少しハプニングが起こりながらも、穏やかな時間は過ぎていく・・・。
「ここなら暇つぶし出来そうだろ」
「・・・・何ここ?」
「んー・・・図書室?」
「・・・学校とかにありそうな雰囲気があるわね・・・」
紫音達に連れてこられてやって来た場所を見て固まる吉良達。
何故ならそこは、もう普通に学校とかにありそうな感じの雰囲気がある図書室であったからである。
とりあえず、ここで暇つぶしをしようと言う事で解散した後吉良も適当に図書室内をうろつく。
そして、適当に見てみた本棚を見ると自分も知っている漫画がいっぱいあった事に気づく。
「あ、これあるんだ・・・でも、図書室っぽい雰囲気なのに漫画がいっぱいって何かシュール・・・って、んっ?」
本棚からふと視線を逸らした際に吉良はある事に気づく。
いつの間にか自分の近くに猫が一匹いるのである。
猫が入れそうな場所がないこんな場所でなぜいるのか、と考えていた時シュテルがやって来た。
「っ?どうしました?」
「あ、いや。猫が入り混んでて・・・」
「あぁ、すみません。いつの間にか入っているのが良くあるんですよ・・・外に連れて行ってきます」
猫を両手で持ち上げてどこかに行くシュテル。
それを見て大丈夫だろうと思い、本を適当に探り結局知っている漫画の一冊を読んでいるとシュテルが戻ってきたことに気づくと同時に驚いてしまう。
「あ、おかえり・・・って、外に連れて行ったんじゃなかったの!?」
「っ?連れて行きましたが?」
「いや、一匹だけだったのに増えてるよ!!?」
「・・・なんと」
吉良の言葉を聞いて首を傾げるシュテルに対して吉良は足元を指さす。
シュテルは吉良が指差している足元を見てみると確かに猫がいた・・・しかも3匹。
「・・・吉良、お前が連れて行って来い。シュテルが行くとどんどん増えるぞ」
「あ、はい。分かりました」
「あ、私も行きます」
「私も手伝いましょう」
吉良の声を聞いて何事かと思ってやって来た紫音は状況を理解して呆れた様子で吉良に言う。
そして、猫を連れ出そうとして猫を一匹抱えるとユーリとアミティエがそれぞれ一匹ずつ抱える。
そして、三人揃って部屋から出ていくのを見ていたキズナが零慈に尋ねる。
「ね、ねぇ・・・どんどん増えるってどういう事・・・?」
「いや、原因は分からないんだけど、何故かシュテルの周りには猫が集まると言う現象が起きるんだ。ちなみに他の世界に行っても同様だ」
「へ、へぇー・・・」
キズナの質問に対し零慈も少し疲れた様子で返してきた。
その様子を見ていたキズナは何かあったのかと思いながらも何も聞かないでおいた。
そんなやり取りから少し経って、猫を連れて行った吉良達が戻ってきてそのまま適当に本を読んでいるとレヴィがやってきた。
「皆ー!そろそろ出来るよー!」
「んー、了解」
「それじゃ移動するか」
「えっと・・・ここは、食堂?」
「あぁ、基本俺達は全員で食事するからな」
「皆で食事するには広いよね・・・」
図書室を後にした吉良達がやって来たのは食堂。
食堂と言ってもやけに広いと思いながらも周りを見渡していると、先に席についていたグランツとソーマとカンタビレの姿を見つける。
「おぉ、皆来たね。あと少しだから座って待っていると良いよ」
「了解です・・・っと、来たようだな」
「お待たせ~」
「たぁ、たくさん食べるがいいっ!!」
「わぁ、美味しそう・・・って、あ、あれ?アップルパイ以外にも作ってたんだ・・・」
「・・・良くあることだ、気にするな」
グランツに声をかけられて席に付き始める一同の中で紫音がキリエとディアーチェがこっちに来始めているのに気付いた。
机の上に置かれるアップルパイを見て美味しそうと呟くのだが、何故かクッキーやらケーキまで並び始めるのを見て困惑するキズナにやれやれと言った様子で紫音が返す。
そんなやり取りをしている中で、キリエやディアーチェ遅れてやって来たシルヴィアも席に着いた。
「では、いただきます」
『『『『いただきまー・・・』』』』
