その世界で、クロウと吉良はとある出会いをする中、ゆっくりとこの世界でも暗躍する影がいた・・・。
魔法使いの国
「あ、あれ?ウィザードの世界?」
「あー、すまん。これは俺達が次の行き先を決めてると言うわけじゃなくって完全にランダムに決まるんだよ」
「へぇー、そうなんだ・・・」
「とりあえず、姿を変えておくか」
予想と違っていたために驚く吉良に零慈が説明する。
その説明を聞いていた宗一郎が言っている中で紫音が指を弾く。
それと共に出現して向かってきた灰色のオーロラを全員が潜ると、吉良の姿は本来の姿へと戻る。
けれども、服装はいつも来ているような服のままで、キズナ達も変化はなかった。
「あれ?今回は衣装チェンジみたいなのは無いんですか?」
「キバの世界と同じさ、この世界の住人であると言う風にしていただけだ」
「・・・それはそうとクロウ、さっきから外見て固まってるけどどうかしたか?」
吉良の疑問に紫音が答える中、ずっと外を見ているクロウに声をかける零慈。
するとクロウは振り返りながらも思わぬ発言をしてきた。
「・・・どうやらこの世界は・・・僕がいた世界みたいだ」
「えっ!?クロウ君の世界!?」
「はい、間違いありません。僕が住んでいる世界、管理外世界14番・・・フェンシリアです」
「クロウさんの世界かぁ・・・そういえば吉良、クロウさんの世界も何か混ざった世界なの?」
「んー・・・リリカルなのはの世界と混ざってるんだと思うんだけど、いつのシリーズなのか分からないんだ・・・」
「っ?リリカル、なのは・・・?」
「まどか☆マギカみたいに魔法少女が主役のアニメなんです、クロウさんがキバの世界の時に言っていた『管理外世界』っていう言葉があるから間違いないと思うんですけど・・・」
クロウの世界だと聞いて驚く宗一郎に対し、この世界も何か混ざっているのかどうかが気になったキズナに対し吉良が答える。
吉良の言葉に何やらきょとんとなるクロウに対し吉良が簡単に説明を入れた。
「それはそうと、いつのシリーズってどういうこと?」
「えと、それが・・・僕の知ってるリリカルなのはって言う作品はアニメ作品が三つあるんだけど、漫画版が2つあるんだよ。『リリカルなのは』と『リリカルなのはAs』と『リリカルなのはStrikers』の三つと『リリカルなのはVivid』と『リリカルなのはForse』の二つ。それのどれかはイラストだけじゃ分からなくて・・・どのシリーズでも、タイトルに名前が出てる高町なのはと言う人物が登場するんだけど・・・」
「あっ、やっぱりタイトルのなのはって彼女の事だったんだ・・・」
「ん?知り合いなのか?」
「うん、実は数年前に僕の知り合いの科学者が製作した転送装置の実験が原因で管理外世界97番、地球に飛ばされちゃって・・・そこで『闇の書事件』って言う事件に巻き込まれた時に高町なのはっていう子と知り合ったんだ」
「闇の書事件が数年前、ってことは・・・時間軸は大体リリカルなのはStrikersの辺りかな・・・?」
「えと、吉良君が思ってる時間枠の物語はどんな感じなんだい?」
「えっと、簡単に言うと・・・機動六課っていう部隊の仲間と共にとある事件を解決していく、と言った感じですね。ちなみにウィザードは簡単に言うと、人を絶望させることで生まれてしまう怪人『ファントム』と戦う魔法使いの物語ですね」
この世界がどんな世界かが大体が分かったところで、これからどうしようかと考えているとクロウは何やら懐かしそうにしていたことに気づく紫音。
それを見て、紫音が吉良に声をかけて来た。
「吉良、クロウと共に街を見て回ってこい。この世界の出身だと言うのなら、色々と知っているだろうしな」
「えっ?見て回るって・・・」
「あー、確かに吉良は何かとトラブルに巻き込まれやすいしな。そのトラブルがきっかけでこの世界で起こる異変を知れるかもしれないな」
