血の軌跡   作:おいいいいい

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「なっ…」

 

それが誰の言葉だったかはわからない。

眼前では、魔煌兵が赤黒い巨大な剣によって貫かれていた。

あまりに唐突に訪れた異常に誰もが一瞬固まる。

 

「博士、これは試験の一部ですか?」

 

リィンは現状を理解するためにシュミットに質問を飛ばす。しかし、第三者の存在を警戒しいまだ警戒を解いてはいなかった。

 

「……いや、そのような物は設定していない。」

 

「では、先ほどの攻撃は何処から……。」

 

リィンがそう尋ねるのとほぼ同時、突如、パシャリ。と水が跳ねるような音がしたかと思うと、先ほどまであった巨大な剣が消えていた。

代わりに地面には大量の赤い液体がぶちまけられていた。

リィンはそれに恐る恐る近づくと指に液体を絡ませ臭いをかぐ。

 

「これは…血……?」

 

そうつぶやいた瞬間、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「「「「っ!!」」」」

 

その光景に誰もが息をのむ。

そしてたどり着く終点、そこには壁に背を持たれかけ意識を失ったエルド・アイゼンタークがいた。

血はエルドの身体の中に入っていき、やがてその全てがエルドの身体の中へと消えていった。

 

「うがっぁっぁあああ!!!!」

 

かと思うと突如、エルドが苦しみ悶え始めた。

その声に正気に戻った四人は急いでエルドの元に駆け寄る。

 

「エルド!!」

 

「あああぁぁあああ!!」

 

「くそっ……!」

 

リィンはエルドの方を揺らし呼びかけるが激しく続く喘鳴は止まない、リィンはこのままでは埒が明かないと思いエルドの首筋に手刀を叩き込んだ。

そのおかげかエルドは気を失い、大人しくなった。

 

「取り敢えず、彼を医務室まで運ぼう。」

 

「その、教官彼は……。」

 

「今は気を失っているだけだ、掠り傷含め外傷はない。」

 

「いえ……そう言うわけでは。」

 

勿論リィンはクルトが言わんとしていたことを理解していた。

自身も恐らくクルトと同じ結論にたどり着いたからだ。

 

「わかっている…だが今は確実な証拠はない――」

 

そういいながら背中に背負ったエルド・アイゼンタークを見る。

 

「――取り敢えず彼に聞いてみないとな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「先ほどのデータは取れてるな、弟子候補。」

 

「はい、ブレイブオーダーのデータもバッチリです!あと……そのあとの事も……」

 

狭い管制室に響く老人と少女の声、少女は老人からの問いかけに最初は元気に答えていたものの先ほどの光景を思い出しおどおどしながら答える。

フム…とため息交じりに答えながら次の作業を端的に老人は伝える。

 

「先ほどの映像をだせ。」

 

そういわれるや否や少女はすぐさま動力機を操作し画面に先ほどの映像を流す。

画面には、何もない場所から巨大な剣が出現し魔煌兵を切り裂いた光景が映っていた。

少女は映像が終わるとおどおどとしながら老人に質問をするために振り替える。

だが老人を見たところで少女は固まる。

()()()()()()()

普段から仏頂面で堅物な老人が笑うことはない、ましてや今目にしているように口を大きく歪ませて笑うことなどありえないのだ。

だがそれも仕方ない。

彼は今、目の前で起きた異常に対し、人生史上最高に知的好奇心を刺激されているのだから。




予想以上におもくなりそう……。
第三者視点も難しいですね。
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