化し始める。
「は!」
バランスを崩して倒れそうになった星人は後退して体勢を整えた。
「貴様は?」
「僕はウルトラマンだ!」
「ウルトラマンだとお!?」
激昂した星人がヴェルクに襲いかかる。
ヴェルクは攻撃をかわし、カウンターを浴びせる。
星人はヴェルクの反撃で倒れるが、すっくと立ち上がって彼を攻撃する。
ヴェルクは攻撃をいなし、足払いで星人を倒した。
(吉崎さん、ごめんなさい!)
ヴェルクは星人に向かって必殺の光線を放った。
クロスした腕から、スペシウムインパクトが星人に炸裂する。
死滅する星人。
星人の体は小さくなり、奏の姿に戻る。
ヴェルクは体を小さくすると、徹の姿になって奏に駆け寄る。
徹はエネルギー光球で地面に穴を開け、奏を抱き上げ、埋葬してようと移動させる。
「う……」
目を開ける奏。
「……!」
驚く徹。
「潤……さん?」
「どうして?」
「潤さん!」
奏が徹に抱きつく。
「怖かった! 私、怖かったんだよ!」
「大丈夫。もう大丈夫」
「また助けてもらっちゃったね」
「あ……いや、あれはウルトラマンが……」
「いいえ。あなただわ。あなたが私を助けてくれたんだわ」
「立てる?」
徹は奏を下ろした。
「あなたには感謝してもしきれないわね」
「いや、僕はなにも……」
「お礼に何かできることあるかしら?」
「それじゃあ、住むところを探したいんだけど……?」
「だったら私の部屋で寝たら?」
「いいのかい?」
「助けてくれたお礼よ」
「いや、僕は本当に何もしてないよ?」
「いいからいいから」
かくして、徹は奏の家に