ウルトラマンヴェルク   作:桂ヒナギク

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どこかで見たことあるようなサブタイ。でも主人公は違います。
それでは、本編、行ってみよう!


9.タイムトラベラー、その名はウルトラマンヴェルク

 千奈に室内へ連れ込まれるヴェルク。

「千奈さん、僕ほんとに時間がないんだけど」

「怪獣もいないのにどこへ行くっていうの?」

「おばあちゃん、ヴェルクも忙しいんだから悪いわよ」

「せっかくの家族の再会だけど、仕方ないわね」

 ヴェルクはテレパシーで千奈にだけ伝える。

「千奈さん、僕は今、潤 徹って名前でこの部屋で暮らしてるんだ。だけど僕はヴェルクだということを話していない。だから一回、家を出て徹として戻らせてくれ」

 ヴェルクは玄関へと向かう。

「それじゃあ」

 ヴェルクは部屋を出た。

「待ってヴェルク!」

 追う奏が閉まった扉を開けると、そこには徹がいた。

「あ! 潤さん、いまヴェルクが出てきたはずだけど」

「ヴェルクならどこかへ飛んでったよ」

「そう。それより早く入って? おばあちゃんが来てるの」

 徹は奏に促されて部屋に上がる。

「おばあちゃん、彼が潤さん」

「潤さんってあなただったのね」

「知ってるの、おばあちゃん?」

「私が踏切で立ち往生してたときに助けてくれたのよ」

「そうなんだ」

 奏は徹を見る。

「おばあちゃんのこと助けてくれてありがとう」

「うん」

「あ、潤さん、お願いがあるんだけど、プリン買ってきて。おばあちゃん、プリンが好きなんだ。その間にお昼作っとくから」

 そう言って、奏が徹にお金を渡した。

「わかった」

 徹は家を出る。

(奏が曽孫……? だから変身できたのか)

 徹はマンションを発ち、コンビニへ向かう。

(プリンだったか)

 徹はプリンを手に、レジへ移動する。

「百八円です」

 徹はプリンを買ってコンビニを出た。

 家に戻る途中、白服の若い綺麗な女が徹の前に現れ、彼は足を止めた。

「君は?」

「私は時の守護者、エリス」

「時の守護者?」

「今から五十五年前、地球にウルトラマンがやってくるという歴史が、何者かに改変されようとしているわ。あなたにはそれを止めてほしいの」

「止めろったって、どうやって行くんだい?」

「これを使って」

 エリスが腕時計型の端末を渡してきた。

 端末を受け取った徹はそれを改める。

(こんなもので……)

「こんなもので、と思ってるわね?」

「え?」

「私は人の心がわかるの」

「そうなんだ」

(余計なことを考えるのはよそう)

「考えないようにするのは無理ね」

「……!?」

「とりあえず、使い方を説明するわ。横の竜頭(りゅうず)を引っ張り出して、行きたい年代を合わせたら、押し戻すのよ。そうすれば端末が作動して過去や未来に行けるわ」

「……………………」

 徹は言われた通りに端末を操作すると、光に包まれて過去へとタイムスリップする。

 辿り着いたのは、五十五年前の、始まりの敵であるベムラーが地球に落ちる以前の時間だった。

(ここが五十五年前……)

「ほおう、タイムトラベラーか」

 と、フードを被った男が現れて言った。

「お前か、歴史改変をしようとしてるのは!?」

「ふん」

 フードの男は怪獣に姿を変えて巨大化した。

 徹は怪獣の攻撃をかわし、ヴェルクに変身した。

「テア!」

 怪獣と戦闘するヴェルク。

 拳を乱打し、怪獣を怯ませる。

 怪獣は体勢を立て直し、ヴェルクに尻尾をぶつける。

「うわ!」

 転倒するヴェルク。

 怪獣は口から炎を吐き、ヴェルクを襲う。

「ぬお!」

 立ち上がったヴェルクが熱そうにしている。

「さっきまでの威勢はどうした?」

 ヴェルクのカラータイマーが赤に変わり点滅を始める。

 ヴェルクはスペシウムインパクトを放つ。

 不意打ちの光線をくらい、怪獣は四散した。

 ヴェルクは宇宙空間へと飛び立つ。

 そこには、今まさにベムラーを地球に落としてしまったM78星雲の宇宙人が、地上へ降りようとする姿があった。

「……?」

 宇宙人はヴェルクの姿に気づく。

「君は誰だ?」

「通りすがりのウルトラマンだ」

「ウルトラマン?」

「どうやら時間改変は防げたようだ」

 ヴェルクは地上に降りると、光に包まれ小さくなって徹の姿に戻る。

 徹は端末を操作して現代へ帰還する。

 

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