その翌日、クロウは見知らぬ二人の少女と出会い、そのまま共にとある事件の解決のために動くことにする。
一方吉良も、たまたま行った店でこの世界のライダーと出会うのだが・・・。
~光風館~
「ただ今戻りました」
「おぉ、お帰りクロウ君!ちょっと遅かったねぇ」
「何かあったんですか?」
「ううん、大したことはないよ。吉良君は大丈夫だった?」
「それが、バイト中に店にやって来た男がこの世界の怪人であるインベスを呼び出してパニックになりました・・・なんとか倒しましたけど」
「そうなんだ・・・それはそうと吉良君、何で頭に氷のう乗っけてるの?」
警備員から解放されて光風館に帰ってきたクロウ。
少し遅かったので心配した様子の宗一郎と吉良に返してそのまま吉良に尋ねる。
尋ねられた吉良が答えると、次にクロウは吉良が頭に氷のうを乗せている事を尋ねた。
「何でもバイト中に突然金ダライが降って来たらしくって・・・」
「・・・どんな所でアルバイトしてるの?吉良君」
「えと、人気のあるケーキ屋さんです・・・」
『ほぉ・・・ケーキ屋さんでは金ダライが降るのですか』
「いや、普通降らないからね?エクス」
クロウの質問に対してキズナが困った様子で答える。
その発言に一体どんな所でバイトをしているんだと本気で心配するクロウに苦笑いで答える吉良。
そのやり取りを聞いていたエクスがそうなのか、と言うかのような反応をするので流石に吉良がツッコミを入れていると、近くにいたキズナと宗一郎はきょとんとしてしまう。
「ん?今の声は・・・?」
「クロウさんの方から聞こえたけど・・・」
「あ、そっか。キズナちゃんと宗一郎さんには紹介してなかったな・・・僕の相棒のエクステンダーです」
『始めまして、エクステンダーと言います。エクスとお呼びください』
「おぉ、これはご丁寧にどうも」
「よ、よろしく・・・」
首からぶら下げていたエクスを二人に見せると、エクスが二人に挨拶する。
それを聞いた宗一郎はにこにこしながらも挨拶するのに対して、キズナは驚きを隠せない状態で挨拶するのであった。
翌日・・・
「さてと、どうしたものかなぁ・・・吉良君はバイトだし・・・ん?」
真昼間、一人学園都市をぶらつくクロウ。
そんな時、路地裏の方で何かの声が聞こえる。
何だろうと思いながらも声のする方に近づいてみると、武器を持った数人の男が学生服姿の青年を取り囲んで暴行を加えていたのだ。
それを見て近づこうとすると、一人の男がクロウの前に立つ。
「あぁ?何だテメェ?」
「よってたかって一人を攻撃してるのは・・・あまり好きじゃないんだよっ!」
「ぐげっ!?」
近づいてきた男に対してケンカキックをお見舞いして吹き飛ばすクロウ。
その途端、青年を取り囲んでいる男達が一斉にクロウを睨んでくるがクロウは特に臆することもなく、クロウは首にかけていたエクスを握る。
すると、クロウの体から銀色の雷が放出し始めたかと思うとそのままクロウの姿が黒のノースリーブに白の長ズボンと言う格好の上に白いコートを纏い、両腕にはガントレット、両足にはグリーブが付いた騎士を思わせるような姿へと変化するといつの間にか右手に現れた剣を構える。
この姿こそ、クロウのバリアジャケット姿であり、クロウの右手にいつの間にか握られていた剣は本来のエクスの姿である。
「な、何だぁっ!!?」
「な、なんだコイツッ!?」
「さぁ・・・ショータイムだっ!」
数分後・・・
「むぅ・・・物足りない」
『チンピラ如きがマスターの相手になるはずなど絶対に無いかと・・・』
つまらなさそうに呟くクロウに対しエクスも少し困った感じに声を上げる。
その周りには青年に暴行を働いていた男達が倒れ伏しており、男達が持っていた武器も全部エクスを使って破壊されていた。
やれやれ、と思うクロウは銀色の雷に包まれたかと思うと瞬時にバリアジャケット姿から私服姿に戻りエクスも剣のネックレスへと姿を戻した。
そして、座り込んでいる青年へと声をかける。
「あ、君。大丈夫だった?」
「え、えぇ・・・ありがとうございます・・・」
「うわっ、何これ!?」
「風紀委員(ジャッジメント)ですの!」
「っ?」
青年に声をかけた直後、驚いた声と共に聞きなれない言葉を言い放つ声が響く。
