ところが潜入した城内で思わぬ騒動が起こる・・・。
「おー・・・こりゃ便利だなぁ」
「そうですねぇ、クロウさんもこれでミラーワールドに侵入できるようになったと同じですからね」
ハルトから指輪を貰った後、さっそく鏡の世界――早い話、ミラーワールドに侵入したフレイムスタイルのウィザードと王蛇にカメンライドしたディレイド。
何故ディレイドは王蛇になってるのかと言うと、カードの確認をした時に王蛇は杏子が契約していた三体のミラーモンスターに関するカードが揃っていた状態である事を知っていたので、いざとなったら呼び出そうと思ったからである。
ちなみに現在、二人はD王蛇が呼び出したエビルダイバーの上に乗って目的地である移動中であったのだが、空を飛んでいる状態と言ってもいいので結構早く到着するのであった。
到着するや否や城の中庭の方にエビルダイバーを降下させ、ある程度地面に近づいたところで二人同時に飛び降りて着地すると、エビルダイバーはどこかへと行ってしまうのを手を振って見送るD王蛇。
「さてトラブルもなく、城に到着しましたね・・・」
「そうだね・・・っと!?吉良君、こっち!!」
「うわっ!?」
そのまま城内に侵入しようとするのだが、突然ウィザードはD王蛇の腕を引っ張って近くにあった茂みに素早く移動して隠れた。
「ど、どうしたんですか?」
「いや、ちょっと面倒な人がいたからね・・・ほら、あの人」
「面倒な人・・・?」
隠れている場所からこっそりと外の様子を見るウィザードとD王蛇。
外には全体的に黒一色の服装である左目に眼帯を付けた女性が鍛錬をしているのか剣を振るっていた。
「眼帯の女の人・・・あっ、ハルトさんが言ってた人ですか?」
「うん、僕の剣の先生。あの人の眼帯で隠している目はちょっと特殊なんだ。ミラーワールドの中は普通の人には見えないだろうけど、あの人は見れるかもしれない」
「そ、そりゃまずいですね・・・見つからないようにこっそりかつとっとと行きましょう」
D王蛇の言葉に頷いて返すと、ウィザードはD王蛇と共にその場から急いで移動を開始する。
ちょうど二人が背を向けていたタイミングで、剣を振るっていた女性はふと窓の方を見ると何かに気が付いた様子で眼帯を外して、その下にあった黒の右目とは違って赤くなっている左目で見つめる。
その眼で窓を少し見つめた後、眼帯を付け直すと呆れた様子で呟いた。
「見知らぬ者も一緒だったが、よく姫様に連行されてここに来たんだ・・・こそこそせず、堂々と入ればいいものを・・・」
そう呟きながらも、剣を振るうのを再開する女性。
その表情は、少し嬉しそうになっていたのであった。
「結構広いですねぇ・・・キバの世界のフィリアンノ城並みじゃないですか」
「あははっ、場所は覚えてるから大丈夫だよ。よくここに来てたし・・・」
「へぇ、そうなんですか・・・」
城中を散策し始めて10分以上は経っているために、迷子になっていないか不安になるD王蛇。
そんな彼を見て笑いながらも答えるウィザードはとある部屋へと入る。
その部屋に入っていくウィザードを追うように部屋に入るD王蛇は壁につけられてある鏡から外の様子を覗く。
そこからはでは、何やら山積みとなった書類を取ってハンコを押し、また書類を取ってはハンコを押すと言う作業をしていた金髪を腰まで伸ばした少女の姿が見えた。
「あの人が、この国の王女のコレット・アウリオンだよ」
「あの人が王女って・・・僕と同い年くらいですよね?」
「うん、そうなるね・・・ん?誰か来たな」
目の前にいる少女こと『コレット・アウリオン』の事を話していると、部屋に騎士甲冑姿の男が入ってきた。
何だろうと思い二人が見ていると、コレットが何やら驚いた様子となっても椅子から立ち上がる。
直後、男の姿が突然牛を思わせる姿の『ミノタウロス』へと姿を変える。
その姿を見てコレットは腰にウィザードと同じ形状のベルトを装着すると同時に左手につけた指輪をかざそうとするのだが、その前にミノタウロスに右手で首を掴まれてそのまま持ち上げられてしまう。
「っ、行きますっ!!」
「あ、吉良君っ!?」
その様子を見ていたD王蛇はミラーワールドから飛び出して行く。
