仮面ライダーディレイド   作:白き翼

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プロローグ

一人の青年は、ある夢を見ていた・・・

 

「ここは・・・」

 

彼の今いる場所はボロボロになった町の中・・・

周りを見渡しても誰もいない・・・。

 

そんな時、彼の近くに数体の怪人が現れた。

それは姿形は違うが、全て『仮面ライダー』と呼ばれる正義の戦士の物語に登場する怪人達であった。

 

思わず彼は逃げようとするが、目の前にも怪人が現れた為に驚いた拍子にその場で尻餅をついた。

 

尻餅をついた直後、怪人の一体が持っていた剣を振り下ろしてきた。

突然の事態に動けずにいる青年はそのまま振り下ろされた剣に切り裂かれる、はずだった。

 

「うおりゃぁぁぁぁぁ!!」

「ギャァァァァッ!!?」

 

突然、青年に剣を振り下ろした怪人目掛けて誰かが炎を纏う右足で放つとび蹴りをお見舞いする。

その一撃に怪人は吹っ飛びながらも爆発した。

 

「へっ・・・?」

「おい、大丈夫か!?」

 

いきなりの展開にきょとんとなる青年に、怪人にとび蹴りを放った誰かが駆け寄ってきた。

その誰かとは・・・青年の大好きな『仮面ライダー』と呼ばれる正義の戦士の一人、『仮面ライダークウガ』であった。

 

《チョーイイネ!キックストライク!サイコー!!》

《スキャニングチャージ!!》

 

「「せいやぁぁぁぁっ!」」

『『『『ギャァァァァァッ!?』』』』

 

クウガが青年に駆け寄った途端、電子音声が響き渡ると近くに現れていた怪人達の断末魔と共に派手な爆発が起こる。

その爆発の中から今度は『仮面ライダーウィザード』と『仮面ライダーオーズ』が現れる。

 

「何とか間に合ったみたいだね・・・」

「あぁ、無事で何よりだ・・・」

 

青年の姿を見て安心した様子のウィザードとオーズ。

その時、近くで派手な爆発が起こり始める。

 

「な、何が・・・」

「他の皆が戦ってるんだよ・・・僕達と同じ仮面ライダーが」

 

「さぁ、行こうぜ?」

 

ウィザードが青年に説明しているとクウガが青年の腕を引っ張って、立たせた。

その時青年は思わず引っ張られた自分の腕を見ると、何故か腕が銀色になっていた。

 

「・・・あ、あれ?」

 

さっきまでは普通の腕だったと考えていた青年はふと視線をそらす。

その視線の先には体全体を映せる服屋に置いてありそうな大きな鏡があり、自分の姿が映った。

 

その姿は・・・青い瞳を持つ銀色の仮面ライダーであった・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・また、この夢か・・・」

 

夢を見ていた青年――『秋山吉良』はベッドの上で寝ている状態のままそう呟く。

体を起こして、軽く伸びをすると吉良は寝巻き姿から適当にチョイスした服に着替えて、部屋を後にするのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふわぁ・・・」

 

欠伸をしながら外をのんびりと歩く吉良はある事を考えていた。

そのある事とは、最近になってみるようになったあの夢・・・と言うよりもあの夢の最後で自分がなっていたライダーの事だ。

 

あのライダー達の姿は良く覚えていた。

何故なら、あのライダーは色が全く違ったものではあったのだが仮面ライダーの一人、『仮面ライダーディケイド』によく似ていたのだ。

 

(何なんだろうな・・・あのライダー・・・・)

 

「・・・・良!・・・吉良!!」

「ほぇ?」

「ほぇ?じゃないでしょうが!!」

「痛っ!?」

 

夢の中のライダーのことを考えている吉良は自分を呼ぶ声に気づき、横を向いた途端に隣にいた吉良の幼馴染『春日井 キズナ』に頭を叩かれた。

 

「た、叩かなくても良いじゃない・・・・」

「あんたがボーっとしてるからでしょ!ったくもう・・・ん?アレ何?」

 

呆れた様子のキズナは目の前にあるものを指差した。

それは、ディケイドの物語でたびたび出現した灰色のオーロラであった。

 

「これ・・・ディケイドに出てきた・・・」

 

吉良が呟くと同時に、灰色のオーロラが二人に迫ってきた。

 

「「うわっ!?」」

 

