Apexの能力貰ったけどこの世界じゃ通用せんだろ、それよりモザンビークヒアァ   作:ナメクジとカタツムリは絶対認めない

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最近縦ハン取れて嬉しい(隙自語)


煙とトランポリンとデコイ

「──さて、と…」

 

俺は息を吐き、目の前のイカれ神父を見据える。自分が有利だと確信しているからか、ニヤニヤしながら剣をぷらぷらと揺らしている。

 

「──」

 

アーシアさんは目の端に涙を溜めながら俺の服の袖の端を握っている。その表情は罪悪感に苛まれている様子だった。

俺はアーシアさんの頭をぽん、と軽く叩き、口を開いた。

 

「どうやらアンタをやっつけてもハイ終わりって訳にはいかないらしいな」

「ハァ?やっつけるゥ?俺っちを?──ギャハハハハ!面白い冗談言いますねえ君!」

 

甲高い声で笑う神父。そう。多分俺の攻撃は見切られる。オクタビオの興奮剤が今俺が出せる最高速度。こいつはこんなナリだが戦闘センスは高いだろう。そして俺は戦った事なんてない(この前のアレは逃走に含む)ズブの素人。

俺だけだったら確実にやられるだろう。…俺だけだったらな。

 

 

[おう!ぶっ飛ばそうぜコイツ!]

[そうね──こんな良い子を泣かせるなんて、許せない]

[では、ソウ。今言った通りにするんだぞ]

 

 

…はいよー…。

今回は辛そーだなぁ…。

 

「そんじゃ──」

 

俺はそいつの能力をイメージする。そのイメージが具現化し、俺の手に現れる。

 

「いっちょやりますかぁ!」

 

現れた()()()()()を肩に担ぎ、俺はアーシアさんを抱き寄せた。

 

「なん──」

 

神父が俺の行動を止めようとする。しかしもう遅い。俺は神父にランチャーを向ける。

 

 

「くらえええええ!!」

 

 

その大声と共に、俺はトリガーを引いた。神父は物陰に飛び込み、それから逃れようとする。──しかし、俺のランチャーから出てきた弾は、床にぼすん、と落ち、そして──。

 

 

ぼしゅん!!

 

 

という音と共に、家の中が()()()()()()

 

 

 

「……は?」

 

 

その声を置き去りにして俺はアーシアさんを抱えて家から飛び出す。そう、俺がイメージしたのはアニータの『スモークランチャー』。その名の通り煙が詰まった缶を発射して煙幕を展開するものだ。

こいつは見た目がゴツい。だからあいつは普通のランチャーかと思ったんだろう。あの神父は騙されたのだ。そう、つまり──、

 

 

 

「ぶははははは!騙されてやんのー!バカだ!バカがいる!!」

 

 

 

全力で煽れるって事ですねえ!!

 

 

「〜〜ッテメェッ!!逃げんなブチ殺してやるッ!!」

 

 

家の中から怒号が聞こえてくる。あー無視無視。よし、さて次は…。

 

「うわ…めっちゃいる」

 

夜空を見ると、ちらほらと翼が生えた人影が見える。まあそうですよね。追いかけてきますよね。というかなんか光の槍がいっぱい見える気がするんですけど気のせいだよね!気のせいですよね!?

 

 

────降ってくる────

 

 

はーい(諦め)

まあこんくらい移動すれば何とかなるかな。そろそろ帰ろう。俺はイメージをする。

 

(さっき言われたことを思い出せ)

 

五分前。

 

 

 

 

 

 

[───そのままさあ、その女持って帰ったら良いんじゃね?]

 

イッセーらが喋っている間に、オクタビオが提案をする。

ええ…?何言ってんの…?

 

 

[どーせ時間かけても逃げれねぇと思うし、そんならぱっぱと走ってやり過ごそうぜ!!]

 

 

いやいや。できれば俺だってそうしたいよ。でも今俺が使えるのは『興奮剤』『自然治癒』『全能の目』『虚空の声』『グラップル』だぜ?興奮剤ならまだしもあとの三つは使えないだろ…。グラップルは密室だから意味ないし。

 

[使えないなら、増やすまでよソウ]

 

静かにアニータが声を出す。もしかしてこの状況を打破する──

 

 

 

[ええ。私の能力を教えるわ]

 

 

ナイスゥ!(本音)ナイスゥ!(本音)

で、どんな物なんでしょうか!?

 

 

[『スモークランチャー』。それが貴方を助ける武器になる]

 

 

イメージが頭に流れ込んできた。…なるほどね。これは良い。今ここでやるんだったらうってつけの能力だな!

