原因は吸血蝙蝠の大群のせいだった。
自衛隊は吸血蝙蝠を撃墜するが……。
「うう……」
一匹だけ撃ち損じて生き残っていた。
そこに、奏が通りかかる。
「どうしたんですか?」
傷だらけの男性を見て心配そうに声をかける。
「救急車呼びましょうか?」
「やめて。悪い人に追われているんだ」
奏は辺りを見渡す。
怪しい人物はいない。
「ここにいたら大変だわ」
奏は男性を抱え起こし、共に家へと向かう。
家に着き、中に入ると、徹が出かけようとしていた。
徹は宇宙人としての超能力で、傷だらけの男が人間ではないことを見抜いた。しかし、奏の手前、それを暴露はできなかった。
「どこ行くの?」
「ああ、面接にね」
「バイト?」
「そんなとこ」
「頑張ってね」
徹は家を出て行った。
「彼は?」
「うん? 私の家に居候中の方よ。それよりも」
男性もまた宇宙人としての超能力で徹がウルトラマンであることを見抜いていた。
奏はソファに男性を座らせ、傷の手当を始めた。
「誰にやられたんですか?」
「悪い宇宙人に」
「そう。大変だったのね」
刹那、男性が奏に体を預けるようにして倒れた。
「大丈夫ですか?」
男性は二本の牙を出し、奏の首筋に突き刺した。
「う!?」
奏の赤い新鮮な血液を吸い始める。
意識が朦朧とし、倒れる奏。
男性はニヤリを笑みを浮かべる。
一方、徹はコンビニでバイトの面接をしていた。
「どうしてうちなんですか?」
「特に動機はありません。つなぎとしてなにかやらないとと思っただけです」
「そうですか。なにかやりたいことが?」
「はい。地球を宇宙人たちの脅威から守りたいです」
「それはでかい夢ですね」
コンビニの採用担当が徹の履歴書を眺める。
「うーん、残念ですが、見送らせて下さい」
担当が履歴書を徹に返した。
徹は悔しそうな表情で店を出た。
「帰るか」
徹は奏の家に帰る。
奏は黙々と料理を作っている。
「帰ったよ、吉崎さん」
「おかえりなさい」
振り返る奏。
食卓には先ほどの男性が座っている。
男性が合図をすると、奏が徹を取り押さえた。
「何するんだ!?」
ものすごい力で徹を抑え込む奏。
「お前もシモベにしてやろう」
と、男性が席を立ち、徹に襲いかかる。
「ふ!」
徹は近づいてきた男性に蹴りを入れた。
尻餅をつく男性。
「ごめんよ」
徹は奏の
男性は窓を突き破って外へ逃げ出すと、怪獣に変身して巨大化する。
徹はヴェルクに変身、怪獣と対峙する。
「テア!」
ヴェルクが先制。
怪獣はヴェルクの攻撃と浮揚してかわす。
ヴェルクは怪獣に光弾を投げて撃ち落とす。
「貴様はバット星人だな?」
怪獣は起き上がりざまに「そうだ」と答える。
ヴェルクは注射器を取り出す。
「貴様の血をもらう」
「そうはいかん。やれ」
テランが現れ、背後からヴェルクを攻撃する。
「ぐわ!」
前方に倒れるヴェルク。
「ヴェルクよ、お前も俺様の奴隷となるのだ。そして死ぬまでこき使ってやる」
ヴェルクは立ち上がり、怪獣に接近しようとするが、テランに取り押さえられてしまう。
怪獣が接近し、ヴェルクの首筋に牙を突き刺した。
「ぐ!?」
血を吸おうとするが、代わりに光が怪獣の口に流れ込む。
「なんだこれは!?」
「残念だったな。俺の中には血は流れていないんだよ」
「そうか。ならば死んでしまえ」
「そうね。でもそれはあんたよ」
「なに?」
ヴェルクはテランを見やる。
「変身したおかげで正気を取り戻せたわ。よくも私を洗脳してくれたわね」
テランはジャンプすると、空中で体をひねって怪獣の背後に着地する。
「貴様ー!」
怪獣がテランに襲いかかる。
テランは光線を放って怪獣に命中させる。
辛うじてガードに成功する怪獣。
「二つならどうだ?」
ヴェルクが光線を放つ。
二つの光線に挟まれ、怪獣は押しつぶされて死滅する。
「ヴェルク、あなたは誰なの?」
「……………………」
ヴェルクは無言を回答に空の彼方へ飛び立った。
テランは大空に消え去るヴェルクを見つめる。