いきなり鏡から出て来たD王蛇にミノタウロスが驚くいて固まっているところを狙って思い切り蹴りを放って吹き飛ばし、その際に解放されて落ちたコレットを床に落ちないように受け止めた。
「だ、大丈夫ですか!?」
「な、何とかね・・・ありがと」
「くっ、邪魔をするなぁっ!」
「っ!?まずっ・・・!!」
コレットを心配するD王蛇に対し、ミノタウロスが火炎弾を飛ばす。
それを見てコレットを庇おうとするD王蛇だったが、ミラーワールドに潜んでいたウィザードが飛び出したと同時に火炎弾を蹴り返してしまった為に火炎弾を放ったミノタウロス自身がくらう羽目となり吹っ飛び、部屋のドアを破壊して廊下へと出て行った。
「っ、ウィザード!?まさか・・・」
「・・・ディレイド、姫様をお願い」
《コネクト、プリーズ》
ウィザードの姿を見てまるでその正体を知っているかのような様子となるコレット。
そんな様子を見ていたD王蛇に声をかけながらも付け替えた右手の指輪をウィザードライバーにかざした事で出現した魔法陣に右手を突っ込んでウィザーソードガン・ソードモードを取り出す。
そして、そのまま廊下へと出ていきミノタウロスと対峙した。
「くっ、魔法使いめ・・・よくも邪魔をっ!許さんぞ!!」
「・・・それはこっちの台詞だ」
ミノタウロスはウィザードを見てどこからか取り出した長柄斧を構えながら言い放つ。
それに対し、ウィザードは静かに返しながらもウィザーソードガンの切っ先をミノタウロスに向けると同時に何やら寒気に襲われるミノタウロス。
寒気に襲われたのはミノタウロスだけではなくD王蛇もであり、D王蛇は思わず何事かと思いながらもウィザードの方を見ると同時にウィザードが駆け出す。
そのままミノタウロスと斬り合いが勃発していくのだが、ミノタウロスの大振りな長柄斧での攻撃と比べてウィザードの手数の多いウィザーソードガンでの攻撃の方が勝っているのかミノタウロスが押され始める。
「くっ、このぉぉぉぉっ!!」
「はぁぁっ!!」
やけになったかのように長柄斧で突きを放つミノタウロスに対してウィザードもウィザーソードガンで突きを放つ。
長柄斧と剣がぶつかり合ったかと思うと、ウィザーソードガンの一撃が長柄斧を破壊してそのままミノタウロスにウィザーソードガンの突きが命中して吹っ飛ばされた。
吹っ飛ばされたミノタウロスはすぐに立ち上がると、今度はウィザード目掛けて駆け出しながらも頭から突撃しに来た。
それを見てウィザーソードガンを盾にして防御しようとするが、それだけでは突撃が止まらずにウィザードは後ろに押され始める。
「っとととと!?」
「おらぁっ!!」
「うわっ!?」
何とか踏ん張ろうとするウィザードだが、相手のパワーの方が上である為にできないでいる。
そんな時、ミノタウロスはウィザードに突撃を続けながらも頭を思い切り振り上げることで、ウィザードを後ろへと放り飛ばした。
ウィザードはそれに驚いてしまいながらもミノタウロスの後ろで難なく着地した後、ウィザードライバーを左手の指輪を変える。
「ったく、何つー馬鹿力だよっ!」
《ランド、プリーズ!ドッドッドドドドン!ドッドッドドン!》
ミノタウロスを見ながらも面倒だと言わんばかりに言いながらも、ウィザードライバーを操作して左手の指輪をかざす。
そして電子音声に合わせてウィザードはランドスタイルへと変身する。
「姿を変えようが同じことだぁぁぁぁ!!」
「どうかなっ!?」
《ディフェンド、プリーズ》
再びこちらに向かって突撃するミノタウロスを見て右手の指輪を付け替えてウィザードライバーを操作した後にかざすウィザード。
すると、電子音声に合わせてウィザードの前に石でできた壁が出現、ミノタウロスはそれに突撃してしまうのだが突撃して壁を抜けたのは頭だけであった。
「ぐっ!?う、動けん・・・!!」
「お馬鹿さんっ!!」
「ぐがぁぁっ!?」
身動きが出来なくなってしまった途端に、ウィザードはすぐさまミノタウロスの顔面に思い切り回し蹴りを叩き込んだ。
回し蹴りによって、石の壁が破壊されると共にミノタウロスが吹っ飛び、その間にウィザードはウィザーソードガンをガンモードにしてすぐさまハンドオーサーを展開し素早く左手で握る。
