色々してたら全員病んだんですけど!?   作:ロウ・トウヤ

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【祝!お気に入り450、UA4万、総合評価700突破!】

ありがとうございます!いやほんと!すっごく伸びてて私嬉しい!
これからも頑張って如月くんを痛めつけますので、何卒応援をお願い致します!では!

ちなみに今回、好き嫌い分かれると思います、どっちかというと嫌いな人が多いイメージ、それでもいい方はスライドして進んでくださいね。


如月包囲網 その1【Sとヤンデレ】

「どこまで逃げればいいんですか!?」

「ンなもん分からん!『逃げるだけ逃げる』!」

「んな無茶なぁ!!」

 

今現在、僕と蛇穴は商店街から離れ、廃れた街中をを疾走していた、この街にこんな所があったとは思わなかった。

そして、体力がない僕だが背後にはもう捕まったら間違いなく色んな意味でヤられる人達がいるので全力を天元突破グレンラガンして疾走していた。

 

そしてチラリと後ろを見てみる。

 

笑わないと……きーくんと…笑わないと、はぐみは…

素直になって私と行きましょう、誰もあなたを傷付けたりしない

「あははー、みんなこわーい。

ジュンクンハアタシノモノだから、カエッテクレナイカナ?

ヒナ、ヒナだけには……キサラギサンは…

 

 

うん、これは無理だ、捕まったらバラされる気がする。

 

「ゾッコンだな如月、刺激的な人生だ」

 

何せいつもは余裕オーラをかましている蛇穴でさえ、目が少し死んでいる、ヤンデレ達の放つプレッシャーに当てられては無理はないが。

 

「蛇穴さん、蛇穴さん、逃げ道はどこです?」

「………」

 

あれおかしいな、返答がないぞ、まさか。

 

「悪いな如月、ほとんど潰されてる」

「え」

「逃走ルートをシミュレーションしてから2日だが、バレて潰されたらしいな」

 

走りながら、僕の思考は真っ白になった、だってこれ、詰みって奴だ、詰みってことは僕はこのまま……。

 

「だが、無いわけじゃない」

「あるならそう言って貰えます!?」

「……じゃあ、少し隠れてろ」

「…え?」

 

◇◆◇◆◇

 

しばらくして、ヤンデレ達は曲がり角を曲がって蛇穴を見つけた、蛇穴はどうやら窓に引っかかった如月を押し終わったらしくそのまま自分も窓を越え、どこかへ行った。

 

キークン、ナンデニゲルノ?

……ゼッタイニニガサナイ

 

それを追い、はぐみ、湊さん、さよひなが窓をぶち破って同じくどこかへ行ってしまった。

 

 

 

「……ふぅ、どうにかなった…?」

 

そして僕は、別の廃屋でコソコソしていた。

作戦は至って単純、少しばかりヤンデレと距離をとり、曲がり角を利用して僕が隠れ、蛇穴が囮になった。

 

蛇穴は……まぁ、いい奴だったよ。

 

それよりも、今は蛇穴との再集合場所へ向かうべきだ、やつは簡単に死ぬ器でもないし、ヤンデレ達が僕が居ないと気付けばまた探しに来るのは確定、少なくとも、ここからは離れたい。

 

「誰も居ない…な、よし」

 

廃屋の窓を乗り越えて外に出た、静かな所だ、小声でも少し響く、あまり喋らないようにしよう。

 

色々とびくびくしつつ、僕は廃れた街中を駆け出した。

 

 

◇◆◇◆◇

 

蛇穴が再集合場所に指定したのは花咲側女子学園、蛇穴の自宅から一番近く、デカいが目立ちはしない建物ということで奴が指定してきた。

 

廃れた街は街と言えるほど広くなく、すぐに出れると思っていた、のだが。

 

「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」

 

絶賛、逃走中である。

 

少し前まで呑気に走っていたのだが、角でリサさんと鉢合わせ、踵を返して逃亡すればその先であこと遭遇、別の曲がり角を曲がって逃走すれば別のヤンデレと、どんどん悪化して行き今に至る。

 

今や僕を追い立てるヤンデレは8人を越える、どうやら蛇穴が逃げ切ったらしい、さっきの4人も参戦してら。

 

しかし逃げ足は僕が勝る、身体能力が単純にゴミな僕だが、足の速さだけは負けないのだ。

 

───そして問題は、体力と身体能力が釣り合っていないこと。

 

両足が悲鳴をあげている、普段から運動なんてしていないし、走ってもう30分ほど経つ、もはや限界。

 

あぁ、どうやら僕の冒険はここで終わってしまうらしい、父さん母さん、先立つ不幸をお許しください。

 

「……耳を閉じて!」

「はい?」

 

突然の声が上から響いた、疑問を感じたが聞いたことの無い声だったため一応信じ、遅れて耳を閉じた。

 

 

その瞬間、キィィィィィィッン!!という甲高い爆発音が響く、爆発はしていないようだが、これは…まさか。

 

「スタングレネード…?」

 

スタングレネード、閃光手榴弾とも呼ばれるもの、音と閃光にて人を怯ませる兵器だ、しかしそれがなぜここに…?

