仮面ライダーディレイド   作:白き翼

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吉良「セイバーとの戦いを終えて、光風館に帰る事にした僕達」

キズナ「それから私はある人と出会うのだけど、その後すぐにこの世界の異変が起こり始めるなんて思ってもいなかった・・・」


プレリュード 始まる異変

 

~???~

 

「主・・・準備が整いました」

「そうか・・・お前たち、覚悟はいいな?」

 

とある、ボロボロに崩れ去りそうになってしまっている館・・・

その中にあるとある部屋の中で、玉座を思わせるような立派な椅子に腰掛ける一人の青年。

彼の前には数人の男女が跪く様な形で待機しており、青年の言葉を聞いて言葉も無く頷いた。

 

「俺は掟など認めない・・・あんな掟など、必要無いっ!!」

 

苛立った様子で掟を否定した青年はその姿を黒いスーツの様な物を見に纏う漆黒の蝙蝠を思わせる姿をした怪人――『ダンピールファンガイア』へと変化させる。

直後、ダンピールファンガイアの前にいた数人の男女も全員ファンガイアへと姿を変えた。

 

「俺はファンガイアの為に、掟を潰し、ファンガイアの世界を作る!その目的の為にまずはフィリアンノ城へ攻め込み、ビスコッティを手に入れる!」

「へぇ・・・面白そうだね、協力させてもらえないかな?」

 

ダンピールファンガイアの言葉に面白いと言わんばかりの口調で何者かの声が響いた。

この場にいたファンガイア達はその声を聞いて一斉に周りを警戒するが、自分達以外の姿がない。

 

すると、突然彼らの前に灰色のオーロラが現れたかと思うとそこから一人の赤い髪の青年が現れる。

 

「っ!?貴様、何者だ!?」

「何者だ、と言われたら・・・答えてあげるのが礼儀かな?」

 

ファンガイアの一人がどこからか取り出した剣をいきなり現れた青年に向けながらも尋ねる。

それに対し、尋ねられた青年は腰につけたベルトについているホルスターに入った銃を抜くと共に一枚のカードを銃に入れた。

 

《カメンライド》

 

カードを入れた後の電子音声にあわせ、青年は持っていた銃の銃口を頭に当てる。

青年は声を発すると共に引き金を引く。

 

 

 

 

「変身」

《ディナーレ》

 

 

 

 

引き金が引かれた直後に鳴り響く電子音声の後、青年は赤黒い炎に包まれる。

突然目の前で人体発火が起きた事に流石に驚くファンガイアたちだったが、青年を包む炎は青年が腕を横に振るうと共にかき消される。

 

だが、炎がかき消された時には青年の姿はガラリと変わっていた。

その姿は肩と頭部にカードが突き刺さったような姿をした全体的に赤黒い色をした仮面ライダーであった。

 

「僕の名はラスト・・・またの名を、仮面ライダーディナーレ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~光風館~

 

「ふぅ・・・キズナ達、遅いなぁ」

 

栄一郎は呟きながらもコーヒーを口にする。

 

キズナと吉良がいない時は、写真館の主としてやってきた客の相手をしたり、写真を撮ったりしているので暇ではない。

だが、一人でいるのは少し寂しいと思えてしまうのだ。

 

そんな事を考えていると、玄関のドアが開く音が聞こえる。

それを聞いて玄関の方に向かうと、キズナと吉良の姿があった。

 

「お父さん、ただいま」

「ただいま戻りました」

 

「おぉ、お帰り二人とも・・・おや?吉良君、少しふらついてるけどどうしたんだい?」

「あはは、ちょっとはしゃぎすぎまして・・・」

 

「そうかい、余り無茶しちゃ駄目だよ?特に、この間のカッターで頬を切るみたいな感じの事は絶対駄目だよ?」

「はい、気をつけます・・・」

 

宗一郎に二人が声をかけてきたので笑顔で返す宗一郎は、吉良がふらついていた事に気づく。

その事に対して吉良が苦笑いしながらも返すと、余り無理をしないようにとやんわりと注意するのであった。

 

吉良と宗一郎のやり取りを見ながらも、冷蔵庫を開けたとき冷蔵庫の中にあるものが少ない事に気づく。

 

「お父さん、今日ご飯どうするの?」

「あ、いけない。買い物してなかった・・・」

 

「もぅ、しょうがないなぁ・・・今あるものだけじゃ厳しそうだし、買い物行って来るね?」

「あ、だったら僕も・・・」

「却下!アンタはゆっくりしてなさい!それじゃ、行って来ます」

 

買い物に言ってないといわれたキズナは冷蔵庫を閉めた後に、買い物に行く事にする。

それを見て吉良も付いて行こうとするが、キズナはそれを却下してそのまま出かけてしまった。

 