「あー・・・確かにキバの世界ではそんな感じだったなぁ・・・」
「そうだったわねぇ・・・」
紫音の言葉にクロウは戸惑うのに対しそれを聞いていた零慈はなるほどと言う感じに頷いた。
それを聞いて、吉良とキズナはキバの世界での事を思い出しながらも頷くのであった。
「・・・よし、適当に見て回りましょうか。クロウさん、案内お願いできますか?」
「あ、うん。別に構わないよ・・・それじゃ、行ってきます」
結局どうしようかと言う考えもなかったために、紫音の提案通りに動くことにした吉良とクロウ。
そのまま二人揃って光風館を後にして、街を見て回ることにするのであった・・・。
「本当にキバの世界みたいな感じだなぁ・・・」
「相変わらず賑わってるなぁ・・・そういえば吉良君、魔進チェイサーって言う仮面ライダーみたいな戦士を知ってる?」
「魔進チェイサー・・・すみません、良く分からないです。どうしたんですか?」
「実は、龍騎の世界での魔女結界内での戦いの最中にいきなり出てきてね・・・戦いはしなかったけど」
「そうなんですか・・・ん?やけに店が並んでるな・・・何売ってるんだろ?」
二人が並んだ状態で会話しながら歩いていると吉良は何やら売店が並んでいるのに気づく。
何を売っている売店だと思い近づいてみると、そこで売られてあるものはなんとウィザードも使用する魔法を発動する際に使用する指輪であった。
「っ、これって・・・!?」
「そう、魔法の指輪だよ。この国では指輪職人が魔宝石を使って指輪を作り出して販売してる、販売しているのは指輪職人ばかりなんだ。この世界の住人は変身まで出来る人は少ないけど指輪を使った魔法はほとんどが使えるよ」
「なるほど・・・あれ?」
クロウの説明を聞いてそうなんだと思っていると、吉良は売店が並んでいる場所の隅っこに自分と同い年くらいの腰まである紫の髪の眼鏡をした少女がいる事に気づく。
その少女の前にも指輪が置いてあるので指輪職人であろうとすぐに分かったのだが、他の指輪職人とは違って、薄めの布をシート代わりにしてその上に座り、小さな箱の上に幾つかの指輪を並べている状態だ。
どういうものがあるのあろうと思い、吉良が近づいて行くのを見てそれを追いかけるようにクロウも近づく。
すると、少女は吉良とクロウが近づいて来た事に気づいて少し慌てた様子で軽く頭を下げる。
「あっ、い、いらっしゃいませ」
「えっと、君も指輪の販売をしてるんだよね?」
「え?あ、はい。けど・・・お役に立ちそうなものがあるかどうか・・・」
「どれどれ・・・ん?」
クロウの言葉に自信がなさそうに答える少女を見て、クロウは置かれてある指輪を見ているとその中の一つを手に取った。
その指輪には一輪の花が彫られてあるものであった。
「これは・・・花?」
「あ、はい。花を作る事が出来る指輪です・・・あと、花吹雪も出したりできます」
「へぇ・・・面白そうだね、これ買うよ。いくら?」
「あ、えっと500ルデンです」
「ご、500ルデン?」
「ど、どうしたんですか?」
「いや、ごめん・・・君、指輪の値段がちょっと安すぎるんじゃない?普通、魔法の指輪って2000ルデン位するよ?」
「そ、そうなんですか?今までこの値段でやってきていたので良く分からないんですが・・・」
「よ、よくやってけたねぇ・・・まぁ、君がいいと言うなら・・・はい、500ルデン」
「あ、はい。ありがとうございます」
面白そうと言う理由で、指輪を購入するクロウ。
ちなみに世界を渡った際にこの世界のお金に切り替わっている状態となっているので問題はない。
クロウは買った指輪をさっそく試して見ようと思い装着した途端に、突然悲鳴が上がった。
