FAIRY BUSTER   作:仮面ライダーハードエボル

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FAIRY 07 依頼主メロン

side:ギルド〝妖精の尻尾〟

 

 

「あれ?エバルー屋敷の1冊20万Jの仕事・・・・・誰かに取られてちゃった?」

 

 

ナツ率いるチーム〝バスターズ〟がルーシィを連れて仕事に向かった頃、ギルドで依頼版を見ていたチーム〝シャドウギア〟のリーダーのレビィがそう呟いた。

 

その呟きを聞いたミラジェーンがナツが依頼を受けた事を告げる。

 

 

「その依頼ならナツがルーシィを誘うって言って持って行ったわよ」

 

 

「あ〜ぁ・・・迷ってたのになァ・・・」‎(´._.`)シュン。。

 

 

「レビィ・・・行かんで良かったかもしれんぞい」

 

 

「あ、ギルドマスター」

 

 

先を越されて悔しそうにするレビィにギルドマスターのマカロフがカウンターに腰をかけ、何かが起こる予感を感じたのか、面白そうに笑っていた。

 

 

「その仕事・・・少し面倒な事になっていてな。依頼主からの連絡で報酬を200万Jに引き上げる・・・だそうじゃ」

 

 

「∑10倍ッ!!」

 

 

「「∑本1冊に200万ッ!!?」」

 

 

マカロフが語った依頼主からいきなり討伐系並みの報酬アップ。それを聞いた〝シャドウギア〟や周りの魔導士達も騒然となる一方、話を聞いていた半裸のグレイは不敵に笑っていた。

 

 

「面白そうな事に・・・・・なってきたな」ニィッ

 

 

 

 

 


side:馬車の中

 

 

チーム〝バスターズ〟を結成したナツ達は馬車で依頼主がいるシロツメの街へ向かっている。

 

肝心のナツ達は―――

 

 

「馬車の乗り心地は如何ですか?ご主人様w」

 

 

「・・・・・・・・・・冥土(メイド)が見え始めた」(⁝ᵒ̴̶̷᷄ ཫ ᵒ̴̶̷᷅⁝ )

 

 

「ご主人様はオイラだよ!!」( ` Δ´)

 

 

「うるさいネコ!!」

 

 

「ルーシィ、ご主人様ではなく旦那様が正しい言い方だぞ」

 

 

「∑あんたはマジメかい!!」

 

 

―――少しふざけながらくつろいでいた。

 

 

「言ってみれば随分と簡単な仕事よねー」

 

 

「あれ?渋ってた割にはけっこう乗り気?」

 

 

「トーゼン!!なんてったってあたしの初仕事よ!!ビシッと決めさせてもらうわ!!」グッ

 

 

ルーシィは今回の初仕事における意気込みをそう言って笑顔でガッツポーズを見せる。

 

 

「要は屋敷に潜入して本を1冊持ってくればいいんでしょ?」

 

 

「スケベオヤジの屋敷からね」

 

 

「そう、スケベオヤジ」

 

「こう見えてあたし、色気にはちょっと自信があるのよ。ウフン❤」

 

 

「ネコにはちょっと判断出来ません」

 

 

「機械の俺にも判断できん」

 

 

「コイツらにそういうのは期待するな・・・・・ウプッ!!」

 

 

「∑まともな評価出来る人が誰もいなーーいッ!!」

 

 

猫と機械――バディロイドに冷たくあしらわれ、ナツには酔いながら同情された事で1人嘆いた。

 

 

「それはそうと今回の仕事・・・アンタらに出番はないんだから、報酬の配分は7・1・1・1だからね!」ビシッ

 

 

「ルーシィ1でいいの?」

 

 

「ハッピー、ルーシィは7だぞ」

 

 

「そういう事。分かってるじゃない、J・2!」

 

 

ルーシィが仕事の報酬は自分が多めだと3人に念を押すように言うが、ハッピーがルーシィをイジり、J・2がそれを咎めた。

 

 

「ちょ・・・ちょっと待て・・・・・報酬は・・・それでいいが・・・・・俺らも役目が・・・・・ある・・・!」

 

 

「何よ?」

 

 

と乗り物に酔って酸っぱい顔をしているナツが苦しそうに物申した。

 

 

「捕まったら助けてやる」

 

 

「そんなミスはしません」

 

 

「ボラに騙されて奴隷にされかけたり星霊に閉じこもってバルカンに攫われたのでは」

 

 

「よく言えたよねェ、オイラだったら恥ずかしくて言えないよ」ヒソヒソッ

 

 

「∑そこウッサイっ!!!」( º言º)

 

 

J・2に指摘され、ハッピーに侮辱されたルーシィは2人に怒鳴り散らした。

 

 

 

 

 


 

side:シロツメの街

 

 

「着いた!!!」

 

 

「乗り物本っ当にキツ・・・・・」

 

 

「いつも言ってるよね、それ」

 

 

()()になれば酔うことは無いんだがな」

 

 

「ただの移動で()()を使うわけないだろ」

 

 

()()・・・・・?)

