白い服。それを見た途端、私の中で何かが沸き上がった。
?「っ…祟りっ!」
少女は首から下がっている鍵の1つを手に取った。
創詠 月「神なる月の力を秘めし鍵よ。真の姿を我が前に現わせ。神代の契約のもと、“神月の巫女”である我、“
少女…月というらしいその少女が詠唱を紡ぐ度にその鍵が魔力を帯び始めた。
月「
その鍵が強く輝いたかと思うと、先の方に3つの三日月と星が付いている杖になった。
月「祟りを持つものよ!私はあなたを救いに来ました!依頼によって…きゃぁっ!?」
抑えるのに限界が来てしまった。何かを言っていた途中で申し訳ないと、少し思った。
月「…あっぶなぁ…早い…」
少女が体勢を立て直している間に、私は少女の後ろに回り込んでいた。
亡霊「…シャッ!」
月「っ…!」
使えなかった体術は祟り狐の彼女に教えてもらっていた。
私の手は、少女の喉元を目指していた。
少女は反応が鈍く、防御が間に合わない。
そう思った直後だった。
?《
機械的な声が響いたと思うと、私の手が少女の喉元に届く前に弾かれた。
?《
再度機械的な声が響いたと思うと、桜色の光弾が私に向かって飛んできた。その数、15。
私はとっさにその場から離脱した。光弾から十分に距離をとってから唱える。
亡霊「雷(いかずち)よっ!!」
私の手から電気が発生し、その光弾を撃ち落とした。
そのせいで霧のようなものが発生し、少女が見えなくなった。
?《
月「そうだね…それにあの速さ、少し油断していたとはいえ反応できなかった。あの子、かなり強い。」
?《
月「…あの速さ。対処…できる?」
?《
月「…だよね!」
?《Stand by?》
月「うん、“ルナリア”、行くよっ!!」
ルナリア《All right. My master.》
霧が晴れ、少女の姿が見えるようになった。
月「月は夜に、闇は彼方に!月の神達の想いはこの胸に!ルナリア・エコーズ、セーット、アーップ!!」
ルナリア《Stand by Ready. Set up.》
晴れ始めていた霧の中を、紫色の光が照らした。
ルナリア《
機械音の後、光が収まり、私の視界が戻ったかと思うと、少女の姿が変わっていた。
…否。姿ではなく装備。先程の三日月が付いた杖ではなく、紫色の宝石が付いた杖を片手に持っていた。
月「お話を…聞いてくれませんか?」
少女が手を伸ばしてくるが、私はそのまま少女に突進をかけた。
ルナリア《
杖の言葉で少女が私の突進をよけた。
月「一筋縄じゃ行かない、って感じかなぁ…」
再度突進をかけるが、危なげなくよけていた。
亡霊「…特大の
私は…否、“私の体”は勝手に動き、特大の雷を少女に放った。
月「っ…!?さっきより高電圧…!」
ルナリア《
機械音がそう叫ぶと、紫色の障壁のようなものが発生した。
ルナリア《
直後、ものすごい速さで少女が跳躍した。
月「…」
ルナリア《
月「何とか…でも、これは…まずいかもね…」
ルナリア《What if you do?(ならばどうしますか?)》
月「…ルナリア。」
少女は何かを考えているようだ。
月「…いける?」
ルナリア《
その答えを聞くと少女は杖を振りぬいた。
月「…カートリッジ!」
ルナリア《
機械音がそういうと同時に、空中に新しい部品のようなものが現れ、その部品が杖と同化した。
ルナリア《
機械音の声とともに杖から何かが出てき、少女の魔力が増幅された。
月「話にならないなら仕方ない…なら!力ずくでも!!」
少女を中心に魔法陣が展開された。
杖の先には、巨大な桜色の球体がある。
月「“ディバインバスター…」
ルナリア《