何事かと思い悲鳴のしたほうを見ると、猫を思わせる姿の怪人――『ケットシー』が数人の左手が大きなかぎ爪となった顔の部分が黄色い宝石のようになっているライダー――『仮面ライダーメイジ』に囲まれていた。
だが、ケットシーは一人の女性を人質にとっている状態であった。
「く、来るなっ!それ以上近づくとこの女の命はないッス!」
「くっ、卑怯な真似を・・・!」
「ど、どうする!?このままでは・・・」
ケットシーは取り囲んでいるメイジに言い放ちながらも人質にしている女性の喉に爪を突きつける。
下手に動くと、人質に取られている女性が危ない為にメイジ達は出来なくなってしまう。
そんなやり取りをしている間に周りにいたほかの人はファントムの出現に驚き、慌ててこの場から逃げていく。
少女はその光景を見てどうしようと考えていた時、クロウと吉良は彼女の前で同時に変身アイテムを装着する。
《シャバドゥビタッチヘンシーン、シャバドゥビタッチヘンシーン》
「「変身!!」」
《カメンライド、ディレイド》
《フレイム、プリーズ!ヒー、ヒー、ヒーヒーヒー!!》
電子音声に合わせてクロウと吉良はその場で二人揃って変身する。
いきなり姿を変えた二人に驚く少女の前で二人は駆け出していき、その存在に気づいたケットシーが驚いている間に、ウィザードはさっそく買った指輪を試して見た。
《フラワー、プリーズ》
電子音声の後、ウィザードは目の前に現れた魔法陣に手を触れた直後、桜の花吹雪が噴き出した。
その為に、前方にいたケットシーは花吹雪をまともに浴びてしまう。
「おぉ、これ結構いいなぁ」
「な、何なんすかこの魔法!?」
「どっせいっ!!」
「げふっ!?」
指輪の力を見て面白そうに言うウィザードに対し、驚きながらも目に花弁が入らないように目を腕で防御したために視界が封じられるケットシー。
視界が封じられたところを見たディレイドが駆け出したかと思うと、そのままケットシーの顔面目掛けて飛び蹴りを叩き込んで吹っ飛ばしてそのまま女性を救出する。
「あ、ありがとうございます・・・!」
「どういたしまして、すみません!この人をお願いします!!」
「あ、あぁっ!」
「任せてくれっ!」
ディレイドに助けられた女性にお礼を言われながらもディレイドはメイジ達に声をかける。
いきなりの展開にポカンとなっていたメイジ達はディレイドの言葉を聞いてハッとなると、女性に駆け寄ってその場を離れていく。
それを見て大丈夫だと思いながらもケットシーの方を見たと同時に彼の隣にウィザードが駆け寄ると、ケットシーが彼等の目の前で立ち上がった。
「くそっ、邪魔しやがって!あの女絶望させたらゆっくり昼寝でもしようと思ったのにっ!!」
「邪魔するに決まってるだろ、これ以上ファントムを生ませないようにするために僕達はいるんだ」
「それに、お前には丁度いいと思うよ?僕達に倒されたらゆっくり眠れるし」
「ちょっ、確かに寝たいのは事実だけど永眠はさすがに勘弁ッスよ!?」
地団太を踏み始めるケットシーに何を言ってるんだと言わんばかりにウィザードは返す。
それに続くようにディレイドの発言にツッコミを入れながらもケットシーは思い切り跳び上がって逃走を謀るが、ウィザードが素早く右手の指輪を替えながらもウィザードライバーを操作して指輪をかざす。
《ビッグ、プリーズ》
「逃がすかっ!!」
「へぶっ!?」
電子音声と共に、頭上に出現した魔法陣にウィザードが右腕を突っ込んだかと思うと、突っ込んだ右腕が巨大化する。
そしてそのまま勢い良く腕を振り下ろした事で、掌に激突したケットシーを叩き落とした。
その間にディレイドは龍騎の世界で手に入れたカードの一つである、魔法少女姿のさやかの絵が描かれたカードを取り出してディレイドライバーに装填した。
「どんな力があるかは知らないけど、使ってみるか!」
《スキルライド、ミキ サヤカ》