迫るオーロラをかわすことができずに吉良とキズナはオーロラとぶつかる。

ぶつかるとは言っても特に痛みはなく、オーロラにぶつかったと言うよりも潜り抜けた感じであった。

 

「あ、あれ?何だったんだ・・・って、ここどこ?キズナは?」

 

オーロラとぶつかる前と後で、風景がいきなり変わっていたことに驚きながらも、隣にいたはずのキズナがいない事に気づいて辺りを見渡す吉良。

どこに行ったのだろうと思っていると、後ろから足音が聞こえ振り返ると、フード付きの黒いコートを羽織った人物が立っていた。

 

「ど、どちら様ですか?」

「・・・君に頼みたい事がある」

 

「た、頼みたい事?」

「あぁ、君にしかできないことだ」

 

フードを被っているので顔は分からないが黒コートの人物の声を聞いて男だと思いながらもいきなりの発言に困惑する吉良。

そんな彼の目の前で黒コートの人物が指を弾くと、いきなり吉良の周りが真っ暗になる。

直後、地球のような物が幾つも現れる。

 

「これは・・・地球?」

 

「あぁ、平行世界の地球だ。あの地球一つ一つに仮面ライダーが存在しているんだが、他の世界と融合し本来の世界とは違うものになっただけでなく、様々な異変が起こり始めている。そこでだ・・・君は他の世界と融合したライダー達の世界を旅して行った世界で起きている異変を止めてほしいんだ」

「え、えぇっ!?な、なんで僕が!?と言うか、僕は世界を救う力は・・・」

「そこは、大丈夫だ・・・君にはコイツを使う資格がある」

 

そういうと黒コートの人物はあるものを渡してきた。

それは、ディケイドと呼ばれるライダーの変身アイテム『ディケイドライバー』とディケイドの使用する武器『ライドブッカー』に酷似していた。

 

「これは・・・」

「『ディレイドライバー』と『ブレイブッカー』・・・君の知るディケイドというライダーのアイテムと同じ様なものさ・・・それじゃあ、また後で」

 

「え、ちょ、うわぁ!?」

 

黒コートの人物が言い終わると同時に再びオーロラが現れると、勢い良く向かってきた。

黒コートの人物と吉良にぶつかったかと思うと吉良の周りの風景がまたしても先ほどとは違う場所へとなる。

 

「っ、また風景が・・・って、さっきの人は・・・」

 

「きゃぁぁぁぁぁぁ!!」

「っ!?キズナ!?」

 

風景が変わった事と黒コートの人物がいない事に困惑している最中にキズナの悲鳴を聞いて、吉良は急いで悲鳴の聞こえた方に駆け出していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやぁっ!!来ないでよぉっ!!」

「キズナ、ってあれはワーム!?」

 

悲鳴を上げるキズナを見つけた吉良だったが、キズナの周りには虫のような姿をした怪人が複数いた。

『仮面ライダーカブト』に出てきた怪人『ワーム』である。

 

「グルル・・・!」

「っ!?吉良!逃げてぇ!!」

 

すると、吉良の存在に気づいたのか、ワームが吉良にゆっくり近づいてくる。

いきなり方向を変えたワームの群れの先に吉良がいることに気づいたキズナは思わず叫んだ。

向かってくるワームを見て後ずさりをしていた吉良は、黒コートの人物の言葉を思い出す。

 

『君の知るディケイドというライダーのアイテムと同じ様なものさ・・・』

「もしかして・・・!」

 

吉良はディレイドライバーを腰に当てるとディレイドライバーからベルトが現れ吉良の腰に巻きつく。

それ同時に吉良は突然頭痛に襲われると、突然頭の中にある映像が浮かんだ。

 

「・・・確かに、ディケイドと同じ様な感じだ・・・」

 

映像が出てきた直後に頭痛が収まり、吉良は思わず呟きながらもブレイブッカーから一枚のカードを取り出す。

そして、吉良は仮面ライダーにとってはもうお決まりに近い言葉を叫ぶ。

 

「変身っ!!」

《カメンライド、ディレイド》

 

ディレイドライバーにカードを装填した後に流れた電子音声の後、人の形をしたオーラが幾つも現れ吉良の体にぶつかると同時に吉良の姿は銀色で青い瞳の戦士の姿に変わった。

直後、カードのようなものが頭部に刺さり、それと同時に変身を完了した吉良は間違いなく仮面ライダーのような姿であったが、その姿はディケイドに似ていた。

 

(これ・・・あの夢に出てきた・・・)

「き・・・ら・・・?」

 