ちなみに、お金はこの世界に来た時に黒コートの人物によって姿を変えられた後に知ったことだがちゃんと財布の中身がフロニャルドのお金となっていたので問題は無い。

 

「だ、大丈夫かなぁ・・・」

「ん?何がだい?お金は大丈夫だと思うけど・・・」

 

吉良の不安そうな様子を見て首をかしげる宗一郎。

そんな彼に表情を変えぬままで、困ったように吉良は返した。

 

「いや、そうじゃなくて・・・この世界の文字読めるのかな?と思いまして・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うー・・・も、文字が読めない・・・」

 

一方その頃、キズナはと言うと吉良の予想通りの状況に陥っていた。

 

実は、フロニャルドで使われる文字は『フロニャ文字』と呼ばれるこの世界の文字のみである。

漢字どころかひらがなすら使われてない状態に流石に困った状態となっていた。

 

「(折角、久しぶりに吉良の好きなカレーにしてあげようと思ったのに・・・)はぁ、どうしよう・・・」

「こんな所で何をしているんだ?」

「えっ?」

 

しょんぼりした様子で呟いていると、そんな彼女に誰かが後ろから聞き覚えのある声が聞こえる。

キズナは振り返ると、そこには自分達を異世界へと連れて行く黒コートの人物の姿があった。

 

「あ、アンタは・・・って、何でこんな街中なのにフード外さないのよ?何か・・・怪しさ満点よ?」

「・・・そんな事はどうでもいいだろ?ここで何をしている?旅人はどうした?」

 

「・・・吉良は今家にいる。私は、買い物中よ」

「ん?この世界の文字を読めるようにしたのは旅人だけだが・・・大丈夫なのか?」

「・・・大丈夫じゃないです」

 

被ったままのフードの事の質問を斬り捨てる黒コートの人物は尋ねる。

質問に返してもらえない事にムッとなりながらも答えると、字が読めるのかと心配される。

 

その発言に正直に大丈夫じゃないと返すキズナを見て、軽く溜息をつく黒コートの人物。

 

「はぁ、しょうがない・・・買い物、手伝ってやる」

「えっ・・・ってか、アンタは読めるの?」

 

「読めなければ手伝うなど言わん。それで、何を買うんだ?」

「えっ?えっと・・・」

 

黒コートの人物に買う物を伝え、そこからキズナと共に行動し始めた。

そんな時、キズナは思い出したかのようにある事を聞いてみる。

 

「そういえば・・・聞いときたい事があるんだけど」

「何だ?フードの事は答える気は無いぞ?」

「安心しなさい、もう突っ込まないから・・・いや、アンタの名前よ。わかんないからアンタって読んでるけど、アンタ呼ばわりじゃ失礼かと思って・・・」

 

フードの事を言われて苦笑いしながらも聞きたい事を尋ねるキズナ。

それは黒コートの人物の名前だ。

 

出会ったばかりで、会う回数もまだ少ない状態だが黒コートの人物の名前は一度も聞いた事も無い。

丁度いい機会だと思って尋ねる事にしたキズナに対し、黒コートの人物は少し躊躇うようにしながらも答えた。

 

「・・・紫音、紫の音と書いて紫音だ」

「紫音って・・・普通フルネーム言うでしょ?」

「・・・名前はなんだとしか聞いてないだろ?」

 

「むっ、た、確かにそうだけど・・・」

「・・・とっとと終わらせるぞ?この辺は一応物騒だからな」

「あ、ちょっと・・・もぅっ!!」

 

紫音としか名乗らなかった黒コートの人物に文句を言うが、その後の言葉に反論できなくなるキズナ。

そのまま話は終わりだと言わんばかりにとっととに先に行き始めた紫音を慌てて追いかけるキズナ。

 

その後、少し喧嘩しているような感じで話しながらも歩きながらも買い物を済ませていった。

買い物の最中、やはり紫音の格好は変に目立っていたので居心地が悪かったのは余談である。

 

「さて、これで全部だな・・・とっとと戻るぞ」

「いやいや・・・別にそこまで遠くないんだし、一人で帰れるわよ」

「あ、おい・・・」

 

買い物を終えると光風館まで同行しようとした紫音だったが紫音が持っていた袋をとって、キズナが歩き出した。

それを見て紫音が何かを言おうとするが、その前にキズナが微笑みながら紫音に言った。

 

「ありがとね?助けてくれて」

「えっ・・・」

「それじゃっ!!」

 

キズナの言葉に思わずポカンとなってしまう紫音。

そんな紫音を置いてキズナは一人で光風館へと帰っていき、紫音はキズナの姿が見えなくなるまで見ているのであった。

 