 

「驚いた?チュチュから借りてきたんだよね」

「……レイヤさん?」

 

前から足音を鳴らして現れたのはRAISE A SUILENというバンドのボーカル兼ベースを担当している大人びた女性、レイヤさんはその中で僕に対し、唯一闇を見せない人で、困った時は相談に乗ってくれたりと、正に癒し、冗談抜きで僕が1番信頼している人だ。

 

そんな彼女が助けに来てくれた、これはもう勝ち確定だ。

 

「…やっと、捕まえた」

「?……はい?」

「なんでもないよ、ここに居たら危ないし、早く離れよう」

「あ、まぁ、そうですね、そうしましょう」

 

小声で聞こえた言葉は聞き取れないまま、僕はレイヤさんに連れられてその場を離脱することにした。

 

◇◆◇◆◇

 

しばらく連れられるがまま歩いていたが、だんだんと街から離れているような気がして、僕は手を引くレイヤさんに声をかける。

 

「あの、これどこまで…?」

「────」

「……レイヤ、さん?」

 

表情が見えない、どんな表情をしているのか分からない、しかも返事がなく、不穏な空気が流れ始めた。

 

「やっと………2人っきり」

「ッ!?」

 

振り返ったレイヤさんの顔は恍惚に染まっていて、片手を顎に当てていた、歪んでいた、気付けば腕を掴まれて逃げられない状況にされて。

 

「ぐぇ…!ちょ、なんです急に!」

「黙ってて」

「え……」

 

軽く押されて地面に倒れる、文句を言おうと立ち上がろうとするが腹に足を当てられて押さえつけられた。

 

「れ、レイヤさん……?」

「私、ずっと思ってたんだ、マトモなフリをして、準を何度も助けて、準が希望を抱いた時、『それを壊して、その時の表情を見よう』って」

 

突然、何を。

 

「それで、準を徹底的に叩きのめして、痛めつけて、壊しきって、その後、私のものにしよう、ずっと、考えてたんだ」

 

「そんな……馬鹿な、嘘でしょ?さすがに、だってレイヤさんは僕の話や相談に……」

「ふぅん、それで?それもこの時のためだよ」

「────」

 

嘘だ、嘘だろう、レイヤさんは頼れる人だ、困った時、僕が行き詰まった時何度も相談に乗ったり、助けてくれた。

 

「……いい顔、かわいい、でも、準が見てた私はぜんぶこの時のために作ったものだから」

 

心にヒビが入る時があるのなら、それはきっと今。

恐らく今僕はレイヤさんの期待に十分応えるほど、絶望した表情を見せているはずだ。

信頼している人からの裏切りとは、ここまで心にくるものだったか。

 

 

「人は壊れると、何かにすがろうとするんだよ」

「……それが、なんだってんです」

「?──だから、壊せば準は、私に依存してくれるでしょ?」

 

「────は?」

 

その瞬間、横腹に蹴りが入った。

 

「げぁっ…!?」

 

突然すぎるが、痛みだけはしっかりとやって来て悶える、こんなに力強かったのか、レイヤさんは。

 

「ほら、壊れていいよ、壊れちゃえ、それでさっさと私のものになって、そのあとはじっくりと、好きに弄ぶから」

 

連続して蹴りが入る、苦悶の声を喉奥から漏らして悶えるが止まるはずがない、何せこの人は壊すことを目的にしているんだ、止めるはずがない。

 

「っゔぁ…」

「いい顔、濡れて来ちゃう。

でもそろそろ壊れていいよ、十分堪能したから」

 

蹴りがより一層強くなる、その表情は見えないが恐らく今まで僕との会話で見せたことの無いほど、幸せな表情をしているはずだ。

 

───他人を信じたのが、どうやら間違いだったらしい。

 

意識が遠のいてきた、肋骨何本か逝ったかな、苦しい、痛い、どうして僕はこんな目に遭うんだ、身に覚えのない理由並べられて、もはや詐欺じゃないか。

 

そんな考えをしていても、蹴りは止まらない、クソ、ドSめ…。

 

ああ、無理だ、これは意識を……保て、ない…。

 

 

遠のく意識と苦痛の中、僕は最後に言葉を聞いた。

 

「そこまでよ、レイヤ」

 

それを境目とし、僕の意識は闇に落ちた。

 

 

 




正直言ってどんなテンションで書きあげたのか覚えていないぐらい訳の分からないお話となりました今回10話、ドSレイヤさんとかいう需要のないキャラクター、俺が書きたかった。

次回はチュチュ、どんな属性を盛れるのか、お楽しみに。

準くんは唯一病んでいないレイヤさんに安心して全てをうちあけ、それをレイヤさんは親身に聞いている風を装ってタイミングを計っていた、準が自分を信じ、救いだと確信した瞬間に裏切り、叩き落とした。

いやぁ酷い!しかもやり方も酷いねえ!いいぞもっとやれ。

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