 

 

シロツメに着いたルーシィ一行だが、ナツは乗り物酔いのせいで既にグロッキー寸前になっていた。

 

そんなナツにJ・2は()()という単語を使っている事に気になるルーシィ。そんなルーシィにナツは気付くことなく腹ごしらえをする事にした。

 

 

「それより腹減ったな。飯にしよう」

 

 

「あたしお腹空いてないんだけどぉ〜。アンタ自分の〝火〟食べれば?」

 

 

「ルーシィよ、それは無理だ」

 

 

「J・2」

 

 

「〝滅竜魔法(ドラゴンスレイヤー)〟の魔導士は自身の属性・・・ナツなら火になるが、火を使う魔導師や自然に発火した火を食す事で糧にし、自身の魔力にプラスにして使う事が出来る」

 

「しかしいくら〟滅竜魔法(ドラゴンスレイヤー)〟と言えど、自身で発動した魔法属性は食す事は出来ない。具合の悪い者が吐いてしまった吐瀉物をもう一度食えと言っているようなものだ」

 

 

「な・・・ナルホド・・・・・」(((((°°;)

 

 

J・2から説明を受けたルーシィは〝滅竜魔法(ドラゴンスレイヤー)〟の意外な弱点に納得した。

 

同時に、自分がナツに対してかなり失礼な言葉を言った事に気付き、顔を引き攣らせながらナツに謝罪した。

 

 

「ごめんナツ!あたし、そんなつもりじゃ・・・・・」

 

 

「別にいいって!ルーシィに悪気が無いってのは分かってるからよ!」

 

 

そこからナツ達はレストランで食事をしたり、ルーシィが早めにメイド服を着て準備してから依頼主のいる屋敷の元へ向かった。

 

 

 

 

 


 

side:依頼主の屋敷

 

 

「立派な屋敷ねぇー!ここがエバルー公爵の・・・・・」

 

 

「いえ、依頼主の方です」

 

 

「そっか、本1冊に20万も出す人だもんね。お金持ちだなぁ」

 

 

ハッピーの説明に納得するルーシィだが、報酬が10倍になった事を彼らは知らない。

 

そんな2人の会話を他所に、J・2が屋敷の扉をノックした。

 

 

「どちら様で?」

 

 

「魔導士ギルド〝妖精の(フェアリー)「!!しっ!!!静かに!!!」?」

 

 

J・2が名乗ろうとすると、中の男性が大慌てで遮った。その突然の事に後ろの3人も少し驚いた。

 

 

「すみません・・・裏口から入って頂けますか?」

 

 

男性の頼みに4人は疑問に持ちながらも、黙って裏口にまわった。

 

中に入ると依頼主の奥様らしき女性が出迎え、依頼主のいる応接間へ案内した。

 

 

「先程はとんだ失礼を・・・私が依頼主のカービィ・メロンです。こっちが私の妻」

 

 

「美味そうな名前ですね!」

 

 

「メロン!」

 

 

「ちょっと!失礼でしょ!!」

 

 

「・・・・・」

 

 

「あはは!よく言われるんですよ」

 

 

カービィはそう言ってナツとハッピーの失礼な態度を笑って流した。

 

2人を注意したルーシィは唯一黙っていたJ・2に訝しつつ、依頼主のカービィから話を聞く事にした。

 

 

「まさか噂に名高い〝妖精の尻尾(フェアリーテイル)〟の魔導士さんがこの依頼を受けてくれるとは・・・・・」

 

 

「そうですか?こんな美味しい仕事、よく残ってたなって思いましたよ」

 

 

(仕事の内容と報酬が釣り合ってないからみんな警戒してんでしょ!てか、何よその胡散臭い笑顔や敬語!?)

 

 

「しかもこんなにお若いのに・・・さぞ、有名な魔導士さんなんでしょうな」

 

 

「アイ!ナツとこっちのJ・2は〝火竜(サラマンダー)〟や〝機甲人(きこうじん)〟って呼ばれてるんだよ!!」

 

 

「おお!!その字なら耳にした事が!!」

 

 

「いやァ、知って頂けて光栄です」

 

 

「よろしく!」

 

 

ハッピーの紹介を聞いたカービィはあからさまに驚き、メイド服のルーシィに目を向ける。

 

 

「・・・・・で、こちらは?」

 

 

「∑私も〝妖精の尻尾(フェアリーテイル)〟の魔導士ですッ!!!」

 

 

( - )ジー

「その格好は趣味か何かで?いや、別にいいんですが・・・・・」

 

 

「どうしよう、ちょっと帰りたくなってきた」(╥﹏╥)

 

 

「どんまい」

 

 

「仕事の前にメイド服(それ)を着るからだ」

 

 

「ププッ」

 

 

カービィにコスプレが趣味の魔導士と勘違いされ、ガラスのハートにヒビが入った。

 

一連の流れを見ていたナツには同情され、J・2には冷たく言われ、ハッピーには笑われた。

 

 

「さて、仕事の話をしましょう」

 

 

「聞きましょう」

 

 

「アイ!」

 

