色々してたら全員病んだんですけど!?   作:ロウ・トウヤ

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今回はヤンデレの出番が少なく、そして多少シリアスです。
ご安心を、如月くんは痛めつけられます。
そして次回はエロだったり病みだったり歪んだ愛をマシマシにします、今回は耐えて頂ければ私も嬉しいです…

そして、オリキャラが出現します



幸運の次に来るのは最悪と言えるほどの不運

◇◆◇◆◇花咲川女子学園◇◆◇◆◇

 

放課後、僕は高校側から呼び出しをくらった。

 

弦巻家から圧力をかけられておいてずいぶんな態度だが、こころ本人は僕さえ戻ってくれば問題は無いらしい、逃亡は有罪とのことだが。

 

 

生徒指導室の前までやって来て、夕焼けを背にして扉を開ける、そして中に入り一言。

 

「失礼します」

「──堅苦しくてつまんねえな、お前は」

「教師と生徒でしょう」

 

椅子2つ、机を挟んでおいてある、向こう側には一般的なスーツを着た男、今の発言だけでは分かりにくいだろうから言葉を加えよう。

 

タバコを吸っているし、スーツは着崩れ、足を組み、教師なのか問いたくなるほどだらしない教師だった。

 

「それもそうか、つまらない生徒を持ったものだ」

「要件は、そもそもこの高校に男の教師が居たことに驚いていますが」

「あぁ、いや何。

弦巻のお嬢さんが『女をジュンの前に出すな』だとよ。ゾッコンらしいじゃねえか、玉の輿だな如月、つまんねえ人生だ」

 

人の気も知らないでこのクソ教師は…!そもそも僕は20歳だっての!

 

「──要件は」

「ほんとつまらねえなお前。

…さてお前の言う通り、要件を話そう。っと、その前に…」

 

無言で睨みつけて要件を問い質すと男は立ち上がり、近くの本棚まで向かう、本を数冊抜き取るの本棚の奥の方から、小さいながらも黒光りする機械を取り出した。

 

「これを──こう」

「ッ!?」

 

不信感を募らせていると、男はそれを床に叩きつけて踏み潰す、念入りに何度も踏み潰した後、こちらへと向き直った。

 

「改めてお話だ。

俺は蛇穴(さらぎ) 喜朗(よしひろ)、お前は如月準。

話は至って単純、お前、生徒会入れ」

 

「理由を」

「都合がいい」

「なんの」

「逆に聞く。

ここは女子校であり、お前は弦巻のお嬢さんの仕業で少しばかり待遇が特殊だ、『それはどうしてか』という疑問が湧くのは当然として。

 

不審感が湧くのも、当然だと思わないか?」

 

──ふむ。

 

なるほど、簡単な話だ。

『僕という存在が前提から優秀であるなら、特別待遇も強引に理解させることが出来る』と。

 

 

「こう見えて俺はとーっても頭が良い大学の教授でな。

お前を特別待遇にするぐらい、造作もないのさ」

 

「その話、あなたにメリットは?」

「……細けぇことを気にするガキだな、簡単に話がいかねえのはつまんねえ、けど、メリットの1つぐらいなら話してやる。

──────賄賂だ」

 

この人教師辞めた方がいいんじゃなかろうか。

 

「勘違いするな、これはあくまで理由の一つだ、お前の答え次第で色々と変化する。

オジサンの生活が苦しくなり、お前は弦巻のお嬢さんに永遠に束縛されるか。

オジサンの生活水準がアップし、お前の自由が増えるか」

 

この教師の言いたい事はわかる、ただ別にこいつは僕を助けたいとか、そんな善の感情を持っている訳ではない、つまりこれは交渉に近い。

だが、これは──。

 

男は不敵に笑み、そして言った。

 

「win-winの関係で行こうぜ、如月」

 

 

◇◆◇◆◇

 

あのあと、結局生徒会に入ることになった、自由と人権獲得のためとはいえ言いなりになるのは癪ではあったが、天秤にかければどっちが重いかは明確だ。

 

正門にはこころが待っているとの事であの男、蛇穴から裏口から逃がしてもらった、理由を聞けば、「死なれたら困るから」と言われた。

 

「死ぬほどの事態になる前に止めてくれないんですかそうですか」

 

あの教師とはあくまでwin-winの関係性、片方の利が無くなれば互いに断つことは当然のこと、だからそこまで深入りはしない。

それはお互いに、だ。

 

夕焼けはだんだんと落ちていき、薄暗くなってきた、不審者には気をつけないといけないな。

というわけで、振り向き、電柱に向けて一言。

 

「…出てきてもらえます?」

「………」「市ヶ谷」「!!」

 

出てくる気は無いようなので一言付け足すと、電柱の影から金髪の少女が現れる。

 