電子音声の後、ディレイドの隣に魔法少女姿のさやかが現れたかと思うとすぐに消える。
それに合わせて、ディレイドの頭には使用したカードの能力についての情報が瞬時に入ってくる。
情報が入り終わると同時に軽く右腕を軽く横に振るってすぐに止める。
そんなちょっとした動きが終わった時には、ディレイドの右手にはさやかが魔法少女の姿で使う剣が握られていた。
それを見て、ケットシーは両腕を剣の刀身を思わせる刃に変えて身構える。
すると、ディレイドはケットシーの予想以上のスピードで接近すると同時にディレイドが斬りかかり、ケットシーは驚きながらも何とか防御に成功する。
そのままディレイドと斬り合いを始めるのだが、実力はそこまで高くないのかディレイドに少しずつ押され始める。
「こ、このっ・・・」
《コネクト、プリーズ》
「はぁぁぁっ!!」
「のわっ!?ちょ、二対一は・・・」
「でぇいっ!!」
「ぐぇっ!?」
そこに指輪の力で取り出したウィザーソードガンをソードモードにしながらもウィザードがディレイドに加勢した事によって明らかに劣勢になってしまう。
二人の攻撃に押され始めるケットシーに対して、ウィザードとディレイドが同時に放った蹴りがケットシーに決まり吹っ飛ばした。
吹っ飛んで大の字に倒れたケットシーを見ながらもディレイドとウィザードはほぼ同時に決着を付けようと動いた。
《フレイム、スラッシュストライク!ヒーヒーヒー!ヒーヒーヒー!》
ウィザーソードガンの電子音声が響くと同時に、ディレイドは持っていた剣を投げつける。
それを見てケットシーは立ち上がると同時に両腕を振るって剣を弾き飛ばすのだが、弾き飛ばした時にはウィザードが目の前にいた。
「はぁぁっ!!」
「ぐがっ・・・!?」
《ファイナルアタックライド、ディ・ディ・ディ・ディレイド》
「せいやぁぁぁっ!!」
「うぎゃぁぁぁぁぁっ!!?」
ウィザードの姿を見て驚くケットシーに対しすれ違いざまにウィザーソードガンを振るってをケットシーを切り裂くウィザード。
ウィザーソードガンでの一撃を受けたケットシーがよろけた所で電子音声が響くと、すかさずディレイドがケットシーにすれ違いざまにディメンションクラッシュを放つ。
そのままウィザードとディレイドがケットシーの背後で止まると同時に、ケットシーは力なく前のめりに倒れ爆発するのであった。
「ふぅ・・・アッサリ終わったりましたね」
「二人がかり、というのもあったんだろうけどね・・・ん?」
戦闘を終えて、ウィザードとディレイドが会話をしているとウィザードが振り返る。
どうしたのだろうとディレイドが思いながらもウィザードを見ている前で、ウィザードがウィザーソードガンの切っ先を向ける。
けれども、そこには人の姿はなかった為に何をしているんだろうとディレイドは首を傾げている。
そんな時、ウィザードは呆れるような感じの口調で声を発した。
「・・・悪ふざけはやめて出てきたら?二人とも」
「・・・あー、気づかれちまったか・・・」
「はははっ、流石だな?クロウ」
ウィザードの言葉が響いた途端、別の声が響く。
すると、ウィザーソードガンの切っ先の先で、突然二人のライダーの姿が現れた。
片方は全体に金色でライオンを思わせる顔をした『仮面ライダービースト』、もう片方はフードを被る白いローブ姿の魔法使いらしい姿をした『白い魔法使い』と呼ばれるライダーだった。
ちなみにビーストの右肩にはカメレオンの頭部の形をした装甲から黄緑色のマントが垂れ下がった状態となっている装備――『カメレオマント』が装備されていた。
「ビーストと、白い魔法使い・・・」
「っ?白い魔法使い?ワイズマンじゃないの?」
「えっ?あっちの白いライダーは僕の知ってるウィザードの物語では『白い魔法使い』と呼ばれているんですけど・・・ワイズマンと言うんですか?」
