そんなレッドキャップを追って駆けつけてきたディレイドはまた新たな力を得る中で、ウィザードも本来のものには無い新たな力を発動させる・・・。
「はぁっ!!」
「せいっ!!」
ウィザードのウィザーソードガン・ソードモードとメデューサのアロガントが何度もぶつかり合うとそのまま鍔迫り合いの状態になる。
ディバイン達がカーバンクルと戦ってはいるが少し苦戦している状態であったが、ウィザードとメデューサの戦いは若干ウィザードが有利になっていた。
「くっ、前に戦った時よりも魔力が上がっているようだな・・・!」
「まぁ・・・色々あったからね!」
鍔迫り合いのままで短く会話をした後、アロガントを弾いてウィザードがメデューサに蹴りを放つ。
それに対して防御しながらも、蹴りを受けた時の衝撃を利用して後ろに下がるとウィザードはウィザードライバーを操作して指輪をかざす。
《コネクト、プリーズ》
「それっ!」
「がっ!?」
電子音声と共に目の前に出現した魔法陣にウィザードは前蹴りをする様に魔法陣に足を突っ込む。
その結果、メデューサの顔の右側にいきなり出現していた魔法陣からウィザードが突っ込んだ足が出て来たために蹴り飛ばされてしまった。
よろけた所を見てそのままウィザーソードガンを構えながらもウィザードが駆け出した。
「うぉらぁっ!!」
「なっ、ぐぁっ!?」
その時、突然メデューサに向かうウィザードの背後から声が聞こえたと同時に背中を何者かに斬られてしまう。
思わぬ一撃によろけながらもウィザードが振り返ろうとするがその前に蹴りを入れられて吹き飛ばされる。
吹き飛ばされて仰向けに倒れるウィザードに対し、吹き飛ばした存在ことレッドキャップが素早く近づき、それを見てウィザードが素早く立ち上がろうとするがその前に胸を踏まれて阻止された。
「ぐっ、レッドキャップお前まで、がっ!?」
「テメェはテメェの仲間を殺すことで苦しめてからにしようとしてたが予定変更だ!今ここで殺してやらぁっ!!」
「「クロウッ!!」」
「「「ガァァァァッ!!」」」
「邪魔はさせないっ!!」
「ちぃっ!?どけよ、蛇女っ!!」
ウィザードはすぐに立ち上がろうとするのだが、そうはさせないと言わんばかりにウィザードの胸を踏みつける足を少し上げたかと思うとすぐにまたウィザードの胸を踏みつけながらも屈むレッドキャップ。
ウィザードを踏みつけながら言った言葉やウィザードの状態を見て助けに行こうとするビーストとワイズマンをカーバンクル達が妨害し、その様子を見ていたメデューサも邪魔者が潰せれると判断していち早くウィザードを助け出そうと駆け出していたディバインを攻撃し始める。
誰も妨害する者がいない事を嬉しく思いながらも包丁を振り上げるレッドキャップ。
「さぁ・・・逝っちまいなぁっ!!」
「っ・・・!!」
そのままレッドキャップは勝利を確定して、楽しそうな声を上げながらもウィザードの顔目掛けて包丁を振り下ろす。
だが、その包丁はウィザードに届くことはなかった。
何故なら、包丁がウィザードに当たる直前に突然出て来た大鎌によって弾かれたからだ。
「な、何っ・・・がはっ!?」
いきなり出て来た鎌に驚くレッドキャップが突然吹き飛ぶ。
何が起こっているのかが分からなかったウィザードを余所に包丁を弾いた大鎌の近くの風景が揺らいでいったかと思うと、ディサイズが姿を現して包丁を弾いた大鎌ことサイズブッカーを腰に装着し直した。
「で、ディサイズ!」
「脅かしてすまない、邪魔が入らないように姿を隠しながら近づかさせてもらった」
「おいコラァッ!!お前、こんな大変な状況になってたのにどこ行ってやがった!?」
「す、すまん。久しぶりに皆の所に顔を見せに行っていたんだ。すぐに帰ろうと思ったんだがなかなか返してもらえなくて・・・」
「見つけた・・・って、あれ!?ディバインにディサイズ!?」