《ランド、シューティングストライク!ドッドッドン!ドッドッドン!》
「フィナーレだっ!!」
電子音声に響き渡る中、ウィザーソードガンに引き金を素早く連続で引くと黄色い魔力弾が数発放たれた。
放たれた魔力弾は吹っ飛ばされてしまったミノタウロスに全弾命中、直後ミノタウロスは断末魔を上げながらも爆発するのであった。
「ふぅ・・・」
「何事だーっ!?」
「急げっ!姫様の部屋の方からだ・・・むっ!?」
「貴様、そこで何をしているっ!!」
「げっ!?ま、まずいっ!!」
《ディフェンド、プリーズ》
《ディフェンド、プリーズ》
《ディフェンド、プリーズ》
ウィザーソードガンをガンスピンさせていると、慌てた様子でメイジが数体現れると、ウィザードに向かって走ってきた。
それを見てウィザードは慌てて右手の指輪をかざしてはウィザードライバーを操作してまたかざすと言う行動を連続で行った後右手を前に突き出すとウィザードの目の前、ではなくメイジ達の目の前に幾つもの石の壁が出現した。
直後に、何やら悲鳴のような声が聞こえたので恐らく作った壁に激突したのだろうと思いながらも慌ててD王蛇とコレットがいる部屋に入る。
「クロウさん!何かすごい騒がしくなってませんか!?」
「ずらかるよっ!捕まると色々と面倒だ!!」
「あ、はいっ!」
何事かと尋ねて来たD王蛇に対して答えながらも、城から脱出しようと鏡の前に立ったウィザードが右手の指輪を付け替える。
それを見てD王蛇も彼の近くに駆け寄り、ウィザードはそのままウィザードライバーに右手をかざそうとする。
《チェーン、ナウ》
「なっ!?」
「うわぁっ!?」
その時、響き渡った電子音声に合わせてウィザードとD王蛇の周りに赤色の魔法陣が現れたかと思うとそこから鎖が伸びてウィザードとD王蛇に巻き付いた。
それによって、ウィザードとD王蛇は巻きつかれた鎖によって身動きが出来なくなってしまう。
いきなりの事態に何事かと思うD王蛇だったとウィザードの前に宝石部分が赤色となって他のメイジと違って左手が大きなかぎ爪になっていないメイジが現れる。
「やれやれ・・・何事かと思って来てみれば、何してんだよお前は・・・」
「赤色のメイジ・・・?」
「・・・まさか、君まで城にいるとは思わなかったよ・・・もう少し早くファントムを片付けとくべきだったな・・・」
「ひ、姫様ぁっ!!」
「あたた・・・ご、ご無事でっ!?」
赤いメイジが少し呆れ気味にウィザードに声をかけて来たのに対し、ウィザードは諦めたような感じとなる。
そんな最中、先ほどウィザードを見て向かってきたメイジ達が顔を抑えながらもやってきた。
「・・・ど、どうします・・・?」
「・・・大人しく、御用となりますか」
D王蛇が尋ねると諦めた様子のウィザードが返す。
すると、そんな二人の前に立ちながらも遅れてやってきたメイジ達にコレットが声をかける。
「私は大丈夫、この二人が助けてくれたから・・・この二人を私の部屋に案内して。くれぐれも丁重にお願いね?」
「了解です」
遅れてやってきたメイジ達に大丈夫であることを告げた後、赤いメイジに自分の部屋に二人を案内するよう言ったコレットはその場を後にする。
その様子を見送った後、遅れてやってきたメイジ達はウィザードとD王蛇を改めて見ていると何やら不安そうにし始めた。
「だ、大丈夫なのかな・・・こっちの黄色い方はともかく、こっちの見た目悪そうな奴もだなんて・・・」
「あの、見た目悪そうって、ちょっと酷くないですか?」
「えーと・・・本来変身していた人はかなり危ない人だったんで、何とも言えないです・・・」
恐る恐ると言う感じに見ていたメイジの言葉につっこむウィザード。
それに対し、王蛇の変身者はかなり危ない人物であったために反論しづらいと思えてしまうD王蛇。
そんな時赤いメイジは、ウィザードの肩を叩きながらも他のメイジに笑って返す。
「こいつが一緒に連れて来たってんなら問題はないさ、さっ、行こうぜ?」
「お、おい。何でそう言い切れるんだよ?」
「一応、こっちは俺のダチなんでな。こいつが悪党を連れてくるようなことする奴じゃないってのはよく知ってるんだよ」