「うーん、おいしー!」
「って、うぉい!?」
「こらっ!フライングするなレヴィ!!」
シルヴィアの言葉の後に、他の面々が声をそろえて言おうとした直後に響くレヴィの声。
それに反応した零慈と紫音が先に食べてたレヴィにツッコミを入れる。
そんなやり取りを見て誰かが噴き出してそのまま皆が笑い始める中、吉良はドレイクの姿が見当たらない事に気づいた。
どこか近くにいるのかと思いながらも周りを見始める中で、遅れる形で短めの金髪の青年が席に着いた。
「って、まだそっくりさんがいたのか!?」
「今度はユーノか・・・」
「っ?この姿にそっくりな奴もいるのか・・・?」
「この姿・・・?」
「あ、その声・・・もしかして、ドレイク?」
席についた青年を見てソーマとクロウがまたしても自分たちの世界の住人で知り合いでもある青年『ユーノ・スクライア』にそっくりである事に驚く。
それに対し青年が少し驚いた様子で返した言葉にカンタビレが引っ掛かった時に、青年の声がドレイクと同じものだと思えた吉良が尋ねると青年は肯定するかの様に頷いて答えた。
「あぁ、人造ファントムとは言っても俺も人間の姿にもなれるし、この姿なら飲食もできるしな・・・あ、この姿ではオーマ・レクサスと名乗っている。オーマとでも呼んでくれ」
「あ、うん」
「了解だ、オーマ」
ドレイクの変身した姿である青年こと『オーマ・レクサス』の言葉に頷きながらも答えるソーマと吉良。
そんな時、吉良はふと気になった事をソーマに尋ねる。
「ところで、ソーマさん達はグランツさんと一体何をしてたんですか?」
「あぁ、これのテストだよ」
「ついでに使用方法もいろいろと教わっていた」
吉良の問いにどこからか取り出したものを吉良に見せるソーマとカンタビレ。
それは影武も使用している戦極ドライバーとロックシードであった。
「っ、戦極ドライバーにロックシード・・・」
「つまり・・・私と同じ戦極ドライバーで変身するライダーになれるんですね」
「あぁ、ちなみに俺は基本形態はバナナで隊長はメロンだ」
「つまり・・・バロンと斬月ですか?」
「ほぉ、紫音に聞いた通り詳しいんだね」
「いえ・・・僕にも分からない事はありますよ。クロウさんが出会ったって言うレギオネクスのメンバーの一人の魔進チェイサーと言う戦士は聞いた事がありませんし」
「魔進チェイサー?」
「・・・そんな名前の戦士、聞いた事ないぞ?」
「俺もだ」
「ほふもしふぁらいよ(僕も知らないよ)?」
「こら、食べながらしゃべるな」
「むぐぐっ!?むーっ!?」
「喉に詰まらせるなよ・・・全く、落ち着いて食べろ」
「いやいやいや、飲み物上げましょうよ紫音さん!?」
吉良の上げた魔進チェイサーの名を聞いたグランツ達も、どうやら知らない戦士の様で首を傾げていた。
そんな中でアップルパイを口いっぱいに詰めたレヴィも返していたので、紫音が注意していると喉に詰まらせたのか苦しそうに声を上げた。
それに呆れながらも声を上げるものの何もしない紫音に代わり吉良が慌てて飲み物を差し出し、それを一気飲みするレヴィ。
「ぷはーっ!死ぬかと思った・・・」
「だ、大丈夫ですかレヴィさん?」
「うん、大丈夫・・・ありがとね、吉良」
「あ、いえ。どういたしまして」
飲み物を渡してくれた事に礼を言うレヴィに返す吉良。
そんなやり取りを見ていた時キズナはある事が気になった。
「そういえば、お二人はこれからどうするんですか?その・・・食事とか寝る所とかは・・・」
「ん?あぁ、俺達は基本グランツさん達と一緒に行動するから、心配ないよ」
「本当は君達と一緒に行動したいんだが、流石にこれ以上居候が増えたら大変だろうしな・・・ん?」
キズナの問いにソーマが答え、それに続くように言いながらもカンタビレがふと視線をそらすと、少しクロウが寂しそうにしていた事に気づく。
クロウの視線の先には仲良く話しているレヴィと吉良の姿があった。
「・・・どうかしたか?クロウ」
「あ、いや。別に・・・」