ウィザードは立ち上がりながら尋ねるのでそれに答えた直後にメデューサのアロガントとディバインドライバーで鍔迫り合い状態となっていたディバインがメデューサを蹴り飛ばしてすぐに怒鳴りながらもディサイズに歩み寄る。
それに対し申し訳なさそうに事情を話していると、レッドキャップを追いかけて来たディレイドが姿を現したかと思うとディサイズとディバインに駆け寄る。
「っ!吉良君、ソーマ達は!?」
「大丈夫だと思います、ウォーロックって人が任せてくれって言ってたので・・・」
「っ?アイツが・・・?」
「くそがぁ・・・どいつもこいつも俺の邪魔ばかりしやがってぇぇぇっ!!」
「悪いけど、お前の好きになんかさせないし・・・フェイトさんのためにも、クロウさんを殺させないっ!!」
「「・・・フェイトって誰だ?」」
ウィザードが慌てて声をかけて来たのでディレイドが説明している中、ディサイズに吹き飛ばされたレッドキャップが怒り狂った様子で怒鳴り散らす。
それに対してディサイズ達が構える中でディレイドはレッドキャップにはっきりと言い返した言葉に首を傾げるディサイズとディバイン。
「僕はクロウさんみたいな魔法使いじゃない・・・けれどっ!絶望を打ち払い、誰かの希望を護ってあげれる力はあるっ!!」
ディレイドが構えながらも言うや否や、突然ブレイブッカーが勝手に開いてカードが飛び出してくる。
それを慌てて手に取ると、出て来たカードことウィザードに関係するカードの絵が元に戻る。
その中にはオーズの時のように、ファイナルフォームライドのカードがない代わりにウィザードの4種の強化形態の姿が描かれた銀色のカードの加えてもう一枚銀色のカードがあった事に気づく。
「これは・・・オーズの奴みたいなものかな?」
ディレイドはとりあえずウィザードの強化形態の描かれたカードをディレイドライバーに装填してみる。
《スペシャルカメンライド、ドラゴンショータイム》
《フレイム、ドラゴン!ボー、ボー、ボーボーボー!》
《ウォーター、ドラゴン!ザバザババシャーン!ザブンザブーン!》
《ハリケーン、ドラゴン!ビュー、ビュー、ビュービュービュービュー!》
《ランド、ドラゴン!ダンデンドンズドゴーン!ダンデンドゴーン!》
電子音声の後、4人になるディレイド。
直後、それぞれ響き渡る音声に合わせて4人のディレイドは4種のウィザードの強化形態『フレイムドラゴンスタイル』『ウォータードラゴンスタイル』『ハリケーンドラゴンスタイル』『ランドドラゴンスタイル』へと変身した。
(以後、Dフレイムドラゴン、Dウォータードラゴン、Dハリケーンドラゴン、Dランドドラゴンと表記)
「な、何っ・・・!?」
「何だと!?」
「き、吉良がウィザードになりやがった!?」
「おいおい、マジかよ・・・!?」
「「「「さぁ・・・ショータイムだっ!」」」」
「「「グァァァッ!!」」」
ディバインとディサイズを除いた敵味方が揃ってディレイドの変身したウィザード達を見て驚く。
そんな彼らの前でディレイドの変身したウィザード達が一斉にウィザードの決め台詞を言うと同時にカーバンクル達が一斉に魔宝石を飛ばしてくる。
飛んでくる魔宝石をブレイブッカーで弾きながらも突き進むとそのまま戦闘を開始し始める。
その光景にディバインとディサイズ以外の面々がぽかーんとしている中で、ウィザードはハッとなりながらも指輪を付けているホルダーから一つの指輪を取る。
それはコヨミの作った指輪の一つであるのだが、指輪の形状がフレイムドラゴンスタイルの顔の部分とそっくりなのである。
「これ・・・今吉良君がなってる赤い姿の顔にそっくりだ・・・」
「あん?フレイムドラゴンの指輪じゃねぇか?何で使わないんだよ?」
「え?えと、ちょっと前にもらったばかりでまた使ったことなくって・・・」