吉良は近くにあったガラスで自分が変身した姿――『ディレイド』の姿を見て、夢に出た自分がなっていたライダーであった為に驚きを隠せない。

 

そんな彼を見てキズナは驚いていると、いきなり目の前にいたワーム達が消えてしまった。

いや、正確に言うと物凄い速さで移動したのだ。

 

「クロックアップか、だったら!」

 

ワームの持つ能力――『クロックアップ』を見たディレイドはブレイブッカーからカブト虫をモチーフにした仮面ライダー、『カブト』の顔の絵が書かれたカードをディレイドライバーに装填する。

 

《カメンライド、カブト》

 

電子音声の後、ディレイドの姿が真紅の体のカブト虫を思わせる姿の戦士――カブトへと変わった。

 

「姿が変わった・・・?」

 

姿が突然変わったことに驚くキズナの背後に現れたワームがキズナの後ろにあった柱を破壊する。

それによってキズナに瓦礫が降り注ぐ。

 

「きゃぁぁぁっ!?」

 

キズナの悲鳴を聞いて、キズナに瓦礫が迫っている事に気づいたディレイドが変身したカブト(以後Dカブトと表記)はディレイドライバーにカードを装填する。

 

《アタックライド、クロックアップ》

 

電子音声の後、Dカブトの姿が消えた。

いや、正確に言うとワーム達と同様に物凄いスピードで移動したのである。

 

直後、キズナに降り注いできた瓦礫が突然何かに弾かれるように吹き飛んだ。

 

「えっ、あ、あれ?」

 

直後、突然の事態にきょとんとしているキズナの耳には何かを切り裂くような音が聞こえた。

 

「でやぁっ!!」

「「「「ギャァァァァァ!!」」」」

 

Dカブトの声が聞こえると同時に、断末魔を上げながら4体いたワームは倒れ、爆発した。

その直後、ディレイドライバーからカブトのカードが飛び出て、Dカブトがディレイドの姿に戻ると同時にカードをキャッチする。

 

すると、カブトのカードの絵が消滅してしまった。

 

「(これ・・・ディケイドの時と同じ・・・って、そんな事より!!)キズナ!大丈夫!?」

 

カードの絵が無くなった事に驚きながらもディレイドは慌ててキズナに近づく。

すると、いきなりキズナがポロポロと涙を零しながらディレイドに抱きついてきた。

 

「ちょ、き、キズナ・・・」

「怖かった・・・怖かったよぉっ・・・!!」

「・・・・もう、大丈夫だよ。怪人は周りにはいない」

 

いきなり抱きつかれた事に驚かされたが、泣き始めたキズナの頭をポンポンと撫でるディレイド。

 

ブォォォォォォン!!

 

「っ!?」

 

その時、いきなりバイクの音が聞こえた為に咄嗟にキズナを庇うようにしながらも構えるディレイドだったが、現れたのはディケイドのバイク『マシーンディケイダー』のマゼンタカラーの部分が銀になった感じのバイクであった。

その時、ディレイドの頭の中にあの時の黒コートの人物の声が響き渡る。

 

『無事に変身できたようだな、そのマシーンディレイダーは君に渡しておく』

「(マシーンディレイダー・・・普通のバイクと操作方法変わらないのかな?)キズナ、とりあえず、光風館に送っていくよ。乗って」

「う、うん・・・」

 

突然現れたバイクに驚いたのが原因で泣き止んでいたキズナを後ろに乗せてマシーンディレイダーは走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マシーンディレイダーに乗って、キズナの父親『春日井 宗一郎』が経営する写真館でもあるキズナの家『光風館』へと向かうディレイドとキズナ。

ちなみに、吉良は光風館に居候させてもらっている形でキズナと一緒に暮らしているのだ。

 

(何も起こらなければ良いけど・・・・またなんか出てきそうな気がするな)

 

ディレイドはそう思いながら運転していたが、その予感は的中してしまった。

 

「きゃぁっ!?」

「っ!?キズナ!!」

 

ディレイドに捕まっていたキズナが突然マシーンディレイダーから弾き飛ばされるように落ちたのだ。

いきなり、キズナが落ちたことに驚いてマシーンディレイダーを止めるディレイド。

するとキズナに向かって、3体の灰色の怪人たちが近づいてきた。

 

「今度はオルフェノクか!ならこれだっ!!」

 