「うん、そうだけど・・・」
「おいおい、二人揃って何をごちゃごちゃ言ってんだ!」
「それはさておき、久しぶりだなぁ!この野郎っ!!」
「「わぁっ!?」」
ディレイドの言葉に訂正を入れてくるウィザード。
そんなやり取りをしている中でビーストがディレイドの背中を、白い魔法使い改め『仮面ライダーワイズマン』はウィザードの背中を叩く。
いきなり叩かれたために驚いて声を上げる二人に対しそれぞれ背中を叩いた相手と肩を組むビーストとワイズマン。
「そういえばお前のベルト変わってるなぁ~・・・魔法も使わずにファントムと戦うし・・・」
「あ、えと・・・僕は魔法使いじゃないんで・・・」
「何っ!?マジかよ!?」
「なぁなぁ、今までどこ行ってたんだよ?心配してたんだぜ?」
「え、えと・・・ディレイド・・・彼の事も話したいので、場所を変えませんか?」
「おぉ、そうだな・・・んじゃ、移動するか。おい!二人ともこっち来い!」
「了解でーす」
「え、な、何する気ですか?」
ビーストとディレイドが話している中で、ワイズマンがウィザードに尋ねる。
それを聞いてウィザードは場所を変えようと言い始めたので、ワイズマンがビーストとディレイドを呼ぶ。
それを聞いて、ビーストがディレイドの手を引っ張りながらもワイズマンに歩み寄ると、ワイズマンが装着しているベルト『ワイズドライバー』を操作し、右手の指輪を付け替えてそのままワイズドライバーに右手をかざす。
《テレポート、ナウ》
ワイズドライバーからの電子音声と共に、4人のライダーはその場から姿を消す。
そして、姿を消した4人のライダーはどこかの部屋の中へと飛ばされたのであった。
「こ、ここはどこですか?」
「心配すんな。俺の研究所だよ」
「け、研究所・・・?」
ワイズマンの言葉に困惑するディレイドの前でワイズマンとビーストの変身が解除される。
それにより、ワイズマンに変身していたのは白衣を纏う黒髪の男、ビーストに変身していたのは茶髪の青年だと言う事が分かった。
それを見ながらもウィザードとディレイドも変身を解除した。
「とりあえず、まずは自己紹介だな・・・俺はハルト・テスタロッサ。クロウのウィザードライバーとコウスケのビーストドライバーを作り出した科学者さ!ちなみに、指輪も俺の手作りだっ!」
「えっ!?ベルトも指輪も手作りなんですか!?凄いなぁ・・・」
「ははっ、もっと褒めてもいいんだぞ」
「ハルトさんはともかく・・・俺はコウスケ・レオナルド。変身した時の名はビーストって言うんだ」
「あ、それじゃ僕も・・・秋山吉良です、変身した時の姿はディレイドと言います」
黒髪の男こと『ハルト・テスタロッサ』の発言に驚く吉良に笑みを浮かべながらも威張るハルト。
そんな彼を見ながらも茶髪の青年こと『コウスケ・レオナルド』が自己紹介をしたので吉良も自己紹介をする。
「秋山吉良、かぁ・・・名前の響き的に、なのはの世界出身か?」
「えぇ、ですけど・・・なのはのいた地球とは別の地球の出身なんですよ」
「・・・えーっと?」
「どういう事だ?」
「その、実は・・・」
首を傾げるコウスケとハルトに対し、吉良の事情を話し始めたクロウと一緒に吉良も説明をし始める。
それを聞いて、二人は納得したような様子となる。
「なるほどねぇ・・・つまりこの少年は本来、俺達の手の届かない世界の住人なんだな?」
「そして、俺達の世界も元は二つの物語がごちゃごちゃになったものだと・・・」
「そういう事です。あっ!そうだ、コウスケさん・・・一つ気になったんですけど、貴方の中にはファントムはいますか?」
「はっ?俺の中にファントム?そんなんいないぞ?」
「急にどうしたんだ?少年」