「んじゃ、今使ってみろよ。折角だし」
「ちょ!?何を勝手に・・・って、コウスケ何すんの!?」
「いいじゃんか!新しい力になるかもしれないだろぉ!?」
「見た事ない指輪だし、どんな感じになるのか気になるなぁ・・・少年と同じになるかもだが」
「って、ハルトさんまで何してんですか!?勝手にドライバーを操作しないでくださいっ!!」
「・・・ったく、何をしているんだお前等は・・・」
ディバインがいそいそとウィザードの左手の指輪を勝手に付け替え、それを見て止めようとするがビーストが押さえつけ始めるだけでなく、ワイズマンも勝手にウィザードライバーを操作し始める。
ディレイドが戦っていると言うのにギャーギャー騒いでるのを見ていたディサイズが呆れながらも止めようとする前に、ディバインが指輪を付け替えたウィザードの左手を掴んでそのままウィザードライバーにかざした。
《フレイム、フェンサー!》
「「「ぎゃぁぁぁっ!?熱ぃぃぃっ!!」」」
「っ?音声が違う・・・?」
《ボー、ボー、ボーボーボー!》
電子音声が響いたと同時に突然ウィザードの体が燃え始める。
いきなりの事態に近くにいたディバイン達が慌てて離れる中で電子音声が違った事に驚くディサイズを余所にウィザードを包む炎が突然消える。
炎が無くなった時には、ウィザードの姿はフレイムドラゴンスタイルに酷似していた。
けれども、フレイムドラゴンスタイルのコートの色が白で胸の辺りにあるドラゴンの頭部を模した部分がないと言う違いがある姿『フレイムフェンサースタイル』となっているのだ。
「あっちち・・・ど、どうなってんだ?フレイムドラゴンと格好が違うぞ?音声もフレイムフェンサーって言ってたし・・・」
「あっ、もしかして吉良君が言ってたウィザードラゴンっていう奴がいないからかも・・・」
「っ?お前の中にはファントムはいないのか・・・それが原因で間違いなさそうだな。ディレイドが今なっている4種類の姿はそのウィザードラゴンの力を借りて変身した姿だからな」
「へぇ・・・」
「あ、あのっ!出来たらでいいんですけど手伝ってくださーいっ!!」
「あっ!ワリィ!!」
「す、すまないっ!今行くっ!!」
普通に左手を掴んでいたために炎に包まれた際に滅茶苦茶熱かったので手をブンブン振っているディバインが首を傾げる中、吉良が言っていたことを思い出すウィザード。
それを聞いてディサイズが納得していると、メデューサと鍔迫り合い状態のDランドドラゴンが助けを求めてくる。
Dランドドラゴンの声を聴いてディバインとディサイズが慌てて謝罪するのに合わせて、ウィザード達と共に一斉に駆け出す。
Dランドドラゴンと鍔迫り合いをしているメデューサに対してディバインが飛び蹴りを放って蹴り飛ばしたのを合図とする様に、他の面々もディレイドの変身したウィザードと共に戦いを始める。
そんな中でDフレイムドラゴンと戦っていたレッドキャップにウィザードがウィザーソードガンで斬りかかる。
「うぉっ!?」
「く、クロウさん!?その姿は・・・」
「この世界のウィザードの強化変身の姿みたい!こいつは僕が何とかするから、メデューサ達をお願いっ!!」
「っ、分かりました!!」
ウィザードの姿に驚くDフレイムドラゴンに簡単に説明した後、そのままレッドキャップと戦い始めるウィザード。
ウィザードの言葉を聞いたDフレイムドラゴンは頷きながらも返すとメデューサ達の方へと向かっていく。
「くっ、おのれっ!」
「はぁっ!!」
「っと、ワリィッ!!」
「「「グォォォッ!!」」」
「させるかっ!」
《《《アタックライド、ディフェンド》》》
《アタックライド、バリア》
メデューサがアロガントから光弾をディバイン目掛けて放つが、放たれた光弾はDフレイムドラゴンのブレイブッカーソードモードによって弾かれる。
