亡霊のお話   作:Luly

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第八話……う…


第八話 祟り

 

…痕跡を辿り始めて、360日が経った。

 

私は山の中にいた。

 

この先に、美恵の痕跡は続いていた。

 

すぐにでも探しに行きたかったが、この山に入った途端体が重くなった。

 

自分の体を調べると、疲労によって体が重くなっているようだ。

 

動こうにも体が重く、歩きずらい。

 

せめてと思い、木の枝の上に移動すると、すぐに意識が落ちた。

 

 

 

私の意識はすぐに覚醒した。

 

しかし、体が動かなかった。

 

無理もないかもしれない。

 

あの岩山で薄い痕跡を見つけてからここまで、休みなしのようなものだからだ。

 

動こうとしても動けないことに気が付いた私は、動けるようになるまで待つことにした。

 

 

 

結局、動けるようになったのはそれから5日後の事だった。

 

366日目。私は、山の中を進んだ。

 

山の中は迷路のようだった。

 

痕跡も多く、場所を行ったり来たりしていた。

 

1つずつ見ていくと、やがて1つの痕跡に辿り着いた。

 

私はその痕跡を辿って行った。

 

時折、痕跡への道をを邪魔している木々もあった。

 

そんなのは斬り倒すか、地面を潜って通過した。

 

迷い続けて2日。369日目、ついに開けた場所に出た。

 

そこには、石造りの建物があった。

 

美恵の痕跡は、確実にその建物へと通じている。

 

木の陰から様子を見ていた私は、3つの人影を見た。

 

1つ目は白い服を着た人間。2つ目は青く、特徴的な服を着た人間。3つ目は灰色の服を着た人間。

 

白い服と灰色の服は分からない。

 

だがあの青い、特徴のある服は分かる。あれは、世界統一省のものだ。

 

そろそろ2年前になるが、忘れていない。

 

とはいえ、それで怒りに任せて出ていくほど馬鹿ではない。

 

細分化したまま、私はその建物に向かった。

 

建物の中に入ってすぐに目についたのは真っ白な壁だった。

 

どこを見ても白、白、白。気味が悪かった。

 

比べるのは悪いとは思うが、美恵の髪のような光に照らせばその光を反射してきらきら光る、綺麗な白じゃない。無機質な、ただただそこにあるだけ、というような白だった。

 

普通以外を認めないこの世界で、この光景は異常に見えた。

 

しかし、先程から私のそばを通り過ぎる人間たちは、皆、異常だとは思っていないようだった。

 

追跡を続けていたせいか、気分が悪くなり、建物内に少しは異常ではないような場所があったため、そこである術を使ってから休息をとった。

 

 

 

ふと、意識が覚醒した。

 

周囲が壁のため、時間は分からないが、恐らく次の日になったのだろう。

 

休息をとる前に使ったのは、次の日になったら自動的に覚醒へと導いてくれる術だ。

 

偶然完成した応用術だが、こういう時には役に立つ。

 

370日目。

 

美恵の痕跡はこの建物で途絶えている。

 

いくら感覚を鋭くしても、ここから出た痕跡は見つからなかった。

 

いる。

 

確実に、美恵はここにいる。

 

そう思って見える痕跡を辿り始めた。

 

 

 

何時間が経ったのだろう。

 

この場所で痕跡を辿り続け、長い時間が経った気がする。

 

美恵の痕跡は、同じ場所を行ったり来たりしていた。

 

そのせいで、痕跡を辿るのが大変だった。

 

だが…

 

見つけた。

 

…最後の痕跡。

 

美恵が、最後に行った場所に通じるであろう痕跡。

 

1つの、部屋に通じていた。

 

両開きの扉の、その先に。

 

痕跡を示す線は、続いていた。

 

私はその扉を通過した。

 

その後、私は久しぶりに元の姿へと戻った。

 

この場所に……

 

……美恵は、いなかった。

 

あったのは、大量の機械と、()()()()()()()()()()()()()()()()()()…だ……け………

 

……いや。

 

…………まさか

 

………………そんな

 

はずは……

 

私は嫌な予想を拭うために美恵の痕跡を探した。

 

その痕跡は………

 

………塊に、つながっていた。

 

理解ができなかった。

 

…否、理解したくなかった。

 

私は恐る恐るその塊に触れた。

 

…全てを、理解した。

 

理解してしまった。

 

これは…

 

この塊は……

 

………まぎれもなく…………

 

………………美恵だと………

 

亡霊「あ…あ……あ……ぁ…」

 

塊に触れたとき、全てを理解した。

 

何故ここにこんな塊があるのか。

 

この塊が何なのか。

 

………美恵が、私と別れてからどうなったのか。

 

全て。

 

理解、してしまった。

 

亡霊「ぁ…ぁ……!」

 

その時、後ろの扉が開いた。

 

白い服の。

 

人間だった。

 

白い服の人間「む…!?異端者っ!捕まえろ!!」

 

白い服の人間が私を見てそう叫ぶと同時に、灰色に“法の下に在れ”という言葉が緑色で書かれている服を着た人間。そして、青い、特徴的な服を着たニンゲンが現れた。

 

亡霊「ぁ…ぁ………!!」

 

その姿を視認した瞬間、私の中で何かが切れた。

 

こいつらだ。

 

亡霊「あ……あ…ア…ア…!」

 

美恵を…

 

亡霊「ア…アァ…!」

 

…殺した奴らは。

 

亡霊「ああああああああああアアアアアアアア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッッ!!

 

そこから先は、覚えていない。

 

ただ。

 

私が意識を取り戻したとき。

 

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さらに…

 

亡霊「…ぁ。」

 

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これが、今────2019/08/01から丁度3年前の出来事である。;




ちなみに赤く染まったのは返り血です。…なんで私こんなの書けたんでしょう。
それと最後の方の亡霊さんの

ああああああああああアアアアアアアア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッッ!!

っていうのは文字数稼ぎ目的じゃなくて彼女の怒りの咆哮だと言っておきます。文字の方も変わってますし。
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