直感的に、まずい。そう感じた。
月「フルバースト”ッ!!!」
ルナリア《
瞬間。私に向って、桜色の壁が迫ってきた。
亡霊「大地の盾よっ!!!」
地面を盛り上げて防御を試みたが、あっけなく粉砕。
そのまま私は吹き飛ばされた。
さらに、その吹き飛ばされた先で大量の何かが私の体に覆いかぶさった。
しかし、視界は塞がれなかったため、少女の姿が見えた。
月「…やりすぎたかな?」
ルナリア《...》
月「なんか言って!?」
少女は少し涙目になっていた。
ルナリア《
月「ですって?」
ルナリア《
月「…あの砲撃を食らって?怯んでない?」
気が付かれていた。
亡霊「…吹き飛べっ!!」
私は強い風を起こして覆いかぶさっていたものを吹き飛ばした。
月「…ほんとだぁ…」
少女は少し落ち込んだような表情をしていた。
亡霊(…なんかごめんなさい…)
亡霊「シュッ!!」
私の想いとは別に、体は少女に攻撃を仕掛ける。
月「早い…けど…」
ルナリア《
少女が手のひらを私の方に向けた。
月「“ラウンドシールド”。」
ルナリア《
機械音が聞こえると同時に紫色の円状の魔法陣が現れた。
その魔法陣と私の手が衝突すると同時に大きな音が響いた。
月「…ルナリア。ウェポンモード。カテゴリは細剣で。」
ルナリア《
機械音が聞こえると、杖が刀身の細い剣になった。
月「…ハッ!」
亡霊「!」
いきなり少女から放たれた3発の鋭い突きに反応しきれず、1発は何とか回避したものの残り2発は直撃を食らってしまった。
亡霊(痛い…)
亡霊「グルル…」
月「…」
ルナリア《
機械音が聞こえると同時に、少女の右手から見えないほどの速さで突きが放たれた。
亡霊「ガッ!?」
亡霊(きゃあぁぁぁああ!?)
心と体。それぞれ悲鳴を上げながら吹き飛ばされていった。
少女はすぐに吹き飛ばされた私の前に立った。
月「…ルナリア、どう思う?」
ルナリア《
月「多分…ね。だったら…」
少女はそこから先は言わなかった。
ルナリア《
月「…ありがと。」
少女は感謝の言葉を述べていた。
その少女の持つ2つの剣に、光が灯った。
ルナリア《
機械音がそういったとたん、少女が私の懐に入り込んだ。
月「“スターバースト…!」
ルナリア《
機械音がそう言い切る前に連撃が始まっていた。
亡霊(痛い痛い痛い痛いっ!!)
月「ストリーーーーム”ッッ!!!」
亡霊「ウガァァァァアア!!」
月「きゃあっ!?」
私の体が少女を投げ飛ばそうとした…が。
月「舐め…ないでよねっ!!!」
亡霊「ヌガッ!?」
少女は私の拘束を無理やり振りほどき、空中に飛び上がった。
亡霊(無茶な…!)
私も人のこと言えないところはあるが。
しかし、少女の攻撃はこれで終わりではなかった。
ルナリア《
まず、機械音の後に剣が変わった。
具体的には、普通といえる銀色の剣だったのが、緑色と黒色の剣になった。
その後、一瞬。ほんの一瞬だけ、私めがけて突進してくる少女の姿が変化した。
白い巫女服一式だったのが、上は黒いロングコート、下は黒いズボンに。
黒い眼だったのが、金色に輝く眼に。
長い髪だったのが、短い髪に。
その手に、今までなかった指だけが見える黒い手袋。
白い巫女ではなく。黒ずくめの剣士と言える姿だった。
月「ああああああっ!!」
けれど、その声は紛れもなく女性で。
時間にして1秒あったかどうか、その変化は消えた。
その1秒程度で、私を動揺させるには十分だった。
故に、私は防御を忘れ。
いつの間にか少女は、私のそばにまで来ていた。
少女は空中で剣を輝かせた。
月「“ブラック…」
ルナリア《
亡霊(ブラックハウリング…?)