「あ、その・・・僕の知ってるビーストってビーストキマイラっていう巨大なファントムが中にいたんです。ウィザードにもウィザードラゴンっていう巨大なファントムがいました」
「そうなんだ・・・でも、僕の中にもファントムはいないよ?」
「俺もだぞ」
吉良の質問を否定するコウスケに対し、質問の意味が分からないハルトが尋ねてきた。
それを聞いて吉良が説明をする中で、クロウとハルトも自分の中にファントムがいないことを明かした。
それを聞いた吉良はへぇー、と呟くのだがここである疑問ができた。
(・・・あれ?でも、ドラゴンやキマイラがいないなら・・・クロウさん達って基本フォームしか変身できないんじゃ・・・)
思わず、クロウの変身するウィザードとコウスケが変身するビーストの事が心配になる吉良。
吉良の知っているウィザードの物語では、ウィザードには巨大なドラゴンの姿のファントムこと『ウィザードラゴン』が、ビーストには様々な動物の頭部が体のあちこちにある巨大なライオンのファントム『ビーストキマイラ』がいたのだ。
そしてウィザードとビーストはそれぞれのファントムの力を借りて強化フォームに変身したのだ。
つまり、力を借りるファントムがいない二人には強化フォームの変身ができないのではないかと思い始めたのだ。
吉良の知るウィザードの物語では、ウィザードの基本形態では歯が立たないファントムに加え、強化フォームでも苦戦するものもいたし、余り苦戦することがなかったウィザードの最強フォームですら追い詰めるようなファントムがいた。
そんな相手が出て来たとき対処できるかどうかかと吉良が心配しているのを余所に、ハルトは思い出したと言わんばかりに手を叩きながらもクロウに声をかけた。
「あっ!そうだ!お前に渡しとかないといけないものがあったなっ!!」
「っ?渡しとかないといけないもの・・・?」
ハルトの言葉に吉良は何の事だろうと思っていると、ハルトはクロウにあるものを見せた。
それは剣の飾りがついているネックレスであった。
「ジャーン、ちゃんとメンテ終わってるぜ?メンテに出してた時に行方不明になったもんだから寂しがってたぞ?」
『お久しぶりです、マスター』
「っ!エクスッ!!」
「喋った・・・って事は、もしかしてそのネックレスってクロウさんのデバイスですか?」
「そうだよ、エクステンダー。僕の相棒の剣型のデバイスさ」
『初めまして、エクスとお呼びください。吉良さん』
「うん、よろしくね。エクス」
クロウは嬉しそうにしながらもハルトに渡されたネックレス――『エクステンダー』を受け取った。
その様子を見ていてそれが何なのかと言うのをすぐに理解した吉良の言葉にクロウが頷いて答えると、エクスが挨拶をしてきたので吉良も挨拶する。
ちなみにデバイスと言うのはリリカルなのはに登場する主な登場人物達の所持する魔法を使う時に補助をする役目を持つ機械の事である。
デバイスにはいろんな種類があるのだが、共通することは非戦闘時に携帯している時の姿と戦闘時に見せる本来の姿の二つの姿を持つこと、そしてAIが搭載されてある事の二つだ。
デバイスは携帯している時もネックレスだったりとカード型だったりと様々な形状だが、本来の姿の時も様々な形状のものがある。
例に挙げるなら、剣や銃に鎌と言った武器の形をしたものもあればグローブやインラインスケートと言う風な直接自分に装備するタイプも存在する。
搭載されてあるAIにも人格があるものもあれば、人格がないものもあったりする。
ちなみにデバイスの言葉は基本英語かドイツ語であるのだが、エクスは日本語だったりする。(一応、日本語で喋るデバイスはない事はない)
エクスと吉良たちの会話の様子を見ている中、コウスケがクロウに声をかける。
「そうだっ!クロウ、せっかく帰ってきたんだからあの眼帯先生とおてんば姫様に会いに行って来いよ!」
「が、眼帯先生におてんば姫様?」
