Apexの能力貰ったけどこの世界じゃ通用せんだろ、それよりモザンビークヒアァ   作:ナメクジとカタツムリは絶対認めない

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オカルト研究部

グレモリー先輩が紅い髪を揺らしながら、血に濡れた凄惨な部屋に足を踏み入れる。

 

「大丈夫かい、兵藤君?──っ、君は──」

 

それに続いて駒王学園のアイドル、木場裕斗がこちらを見て驚いていた。右手に持ってる剣がとても怖いです(小並感)

 

「あらあら〜、これは…」

 

さらに次に出てきたのはグレモリー先輩と対を成す『二大お姉様』のひとり──姫島朱乃先輩が、頬に手を当てながらニコニコと笑っている。

そして──、

 

「──せん、ぱい…」

 

呆然と立ち尽くす、塔城がそこにいた。

 

 

 

 

 

 

「とりあえず言いたいことはあるけど──よくも私の下僕を可愛がってくれたわね」

「どういたしましてぇん!お代はてめーらの薄汚え生首でヨロピク!」

 

イカレ神父の汚い雑言に端正な顔を顰めるグレモリー先輩。その隙に、オカルト研究部の一同がこちらへ寄ってくる。

 

「たしか…阿久須くん、だったよね?どうしてここに…」

 

眉を顰め俺に問いかける木場。それを見たイッセーが助け舟を出してくれる。

 

「違うんだ木場!操は関係無え!こいつもただ巻き込まれただけで──」

「巻き込まれた?…それは本当に…災難だったね」

「…おお。ところでさぁ──アンタら、何者なんだ?あの魔法陣みたいなやつから出てくるって、一般的な高校生にはできねーと思うんだけど…」

 

その俺の質問に苦笑で答える木場。いや答えろよ、怖いだろ。俺は非難の目を向ける。

 

「とりあえず。ここは危険だから避難した方がいい。話はそれからだね」

「…せ、せんぱい、えと、その──」

 

どこかばつが悪そうに塔城が目を逸らして俺に歩み寄る。…とりあえず今は守ってもらおう。そうしよう。俺弱いからね、しょうがな──、

 

 

 

────めちゃくちゃ来てる!すげえ数だ!!────

 

 

 

……マジで言ってんの?

その俺の疑問に答えるかのように、血相を変えた姫島先輩がグレモリー先輩に声をかけた。

 

「──ッ、部長!この場所に堕天使の反応が近づいてきていますわ!それも数多く!」

 

それを聞いたオカルト研究会の面々の顔が強張る。すると真っ先に動いたのはグレモリー先輩であった。

一度イカれ神父を睨み、イッセーの真横に手をかざした。すると、オカ研が登場した際に出てきた魔法陣が床に現れた。

 

「撤退するわよ、みんな!イッセーも早くこの中に!」

 

撤退できるんすかぁ!?何ですか先に言ってくださいよ水臭いなあ!あーよかったよかったこれでとりあえずは安全だな!

 

「分かりました!──部長!アーシアと操もお願いします!」

 

お願いしまァす!

 

 

 

「──私の魔法陣は、私の眷属だけしか使えないの」

 

 

は???????

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺はその言葉を聞いた瞬間、頭の中がからっぽになった。撃ち抜かれた足の痛みなんてもう感じなかった。…お、俺の聞き間違いだよな、ぶ、部長がそんなこと言うなんて…。

俺は再び、震える声で部長に問いかける。

 

「ぶ…部長、今は冗談キツイっすよ、はは…。操とアーシアも一緒に逃げれるんすよね?」

「……」

 

部長は目を伏せ、何も言わない。そ、そんな仕草したら、まるで──まるで本気で言ってるみたいじゃないすか。

 

「──どうするんですか、操とアーシアは!堕天使が大勢来るんすよね!?二人とも危険じゃないですか!!」

「──撤退するわよ」

「部長ォッ!!」

「イッセーっ!!」

 

引き下がれない。ここで引き下がったら、俺は大事なものを失ってしまう。アーシアとまだちょっとしか遊べてないんだ、友達になったばっかなんだ。──それに、こんな事に巻き込んじまった親友を見殺しになんて出来ねえ!