そこに、メデューサを援護しようとカーバンクル達が放った魔宝石をDウォータードラゴンとDハリケーンドラゴンの魔法陣とディサイズが作り出したドーム状のバリアが防いだ。
「これで行ってみるか、変身!」
《カメンライド、エックス》
魔宝石の攻撃をしのいだ後に、ディサイズは電子音声と共に姿を変える。
それは全体的に灰色の体で所々に赤い部分がある、銀色の頭部に赤い瞳の戦士『仮面ライダーX』であった。
「っ!?仮面ライダーX!?」
「あぁ、お前の前でアイツがカメンライドすんの初めてだったな?アイツはお前と違って昭和のライダーになれるんだよ。全員じゃないんだがな」
《アタックライド、ライドルスティック》
DXの姿を見て驚くDランドドラゴンにディバインが説明する中でDXがディサイズドライバーにカードを装填。
それによって仮面ライダーXが使用する『ライドル』と呼ばれる武器の棒型形態『ライドルスティック』が出現してそれを軽く振り回しながらも目の前でXを描くように振るうと素早くカーバンクルに向かっていく。
「「「ガァァァッ!!」」」
「甘いっ!ライドル風車ぁっ!!」
向かってくるDX目掛けてカーバンクル達が魔宝石を飛ばしてくるがそれがどうしたと言わんばかりに叫びながらもDXはライドルスティックの中央部を握ってプロペラ状に高速回転させながも走る。
高速回転するライドルによって飛んでくる魔宝石が次々と弾かれていき、あっという間にカーバンクル達はDXの接近を許すとそのままDXはライドルスティックを振るって三体のカーバンクルを相手にし始める。
接近戦に持ち込まれたためにカーバンクル達は右手を剣に変えて次々と斬りかかりに行くのだが、あっさりとライドルスティックによって弾かれ反撃の一撃を受ける。
そんな最中にDハリケーンドラゴンとワイズマンとDウォータードラゴンがカーバンクルを蹴り飛ばしながらも、そのまま乱入する形で戦いを始める中でDフレイムドラゴンとDハリケーンドラゴンとディバインがメデューサと戦い始める。
少しの間それぞれの対手とぶつかり合っていたかと思うとディレイドの変身したウィザード達が一旦距離を置いたかと思うとそのまま一斉にカードを装填する。
《《《《ファイナルアタックライド、ウィ・ウィ・ウィ・ウィザード》》》》
電子音声に合わせて、ディレイドの変身したウィザード達にドラゴンの一部が装備されていく。
Dフレイムドラゴンは胸にウィザードラゴンの頭部を模した『ドラゴスカル』、Dハリケーンドラゴンは背中にウィザードラゴンの翼を模した『ドラゴウィング』、Dウォータードラゴンは腰にウィザードラゴンの尾を模した『ドラゴテイル』、そしてDランドドラゴンにはウィザードラゴンの爪を模した『ドラゴヘルクロー』が装備され終えた所でDハリケーンドラゴンとDウォータードラゴンが動いた。
「「はぁぁぁっ!!」」
「「「グゥゥッ!?」」」
「終わりだっ!」
《キックストライク!ゴーッ!!》
《イエス、キックストライク!アンダースタンド?》
《ファイナルアタックライド、ディ・ディ・ディ・ディバイン》
「「「いっけぇぇぇぇっ!!」」」
「「「グガァァァァァッ!!?」」」
Dハリケーンドラゴンは緑の風を纏いながら突撃する『ドラゴンソニック』をカーバンクル達に放つと同時に、Dウォータードラゴンがドラゴテイルを相手に対し振るう『ドラゴンスマッシュ』をカーバンクル達に放つ。
Dハリケーンドラゴンの一撃を受けてよろけるカーバンクル達に放たれたDウォータードラゴンの一撃が吹き飛ばした。
吹き飛ばされたカーバンクル達に対し、電子音声と共に飛び上がったビーストの放つ飛び蹴り『ストライクビースト』とワイズマンの放つ飛び蹴り『ストライクワイズマン』とディバインのディメンションインパクトが命中。
三人の飛び蹴りを受けたカーバンクル達が地面に倒れたと同時に一斉に爆発する。