「僕の剣の先生と、この国の王女様だよ。二人ともこの街にある城にいるんだけど、どうやって会いに行けばいいだろうかな・・・何度か一人で行ったことあるけど、いつも忍び込む感じだったし」
「そんな時こそ、この指輪だっ!」
コウスケの言葉に意味が分からないでいる吉良にクロウが笑いながらもこたえるとどう行こうか考える。
その中で、一部変な発言をしているクロウが気になっている吉良を余所にハルトはクロウに指輪を渡してきた。
そこには、龍が何かに首を突っ込んでいるようなイラストが彫られたものであった。
「これは?」
「クリアリング、別次元に入り込めるようになるんだ。別次元の例えを出すなら、鏡の世界に入り込めたり出来るぞ」
「っ、鏡の世界ですか・・・だったら、吉良君も一緒に行く?」
「っ?良いんですか?」
「はっ?吉良もって・・・クリアリングは魔法が使える人間にしか使えないぞ?」
「別に魔法なしでも、鏡の世界だったら入る事できますよ?」
「「えっ?」」
吉良の言葉を聞いて思わず吉良の方を見るハルトとコウスケ。
そんな二人の前で吉良はディレイドライバーを装着し、それを見たクロウもウィザードライバーを装着するのであった・・・。
「はぁ・・・退屈だなぁ・・・」
クロウと吉良がハルトの研究室にいる頃、街中を暇そうに歩く一人の少女がいた。
その少女は腰まであるオレンジの髪をした血のように赤い瞳をしていたのだが、何やら少し苛ついた様子となっていた。
「最近アイツの姿を見ないけど、どこ行ったのかしら?病気にでもなったかと思って家に忍び込んでもいなかったし、一体どこほっつき歩いてるんだか・・・」
「ハロハロー、随分ご機嫌斜めだねぇ~?どうかしたの?」
ぶつぶつと呟く少女に背後から黒い帽子をかぶって首に緑のマフラーを付けた青年がいきなり声をかけながらも少女の前に立つ。
その青年の姿を見た途端、少女は少し驚いた様子となった後で警戒した様子となる。
「・・・何か用?グ「ちょっとちょっと、僕のこの姿での名前はリク!覚えててよ?」・・・知ってるわよその位・・・で?声をかけて来たって事は何か話したいことがあるんじゃないの?」
「うん、あるよ?実は・・・ちょっと君の力を借りようかなぁと思ってね?」
「・・・私の力を?てか、あんた程の殺人鬼が手を借りたいだなんて珍しいわね?」
リクと名乗った青年の言葉に意外そうにする少女。
そんな少女に対し、笑いながら返しながらもリクは続ける。
「まぁね・・・けど、僕は一人で動いてるんじゃないよ?今、とある組織にスカウトされてその組織に所属してる状態なんだよ」
「・・・あんたをスカウトするってまともな組織じゃないでしょ、それ・・・」
「確かに、全ての世界を手に入れようとする悪の組織だからねぇ・・・でも、邪魔者がいるんだよねぇ」
「・・・その邪魔者を始末をするために協力してほしいって所みたいだけど・・・嫌よ」
「ありゃりゃ、まさかの即答かぁ・・・残念、折角ウィザードと戦う機会を上げようと思ったのになぁ~」
「っ・・・ウィザードと?」
「そう、それに・・・もし協力してくれるなら、素敵な力を手に入れれるよ?」
「・・・ファントムになるとかじゃないでしょうね?」
リクの言葉に呆れながらも、邪魔者と聞いた途端にそれの始末を手伝えと言う考えだろうと思い、誘いを拒否してそのままリクから離れて立ち去ろうとする。
けれども、離れようとする彼女に対して残念そうにリクが言った言葉を聞いた途端に、思わず足を止める。
それを見て不敵な笑みを浮かべながらも言ったリクの言葉に警戒を強める少女。
そんな彼女に違うと言いながらも、リクは続けた。
「人間のままでも大丈夫だよ。だって、その力はウィザードと同じ『仮面ライダー』と呼ばれるものの力だもの」
To be continued・・・