血の軌跡   作:おいいいいい

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ミラボレアス強すぎね……?


09

「ほう……それが…。」

 

「ええ…、御蔭で一矢報いることができました。」

 

そう言って構えを解くと、パシャリと音が鳴り、剣はその形を崩し血を地面にぶちまける。

そして零れた血が()()から自分の中に還っていく。その様子を見ながら続ける。

 

「どうやら、俺の能力は()()()()()()()()()()()()()()()()()()の様です。勿論、自分の体内の血液量以上の物や、想像もつかない物は作れないでしょうけど。」

 

「だけど、前に見たとき剣は地面から……。」

 

ユウナの問いに頷いてさらに続ける。

 

「ええ、恐らくですが、自分の血が在る場所にしか創れないんでしょう。」

 

「どういう……?」

 

「つまり――。」

 

そう言って、俺は左に持っていた折れた剣の刃を自身の右手首に当てる。

すると手首からは血が零れ出し、その血を地面に一滴垂らし呟くと、血が付いた場所から剣が出現する。

 

「――こういう事です。」

 

その光景に誰もが息をのむが、分校長だけは愉快そうに笑っていた。

 

「恐らくですが、俺の異能は、自身の血を外界に出すことが発動の条件なんでしょう。そして、自分の血が付いた所からしか創ることは出来ないようです。」

 

「それはどれ程もつのだ?」

 

「現状では長時間は使用できないかと、一分程度でしょうか。」

 

分校長の問いに簡潔に答え、分校長に向き直り礼を言う。

 

「分校長、有難うございました。御蔭で自分の事が少し理解できました。」

 

「気にするな。私も良い物が見れた。それに礼を言うのはまだ早いぞ?アイゼンターク。」

 

そう言って分校長は腰に差している自らの獲物を取り出す。

それを見て思わず口角が上がっているのを自覚する。

理性がここから先は踏み込んではならないと告げている、ここから先に行けば戻ってこれないと。

 

「試したいのだろう?」

 

「よくわかりましたね。」

 

「なに、そんな目で見られれば読んでくださいと言ってるようなものだ。」

 

分校長が軽く剣を振るうと凄まじいほどの闘気が溢れ、俺の肌をビリビリと刺す。

自分でも分かっている、相手が格上なことも、これが必要ない闘争だということも。

 

()()()。」

 

「っ……!」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()。」

 

でも、こんな物を前にして我慢などできるわけがない。だって――――。

 

「いくぞ、雛鳥!凌いで見せろ!!」

 

「――剣よ!!」

 

――こんなにも身体が闘争を求めているんだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

互いの剣が交わり、訓練室にぶつかり合う音が響く。

その音が互いの剣戟の重さを物語っている。

その剣戟も一合、二合とその数を増していく。

 

「随分と腕を上げたものだな。先程とはまるで別人だぞ?」

 

「ええ、剣が教えてくれますので。そういうものではないですか?」

 

「フフ、剣に振られている、という事か?」

 

互いに皮肉を言いながら、距離を取る。

両方ともに、相手を見据え予断無く構えているが、先に動いたのはエルドだった。

彼が放ったその突きは常人であれば、それだけで仕合が終わるような物であったが、オーレリアは剣の腹で受け流しそのまま斬撃を繰り出す。

それを避けられないと悟ったエルドは、空いている方の手に剣を創りだし、受け止める。

 

「忍ばせていたか。まぁいい、不出来な剣が増えただけだ。」

 

「その不出来な剣に随分と攻めあぐねているみたいですね?」

 

「ハハハ!!面白いことを言うものだ。ならば――、更に上げていくぞ?」

 

「っ……!!」

 

オーレリアがその言葉と共に、さらに闘気を高める。

実際のところ、エルドは限界だった。

起きてまだ、数時間しかたっていないことや、先ほどまで何度も打たれていたことも相まって疲労はピークであったが、何よりも技量の差が歴然であった。

先ほどまでの攻防も、なんとかギリギリ追えていただけでしかない。

 

「ほら、しかと受け止めるのだぞ?」

 

「グ……!!」

 

突如、目の前に現れた彼女から放たれた、上段から振り下ろされた刃を、剣を交差させ受け止めるが、それは今までの物がお遊びだと感じるほど鋭く、重い、エルドは思わず体制を崩してしまい、すぐさま攻撃に移れない。

しかしオーレリアは止まらない、彼女はすぐさま剣を横薙ぎに振るう。

 

「まずっ……!!」

 

「なかなかに楽しかったぞ。だが、残念だ。」

 

エルドは横薙ぎの攻撃に反応することが出来ず、何とか剣で防ぐも後ろに大きく吹き飛ばされる。

オーレリアはすぐさま距離を縮め、最後の言葉と共に一撃を放つ。

 

()()()()()。」

 

その一言を最後に、エルド・アイゼンタークは意識を刈り取られていた。




身体は闘争を求める。

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