 

「イッセー君、君の気持ちは分かる。けどダメだ」

「うるせえよ木場…!」

「堕天使に囲まれてしまって圧倒的不利な状況で戦えない二人を守りながら撤退──それが出来たらもうしてるんだ」

「それでもッ──」

 

その時、俯く木場の握りしめた手から血がぽたぽたと流れるのが見える。わかってる。こいつも悔しいんだ、こいつも助けてくれようとしてるんだ、けど──。

 

「じゃあ──どうすりゃいいんだよ…ッ!」

 

力を持たない俺には、小さく呻くことしかできないっていうのか…?

 

 

 

 

「私が残ります」

 

 

 

 

え…?

驚いてそこを見ると、何かを決意したような表情をした小猫ちゃんがいた。

 

「小猫!あなたまでわがまま言わないで!私は大事な下僕を失いたくないの!」

「それは私も同じです。私はまだ阿久須先輩に助けてもらった恩を返してませんから」

「小猫──!」

 

それに、と小猫ちゃんが続ける。

 

 

 

「先輩の居なくなる一生なんて、死んでるのと同じことです」

 

 

そう言って、小猫ちゃんは操の隣に立ち、構える。

小猫ちゃん…!──後輩にだけ任せて、先輩が挫けて倒れてる場合かよ…ッ!

 

「──うおおおおおおお!」

 

痛む身体に鞭打ち、立ち上がる。一歩一歩地面を踏みしめ、俺も操の隣に立つ。

 

「──へへ、悪いな操、こんなのに巻き込んじまって。…アーシアも、絶対助けてやるからな」

 

精一杯の笑顔を振り絞って二人に顔を向ける。アーシアは泣きそうな顔をしていた。…優しいな、アーシアは。そして操は何やら訝しげな表情を見せている。しかし視線はこちらを向いていない。…どうしたんだ?

すると操は一つため息を吐き、俺に向き直る。そして──、

 

 

 

「いや、大丈夫だ。お前ら二人はぱっぱと行け」

 

 

口角を上げ、そう言った。

最初は何を言われたのか分からなかった。そして、徐々に怒りが込み上げてくる。この緊迫した状況で何言ってんだこいつは…!?今はそんなこと言ってる場合じゃないだろ…!

一言言ってやろうと口を開こうとすると、先に隣から怒号が聞こえてきた。──小猫ちゃんだ。

 

 

「──先輩、今はそんな冗談言える場合じゃないんです…!大人しく私たちに守られて──!」

「だから大丈夫だって。それにこのまま居たら多分──グレモリー先輩に迷惑かけるやつだろ?先輩の言うことは聞いとけ、クレープ奢ってやるから」

「おい、操──!」

「それにイッセー怪我してんじゃん、それで完璧に俺たち守れんのかよ?」

「──ッそれは」

「塔城も。借りた恩を返すんならもっと他の場面で返してくれ」

「いい加減にしてください!早く今のうちに逃げて──!」

 

でも、なんかおかしい。操は何でこんなに冷静に居られるんだ?普通の人だったら気が動転してこんなに落ち着けるわけねえ…。

操は未だに憤慨している小猫ちゃんを見てため息を吐く。そして俺に向き直った。

 

「イッセー、頼むわ」

 

その真剣な表情に、俺は何も言えない。拒否の言葉を出そうとするが、真っ直ぐな視線にどこか安心感を感じてしまう。

 

 

「…大丈夫なんだよな」

「イッセー先輩…?うそ、うそですよね…?」

 

 

その小猫ちゃんの声に罪悪感を感じる。それとは対照的に操はほっとしたように笑みを浮かべた。

 

「おお、大丈夫だ。俺には頼りになる奴らがついてる…憑いてる?のか?憑いてるで合ってんのか…まあいいや、とりあえず任せろ」

 

そう言うと、操は部長に目を向ける。それに頷いた部長は、俺を背負い、魔法陣へと歩いていく。

 

「小猫ちゃん、行きましょう」

 

そして小猫ちゃんは朱乃さんに担がれた。抵抗していたようだが、クイーンである朱乃さんには勝てない様子だ。

 

「やめて…!離してください!先輩が──!先輩!」

 

抵抗も虚しく、オカ研の全員が魔法陣に乗り──、

 

 

 

「嫌あああああああ!!」

 

 

その悲鳴と同時に、俺の視界は真っ白になった。

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