血の軌跡   作:おいいいいい

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12話を編集しまして、内容を追加しました。
そちらを先に読んでから13話をお読みください。


あと更新遅くなって申し訳ありませぬ。



13

その後の事はよく覚えていない、気が付いたらデアフリンガー号の寝室にいた。

俺はベッドに寝そべりながら、制服のポケットから一枚の紙を取り出す。

そこにはこの辺りの地図が記されており、そして昼間俺たちが人形兵器と戦闘をした場所に赤字で丸がされておりその隣に時刻が書かれていた。

恐らくこの時間、この場所に俺を持つ何者かがいるのだろう、()()の事を知る誰かが。

因みにこのことは教官達に報告してない、恐らくだが戦闘になるし、自分の事に巻き込みたくなかったからだ。

 

「そろそろ時間かな……。」

 

待ち合わせの時間が迫り、そろそろ行こうと思ったところで外から轟音が聞こえた。

慌てて外に出てみると外に置いてあった機甲兵が何かの攻撃によって破壊されていた。

先程の音を聞いたのか、慌てて教官達が出てくる、そして今回の下手人と思われる二人の女性が丘に立っていた。

教官達と少しのやり取りと共に彼女たちは、大量の人形兵器を繰り出してきた。

 

「Ⅶ組は遊撃だ!Ⅷ組・Ⅸ組をフォローするぞ!」

 

取り敢えず合流しようとみんなの元に駆け寄ろうとするが人形兵器が道を塞ぐ。

咄嗟に剣を創りだし構え、攻撃しようとする。

 

「トールズ第二分校Ⅶ組エルド・アイゼンターク!!」

 

突然放たれたその言葉の出どころは茶髪の方の犯人だった、思わず動きが止まってしまう。

その様子を見て彼女は続ける。

 

「貴方には待ち人がいますわ。そちらの方にお行きなさい!」

 

その言葉に教官達が此方を見る。

 

「エルドどういうことだ?」

 

「昼間の男性に俺を待っている誰かがいると告げられたんです。」

 

教官の問いに簡単に答える。

 

「行きたいのか?」

 

「はい。」

 

「わかった。だが、絶対無事に戻ってくるんだぞ。」

 

そう言って教官は目の前の人形兵器を切り伏せていく。

それに対してユウナが苦言を呈す。

 

「エルド君がいればもっと楽に状況をよくできるんですよ!?」

 

「大丈夫、君たちならできるはずだ。それともエルドがいないと不安なのか?」

 

教官の少し挑発したような言葉にユウナはムキになって武器を構える。

 

「そんなわけないでしょ!!」

 

そう言ってユウナは勇ましく武器を構え人形兵器を攻撃していく。

 

「急いで戻ってきます!」

 

そう言って演習地を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後、指定の場所に着いた。

街道の明かりは此方まで届いていないが月明かりのおかげか、思いのほか明るかった。

そこには一人の俺と身の丈が変わらないような後ろ姿の茶髪の男性がいた、()()()()()()()()

 

「あなたが待ち人ですか?分校生ですよね、どうしてここに。」

 

思わずまだ戦っているであろう皆の事を思い語気が強まる。

 

「フッ……ハハハハハハ!!!」

 

問いかけるが相手は答えず顔を覆い笑いだす。

その笑い声は夜の空に響き、嫌に耳に残り思わず顔を顰める。

 

「何がおかしいんですか!」

 

「フフ……そりゃぁおかしいさ。」

 

「だから何が!!」

 

「ああ…悪い悪い、まず最初の質問だが、私が君の待ち人で間違いねぇ。」

待ち人はさらに続ける。

 

「そして、二つ目の質問だが、否であり是というところかな?」

 

そう愉快そうに曖昧に答える相手に怒りが沸き激しい言葉で問い詰める。

 

「どういうことだ!!!」

 

「それは…こういうことだよ。」

 

問い詰め、剣を創り構えると、その言葉と共に相手が此方を振り向いた。

 

「ぇ……。」

 

思わず情けない声を出す。

そしてその声はひどく震えていたとも自覚する。

全身から嫌な汗が噴き出し、全身が震える。

 

「どうした?毎日見てる顔だろう?」

 

「黙れ…。」

 

「どうした?感動で何も言えなくなったか?」

 

「黙れ!!」

 

もうこれ以上しゃべって欲しくないとでも言うように叫ぶが相手はそのまま続ける。

 

「おっと、そういえば挨拶を忘れていたな。初めましてだな。兄弟(brother)]

 

そこには笑顔で顔を歪ませた俺の顔があった。


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