亡霊のお話   作:Luly

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う~ん…最近筆が進みません。これに関しては別に筆が進まなくても大丈夫なんですけどね…


第三話 真実

あれから10週間が経った。

 

美恵「…変化して。」

 

亡霊「…こう?」

 

美恵「そう、それから肉体を散らせて…」

 

…怖いことを言っているように聞こえるが、ただただ体を霧散させているだけである。

 

美恵「細分化は成功。元に戻して。」

 

その言葉で私は元の白く長い髪に鮮やかな緑の眼、白めの素肌に淡い緑色のワンピースという姿に戻る。

 

この淡い緑色のワンピースは美恵が私にくれたものである。

 

美恵「水。」

 

軽くイメージすると手のひらの上に水が現れた。

 

美恵「凍らせて。」

 

熱を奪うイメージをすると、その水がいきなり凍った。

 

美恵「溶かしてから霧に。」

 

熱を与えるイメージの後、霧をイメージするとその水が霧状になった。

 

美恵「霧を凍結。」

 

そのまま熱を奪うイメージをすると空気中に氷が現れた。

 

美恵「…ん、消していいよ。」

 

空気中の氷を消すイメージをすると、私はすぐにその場に崩れ落ちた。

 

亡霊「はぁ…はぁ…」

 

美恵「う~ん…やっぱり温度操作苦手?」

 

亡霊「温度操作じゃなくて…複数の同時操作が苦手…」

 

美恵「そっちかぁ…」

 

美恵は少し考えこむ。

 

美恵「並列作業は慣れるしかないからなぁ…まぁいっか。」

 

亡霊「…次は?」

 

次の扱い方に入ろうと思ったのだが…

 

美恵「え?もうないよ?」

 

亡霊「………え?」

 

突然の言葉に私の思考が止まった。

 

美恵「だって、“変化術”“治癒術”“攻撃術”“元素生成”“温度操作”“物体操作”…この辺終われば霊力の扱い方はほぼ終わってるもん。」

 

亡霊「…ってことは…?」

 

美恵「これにて基礎修行終了、かな?お疲れさま、───。」

 

私はよく意味が分からなかったけど、とりあえず美恵に抱き着いた。

 

美恵「わっとっと……でも、基礎修行終わっても気を抜いちゃだめだよ?応用は───自身が作り出すんだから。」

 

亡霊「はぁい…」

 

美恵「…ね、───。」

 

亡霊「?」

 

美恵「今夜…私が───に隠してたこと…話すね。」

 

亡霊「隠してたこと…?」

 

美恵「うん…」

 

美恵はそれ以上語ろうとはしなかった。

 

 

 

夜になった。私は家の中から空を見上げて美恵を待っていた。

 

美恵「…お待たせ。ごめんね、待たせちゃって。」

 

私は首を振った。

 

美恵「…その答え方、見るの久しぶりかも。最近はずっと言葉で答えてたもんね。」

 

亡霊「そうだっけ…?」

 

美恵「そうそう。」

 

そこで会話が途切れた。

 

美恵「…ね、───。」

 

亡霊「?」

 

美恵「今から私が話すこと…聞いててね。」

 

亡霊「?う、うん…」

 

美恵「…この世界ではね。異端は生きていけないの。」

 

亡霊「異端?」

 

美恵「うん…普通じゃないもの。それは生きていくことができない。私も…そう。この世界で生きてはいけない存在。」

 

亡霊「え…」

 

美恵「───はさ。私の姿を見て…綺麗、って言ってくれたよね。」

 

黙ってうなずいた。

 

美恵「正直、うれしかった。だって、そんなこと言ってくれる人、今までいなかったし。」

 

亡霊「…」

 

美恵「私みたいな異端は、逃げ続けてもいつかは、って思ってたから。」

 

亡霊「…」

 

美恵「…ごめんね、暗い話で。」

 

謝られる…が、先に1つ言いたい。

 

亡霊「…綺麗だって思ったのは本当なんだけど…」

 

美恵「…うん、わかってる。ありがとう。」

 

亡霊「だって、あの時お世辞だと思ったみたいじゃん…」

 

美恵「あれは照れ隠し!!」

 

亡霊「へぇ…」

 

美恵「もう…話を続けるよ。この世界で普通っていうのは、何も能力とかを持っていない人間。そして…“黒髪黒眼”の人間のこと。それ以外の人間は全て“異端”と見なされる。」

 

亡霊「…」

 

美恵「異端と判定された者は…」

 

そこで美恵の声が止まった。

 

亡霊「美恵…?」

 

美恵「…っ!」

 

美恵の体が震えていた。私はそっと、美恵の手に自分の手を重ねた。

 

美恵「…ぁ…」

 

美恵の震えが収まっていく。しばらくそのままにしていると、震えが完全に止まった。

 

美恵「…ごめん、情けない所見せちゃったね…」

 

亡霊「美恵…辛いなら…」

 

私がそういうと美恵は軽く首を振った。

 

美恵「ううん、自分で話すって決めたことだから。…ね、───。」

 

亡霊「?」

 

美恵「手…つないでくれるかな…」

 

亡霊「…ん。」

 

私は美恵と手をつないだ。すごく、冷え切っていた。

 

美恵「…ありがと。」

 

亡霊「…」

 

美恵「続けるね。この世界で、異端と判断された者はね…」

 

亡霊「…者は…?」

 

美恵「…捕まって実験動物として使われるか…殺されるの。」

 

亡霊「…!」

 

美恵「初めて会ったとき…私、黒髪黒眼だったでしょ?」

 

私は軽く頷いた。

 

美恵「あれ…私ができるカモフラージュなの。ああでもしないと、私も…」

 

亡霊「…」

 

美恵「6年前…政府と世界統一省の追っ手から私を逃がしてくれたのはお母さんだったの。お母さんは普通だったんだけど…」

 

亡霊「…」

 

美恵「…世界総合法第4条…異端者を庇った者は即刻処刑される…」

 

亡霊「そんな…!じゃあ、美恵のお母さんは…!」

 

美恵はぎこちなくうなずいた。

 

美恵「うん…私が…12歳のころ、殺されたよ…私の、目の前で…」

 

亡霊「…」

 

美恵「お母さん、最後に私に向かって言ってた。[美恵、逃げなさい!この世界の、どこまでも!]、って。そういった後、お母さんは…」

 

その話を聞いて、私は自然と美恵を抱きしめていた。

 

美恵「え…?」

 

亡霊「ごめんね、辛い話をさせて…」

 

美恵「…いいよ、自分から話したんだし…」

 

そういう美恵の声は震えていた。

 

美恵「ふっ…ぁっ…」

 

亡霊「…」

 

美恵「ぁっ…ぁっ…うああぁぁぁぁぁぁあああ!!!」

 

私は泣き出した美恵の声を聴いて決意した。

 

絶対に、美恵の事は守ると。

 

そのために、私は強くなると。

 

 




ということで美恵さんの過去と世界の事情が明かされました。…はぁ。
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