ルナリア《
月「ハウリング・アサルト”ッ!!」
剣が輝いたかと思うと、連撃が始まった。
しばらくすると剣の輝きが小さくなりはじめ、終わると思ったのだが…
月「“シャイン…サーキュラー”ッ!!」
ルナリア《Shine Circular.
亡霊「!?」
剣が輝きを取り戻し、また連撃が始まる。
月「“ナイトメア・レイン”ッッ!!!」
ルナリア《
亡霊(痛い痛い痛い痛い痛い~~~~!!!)
自分の意志で制御ができないとはいえ、自分の体である。連撃を叩き込まれていては流石にそうなる。
亡霊(これで終わってくれればいいけど…!)
しかし、現実は…
月「“ネビュラレイド……!!」
亡霊(なんか嫌な予感するっ!?)
ルナリア《
機械音がそう言ったとたん、先程とは比べ物にならない量の連撃が私を襲った。
亡霊(重い~~~!!一撃が!!凄くっ!!)
月「……エンプレス”ーーーーーッ!!!」
少女が叫ぶと同時に剣が止まった。
亡霊(はぁ…はぁ…重…すぎるよ……はぁ…はぁ…)
心の私はもう限界に近かった。
しかし、私の体は少女に向かっていく。
亡霊(お願いっ!!もう…止まってよっ!!)
そんな私の願いが届くことはなかった。
亡霊「死ねっ!!!」
物騒なことを言いながら、私の体は少女に向かっていった。
亡霊(お願いっ!!誰か…!!!私を…!!!!止めてっ!!!!!)
そう願った。
亡霊「地獄の紅蓮よっ!!!」
亡霊(…!だめーーーー!)
亡霊「いけっ!!」
その炎の先にいる少女はその炎をじっと見ていた。
月「…」
少女はその炎に手を伸ばした。
亡霊(だめっ!その炎は
そう思ったが、少女はその炎に触れてしまった。
しかし、その後の光景は私の予想外の物だった。
月「…」
亡霊(…え?焼かれて…ない!?)
少女は焼かれていなかった。というか、無傷。
亡霊(えええええええっ!?何で!?)
私の術の中で“地獄の紅蓮”のワードで起動する炎の術は、
月「…ルナリア。あれ、お願いね。」
ルナリア《
月「大丈夫。ルナリアの準備ができるまで、時間稼ぎはするから。」
ルナリア《
そう言うと、機械音はしなくなり、少女もその機械音がしていた剣を背中にあった鞘に納めた。
代わりに、背中に吊ってあったらしい三日月の付いた杖を構えた。
亡霊(…っていうかあの杖、いつの間にかなくなってたと思ったら、背中に吊ってあったんだ…)
月「…ルナリアの補助もほとんどない状態で。そして、何も武器を使わずに勝てる相手じゃないって言うことは分かった。」
少女が話し始めた。
月「でも、私は負けるわけにはいかない。ここに来たのはあなたを助けるためだから。」
亡霊(私を…助ける…?)
亡霊「ルルル…」
月「…あなたが、私に対して憎しみを抱いているのは、戦ってて分かった。でも、私はあなたと会ったことなんてないし、なんで私が憎まれているのかも知らない。」
亡霊「…」
月「でも…なんだか放っておけない。依頼云々抜きにしてっ!!」
亡霊(依頼…)
そういえば、最初にそんなこと言ってた気がする。
月「“
少女が何かを唱えると、持っている杖が剣になった。
亡霊(それも剣になるんだ…)
よく分からない感情が沸いた気がする。
月「だから…今の状態で出せる全力で行くっ!!」
少女から魔力が漏れ始めた。
月「ルナリアがいないからって…神月の巫女を舐めないでよねっ!!」
私の体が霊力で少し短めの剣を生成した。短めといっても、それは少女の剣と刃渡りが同じくらいであったが。
亡霊「ガァァ!!」
月「セァッ!!」
直後、私と少女の剣が交錯した。
ちなみに英文に関してはgoogle先生の力をお借りしております