メイジ達が赤いメイジの発言を聞いて困惑する中、ウィザードを見ながらも言い返す。
そして、そのまま赤いメイジは二人を連れて移動を始めるのであった。
数分後・・・
「姫様、連れてまいりました」
「どうぞー」
赤いメイジにコレットの部屋に案内されたウィザードとD王蛇。
赤いメイジがドアをノックして声をかけると同時に聞こえたコレットの声に合わせて、三人は部屋に入る。
そこでコレットがいそいそとクッキーや紅茶を準備して待っていた。
その光景に少し驚くD王蛇に対し、赤いメイジは腰に装備しているウィザードライバーに良く似たベルト――『メイジドライバー』を外して、変身を解除して赤い髪の青年に変わる。
それを見てウィザードとD王蛇も変身を解除して、クロウと吉良の姿に戻ったと同時にコレットがソファに座るように声をかけて来たので三人は座る。
それを見てコレットが座ると同時に吉良に声をかけて来た。
「とりあえず・・・自己紹介をお願いできるかしら?」
「あ、えと・・・秋山 吉良と言います。変身していた姿はディレイドと呼ばれています」
「吉良、か・・・俺はソーマ、ソーマ・エンゲインだ。クロウの友人で、騎士団に所属しているものだ」
「っ?えと、騎士団と言うのは・・・」
「簡単に言うと、街や街の外で起こった騒ぎを解決する組織の事さ。メイジに変身するのはその騎士団の人間のみなんだ。ちなみにクロウもそこに所属していたんだぜ?」
「っ?していた、と言う事は・・・」
「うん、今は騎士団を抜けてフリーで活動してるんだ。騎士団では色々と活動や行動に制限があるから、面倒になっちゃって・・・」
「す、凄い理由ですね・・・」
「けど、制限のなさを生かして色々と騎士団をサポートしてくれているから、こっちはかなりありがたいんだ。クロウの活躍があったからこそ、解決できた事が幾つもあるからな」
コレットに言われて吉良が挨拶をすると、赤い髪の青年こと『ソーマ・エンゲイン』が挨拶を返す。
そんな彼の言葉の意味をソーマが説明するのに続くようにクロウが話す。
その内容に苦笑いする吉良を見て、クロウをフォローするようにソーマが説明をする。
そんなやり取りの後、今度はコレットが吉良に挨拶をしてきた。
「次は私ね・・・私はコレット・アウリオン。この国、シンフォニクスの王女よ。そして、クロウの友人でもあるの」
「ど、どうも・・・」
「・・・あれ?余り驚かないのね」
「クロウさんから聞いたので・・・それに、こう言う感じで国の王女様と話しをした経験があるので・・・」
「ふーん、そうなんだ・・・と・こ・ろ・で!クロウ、あんた今までどこに行ってたのよ!?」
「あ、そうだ!お前がいなくなって2週間近く経ってるんだぞ!?それだと言うのに帰ってきていたかと思えば、城に侵入してきやがって!」
「あ、あのっ!あまりクロウさんを怒らないで上げてください。元はと言えば、帰るのが遅れたのは僕の旅に同行させてしまったのが原因に含まれてますし・・・」
「っ?お前の旅?」
「どういう事?」
「えと、実は・・・」
コレットの自己紹介が短く終わってしまうものの、そのままコレットはクロウを追求し始める。
コレットの言葉を聞いてソーマも思い出したと言わんばかりにクロウに尋ねたのを見て、吉良が割り込む。
吉良の言葉が気になった二人に対し、吉良は自分の事情を話し、そしてクロウと出会った経緯も話す。
「異世界を旅して、異変を食い止める・・・ねぇ。しかも、君の世界じゃメイジやウィザードは私達の物語と関わることのない、別の物語の代物かぁ・・・」
「しっかし、お前が見知らぬ土地で迷子になってるとは予想外だったぞ?」
「・・・面目ない」
「あっ、そういえばクロウさんはどうしてオーロラを潜っちゃったんですか?」
「えっと・・・とあるファントムを僕の戦友でもある幼馴染と一緒に追い詰めててね。一気に決めようと駆け出したらいきなり僕達の前に灰色のオーロラが出てきて・・・」
「その時にオーロラに潜っちゃったから、キバの世界に・・・って、あれ?クロウさん、戦友の幼馴染の人は・・・」