「くっ!?お、おのれぇっ!こんな所で終わるものかぁっ!!」
「残念だけど、ここで終わりだよっ!!」
「なっ!?きゃぁぁぁぁっ!?」
「ディサイズ!決めましょうっ!!」
「あぁ!」
《ファイナルアタックライド、エ・エ・エ・エックス》
カーバンクル達がやられたことで一気にピンチとなるメデューサは頭部から蛇を一斉に伸ばす。
だがその蛇たちはDフレイムドラゴンがドラゴスカルから放った火炎放射『ドラゴンブレス』で焼き払われてしまっただけではなく、メデューサの体も焼いてしまう。
思わず悲鳴を上げながらも後退するメデューサを倒そうとDXに声をかけるDランドドラゴンに頷きながらも、DXは高く跳び上がる。
「せいやぁぁぁっ!!」
「ライドル、脳天割りっ!!」
「ぐぁぁぁぁぁっ!!?」
跳び上がったと同時にDランドドラゴンはドラゴヘルクローを振るって黄色い衝撃波を放つ『ドラゴンリッパー』をメデューサ目掛けて放つ。
それを受けてよろけた所にDXがメデューサの目の前に着地しながらも振り下ろしたライドルスティックで一刀両断する『ライドル脳天割り』を放つ。
「そ、そんな・・・こんな所で終わりだなんて・・・!!」
DXの一撃を受けてアロガントを落としながらも、メデューサが悔しそうにつぶやいた後仰向けに倒れたと同時に爆発するのであった。
「はぁっ!!」
「ぐぅっ!?」
メデューサ達との戦いが終わる中、ウィザードとレッドキャップの戦いはまだ続いていた。
状況はウィザードがレッドキャップを手数で押しているような状態であった。
「くそっ、この野郎っ!!」
「がっ!?」
だが、レッドキャップも負けてはおらず剣を弾いた際に放った蹴りがウィザードの腹に入り吹き飛ばす。
地面を転がりながらも何とか体制を整えるウィザードに対してそのまま斬りかかろうとする。
「くっ、はぁっ!!」
「なっ!?がぁぁぁっ!!」
その時、ウィザードが左手を突き出すと同時に左手からバチバチと電流が迸ったかと思うとそのまま左手から銀色の雷が放たれる。
思わぬ攻撃に対処しきれずにまともに雷を受けたレッドキャップは片膝をついてしまうと同時に飛び蹴りをおみまいして吹き飛ばす。
「ぐっ、て、テメェ・・・赤の姿で何で雷を出せる・・・!?」
「これは僕自身の魔法だよ。僕はこう見えて雷と炎の魔力変換資質持ちだからね・・・」
吹き飛ばされてしまいながらも何とか立ち上がるレッドキャップの問いに対してウィザードは左手に電流を纏わせたままで答えた。
『魔力変換資質』と言うのはリリカルなのはの世界の魔法の用語で『魔法によるプロセスを踏まず、魔力を別のエネルギーに変換する事が出来る能力』と言うものである。
本来リリカルなのはの世界の魔法では、魔力によるエネルギーの発生(発電や発火等)には魔法というプログラムによる組み替えが必要とされるが、この資質を持つ者は魔法を介さずにエネルギーを発生させる事が出来るのだ。
「ちぃぃ・・・なめた真似しやがってぇっ!!」
「そろそろ、終わりにしよう。お前との決着をここでつける!」
《キャモナスラッシュシェイクハンズ、キャモナスラッシュシェイクハンズ》
「やれるもんならやってみろぉぉぉっ!!」
《フレイム、スラッシュストライク!》
苛ついたかのように声を上げたレッドキャップが突撃する中、ウィザードはウィザーソードガンのハンドオーサーを展開して左手で握る。
それに合わせてウィザーソードガンから響いた電子音声と共にウィザーソードガンの刀身に炎が纏われ、それに合わせてウィザードがレッドキャップに向かう。
両者が駆け出して行った直後に、レッドキャップがウィザードに対してすれ違いざまにウィザードの顔目掛けて包丁を振るうのだがそれはウィザードが首を傾けた事でウィザードの仮面に掠る程度で終わる。
それに対してウィザードがすれ違いざまに放った一撃はレッドキャップの腹の辺りを切り裂いた。