振り返るとそこには二人の制服姿の女子がいたのだが、そのうちの一人はクロウはあった事があったので思わず声を上げる。
「あ、君は確か警備員の人と話していた・・・」
「あら?貴方は・・・」
「っ?黒子の知り合い?」
「知り合いと言う訳ではありませんが・・・昨日、婚后 光子が襲われた騒動の時、現場に駆け付けた警備員がこの方が婚后 光子と一緒にいたので事情を聴いていた所に出くわしましたの」
「丁度いいや、警備員の人たちと話せるなら彼をお願いしたいんだけど良いかな?周りに倒れてる連中が怪我させたんだ」
「えぇ、分かりましたわ」
黒子と呼ばれた少女に事情を話すと青年に近づいて肩を貸す。
直後、クロウの目の前で二人が消えてしまった。
(・・・これがこの世界の超能力と言う奴か)
目の前で消えた現象を見て、少し面白そうな表情となるクロウ。
実は昨日、この世界の事を詳しく聞いた際にキズナに超能力が使える人間がいると言う話を聞いていたのだ。
恐らくその超能力の力で消えたのだろうなと考えていると、もう一人の少女が声をかけた。
「・・・あんた結構やるのね?」
「ん?まぁね、こう見えて結構戦いには慣れてるから」
「ふぅん・・・しっかし、この連中意外とあっさり見つかったわね」
「っ?君達もこいつ等を探してたの?」
「えぇ、こいつ等・・・ビッグスパイダーって言う連中なんだけど、能力者に対して危害を加えているのよね」
「へぇ・・・」
「お待たせしましたわ」
少女とクロウが会話をしている中、青年と共に姿を消した少女がいきなり現れる。
それを見たクロウと話していた少女が声をかけながらも歩み寄る。
「さっきの人、大丈夫そう?」
「えぇ、怪我も酷くはありませんでしたわ」
「そっか・・・にしても、ストレンジ探した時には全然見つからなかったのにこうもあっさり見つかるなんてねぇ・・・」
「・・・えと、ストレンジって何の事?」
「ビックスパイダーが根城にしている第10学区エリアGの通称よ。さて、と・・・とっとと居場所吐かせて連れて行ってもらいましょうかね?」
「そうですわね」
「おっと、僕も行かせてもらうよ?流石に女の子二人じゃ危ないしね」
「・・・構わないわ、戦力は多い方がいいしね」
「了解・・・あ、僕はクロウ。クロウ・スペリオル、君達は?」
「御坂美琴よ」
「白井黒子ですわ」
「御坂さんに白井さん、ね・・・よし、それじゃ行きますか」
二人の少女――『御坂美琴』と『白井黒子』との簡単な自己紹介を終えたクロウ。
そしてそのままクロウ達は倒れている男を叩き起こし、ビッグスパイダーのアジトへと連れて行かせるのであった。
~ストレンジ~
「ぐ、ぅぅ・・・!」
「な、何だこりゃ・・・?」
ビッグスパイダーのアジトの前でビッグスパイダーのメンバーである男達が困惑した様子となった。
何故ならメンバーの男の一人がボロボロ状態で倒れてその近くには美琴と黒子とクロウが立っていたからだ
「風紀委員ですの」
「あぁん?風紀委員だぁ?そんな奴が何の用だ?」
黒子が腕に付けている風紀委員の腕章を見せながら告げる。
すると、建物の中から一人のリーゼントの男が現れた。
「黒妻綿流、ですわね?能力者を対象とした暴行事件の首謀者として拘束します」
「ほぉ、拘束ねぇ・・・生憎と御飯事に付き合う気はねぇぞ」
「・・・言ってくれるわね?」
「親切で言ってやってるんだけどな、分からねぇなら体で分からせてやるよ」
黒妻の言葉を合図とするかのように男達がクロウ達を取り囲む。
それを見て構える美琴とクロウを黒子が右手で制しながらもどこから取り出したのかは知らないが金属矢を構える。
「お二人とも、こんな連中私だけで十分ですわ」
「ほぉ、言ってくれるじゃねぇか。けど十分かどうかは、俺達の実力を見てからにしろよな!」
黒妻がそう告げた直後、突然妙な音が響き始める。
その途端に美琴と黒子が同時に耳を押さえた。
「っ、二人とも!?」
「な、何よこの音・・・!?」
「頭に、直接響くみたいですの・・・!」
「っ?あれ、この音・・・あの時の」
美琴と黒子だけが苦しそうにし、それ以外は全然平気そうにしていると言う状況に困惑するクロウ。
そんな中、クロウはこの音が革ジャンの男と一緒にいた際に聞いた音と同じであることに気づいた。
そんな最中、危険だと判断した黒子は自身の能力でこの場から撤退しようとするが何故か使えなかった。