「分からない、多分僕と一緒で別世界に飛ばされたんだと思うけど・・・一緒の場所には飛ばされてはいなかったんだ。無事だといいんだけど・・・」
吉良の事情とクロウの事情を聴いて、少し驚いた様子のソーマとコレット。
そんな二人の様子を見ていた時、クロウがどうしてオーロラを潜ったの知らなかったのでついでに聞いておこうと思った吉良に対しクロウが答える。
クロウの答えを聞いていたソーマは納得した様子となる。
「・・・なるほどな、通りでアイツが動いているわけだ」
「言葉的に・・・まだ生きてるんだね」
「あぁ、数日前に出くわした。だが、お前達と戦った時のダメージがまだあるみたいでロクに戦おうとせずに逃げちまった・・・こんな時に面倒な事は出てきてんだよなぁ」
「っ?面倒な事?」
「実はこのフェンシリアに次元犯罪者が忍び込んだらしいのよ。しかも面倒なロストロギアを持ってね」
「ロストロギアを?」
「えぇ・・・タナトスと呼ばれる指輪状のロストロギアよ」
「っ?タナトス・・・」
「っ?どうかしたのか?」
ロストロギアの名を聞いて、偶然にもその名がウィザードの物語にも出ていたので反応してしまった吉良。
その様子をばっちり見ていたソーマは吉良に声をかけて来た。
「あ、いえ・・・その、僕の知ってるウィザードの映画で『タナトスの器』って言う、人の骨でできた柱状の魔力蓄積装置と言うのがあったので・・・」
「んー・・・君の知ってるタナトスの器とちょっと似ているね。タナトスは相手の魔力を奪い取って蓄積し、装備しているものが吸収した魔力を自由に使えるようになるの」
「そりゃ、厄介そうだね・・・」
「そうなの、そこでとある人達に助っ人に来てもらう事にしたの。まぁ、ロストロギアを持って逃げた犯罪者の事を教えてくれた人なんだけど、ちょうどあっちで起こってた騒動が解決してるから向かうと言われたの」
「っ?助っ人?」
「なのはちゃん達よ」
「ブッ!?」
タナトスの器の簡単な説明をしてなんとなく似ているなと思うコレットは、タナトスの説明もする。
それを聞いて厄介だなと考えているとコレットが助っ人を呼ぶと言い始めた為に、誰を呼ぶのかと聞きながらもクロウが紅茶を飲もうとするがその途端に聞きなれた名を出されたので思わず飲んでいた紅茶を噴き出してしまう。
その際に、変なところに入ってしまったのか激しく咳き込み始めた。
「ゲホゲホッ!!」
「く、クロウさん大丈夫ですか!?」
「おいおい、噴く事ないだろ」
「い、いや、その・・・いきなりそんな話されるとは思ってなくて・・・」
「今言ったからねぇ。と言うよりも今日来る予定なの、って、そろそろ来る時間だわ・・・」
「えぇっ!?今日来るのっ!!?」
「まるで狙っていたかのようなタイミングですね・・・」
「確かに・・・」
時計を見ながらもさらっと凄い事を言ってきたコレットに驚きを隠せないクロウ。
そのやり取りを見ていて、すごいタイミングだなと吉良とソーマが思っていると部屋のドアがノックされた。
その音を聞いてどうぞ、と声をかけると一人のメイドが入ってきた。
「姫様、連絡をいただいていた管理局の方々がおいでになりました」
「あ、来たみたいね・・・それじゃ、三人とも行きましょう」
「えっ、三人ともって・・・僕達も行くんですか?」
女性の言葉を聞いて移動を始めようと吉良達に声をかけるコレット。
それに対して、ソーマは良いとして何で自分達までと吉良は首を傾げてしまう。
「ん?クロウとなのはちゃん達は友人だから問題ないわ。久しぶりに会わせようと思ってね。吉良君はおまけ」
「ちょ、僕はおまけなんですかっ!?」
「ごちゃごちゃ言わない!ほら、とっとと行くわよ!」
「ちょ、姫様!?自分で歩けますよーっ!?」
「やれやれ、俺達も行くぞ・・・クロウ、逃げようとすんなよ?」
「逃げようにも吉良君を置いては逃げられないよ・・・」
自分の扱いがちょっと酷いと思えた吉良に対し、彼の首を掴んで引きずるようにしながらもコレットがメイドと吉良と共に先に部屋を出る。
引きずられていく吉良の言葉を聞いて少しかわいそうに思いながらもソーマはクロウに声をかけ、二人でコレット達の後を追うのであった。
To be continued・・・