「・・・ありがとう、か」

 

「なーに、照れてんだ?お前」

「っ!?」

 

キズナの姿が完全に見えなくなった所で、キズナに言われた言葉を少し俯くように復唱する紫音。

そんな時、紫音に誰かが急に声をかけて来た為慌てた様子で声のした方を見るとそこには物陰に隠れるように立つディバインの姿があった。

 

「・・・見ていたのか?」

「いや、見たのはお前があの子に『ありがとう』と言われた所だ・・・しっかし、意外だなぁ~。ありがとうと言われただけで照れるなんて・・・プッ!」

 

「・・・この間のようにまたぶっ飛ばされたいか?」

「わーっ!?悪かった悪かった!勘弁してくれ!!」

 

ディバインが紫音をからかう様に言いながらも思わず噴き出してしまう。

その様子にカチンと来た紫音は懐からあるものを見せた途端、ディバインは慌てて謝罪する。

 

その様子に軽く溜息をつきながらも、取り出したものをしまう紫音。

 

「やれやれ・・・それはそうとお前、この世界では騒動を起こしてないだろうな?」

「お、起こしてないって・・・お前にボコボコにされたくないし」

 

「ならいい・・・ったく、『何があっても良い様に旅人を見ていろ』と言ったのに何故お前が騒動を起こすんだ?他のライダーと戦わせるのはまだ許せる範囲だが、お前が騒ぎを起こしてどうする」

「い、いやー・・・その、アイツが少しでも強くなれたらいいかなーと思ったんだが・・・悪かった」

 

そういえばと思い、気になったことを尋ねる紫音にディバインが返す。

それを聞いた後、彼がやってきた事に文句を言う紫音に対し申し訳なさそうに返すディバイン。

 

その様子を見て、反省はしているようだなと呟いた後に紫音はディバインと共にどこかへと歩いていくのであった。

 

 

 

 

~光風館~

 

「ただいまー」

「あ、キズナ。お帰り」

 

キズナが帰ってきた事に気づいて笑顔で迎える宗一郎。

宗一郎にただいまと返すキズナは、ソファの上で眠ってる吉良の姿を見つける。

 

「あ、吉良寝ちゃったんだ」

「うん、とは言ってもちょっと前までは起きてたんだけどね・・・そういえば買い物、大丈夫だった?吉良君がこの世界の文字読めるのか心配してたけど」

 

「あ、あはは・・・確かに、この世界の文字が読めなくて・・・困ってた時に紫音・・・あっ、異世界に連れて行く黒コートの人なんだけど、いきなり出てきて助けてくれたの」

「おぉ、そうだったんだ。今度お礼しないとね?」

「うん、でも・・・でも、会えてもすぐにどっか行きそうだわ・・・」

 

寝ている吉良を起こさないように他愛もない会話をするキズナと宗一郎。

そのまま二人は夕食の準備をし始めようとした時、どこからか派手な爆発音のような音が響き渡ったかと思うと何やら外が騒がしくなり始める。

 

「な、何?今の音・・・」

「何かあったのかな?騒がしくなり出したけど・・・えっ!?」

 

「んー・・・何の騒ぎ・・・?」

 

何事かと思うキズナ達が外に出て行くと、外が騒がしくなった事が原因か吉良は目を覚まし体を起こした。

欠伸をした後に目を擦っている吉良に宗一郎が駆け寄ってきた。

 

「き、吉良君っ!大変だよ、お城から煙が上がってる!!」

「えっ?」

 

宗一郎の言葉にどういうことだと思いながらも吉良は慌てて外に出てフィリアンノ城を見る。

宗一郎の言葉の通りに、フィリアンノ城からは煙が上がり所々で火災が起こっているのか炎が吹き上げるように燃え上がっていた。

 

「っ・・・変身!!」

《カメンライド、ディレイド》

 

「え、ちょ、吉良!?」

「おぉ、それがディレイドかぁ~」

 

それを見た途端、吉良はディレイドライバーを装着しディレイドに変身。

いきなり変身した吉良に驚くキズナの隣で宗一郎は始めてみるディレイドの姿に驚くどころか目を輝かせていた。

 

「ちょっと行って来るっ!多分、この世界での異変だ、とっとと解決させてくるっ!!」

《フォームライド、オーズ・タジャドル》

《タカ、クジャク、コンドル!タ~ジャ~ドル~!!》

 

それはさておき、いきなり変身したディレイドはキズナに説明しならがもカードを装填。

電子音声と共にディレイドがオーズ タジャドルコンボへと姿を変えると、背中に翼を展開させて空へと舞い上がりフィリアンノ城へと向かっていくのであった。

 

 

To be continued・・・

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