「っ、能力が・・・!?」
「ははっ、どうした?一人で大丈夫なんじゃないのか、よっ!!」
「ぐぅっ!?」
「白井さんっ!」
「くっ!こんのぉっ!!」
能力が使えない事に驚く黒子に対し、黒妻が黒子を容赦なく蹴り飛ばす。
黒子が蹴り飛ばされたのを見た直後、美琴の体から雷が放たれる。
放たれた雷は男達に当たりはしなかったが近くの建物の一部を破壊するのだが、美琴はこの状況に困惑していた。
「ど、どうなってんのよ・・・!?」
「ははっ、コントロールできないだろ?知らないだろうから教えてやるがこいつはキャパシティダウンってシステムでな、音が脳の演算能力を混乱させるんだってよ。まぁ俺達にはただの甲高い音にしか聞こえないけどな」
「つまり、この妙な音が原因で二人は自分の力がうまく使えなくなってるって事か・・・けど、僕には意味ないよ?」
困惑する美琴に対して自慢するように語る黒妻に対し、クロウがフッと笑みを浮かべる。
直後、突然クロウの右手から銀色の雷が迸り始め、クロウが右手を突き出すと同時に銀色の雷が放たれる。
放たれた雷をまともにくらって、数人が悲鳴を上げながらもぶっ倒れる。
「「「「っ!!?」」」」
「な、何だと!?」
「ど、どうしてアンタは普通に能力が使えるのよっ!?」
「あぁ、僕の使う力は君達のとは違うからだよ」
「こ、この野郎!」
「やっちまえぇっ!!」
この状況に訳が分からないと言う様子で黒妻や男達が見る中で、美琴が驚いた様子で尋ねるのに対して答えながらも右手からはまだバチバチと音を立てながらも雷が迸っているクロウを見て、怯える男達の中から数人の男が鉄パイプやナイフを構えて一斉に向かってきた。
それを見て雷を放つまでもないと判断したクロウは、体術のみで交戦し始める。
体術のみとは言っても戦い慣れているクロウに対して男達の実力は大したことはなく、次々と倒されていく中で男の一人が拳銃を持って銃口をクロウに向ける。
そしてそのまま銃を撃とうとしたその時、誰かが銃を持つ手を掴んだ。
「なっ!?」
「やめとけよ、お前等の腕じゃ同士討ちになるだけだぜっ!!」
「あがっ!?」
いきなり銃を持った男の手を持った誰かは男に告げながらもそのまま男を蹴り飛ばした。
美琴達や黒妻、周りにいる男達も銃を持った男を殴り飛ばした誰かを見て困惑する中でクロウは思わず声を上げてしまう。
それはコンビニで出会った革ジャンの男だったからだ。
「あぁっ!?ムサシノ牛乳の人!」
「ん?おぉ!バンホテーンの坊主じゃねぇか。また会っちまったな?」
「な、何してるんですかこんな所で!?」
「いや、ちょっと野暮用があってな」
「あぁっ!?黒妻さん!あいつです!俺達の邪魔をしやがったのは!」
「な・・・んで・・・!?」
「黒妻さん!?」
「ど、どうしたんですか!?黒妻さん!」
革ジャンの男に慌てて駆け寄るクロウに対し革ジャンの男は笑いながらも答えている中で、黒妻に対して男の一人が思い出したかのように声を上げあがらも話しかける。
だが、その言葉は黒妻には届いておらず黒妻は革ジャンの男を見て呆然としている。
何事かと思いながらもほかの男達も黒妻に声をかけている中、革ジャンの男は近くに置いてあった車に乗せられたスピーカーのケーブルを引っこ抜く。
それによって、音が止んだ。
「っ、音が・・・」
「止んだ・・・?」
「大丈夫か?そっちも」
「あ、はぁ・・・」
「悪いんだけど、これ持っててくれる?」
「えっ?」
いきなり出て来た革ジャンの男にポカンとなる美琴と黒子。
そんな二人を余所に革ジャンの男は、美琴に自分が持っていたムサシノ牛乳を預けるとそのまま黒妻に歩み寄った。
「・・・久しぶりだな、蛇谷」
「・・・黒妻、さん・・・!?」
「っ?黒妻・・・?」
「どういう事ですの・・・?」
革ジャンの男を黒妻が『黒妻』と呼んだ――
この状況に困惑するクロウ達を余所に二人の会話が続く。
「あの時、あんたは死んだはず・・・!」
「あー、じゃあ幽霊って事にしてくれていいぜ?」
「幽霊、だと・・・だったら、墓の下に戻したらぁっ!!お前等、やっちまえぇっ!!恐れる事は無い!いくら強くても、こっちには武器があるんだからなぁ!」
「・・・蛇谷、お前・・・変わったな」
