それでは、本編、行ってみよう!
千奈に室内へ連れ込まれるヴェルク。
「千奈さん、僕ほんとに時間がないんだけど」
「怪獣もいないのにどこへ行くっていうの?」
「おばあちゃん、ヴェルクも忙しいんだから悪いわよ」
「せっかくの家族の再会だけど、仕方ないわね」
ヴェルクはテレパシーで千奈にだけ伝える。
「千奈さん、僕は今、潤 徹って名前でこの部屋で暮らしてるんだ。だけど僕はヴェルクだということを話していない。だから一回、家を出て徹として戻らせてくれ」
ヴェルクは玄関へと向かう。
「それじゃあ」
ヴェルクは部屋を出た。
「待ってヴェルク!」
追う奏が閉まった扉を開けると、そこには徹がいた。
「あ! 潤さん、いまヴェルクが出てきたはずだけど」
「ヴェルクならどこかへ飛んでったよ」
「そう。それより早く入って? おばあちゃんが来てるの」
徹は奏に促されて部屋に上がる。
「おばあちゃん、彼が潤さん」
「潤さんってあなただったのね」
「知ってるの、おばあちゃん?」
「私が踏切で立ち往生してたときに助けてくれたのよ」
「そうなんだ」
奏は徹を見る。
「おばあちゃんのこと助けてくれてありがとう」
「うん」
「あ、潤さん、お願いがあるんだけど、プリン買ってきて。おばあちゃん、プリンが好きなんだ。その間にお昼作っとくから」
そう言って、奏が徹にお金を渡した。
「わかった」
徹は家を出る。
(奏が曽孫……? だから変身できたのか)
徹はマンションを発ち、コンビニへ向かう。
(プリンだったか)
徹はプリンを手に、レジへ移動する。
「百八円です」
徹はプリンを買ってコンビニを出た。
家に戻る途中、白服の若い綺麗な女が徹の前に現れ、彼は足を止めた。
「君は?」
「私は時の守護者、エリス」
「時の守護者?」
「今から五十五年前、地球にウルトラマンがやってくるという歴史が、何者かに改変されようとしているわ。あなたにはそれを止めてほしいの」
「止めろったって、どうやって行くんだい?」
「これを使って」
エリスが腕時計型の端末を渡してきた。
端末を受け取った徹はそれを改める。
(こんなもので……)
「こんなもので、と思ってるわね?」
「え?」
「私は人の心がわかるの」
「そうなんだ」
(余計なことを考えるのはよそう)
「考えないようにするのは無理ね」
「……!?」
「とりあえず、使い方を説明するわ。横の
「……………………」
徹は言われた通りに端末を操作すると、光に包まれて過去へとタイムスリップする。
辿り着いたのは、五十五年前の、始まりの敵であるベムラーが地球に落ちる以前の時間だった。
(ここが五十五年前……)
「ほおう、タイムトラベラーか」
と、フードを被った男が現れて言った。
「お前か、歴史改変をしようとしてるのは!?」
「ふん」
フードの男は怪獣に姿を変えて巨大化した。
徹は怪獣の攻撃をかわし、ヴェルクに変身した。
「テア!」
怪獣と戦闘するヴェルク。
拳を乱打し、怪獣を怯ませる。
怪獣は体勢を立て直し、ヴェルクに尻尾をぶつける。
「うわ!」
転倒するヴェルク。
怪獣は口から炎を吐き、ヴェルクを襲う。
「ぬお!」
立ち上がったヴェルクが熱そうにしている。
「さっきまでの威勢はどうした?」
ヴェルクのカラータイマーが赤に変わり点滅を始める。
ヴェルクはスペシウムインパクトを放つ。
不意打ちの光線をくらい、怪獣は四散した。
ヴェルクは宇宙空間へと飛び立つ。
そこには、今まさにベムラーを地球に落としてしまったM78星雲の宇宙人が、地上へ降りようとする姿があった。
「……?」
宇宙人はヴェルクの姿に気づく。
「君は誰だ?」
「通りすがりのウルトラマンだ」
「ウルトラマン?」
「どうやら時間改変は防げたようだ」
ヴェルクは地上に降りると、光に包まれ小さくなって徹の姿に戻る。
徹は端末を操作して現代へ帰還する。