side:ハルジオンの丘
「はぁ〜食った食った!」
「あい!」
レストランで食事を終えたナツたちは街の丘で一休みをとっていた。
「あの“火竜”を名乗る男・・・どこかで見たような・・・?」
「まだ言ってんのか、お前・・・?」
「ナツ〜アレ見てよ!」
「ん?」
ナツに声をかけたハッピーは海の沖にいる船に指さして、話しかけた。
「あぁ、確かあの“火竜”って男が言ってたパーティーをやっているんだったな・・・」
「ナツは基本乗り物に弱いから参加出来ないけどね」(。-∀-)ニヒ♪
「Σ笑うことはねえだろ青猫」(ꐦ ˙-˙ )
互いに軽口を叩きながら、話をしていたナツたちの近くに街の住人の二人組があの船について話していた。
「ねぇ見て!アレが“火竜”様が乗っている船よ!!」
「あ~あ、私もパーティーに参加したかったなぁ・・・」
「“火竜”って?」
「あれ、知らないの?」
「有名な“妖精の尻尾”のギルド魔導士だよ」
「「!?」」
「“妖精の尻尾”・・・」
「あ、思い出した」
「あい?」
「あの“火竜”を名乗る男の本名はボラ・・・窃盗を繰り返したことでギルド・“
「・・・J・2?」
「ム?」
「それを早く思い出せよ!?」
「Σウゴォ!」
side:船内
「ちょっと!何なのよアンタ達!!?」
「へへへっ・・・」
“偽火竜”こと、ボラに騙されて船の中に乗っていたルーシィーは奥に隠れていた手下達に捕まってしまった。
「ようこそ我が奴隷船へ!」
「
「Σえ!!?」
「ちょっと・・・“妖精の尻尾”は!!?」
「言っただろ?奴隷船だと・・・」
「初めっから商品にする為に乗せたんだ・・・諦めなよ」
「そんな・・・!!」
それを聞いたルーシィーは言葉が出なかった。そんなルーシィーに手下達は笑いながら手口を言い始めた。
「“火竜”さんも考えたよなぁ。“魅了”に掛かった女たちは自らケツ振って商品になるんだから・・・」
「この姉ちゃん“魅了”に掛かってねぇみてぇだし・・・少し
(ヤダ・・・嘘でしょ・・・)
ルーシィーは顔を俯かせて青ざめていた・・・自分がこれからどうなるのかを想像して・・・。
(何なのよコイツら・・・こんな事をする奴らが・・・)
ボラはルーシィーの脚に隠してあった鍵の束を手に取った・・・。
「ほぉ・・・」
「〝
「星霊・・・何ですかいそれ?」
「あっしら魔法には無知でして・・・」
「いや、気にする事はない」
「この魔法は契約者以外には使えん」
「つまり僕には必要ないってことだよ・・・」
そう言ってボラはルーシィーの鍵を窓から投げ捨てた。その際、
(これが・・・“妖精の尻尾”の魔導士!!!)
「さぁ、話はここまで・・・」ガシッ
「まずは奴隷の烙印を押させてもらうよ?」
悔し涙を流して睨むルーシィーにボラは熱していた鉄判子を向けてきた。
「ちょっと熱いけどガマンし「それはやめた方がいいぞ?」・・・は?」
突然ボラのセリフを被せた声が扉から響き、部屋の中にいた全員がその扉を見つめた。
「そんな事をすれば・・・俺たちがタダじゃ済まさんからな・・・」ギィ…
中に入ってきたのは昼間にボラとルーシィーに出会った鉄の体を持つJ・2だった。
「J・2!!」
「お前は昼間の!?」
「今度はなんだ!?」
J・2が部屋に入った数秒後、突然天井が崩れた事でルーシィーは拘束から逃れた。
天正の瓦礫から出てきたのは鱗のようなマフラーをした桜髪の少年のナツだったが・・・
「無理・・・吐きそう・・・」ウプッ…
「Σエーーー!!?カッコ悪いーーー!!!」
しかし、元から持っていた〝乗り物酔い〟で壁にもたれかかってしまった。
「ナツは全ての乗り物に酔ってしまう〝
「勝手に・・・バラすな・・・!!」
「それよりコレだ」ポイッ
「わッ!?」
ナツの〝弱点〟を言ったJ・2はルーシィーに何かを投げ渡した。
「これって・・・!」
投げ渡された物は先程〝偽火竜〟に投げ捨てられた〝門の鍵〟だった。どうやら投げ捨てらた所に偶然キャッチしたらしい。
「それはちゃんと持っておくといい」
「・・・うん!!」
「ハッピー・・・ルーシィーを早く・・・外に・・・!!」
「アイサー!!」
「∑えっ!?」
ナツの合図で天井の穴から飛んで入って来たハッピーはルィーシーを掴み空へと逃げた。
「ハッピー!!あんた何で飛んでんの!!?」
「〝
「何であたしだけ!?ナツとJ・2は!!?」
「3人は無理」キッパリ
「あら・・・(汗)」
「それより海に落として!!あたしに策があるの!!!」
「いいよ」
ルーシィーの頼みを聞いたハッピーは船から少し離れた位置に着水させた。
着水したルーシィーは星霊魔導士である自身が契約した星霊を呼び出す鍵──〝門の鍵〟の1つを海に指して発動した。
そこから出てきたのは人魚の姿をした〝横道十二宮〟の一体、〝宝瓶宮のアクエリアス〟だった。
「すげぇーー!!!」
「さぁアクエリアス!あなたの力であの船を岸まで押し戻して!!!」
「ちっ」
「∑今「ちっ」て言ったかしらアンタ!?」
「今それどころじゃないよ(汗)」
主人であるはずのルーシィーの命令を面倒そうに舌打ちした星霊。ちゃんとした主従関係なのかと疑問に思うハッピーだった。
「1つ言っておく」
「今度鍵を落としたら殺す」ギロッ
「ご・・・ごめんなさい・・・」
アクエリアスの忠告という名の脅しにぐうの音も出ないルーシィーは小さく謝った。
脅し終えたアクエリアスは自信の持っていた壺を掲げて魔力を溜め込み始めた。
そして溜めた魔力を一気に放出して津波を起こし、奴隷船を岸まで押し返して行った・・・
「アタシまで一緒に流すなぁ〜〜!!!」
・・・主人である筈のルーシィーでさえも巻き込んで・・・・・・
ーENDー