よーし、じゃあランチャー撃ったらぱっぱと──、

 

 

 

 

[しかし、外には奴らが来るらしいぞ。外に出てどうする?]

 

終わった。短い人生だったなあ──、あ、俺一回死んでたんだった。なら怖くないや!ははは!!

 

[まあ落ち着けよ、ソウ。そんなお前に朗報があるぜ!]

 

…なんだよオクタビオ。お前の能力はもう全部出てんだろー。

 

 

[俺の三個目の能力を教える!!]

 

 

ええ!?何個持ってんの能力!?驚く俺に笑いかけ、オクタビオは説明を始める。

 

 

[俺たちは三個持ってんだよ。で、俺が今から教えるのは奥の手ってやつだ!イメージ流し込んでやるから待ってろ!]

 

え?奥の手ってそんな出して良いもんなの?

 

[とりあえず出しときゃ何とかなるんだよ!]

[──だがその奥の手──私たちは『アルティメット』と呼んでいるが──体力の消費が激しい。物によるが危険な物もあるのだ、多用するな。あくまで奥の手だ]

 

レヴナントの言葉に眉を顰める。あれよりヤバいのが来るのか…まあ。死ぬよりかはまだマシだろう。

 

[安心しろよ、俺のやつはそんなヤバくねえやつだからよ!…と、できた!]

 

流れ込んできたイメージに驚愕する。…怖くねこれ?

 

[死ぬよりかはマシ。なんでしょ?]

 

そうなんだけどさぁ…。ナタリーのいたずらな声に肩を落とす。よし、じゃあ──。

 

 

 

 

[いーや。もうちょい足りねーなあ?]

 

 

 

 

そこで声を発したのは───。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オクタビオの奥の手をイメージする。するとアーシアさんを担いでいない手に、中型の緑色のトランポリンのようなものが現れた。それを目の前に設置して、思いっきり──、

 

 

 

 

 

「─────!?!!?」

 

 

 

 

 

飛んだ。すると俺たちはグングンと高度を上げて行き、街が見渡せる高さまで到達した。アーシアさんは目を回している。ごめんね急に。

そして俺はもう一人の能力を発動させる。その瞬間──、

 

 

──()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[飛んだあとどうするんだ?あいつらぴゅんぴゅん…あのー、変なの撃ってくるぜ?]

 

じゃあどうすればいいんだよ。そう口を挟んだウィットに疑問をぶつける。

 

[任せろ、俺の能力は陽動向きだ!やつらおつむが弱いからな!すぐに騙されてくれるぜ!]

 

じゃあ、なんなんだ?ウィットの能力って────。

 

 

 

[俺の能力は、自分そっくりの(デコイ)を作れる。──大丈夫だソウ。お前は一人じゃない。文字通りな]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──騙されろ」

 

 

その言葉とともに、六人の俺がそれぞれの方向に散らばっていく。『デコイエスケープ』──自分を中心に展開するように六人のデコイを発現させる能力。

後ろ目で見てみると──おお、堕天使のやつら、全然別方向に行ってる!動揺して光の槍消してる奴もいるぞ!

 

[奴らを仕切るお偉いさんが居ないから即座に行動できてねえぞ!ハハっ!やっぱりおつむが弱いんだな!]

 

作戦は大成功だ!よし、あとは着地してすぐに身を隠しながら帰れば──、

 

 

 

 

これどうやって着地すんの?

 

 

 

[あ]

 

 

 

 

 

 

…『あ』じゃねえよ!何してんの!?いや俺も気づかなかったのが悪かったけどさあ!?これは違うじゃん!おつむ弱いの俺らじゃん!

 

[ソウ!僕のグラップルを使うと良いよ!]

 

無理無理無理無理!慣性が無くならない!それにアーシアさん抱えてビュンビュン飛べねーって!

 

[ああ。もうおわりだね]

 

淡々と言うなよ鉄屑スクラップにすんぞゴルァ──やばいやばい地面近づく近づくハイ終わ──、

 

 

 

 

 

[やれやれ、落ち着きなよ]

 

 

 

 

地面に足が触れたその時、衝撃が来なかった。まるで、その瞬間だけ重力が無くなったかのように、フワッと着地した。

 

 

「……な」

 

 

それにも驚いたが、俺に強烈な疑問が溢れる。

 

 

()()()…?」

 

 

今まで聞いたことない声が聞こえてくる。それは少し歳をとった声色。まるで母親に諭されているような気持ちになる。

 

 

 

[早く走りな〜、敵さんが追ってくるよホラ早く]

 

 

その声で正気に戻り、意識を今に集中させる。そうだ、まずは逃げ切らないと。そうして、完全に伸びたアーシアさんを担いで、俺は自宅への道を駆けるのであった。

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