「ぐがっ・・・あぁぁぁぁぁっ!!」
「はぁぁぁっ!!」
「がはぁぁぁっ!!?」
すれ違い合った事で互いに背を向けあう中でレッドキャップは腹を切り裂かれた痛みに耐えながらも振り返ったと同時にウィザードに一撃加えようとする。
だが、それよりも早くウィザードの放った一撃が決まりよろけながらも後退しながらも包丁を落とした。
「・・・フィナーレだ」
「う、嘘だろ、まだ殺し足りないってのにぃぃぃぃぃっ!!」
ウィザードが呟きながらも背を向ける。
それに合わせてレッドキャップが悔しそうに叫びながらも倒れたかと思うとウィザードの背後で爆発する。
「ふぅ・・・」
「クロウさん!大丈夫でしたか!?」
「あ、うん。大丈夫・・・ん?」
レッドキャップが爆発したのを見てすぐにウィザードに駆け寄りながらも声をかけるDフレイムドラゴン。
それを聞いて頷きながらも答える中、突然パチパチと拍手の音が響き始めたと同時に段々と近づいてきている事に気づいて音のする方を見るとウォーロックが拍手しながらも歩み寄ってきた。
「お見事、あの殺人鬼如きではやはり貴方達は倒せませんでしたか」
「っ!サーシェス!」
「あ、貴方は・・・!」
「あぁ、ご心配なさらず。倒れていた面々はちゃんと安全な場所に避難させておきましたから・・・しかし、なかなか面白い人と知り合いになってたんですね?スペリオル」
「・・・まぁね」
ウォーロックの姿を見て声を上げるウィザードとDフレイムドラゴン。
それに対しDフレイムドラゴンに対して告げるとそのままウィザードに声をかけるとそのまま思わぬ発言をしてくる。
「姿を変える能力によってさまざまな相手に対処できる戦士・・・レギオネクスの邪魔をする相手としてはふさわしいかもしれませんねぇ」
「っ!?どうしてレギオネクスの事をお前が知っているんだ!?」
「ふふっ・・・こう見えて、レギオネクスにスカウトされた身なんですよ?」
「っ!?何だと!?」
「レギオネクスって、確かレイチェルさんが言っていた・・・」
「おや?レイチェルと知り合いなんですね・・・まぁそれは置いといてレギオネクスと言うのはディナーレと言う奴が所属しているすべての世界を手に入れようとしている組織ですよ。あ、スペリオルは知らないだろうから言っときますがレイチェルもスカウトされています。彼女も今では仮面ライダーですよ?」
「っ!?全ての世界を手に入れる・・・!?」
「なっ、レイチェルまでレギオネクスにいるのか・・・」
「っと、そろそろ私も戻らなければ・・・では、また別の世界でお会いしましょう」
《テレポート、ナウ》
ウォーロックの発言にこの世界の住人である彼がレギオネクスを知っている事を驚くウィザード。
それに対してウォーロックはDフレイムドラゴンやウィザードの驚く発言をしてきた後、右手に指輪を付けると腰に装着している『ウォーロックドライバー』に指輪をかざすウォーロック。
電子音声の後、ウォーロックの姿が黒い光に包まれてそのまま光とともに消滅した。
「・・・厄介な二人が敵に付いたな」
「あの、サーシェスさんにレイチェルさんの事知ってる見たいですけど・・・一体どういう関係なんですか?」
「えっ、えーっと・・・そうだなぁ・・・」
いなくなってしまったウォーロックが、いなくなった場所を見ていたウィザードにDフレイムドラゴンが尋ねる。
それを聞いて、ウィザードは少し考えた後にDフレイムドラゴンに告げる。
「時には僕の喧嘩売ってきたりとか邪魔とかして来たり・・・時には僕を助けるような真似をしてくる妙な奴等かな・・・って、あ、あれ・・・?」
「っ!?クロウさん!?」
ウィザードがDフレイムドラゴンに告げた途端、突然ウィザードがふらついたかと思えばそのまま変身を解除してクロウに戻りながらもその場で倒れそうになる。
