Apexの能力貰ったけどこの世界じゃ通用せんだろ、それよりモザンビークヒアァ   作:ナメクジとカタツムリは絶対認めない

2 / 14
運命は突然に

駒王学園にて昼休み。俺は売店で購入したサンドイッチを頬張りながら、目の前でエロ本を並べる悪友三人を眺めていた。

 

「…おい、なんで俺の机でエロ本観賞会してんだ、ぶっ飛ばすぞマジで」

「皆まで言うな、操。お前も混ざりたいんだろ?しょーがない、俺たちのとっておきを見せてやるよ!」

「ったく、素直じゃねえなあ…。人妻、ロリ、幼馴染、上司、家庭教師。──さあ、選べ」

「頭沸いてんの?ねえ、頭沸いてるよね?ああやめろ出すな出すな机の上に追加するな周りの目が痛い!!」

 

どさどさと目の前に積まれるエロ本の山を見た女子生徒が俺たちから離れて行くのが分かる。違うんです。こいつらなんですよ。

そしてそれだけじゃ被害は収まらず───。

 

 

 

[──ッ、全く、ソウの友達には困ったものね、イキナリそんなものを出すだなんて、困ったものだわ!]

[虫ケラ共、よく私の目の前でミス・パケットにそんな物を見せたな。その度胸だけは認めてやる。度胸だけは、な]

[おいみんな!コースティックがヤベェ!おさえろおさえろ!]

 

 

 

俺の頭の中でコースティック──『ノックス』がブチ切れてんですよねー。ワットソン──『ナタリー』が俺の視覚を通じてエロ本見てしまってパニック状態になってるから。一見冷静に対処してるように思えて実は絶対顔が真っ赤に───、

 

 

[──ソウ?痺れ殺すわよ]

 

 

あっ、すいませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

あのままあそこに居てはいけないと思った俺は、とりあえず教室を出る事にした。授業が始まるまでそこら辺をぶらぶらしとけば何とかなるだろ。

…あ、もう大丈夫だぞ、みんな。ありがとう。

 

 

[ハア…ハア…こ、こいつ…めっちゃ力つよ…!]

[うちらが全員しがみついても暴れるのを辞めないって…どーいう体力してんのよ?アンタ何歳?]

[…くそ…なんで俺がこんな事を…]

[…ははっ!ず…随分とグロッキーじゃねーか、クリプト!ハア…ふう…]

 

[私のミス・パケットを心配する気持ちが、私に力を与えたのだ]

[メルシー、博士!やっぱり貴方はいい人ね!]

 

 

 

 

 

ワーイイハナシダナー。…マジでお疲れ様でした。

心の中でレジェンド達に礼を言った俺は、ふとすぐそばの教室の中を覗く。ざわざわと騒めくクラスの中心に、その少女はいた。

色白な肌。整った、可愛い系の顔をしている、純白のショートカットの小柄な少女──『塔城 小猫』がそこに無表情で佇んでいた。

彼女はこの駒王学園のマスコット的な存在で、いつも甘いものをもそもそと食べている。その姿が一部の男子や、女子に人気らしい。

 

 

「…!」

 

 

あ、俺に気づいた。ま、ここは無難に会釈で返しときますかね。

俺はぺこり、と頭を下げ、そのまま自分のクラスへと帰ろうと踵を返した。

…あれ、体が動かねえ。ち、ちょっと待って?なんか誰かに掴まれてる気が───、

 

「…なんで行っちゃうんですか」

 

後ろを振り向くと、いつの間にか俺の服の裾を摘んでいる塔城が、こちらを睨んでいた。…ええ?俺こんな子のひとつまみで動けなくなってんの?どんだけ貧弱なんだよ。

 

「あー…いや、ほら、なんか忙しそうだったし…」

「全然忙しくなんかないです。むしろ暇だったので…先輩オススメのスイーツ屋さん、また教えてくれませんか?」

「ああ、分かった」

「………」

「…塔城?」

「はい?」

「離してくんね?」

「…や、です」

 

