「こ、これって……帝国軍の≪機甲兵≫!?」
「いえ、これは―――。」
「≪魔煌兵≫――暗黒時代の魔導ゴーレムだ!」
教官のその言葉と同時に俺たちは互いに武器を構える。
それを見計らったかのように≪魔煌兵≫はその鈍く輝く腕を俺達に叩きつける為振り上げる。
「攻撃が来る!回避するんだ!」
教官がそう叫ぶとユウナ、クルト、アルティナの三人は横に跳んで回避をする、俺も同じようにするが三人と違いARCUSⅡの身体強化の恩恵を受けていないためか鈍い。対して≪魔煌兵≫の動きは体格に似合わず素早い、このままでは間に合わない。
しかし、その事に気づいた教官は俺を抱え上げ安全圏まで避難した後、俺を壁際まで投げ飛ばした。
「エルド!すまないがそこでじっとしていてくれ!」
「いたっ……。」
見ると腕から血が流れており、かすり傷程度ではあるが怪我をしていた。
「それは内戦時に出現していた旧時代マシナリィを捕獲したものだ、機甲兵よりも出力は劣るが、自律行動できるのは悪くない。それの撃破をもって今回のテストを終了とする。」
スピーカーから聞こえる博士の声に皆が文句を言うが魔煌兵は止まらない。
再び腕を振り上げ教官達を潰そうとしてくる。
それを回避した教官は何を思ったのか、右手を天高く伸ばし言葉を発した。
「来い、≪灰の騎神≫―――。」
「騎神の使用は禁止だ。」
が、それは博士の声によって遮られた。
「LV0の難易度は騎神の介入を想定していない。その程度の相手に使ったら正確なテストにならぬだろう。」
スピーカーから流れる残酷な音声、それぞれがそれぞれに息をのむ。
「シュバルツァー、せいぜいお前が“奥の手”を使うか――まだ使っていない≪ARCUSⅡ≫の新機能を引き出して見せるがいい。まぁ尤も、使えぬ者がいはしたが、問題ない、貴様ら四人でも十分に対処可能だ。」
「≪ブレイブオーダー≫モードを起動してください……!」
「そうか――了解だ!」
教官がARCUSⅡを起動し操作すると四人の身体が仄かに光り始める。
それと同時にこれがARCUSⅡの真骨頂なんだなと思う。当然俺はそんな現象は起こっていない。
そう思うと何だか無性にARCUSⅡに申し訳がなくなってきた。
「なんだかごめんな……使ってあげられなくて……。」
そういいつつARCUSⅡを撫でる眼前では皆が魔煌兵との戦闘を繰り広げている。ブレイブオーダーとやらの効果かかなりこちら側が押している状況だ。
それを見てなんだか羨ましくなる。
「せめてもう少しまともな武器が……そうだ剣があれば……。」
そういいつつ右手を前に伸ばす、先ほど怪我したところはもう乾いて血は止まっていた。
「剣が……。」
そうつぶやくと一気に身体が重くなる。
その瞬間に異変は起きた。
突如、地面から巨大な剣が出現し、魔煌兵を縦に切断した。
そこで俺は意識を手放した。
主人公能力覚醒!!!!!!!