亡霊のお話   作:Luly

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まだ…まだ大丈夫なはず…(先の展開を知っているため辛い)


第二話 出会い

私は唐突に目が覚めた。

 

体が重く、動くことができない。

 

昨日の疲れが残っているのだろうか。

 

自分の手を見ると、いつもより透明度が高い気がした。

 

やっと消えるのかな、と、目を閉じながらそう思った。

 

そう思った、時だった。

 

?「あれ…どうしたの?」

 

不意に、何者かの声がした。

 

目を開けると、少女がいた。

 

黒く長い髪、黒い眼。水色を基調としたトップスに黄色のスカート。

 

気配は生者そのもの。

 

でも、雰囲気は真っ白で、柔らかい雪のようで。

 

彼女に触れたら彼女が溶けて消えてしまいそうな感覚がした。

 

少女「貴女は…誰?」

 

少女の問いに、私は答えられなかった。

 

少女「弱ってるのかな…?…私の家、くる?」

 

私は軽く頷くことしかできなかった。

 

 

 

私を見つけた少女は“美恵(みえ)”というらしい。

 

私が彼女の家についてから、すぐに名乗られた。

 

美恵「貴女の名前は?」

 

そう聞かれたけど、首を振ることしかできなかった。

 

それを見ると、彼女はどこかに消えた。

 

怒らせたかな、と心配になったが、すぐに戻ってきた。

 

だが、先程までとは姿が全く違った。

 

白く長い髪に赤い眼。真っ白な素肌に淡い青色のワンピース。

 

触れたら消えてしまいそうなイメージがさらに増した。

 

薄く微笑むその気配が、何とも言えない儚さを引き出していた。

 

美恵「私は、“美恵”。今年で18歳。貴女の、名前は?」

 

再度問われたが、私は首を振ることしかできなかった。

 

美恵「…もしかして…名前…ないの?」

 

私は素直にうなずいた。

 

美恵「…そっか。ごめんね、しつこく聞いちゃって。」

 

私は首を振った。

 

美恵「あれ…もしかして…声も…?」

 

私は軽く首を振って、口から小さな音を吐き出した。

 

美恵「声が無いわけじゃなくて…言葉が出せないってこと?」

 

私はうなずいた。

 

美恵「そっか…ごめんね、さっきから…」

 

私は首を振って、美恵に抱き着いた。

 

美恵「私のせいじゃないって?…ありがとう。優しいんだね。」

 

この時、私は言葉を覚えようと思った。

 

 

 

美恵と出会ってから、2週間が経った。

 

あれから、美恵は私に名前をくれた。

 

すごくきれいな名前だったはず。

 

でも、今となっては思い出せない。

 

亡霊「み、え…」

 

美恵「…え?───?言葉を…?」

 

亡霊「お、し、え、て…」

 

美恵「え?え?え??」

 

美恵は困惑していたが、私から視線は外さなかった。

 

亡霊「お、し、え、て…こ、と、ば…」

 

美恵「言葉を…教える…??」

 

亡霊「お、し、え、て…み、え…」

 

美恵「わ、私が!?───に!?」

 

私は軽くうなずいた。

 

美恵「えぇっ、できるかなぁ…」

 

亡霊「だ、め?」

 

私がそう言うと、少し考えてこう言った。

 

美恵「いいけど…できるかなぁ…と、ともかく、私、頑張るね!」

 

その日から私は美恵に言葉を教わり始めた。

 

…ちなみにここまでは独学。

 

 

 

それからまた5週間くらい経って、私は普通に会話ができるようになっていた。

 

亡霊「美恵…」

 

美恵「ん~?」

 

亡霊「…ありがと、私に言葉を教えてくれて。」

 

美恵「あ~…」

 

美恵は言葉に詰まった。

 

美恵「流石にいきなり教えて、っていわれた時はびっくりしたよ。教えられるかわからなかったし。でも…」

 

美恵はそこで言葉を区切った。

 

美恵「“一緒に話すことができるかも”、とは思ったんだよね。ほら、ここって私と───以外住んでないでしょ?」

 

そう言われてみると確かに、この家で私と美恵以外の存在を見たことが無かった。

 

美恵「だから、話し相手がいなくて少し寂しかったんだよね。私、こんな姿だから気楽に外にも行けないから。」

 

亡霊「“こんな姿”って…綺麗じゃん、美恵。私、美恵の姿好きだよ?」

 

美恵「あはは…ありがとね、───。お世辞でもそう言ってもらえると私も嬉しい。」

 

お世辞じゃないんだけど、という言葉は飲み込んだ。美恵の表情が苦しそうに見えたからだ。

 

美恵「…そうだ、───。霊力の方はどうなの?」

 

霊力。私に宿っていた力。160年前、私に発現した不思議な力の一端だった。

 

この力、実は美恵が気付いた。言葉を教えてもらっているとき、[───から自分と同じ力の気配がする]、と言われたのだ。

 

その言葉の通り、美恵も霊力持ちだった。

 

言葉の練習と一緒に、霊力の使い方も教わった。

 

亡霊「ばっちり、かな?まだ安定しないところを見ると、もうちょっと調整が必要かもだけど。」

 

美恵「そればっちりって言えるの?」

 

亡霊「うっ…」

 

美恵「全くもう…私は霊力しかないからまだいいけど、───は霊力だけじゃなくて魔力、妖力、神力もあるんだからね?」

 

亡霊「はぁい…」

 

そう。霊力、魔力、妖力、神力。これが私に発現していた力だった。

 

美恵「…さ、練習練習。」

 

亡霊「はぁい……?」

 

美恵「…?どうしたの?」

 

亡霊「…美恵、焦ってる?」

 

美恵「…どうして?」

 

亡霊「勘…かな?」

 

美恵「へぇ…」

 

美恵は少し考えこんだ。

 

美恵「う~ん…───が霊力の扱いの基礎をマスターしたら。そしたら教えてあげるね。」

 

亡霊「…わかった。」

 

それから私は霊力の扱い方の練習を以前よりも積極的にやり始めた。

 




…そういえばタグに書いてある要素出てくるの遅いんですよねぇ…“カードキャプターさくら”はもう出たけど(実在しないカードだけど“THE PHANTOM”っていう名前で察してください)。
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