ギリギリの所でDフレイムドラゴンがクロウの体を受け止めたので地面に倒れる事はなかったのだが、クロウはそのまま眠るように意識を失うのであった。
しばらくして・・・
「ん・・・?」
目を覚ましたクロウはそのままの状態で状況を確認、それによって自分がベッドの上にいる事を知る。
城内にある医務室だろうと考えていた時、クロウの寝ているベッドの近くにいたヴィヴィオがクロウが目を覚ましたのを見てどこかに行ってしまった。
それに気づいてヴィヴィオの言った方を見るや否や慌てた様子でフェイトがクロウの寝ているベットに駆け寄る中、少し遅れてソーマも姿を見せる。
「クロウ!大丈夫!?どこも苦しい所は無い!?」
「だ、大丈夫大丈夫。平気だよ・・・って、えっ?」
凄く心配した様子のフェイトを見て思わず苦笑いしてしまいながらも、クロウは体を起こしてふと外を見て固まる。
何故なら、外はすっかり暗くなっていたのである。
「え、ちょ、夜!?僕どんだけ寝てたの!?」
「まだ一日経ってないけど、倒れてからずっと眠ってんだぜ?」
「そうなんだ・・・」
「まぁ、ハルトさん曰く慣れない力を使った事による疲労が原因で倒れたらしいけどな・・・吉良も疲れているから今日は城に泊まる事になってる、お前も今日はゆっくりしとけよ?」
困惑するクロウにソーマが説明する。
そんな中で、フェイトは本当にホッとした様子でクロウを見ていたのに気付いたソーマは近くにいるヴィヴィオに声をかける。
「・・・ヴィヴィオ、なのはの所に行こうぜ?フェイトはちょっとクロウと話したそうにしてるからよ」
「え、ちょ、ソーマ!?」
「んじゃ、お二人さんごゆっくり~」
一言言い残してヴィヴィオと共に部屋を後にするソーマ。
ソーマとヴィヴィオがいなくなったことで、二人きりの状態となるフェイトとクロウだったのだが二人揃って黙ってしまい静寂が部屋の中に流れた。
そんな中、何か言おうと考えるクロウに対してベッドのすぐ近くにある椅子に腰掛けながらもフェイトが声をかけた。
「・・・クロウ、これからも吉良君の旅には同行するの?」
「あ、うん・・・フィロを迎えに行ってあげないといけないし・・・それにサーシェスとレイチェルの二人を放って置くわけにもいかないから」
「・・・そっか・・・・」
フェイトの質問にクロウが答えると、フェイトは少し俯いてしまう。
その際に少し泣きそうになっていた事に気づいたクロウに対し、フェイトは続ける。
「私・・・正直に言うと、行って欲しくないって思ってる・・・」
「えっ・・・?」
「・・・怖いんだ、クロウが本当にいなくなっちゃうんじゃないかって・・・・今日だって、疲労で倒れただけだったけど・・・目を覚まさないんじゃないかって、本当に・・・不安になって・・・!」
フェイトの言葉に困惑するクロウの前でフェイトはぽつりぽつりと続けて言う中、フェイトの瞳から涙が零れ落ち始めた。
そんな姿を見ていたクロウはフェイトに静かに声をかける。
「フェイト・・・嫌だったら、突き飛ばしてくれても引っ叩いても魔力砲撃ぶっ放してもいいから」
「えっ・・・っ!?」
クロウの言葉を聞いたフェイトは言葉の意味が分からなかった。
何をする気なのだろうと思い、フェイトが顔を上げた直後にクロウはフェイトの体を静かに抱きしめる。
抱きしめるとは言っても力は全くと言っていいほど入っておらず、突き飛ばせば簡単に振り解ける状態であった。
「クロ、ウ・・・?」
「・・・ごめんねフェイト。昔からよく心配させていると言う自覚はあった・・・けど、そんなに辛い思いをさせてたと言うのに全然気づけていなかった・・・本当に、ごめん」
突然の行動に困惑するフェイトに対し、本当に申し訳なさそうにフェイトに声をかけるクロウ。