灰色の怪人『オルフェノク』を見て、ブレイブッカーから『ファイズ』と呼ばれる仮面ライダーの顔が描かれたカードを取り出しディレイドライバーに装填する。

 

《カメンライド、ファイズ》

 

電子音声の後、ディレイドは何かのボタンを押すような音が響いたと思うと突然赤い光に包まれ、所々に赤いラインが入った戦士――ファイズへと姿を変える。

姿を変えるのに合わせてDファイズはロボットの絵が書かれたカードをディレイドライバーに装填する。

 

《アタックライド、オートバジン》

 

電子音声が鳴り響き、マシーンディレイダーが突然出現したΦの文字を潜り抜けると、ファイズの専用バイク『オートバジン』へと形状を変えると同時にいきなり人型へと変形する。

それからすぐにオートバジンはブースターで飛翔しながら腕に付いているタイヤの中心からマシンガンをオルフェノクに向けて発射し始める。

 

「「「ウォォッ!?」」」

 

突然の攻撃に驚き、立ち止まると同時にオートバジンがオルフェノクたちの目の前を通り過ぎて行きながらキズナを救出する。

ちょっと離れた所に着地したオートバジンはキズナを降ろす。

 

「えっ!?な、何このロボット!?」

「キズナ!離れてて!!」

 

オートバジンに驚くキズナに近づきながら、Dファイズがオートバジンに近づきながらオートバジンの背中にあるバイクの左ハンドルを掴んで引き抜く。

すると、引き抜いたハンドルから光の刃が現れラ○トセ○バーのような感じの武器『ファイズエッジ』となった。

 

ファイズエッジを手にすると同時にオルフェノクに向かっていくDファイズ。

それに対しオルフェノクたちもそれぞれ持っている武器を持って、Dファイズに襲い掛かっていくが、3対1と言う不利な状況だと言うのにもかかわらずDファイズはオルフェノクたちを圧倒していた。

 

「凄い・・・・」

 

「でやぁぁっ!!」

「「「ゴァァァ!?」」」

 

Dファイズの戦いを見て思わず呟いてしまうキズナ。

その直後、オルフェノクは全員ファイズエッジによって切り裂かれた後に力なく倒れたかと思うと、赤いΦの文字が浮かび上がりながら青い炎に包まれて消滅した。

 

Dファイズから小さくガッツポーズをとった途端、先ほどのカブトの時のようにカードがディレイドライバーから飛び出てカードを手に取ると同時に絵が無くなった。

それに合わせてDファイズはディレイドに戻るのだが、それに合わせたかのようなタイミングで鏡の中からハチやシマウマを思わせる姿をした数体の怪人が現れた。

 

「今度はミラーモンスターか・・・」

《カメンライド、リュウキ》

 

鏡から現れた怪人――ミラーモンスターを見て『龍騎』と呼ばれるライダーの顔が書かれたカードを装填するディレイド。

それに合わせて、虚像がディレイドに重なって行ったかと思うと鉄火面を思わせる頭部の赤い戦士――龍騎へと姿を変え、すぐにカードを装填した。

 

《アタックライド、ストライクベント》

 

電子音声の後、D龍騎は右手を上げると同時に空から龍の頭部を思わせる武器『ドラグクロー』が落ちてきて、そのまま右手に装着される。

D龍騎がドラグクローを一度後ろに引いてすぐに勢い良く突き出すと同時にドラグクローから放たれる火炎放射――『ドラグクローファイアー』がミラーモンスター達に炸裂、一気に全滅させてしまった。

 

それに合わせてディレイドライバーから龍騎のカードが飛び出て、龍騎の絵が無くなった。

それに合わせてD龍騎もディレイドの姿に戻る。

 

「吉良・・・何でそんなに戦えれるの?」

「分からない、コレをつけた途端に頭に色々な使い方が流れ込んできて・・・あとは、覚えた使い方と相手に合わせて戦ったんだ」

「・・・・そう、なんだ・・・」

 

姿を戻したディレイドに尋ねるキズナの顔は、若干ながらも怖がっているようにも見えた。

その様子に何も言えずにディレイドは近くにいたマシーンディレイダーにキズナと共に乗り、再び光風館へと向かって走り始めた。

 

 

 

 

 

 

数分後・・・

 

 

 

 

 

 

「やっとついたね吉良・・・・」

「そうだね・・・」

 

光風館の前にマシーンディレイダーを止め、降りる二人。

それに合わせてディレイドは変身を解除、吉良の姿に戻りながらもカードを確認していたのだがある事に気づく。

 