「別に、って・・・とてもそうには見えないが・・・ま、大方フェイトの事考えてたんだろ?」
「フェイト・・・レヴィにそっくりな人の事でしたね」
「あぁ、レヴィを見た時にそんな名前出してたな・・・どんな人なんだ?そのフェイトって言う人」
「ん?あぁ、クロウの幼馴染だよ。ちなみに幼馴染の中では一番仲が良いぞ?」
「あー・・・確かに、クロウさんはフェイトさんを、フェイトさんはクロウさんを誰よりも大切にされてるらしいですしね」
「ぶぅぅぅっ!!?」
クロウに声をかけるカンタビレに対して、カンタビレから視線をそらしながらも飲み物を飲むクロウ。
それに対して苦笑い気味にソーマがクロウに尋ねる中で、フェイトの事が気になって会話に加わってくるシュテルとカツミ。
尋ねてきた二人に対してソーマが答えると、ふとサーシェスの言った言葉を思い出して口に出した途端クロウが飲んでいたリンゴジュースを噴き出す。
その際に虹が出来ていたので、オーマとユーリがおぉーと声を上げている中でクロウが咽ながらも吉良に尋ねた。
「ぐっ、げほっ・・・き、吉良君!何でそんな変なこと言うの!?」
「え、いや、だって・・・サーシェスさんが、クロウさんとフェイトさんは相思相愛だって言ってきましたし・・・」
「あー・・・レッドキャップを追いかけようとした吉良を呼び止めた時にそんな事言ってたな・・・」
「あ、アイツ・・・まだ勝手な事を言いふらして・・・!!」
「・・・でも、仲が良いのは事実だと思いますよ?話している時、何か良い感じな雰囲気でしたよ」
事情を話した吉良の言葉を聞いてその時の事を思い出していたソーマを余所にクロウは明らかに怒りを露わにしていたのであった。
それを見た吉良が言った言葉にソーマが確かにと言わんばかりに頷いていると、女性陣が何やら興味津々となる。
「ほぉ~、どんな子なのかちょっと興味出て来たわねぇ」
「是非とも、お話を聞かせてください」
「僕も聞きたーい!」
「え、いや、その・・・せ、先生。助けてください」
「・・・悪いが、私もその話は気になる。聞かせてもらおうか?」
「ちょ、先生まで・・・」
「なっ、隊長まで食いつき始めただと!?」
「そ、そんなに驚く必要あるんですか?」
「当たり前だろ!この人恋愛よりも仕事優先させるわ、強い奴との戦いを非常に好む戦闘狂だぞ!?普通に考えたら、絶対彼氏なんてできないだろ!?」
「・・・ソーマ、明日の朝日を拝めなくしてやろうか?」
「すみません冗談です隊長っ!!」
カンタビレに助けを求めようとするクロウだったが、カンタビレも意地の悪そうな笑顔を浮かべながらもクロウの敵となってしまう状況と化していた。
この展開にソーマが驚いた声を上げた事に戸惑う吉良に対して本人がいるのに失礼な事を言うソーマに対して強烈な殺気を出しながらも低い声で尋ねるカンタビレに対して敬礼しながらも謝罪するソーマであった。
結局、この後クロウはフェイトの事を話すことになるのだがその時にクロウが率直に彼女の事をどう思っているのか言った時に、全員がニヤニヤしたり微笑ましそうにしたりしていた為に居心地が悪くなってしまうのであった・・・。
しばらくして・・・
~光風館~
「ただいま、お父さん」
「おぉ、お帰り皆!」
「おっちゃん、これ喰ってくれよ。俺の仲間が作ってくれたアップルパイだ」
「おぉ!ありがとう、零慈君!ありがたくいただくよっ!」
「さて、と・・・ゆっくりできたし、やりたいことも済んだ所で、次の世界に行くとするか?」
光風館に戻ってきた吉良達を出迎える宗一郎に対して、零慈がアップルパイを渡す。
それを貰って嬉しそうにする礼を言う宗一郎に気にしないでくれと答える零慈を余所に、紫音は吉良達を見ながら尋ねると全員頷いて答える。
それを見た紫音は背景ロールを降ろすと、また新しい絵が降りて来た。
その絵は、髭を生やしてスーツを来たカエルの人形を囲うように置かれた幾つものロックシードが描かれているものであった。
To be continued・・・