 

気を取り直し、カービィが真剣な面持ちで話を始めた。カービィがナツ達に依頼したいのはエバルー公爵が持つ世界で一つだけの本――〝日の出(デイ・ブレイク)〟の破棄、もしくは焼失だった。

 

 

「盗るのではなく破棄・・・ですか?」

 

 

「実質上、他人の所有物を無断で破棄する訳ですから・・・盗るのと変わりありませんね・・・・・」

 

 

「驚いたァ・・・。あたしてっきり昔奪われた本を取り返してくれとかそういうのだと思ってた」

 

 

未だ驚いているルーシィを横目に、ナツとJ・2が目線だけ合わせ、会話を続ける。

 

 

「一体・・・何なんですか?その本は・・・・・」

 

 

「確かに・・・・・本の破棄に20万とはな・・・・・」

 

 

「いいえ、200万Jです。成功報酬は200万お支払いします」

 

 

「にひゃく!!」

 

 

「まん!!?」

 

 

「おやおや・・・値上がったのを知らずにおいででしたか」

 

 

まさかの報酬の値上げに驚くルーシィとハッピー。ナツとJ・2も2人程驚いては無いが、報酬の値上げに目を見開いていた。

 

 

「スゴいよナツ〜!オイラ100でナツとJ・2が50ずつで残りはルーシィだよ!!」

 

 

「なんでお前が多いんだよ?」(汗)

 

 

「∑ あたしは何も残らないわよ!!!」

 

 

「正確には1人50万Jずつだ」

 

 

「まぁまぁ、みなさん落ち着いて・・・・・」

 

 

「な・・・何で急にそんな・・・・・200万に・・・・・?」

 

 

未だに値上がりのショックが抜けないルーシィがポカンとした顔でカービィに尋ねるが、当の本人は神妙な顔で俯く。

 

 

「それだけ・・・どうしても・・・あの本を破棄したいのです。私は、あの本の存在がどうしても許せない」

 

 

まるで後悔する様な様子の彼にルーシィはさらに疑問を抱く。しかし・・・・・

 

 

ガタッ!

「よし分かった!!」

 

 

今まで静かにしていたJ・2が突然立ち上がってカービィの元まで近づき、手を握った。

 

 

「貴方の依頼、しかと受け止めた!本の破棄は任せてくれ!!」

 

 

「ちょっとJ・2!?」

 

 

「話は纏まったな」

 

 

J・2の突然の行動にルーシィが慌てるが、ナツが遮るように止める。

 

 

「それでは早速エバルー公爵の持つ〝日の出(デイ・ブレイク)〟の破棄に向かいます。行くぞ、お前ら!」

 

 

「ちょっ・・・・・ちょっとぉッ!!?」

 

 

「待ってよォ!!」

 

 

「失礼する」

 

 

立ち上がったナツはルーシィの手を引いてそそくさと外へ向かい、ハッピーとJ・2も後に続いた。

 

 

 

「ちょっとナツ、この依頼本当に受けてよかったの!?」

 

 

「まぁ元の額が10倍になってるからな・・・・・J・2、データは取れたか?」

 

 

「当然。これが俺の分析結果だ」

 

 

そう言ったJ・2は頭のヘッドライトに指をかざし、ホログラフィーを空中に浮かべた。

 

 

「俺の〝分析(アナライズ)〟で分かったのは生活痕や握手した時に調べたカービィの指紋はあの屋敷からはあまり確認できなかった。結果、カービィはあの屋敷本来の持ち主ではない」

 

 

「やっぱりか」

 

 

「え、どういう事!?」

 

 

「最初にインターホン越しで裏に回れって言われたろ?他人の本を盗る依頼だから警戒してそうしたと初めはそう思った。だが依頼主にあって感じた違和感は匂いだ」

 

 

「匂い?」

 

 

「アイ!ナツのような〝滅竜魔法(ドラゴンスレイヤー)〟は鼻がすっごくいいんだよ!!」

 

 

「常人では気づかない僅かな匂いの違いも瞬時に嗅ぎ分ける事が出来る」

 

 

「へ〜・・・・・ん?」

 

 

ハッピーとJ・2からまた〝滅竜魔法(ドラゴンスレイヤー)〟について新しく知ったルーシィはナツの言った違和感に疑問を持った。

 

 

「ちょっと待ってナツ!じゃああのカービィさんは一体!?」

 

 

「あの依頼主は報酬の値上げをしたのは別の魔導士が1度この仕事を受けて失敗したからだろ。だから値を上げてより強い魔導士に本の破棄を頼みたかったって訳だ」

 

「まぁ依頼主本人は悪いヤツじゃないだろ。だが〝日の出(デイ・ブレイク)〟っつう本を消したい想いは本物だった」

 

 

そう言ったナツは面白そうに笑顔をうかべ、ルーシィ達に目を向けた。

 

 

「ルーシィ・・・・・お前は覚悟を決めた方がいい」

 

「この依頼・・・・・一筋縄じゃいかなそうだ」

 

 

 

 

 

 

 

ーENDー

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