それからというもの、私は青く特徴的な服を着た人間、灰色に“法の下に在れ”と書かれた服を着た人間、白い服を着た人間を見ると歯止めがきかず、暴走するようになっていた。
それだけでなく、世界各地に存在する、中の壁が白い建物を破壊して回るようになった。
建物の破壊には時折一般人を巻き込むこともあった。
そんな時は大体、暴走が収まり、そのまま去るという行動をした。
あれから1年。私は暴走中に意識が無くなることが無くなっていた。
妖力が扱えるようになって、意識を保てるようになった。
妖力は負の力を持ち、広範囲破壊、広範囲殲滅を得意とし、精密操作を不得意とする力だった。
さらに、神力も扱えるようになっていた。
神力は正の力を持ち、主に妨害と精密操作を得意とし、修復系を不得意とする力だった。
4つの力を扱えるようになったからなのか、四大元素が完璧に扱えるようになった。
この1年の間、“研究所”と呼ばれる施設と、3種類の人間。そして、3種類の人間がいる拠点を片っ端から潰し続けた。
いつしか私は、“異質、異端者の怨霊”と呼ばれていた。
1年の間、私は拠点と研究所を潰し続け、ついに母体を潰した。
再生不可能なほど粉々に。
強力な
その母体があった3つの場所は、焦土と化し、草も木も生えぬ、生物ですら生きられぬ、“死の大地”と化した。
そんな私は、“約束の場所”に来ていた。
政府、世界統一省、そして実験研究所。その全てを潰し終えて、私は約束の場所に来ていた。
亡霊「…こんなことをしても、美恵は帰ってこない。それは分かってる。美恵の性格だから、多分こんなこと望んでない。それでも、私は抑えられなかった。」
軽く座って手を合わせる。
亡霊「霊が手を合わせる、なんて変な気もするけど。それでも…」
あとに言葉は続かなかった。
亡霊「…じゃあ、行くね。」
私は立ち上がり、その場で魔法を発動した。
亡霊「…異端と呼ばれ、普通ではないという理由だけで命を奪われしものたちの魂よ。今ここに、安らかに眠りたまえ…罪なき者たちに、永遠の安息を与えよ…」
そこまで唱えると、魔法陣が強い光を発し、守りの力が発動された。
亡霊「…」
?「…見事じゃの。」
いきなり隣で声がして、思わず飛びのいてしまった。
亡霊「み、美恵のおじい様…」
おじいさん「うむ。そういうお前さんは───じゃな?」
亡霊「…」
おじいさん「ちがうかの?」
亡霊「…ごめんなさい、名前を…忘れてしまったんです。」
おじいさん「ふむ…まぁよい。」
おじいさんは私に背を向けた。
おじいさん「…妻の母が言うとったことは…こういうことじゃったのか。」
亡霊「え…」
おじいさん「…何でもない。それじゃあの。」
そう言うとおじいさんは私から遠ざかっていった。
亡霊「…私も行こう。」
私は、その場でとある術を起動した。
それは、世界を越える術。
ここまでの間で、私は世界を越えられるようになっていた。
全てが終わったときには、私自らこの世界を去るつもりだった。
愛着も何もないが、3年と121日…1年を365日とするならば、3年と139日を過ごしたこの世界を。
亡霊「…じゃあね。」
術が効果を発揮し、私を光が包む。
その寸前。
亡霊「っ!」
微かに、でもしっかりと聞こえた。3年間忘れなかった、彼女の声。
“あ、り、が、と、う”
それから…
“ご、め、ん、ね”
と…
これが、
とりあえずこっち早く終わらせようと思います。