すると、クロウはフェイトから離れるとベッドの近くにある机の上に置いてあったウィザードライバーを装着すると、フェイトの右手を左手で触れ指輪を付けているホルダーに付けていた指輪の一つを付ける。
その指輪はゲートの精神世界『アンダーワールド』へと入るために使う指輪『エンゲージリング』であった。
「これは・・・?」
「約束する、僕はちゃんとこの世界に戻ってくる。この指輪はその約束の印・・・預かってて」
付けられたエンゲージリングを見ていたフェイトに説明した後、クロウはベッドから降りる。
そして、クロウに付けられたエンゲージリングをじっと見つめているフェイトを余所に呟いた。
「さて、と・・・とりあえず皆の所に顔を出してくるか・・」
「っ、クロウ!待って!」
「っ?どうし・・・」
部屋から出ようとするクロウの手を掴みながらもフェイトが引き留めた。
どうしたのかと思いフェイトの方を見ながらもクロウはどうかしたのかと言おうとするが、その言葉を言い終える前にクロウの頬にフェイトの両手が触れる。
そして、そのままフェイトはクロウに顔を近づけてキスをした。
フェイトの思わぬ行動にクロウが顔を真っ赤にしながらも、その状態が少しの間維持されたかと思うとクロウと同じように顔が真っ赤になったフェイトがクロウから離れる。
「ふぇ、フェイト・・・な、何で・・・」
「・・・おまじない、だよ・・・無事に戻ってこられるように・・・」
「お、おまじない、って・・・っ!!?」
お互い顔を真っ赤にしながらも会話をしている中でクロウがふと視線をそらして固まる。
何故なら、いつの間にかドアが開いていただけではなく、ドアを開けた張本人である吉良がドアノブを握ったままで固まっていたのだ。
クロウが吉良を見た途端、吉良はハッとなりながらも慌ててドアを閉めて部屋に入ると同時に土下座した。
「ご、ごめんなさい!ソーマさんに様子を見に行って来てくれって言われたんですっ!!覗き見する気は全くありませんでしたぁっ!!」
「き、吉良君!?そこまでしなくてもいいんだよ!?」
「ちょ、あ、頭を上げてよ!?」
土下座する吉良を見て慌てて頭を上げるように言うクロウとフェイト。
ここから数分の間吉良は『本当にごめんなさい』と謝罪しっぱなしでクロウとフェイトは困った顔で『気にしないでいい』と言い合い続ける事になってしまうが、『今あった事を内緒にする』と言う約束をすることでその言い合いは何とか終息するのであった・・・。
翌日・・・
~光風館~
「ただいま戻りました」
「おぉ、お帰り二人とも」
「お帰りなさい・・・えっと・・・騒動が終わったって、紫音から聞いてたから次の世界に行く事になるんだよね?」
「そうなるな、んじゃ・・・行きますか」
光風館に帰ってきた吉良とクロウを笑顔で迎え入れる宗一郎。
同じように二人を迎え入れながらもキズナが隣にいる零慈に声をかけると、零慈は頷きながらも背景ロールに近づくと同時に背景ロールを降ろすと別の絵が降りてくる。
だが、その絵は普段の物とは違って明らかにおかしい所があった。
何故なら今までの物とは違い、複数の世界の仮面ライダーが描かれていたからである。
「っ?これは・・・」
「なぁに、ちょっとした寄り道って奴だよ。二人もたまには息抜きさせたいし・・・この世界にいる俺と紫音の仲間も紹介したいからな」
「っ?仲間・・・?」
今までの絵とは違う背景ロールのイラストを見て首を傾げる吉良。
そんな彼に零慈が笑いながらも答えるのだが、引っかかる言葉があったクロウ。
クロウの反応を見た後、笑みを浮かべたままで零慈は続ける。
「あぁ・・・俺の仲間がこの世界にいるんだよ。俺と紫音の住んでる世界である、ダークライダーの世界にな」
To be continued・・・
次回からはちょっと一休みという意味を兼ねて、戦いが起きない世界へと向かいます。
予定では少し短めで、吉良達の物語と敵側の物語をやろうと思ってます。