「ば、バレた…」

「そりゃバレますよ、何回目ですか」

「数えるほどやってません」

「やってることを認めた時点でアウトだと気づいて欲しいですね」

 

彼女は市ヶ谷有咲、当然の如くストーカーであり、直接的な危害はこちらから関わらない限り加えてこないタイプの病みだ。

なぜか敬語であるため、僕も苗字で呼んでいる。

 

「で、今回の用はなんですか?」

 

残念ながら今この子に構っている暇はない、というか関わりたくない、口を開けば恋だの口にするし。

 

「聞かなくても分かりますよね?」

「分からないから教えて欲しいんですけど」

 

返しを聞くと市ヶ谷はショックを受けたように硬直した、口で伝えなければ伝わらないことだってある、心が通じあってる?バカ言わないで欲しい。

 

…だが、彼女の反応は予想と異なっていた。

 

「つ、伝わっ、て、ぇ、なんで……、きっと、何かの……」

 

青ざめた顔をして額に手を当てている、これは少し過剰だ。

ふむ、これは僕の選択次第では地雷をぶち抜くことになるな、間違いない。

 

「……覚えて、ない?」

「あー、えっと、なんでしょうね」

 

だが経験ゆえに言わせてもらおう。

黙る、答える、誤魔化す、逃げる、如何なる行動を取ろうと。

 

「───どうしてですか」

「あっ…」

 

…地雷というのは、踏み抜かれるものだ。

 

 

 

 

微妙な間が流れる、先ほどまではまだ穏やかな目付きをしていた市ヶ谷も、睨みつけるようにして僕を見ている。

 

「どうして覚えてないんですか?」

 

脂汗が頬をつたう、答えを考え、逃げ方を考え、今取れる最善を思考をフル回転して模索している。

 

どうして、なんですか?

「………」

 

沈黙こそが答え、と自ら宣言できたらどれだけ楽なんでしょうかねぇ!

 

だが現実とは残酷であり、そんな宣言できないまま目線を泳がせ時間を稼ぐ、知らないと、覚えがないと答えることも出来ず、目的などなく時間を稼ぐことしかできなかった。

しかし、その時間は不意に終わりを告げる。

 

「…分かりました」

「?」

 

謎の承諾、それを疑問に感じた瞬間、肩にあった手は首元に移動していた。

 

親指が首を押しつぶす、手加減などない本気の首絞め、咳をして空気を確保しようにもそれさえ押し潰される。

 

「ッ─────!!」

 

悲鳴さえ声にならない、じたばたと暴れても手足が思うように動かず、そのうち抵抗さえも出来なくなり、だらんと手足が垂れ下がる。

 

暴力ではなく、完全に絞め落とすことに特化した動きだった。

それだけは理解できて、理解して、そうして。

──僕は、意識を失った。

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

俺は如月が行ったであろう道をなぞる、その先では苦しむ如月とその原因である市ヶ谷有咲が居たが、俺はそれを静観した。

 

──どうやら如月が絞め落とされたようだ、ぴくぴくしていて陸に打ち上げられた魚みたいだな、泡を吹いているのもそっくりだ。

 

如月を絞め落としてそれを抱く市ヶ谷に近付き、俺はとんとんと肩をつつく。

 

「っ…!!」

 

「そう警戒するな、別にお前の手元にある如月を奪おうって訳じゃない。ただ警告しに来ただけさ」

 

「……」

 

「如月はな、『何も覚えちゃいねえよ』、嘘なんてついてない。

だけど、そいつほどヤバイ奴もそうそういない」

 

「何がですか」

 

「…お前だって遠くないうちに気づく、お前は如月を追い込めているように見えてその実逃げ道しか与えていないってことを」

 

「──」

 

「あんまり手をかけさせないでくれよ、オジサンはつまんねえからな」

 

「?────。

…分かりました」

 

 

市ヶ谷と如月に背を向ける、これ以上会話をしていたら他の人に見つかる可能性があると危惧したのだろう、賢い生徒だが、どうにも如月が構うと扱いが危険だ。

 

だが如月はストッパーだ、あの生徒たちは如月が居る限りまだ大人しい、それこそ奴が死んだりなんてしたら暴走する。

 

それは、何としてでも阻止しなければいけない。

 

◇◆◇◆◇

 

 

──昔から、僕は幸運だった。

 

 

 

 




コラボが決まりました。

急展開過ぎて着いていけない?それはすまなかった、何せストーリー性を求められるのが意外だったものでね。

今回の新キャラ、蛇穴喜朗、口癖は「つまんねえ」

以上、次回は病みマシマシ、エロ成分あり、イチャイチャしますよぉ(白目)
そして如月くんが有咲に監禁されます、やったね!
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