上目遣いでこちらをじっと見つめる塔城。それを見ていると、やはり整った顔をしていると再認識できる。

ふと、我に帰り、周りを見てみると中々の人だかりができていた。

 

「あの塔城さんがあんなに喋ってる…!?」

「つーか誰だあの先輩?…あ!『三変態の付属品』、阿久須操か!?」

「ちょっと待て俺そんな風に呼ばれてんの?」

 

さらっと無視できない新事実を述べられた俺はその男子生徒を問い詰めようとする。そして首に食い込んだ襟元に呼吸を阻害される。忘れてた。俺今捕まってたんだった。

 

「…ちょっとは私を見て下さいよ」

「あ?何?」

「なんでもないです」

 

 

 

「なんだあれ…爆発しろよ」

「俺たちの小猫ちゃんによくもあんな事を…!」

「処す?処す?あいつ処す?」

 

 

ヤバい奴らが集まってきた。そういう系の男子が俺に近づいて来る。俺はとりあえずこの状況から脱するため、塔城の小さな手を握る。

 

「あ…」

「悪い、塔城!スイーツはまた今度!」

 

その指を一本ずつ外して、俺は自身の教室へと走って行くのであった。

 

 

 

 

[あらあら、ソウったら。やっぱり盗みの才能はあるみたいね?あの子、顔赤くなってるじゃない]

[ま、これは俺様たちがいちいち言うことでも無いからな、ソウ自身が気付くことだ]

[うーん、僕らは機械だから、あんまり人の気持ちは分からないなあ、ね?お兄ちゃん]

[私は元は人間だぞ……。あとお兄ちゃんと呼ぶな、私にはレヴナントという名前が──]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな事もあって放課後。俺と三変態は帰路についていた。

 

「やっぱりおっぱいは最高だよな!」

「…ああ」

「?どうしたんだよ松田。そんな神妙な顔をして」

「──俺、最近尻も良いなって思い始めたんだ」

「な──」

「──お前、分かってるのか?裏切りは重罪なんだぞ──?」

「──それでも、俺たちは自分自身に嘘を吐きたくない…!だよな、操?」

「しらねえよ」

 

そうやって、いつもみたいに馬鹿騒ぎして楽しく帰る。すると、俺たちの目の前に、黒髪ロングの可憐な少女が見えた。それに気づいた三人は、即座に佇まいを直す。

 

「あ…あの!」

 

その少女は俺たちに声をかける。それにいち早く反応したのはエロメガネこと元浜だった。メガネをクイクイ上げながら少女の前へと躍り出た。

 

「どうしたんだい?僕に何か用かな?あ、そうだ。ここで立ち話もアレだから、近くのカフェにでも寄ろうか?」

 

誰だお前は。どっからそんな爽やかボイスが出てきたんだよ。

 

「あ…あの、ごめんなさい…貴方じゃなくて…」

「ガハァッ!!」

 

元浜ァーーーッ!?吐血した!?嘘だろオイ!

俺は倒れた元浜へと駆け寄る。そこには安らかな表情で眠っているメガネが居た。…良かった、メガネは無事だ。

 

「え、えっと…ひ、兵藤一誠さん!」

「えッ!?俺!?」

 

松田が喋らせても貰えなかったから真っ白になってる!?オイしっかりしろ松田!

 

 

 

 

 

 

「私と…お付き合いしてください!!」

 

 

 

 

 

 

傷は浅いぞ松田!元浜も早く戻って──────、

 

 

 

 

 

 

 

「「「は?」」」

 

 

 

 

 

 

 

「よ!よろしくお願いしまァす!!」

 

 

 

 

 

 

「「「は?(殺意)」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

…どうやら、俺の友達に彼女ができたみたいです。

 

 




操のレジェンド達の呼び方

ブラッドハウンド→ブロス
ジブラルタル→兄貴
ライフライン→シェ、姉貴
パスファインダー→パス
レイス→レイス
バンガロール→アニータ
コースティック→ノックス
ミラージュ→ウィット
オクタン→オクタビオ
ワットソン→ナタリー
クリプト→クリプト
レヴナント→レヴナント
ローバ→ローバ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。