ディケイドの第一話のように他のライダーの力が無くなっているのか、ディレイド以外の全てのカードのイラストが無くなっていたのだ。

 

(同じだ・・・ディケイドの時みたいに、カードのイラストが・・・)

「吉良?どうしたの?」

 

「あ、ううん。なんでもない」

 

キズナに声をかけられた為に慌てて返しながらも吉良はキズナと共に光風館に入ると、一人の中年の男性が慌てて駆け寄りながらも嬉しそうな顔で二人を出迎えてくれた。

彼こそ、この光風館の主とも言えるべき存在でキズナの父の春日井 宗一郎である。

 

「おかえり二人とも!こんな状況でよく帰ってきてくれたね、怪我は無いかい?」

 

「・・・ただいま、お父さん」

「何とか無事に帰ってこれました・・・」

 

宗一郎の元気そうな姿に思わず笑みがこぼれる吉良とキズナ。

そして、とりあえず荷物を置こうと居間に向かうのだが・・・

 

「・・・お邪魔してます」

「ブッ!?」

「き、吉良どうしたの、ってうわぁ!?」

 

何故か、椅子に腰掛けている黒コートの人物の姿があった。

その姿を見て噴出す吉良に、慌ててどうしたのかを尋ねるキズナも黒コートの人物を見て驚く。

 

「・・・そこまで驚く事は無いと思うのだが?」

「いやいやいや!いると思ってない人が人の家で平然と椅子に座っていたら驚きますよ!?」

 

「あ、吉良君の知り合いなのかい?その人」

「え?まぁ、そうですけど・・・」

「実はここまで送ってもらっちゃったんだよ。帰り方が分からなかったから助かっちゃったよ~」

「そうなんですか!?」

 

黒コートの人物の言葉にツッコミを入れていると、クッキーとコーヒーを持ってひょっこりと現れた宗一郎の言葉に驚く吉良。

 

「さて・・・本題に入って大丈夫か?」

「っ?本題、ですか?」

 

「あぁ・・・これからお前を平行世界に連れて行こうと思うんだが・・・」

「え、ちょ、待ちなさいよ!!平行世界って何の事!?」

 

「あ、えっと・・・」

 

黒コートの人物の言葉に事情を知らないキズナが会話に割り込んでくる。

その様子を見てキズナが事情を知らない事を思い出し、吉良が説明を始める。

 

「・・・と言うわけ」

「・・・何がと言うわけ、よ・・・あんた、まさか一人で行く気・・・?」

 

「・・・・キズナや宗一郎さんを巻き込めないから・・・・大丈夫、絶対帰ってくるから」

「・・・・雰囲気を作ってるところ悪いが、宗一郎さんは君の旅に同行すると言っているんだが?」

 

「「えっ?」」

 

説明が終わったところで、キズナが震えた声で尋ねてきたので俯きながら答えた後にキズナに笑顔を見せる吉良。

だが、そんなタイミングで黒コートの人物がいった言葉に思わず固まる吉良とキズナ。

 

「いやー、だって吉良君いろんな場所に行くんだろ?その場所でしか取れない光景とかがあると思うんだ!だがらその旅についていきたいのさっ!!」

 

そして、再びひょっこり現れた宗一郎はまるで遠足を楽しみにしている小学生のような笑顔でカメラを布巾で拭きながら吉良にそう言ってきたので、吉良は思わずガクッとなってしまうのであった。

 

「で、でも、それじゃキズナも旅についていくと言う事に「別にいいわよ」って、キズナ!?僕の話を・・・」

「聞いてたわよ。それにさっき危ない目に会ったんだからその位理解してるわよ。だけど、あんた一人を旅に出させるのは心配なの!だからあたしもついていく!!」

 

「・・・・分かった、んじゃ皆で行こうか?世界を救う旅に」

「・・・話は纏まった様だな。それでは、行くぞ」

 

降参するように吉良が言うと同時に黒コートの人物が彼らの近くにあった背景ロールに近づいたかと思うと、近くにあった鎖を思い切り引っ張って背景ロールを降ろす。

すると、一枚の背景ロールが降りてくるのだが、その背景ロールのイラストは光風館には無いものだった為に栄一郎やキズナは不思議そうに見ている。

 

 

 

 

その絵は様々な楽器のマークに囲まれるように描かれた何かの紋章のようなものが描かれたイラストだった。

 

 

 

To be continued・・・

 

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