黒妻の言葉の直後、様々な武器を持った男達が革ジャンの男に向かっていく。
それを見た革ジャンの男は呟きながらも駆け出してそのまま男達を素手で殴り飛ばしていく。
戦い始めた革ジャンの男の姿を見て、クロウも慌てて駆け出して革ジャンの男に加勢する。
そしてそのまま革ジャンの男と共にクロウは次々と蹴散らして行ったためにあっという間に動ける人数が少なくなっていく。
それを見た黒妻は急いで周りにいる男達に指示を出す。
「ちぃ・・・おい、お前等!あれを使えっ!!」
黒妻の命令を受けた男達は一斉にヒマワリロックシードを取り出す。
そしてロックシードを開場するや否やクラックがあちこちに出現して、そこから実体化した状態で初級インベスが姿を現した。
「ちょ、嘘でしょ!?」
「なっ!?どうして実体化してますの!?」
「っ、こいつぁ・・・ちょっとやばいか?」
「いえ、問題ありませんよ」
実体化した状態で初級インベスが現れたことに驚く美琴と黒子。
革ジャンの男が初級インベスを見て厄介だと言わんばかりに呟いた言葉に返しながらもクロウはウィザードライバーを装着。
そして、両手に指輪を付けた後にウィザードライバーを操作して左手をかざす。
「変身!」
《フレイム、プリーズ!ヒー、ヒー、ヒーヒーヒー!》
「なっ・・・!?」
「あ、アーマードライダーだと!!?」
「アーマードライダー?よく分かんないけど・・・僕はウィザード、仮面ライダーウィザードさ」
《コネクト、プリーズ》
「ちぃっ!名前なんかどうでもいい!やっちまえぇっ!!!」
クロウが姿を変えた事に驚く面々の前で、魔法陣に手を突っ込んですぐに抜いた時に持っていたウィザーソードガン・ガンモードを構えるウィザード。
それを見て苛ついた様子の黒沼の怒鳴り声と共に一斉に操作を受けてウィザードに襲い掛かろうとする初級インベス達に対し、ウィザードはウィザーソードガンのハンドオーサーを展開して左手で握る。
《フレイム、シューティングストライク!》
「はぁぁぁぁぁっ!!」
「「「「「「ギギャァァァァァッ!!?」」」」」」
電子音声に合わせてウィザーソードガンを横に振るいながらも連射することによって火炎弾が連射される。
放たれた火炎弾は初級インベス達に直撃し、次々と派手な爆発を起こしながらも初級インベス達はあっという間に一掃される。
「う、嘘だろ、インベスをこうもあっさり・・・!?」
「マジかよ・・・!?」
あっという間にやられたインベス達を見て困惑した様子となりながらも、黒沼の周りにいた男達が戦意を喪失し始める。
それに対しウィザードと革ジャンの男がゆっくりとこちらに歩み寄ってきたのだが、それを見た黒妻は数歩後ずさりをしたかと思うとそのまま悲鳴を上げてその場から逃げ出した。
それを見て男達も慌てて追いかけて行く事でこの場を後にするのであった。
数分後・・・
「どうだ、少しは楽になったか?」
「まだ力が入んない感じなんだけど、何とか・・・そういえば、あの男は黒妻じゃないの?」
「昔は蛇谷って言ったんだけどな・・・今は黒妻って呼ばれているらしい」
「で、本当の黒妻は貴方、でいいんですよね?」
「あー、そう呼ばれてた時期もあったなぁ・・・」
完全に男達がいなくなった後、美琴に声をかける革ジャンの男。
それに対し肩を回しながらも美琴が男に尋ねると、黒妻と呼ばれていた男は『蛇谷』と言う名である事を教えてくれる。
それに続くように、クロウが尋ねるのに対しても答えながらも革ジャンの男こと本当の『黒妻綿流』は美琴に預けていたムサシノ牛乳を返してもらうとそのまま飲み始める。
「ふぅ、やっぱ牛乳は「ムサシノ牛乳」ん?」
「っ?君は・・・」
一旦牛乳から口を離してクロウに対しても言った言葉を言おうとするが、その前にその言葉の続きを誰かに言われる。
その言葉を聞いていつの間にかそこには眼鏡をかけた一人の少女が立っていた。
それは黒子と同じ風紀委員に所属している『固法美偉』であった。
「固法先輩!?」
「どうしてここに・・・」
「・・・先輩、生きてたんですね」
「・・・久しぶりだな?美偉」
「「えっ・・・!?」」
「えっと、お知り合いですか?」
「ん?あぁ、ちょっとな・・・」
「・・・どうして、どうして連絡をくれなかったんですか!?私はてっきり・・・」
突然現れた固法に驚く美琴と黒子に追い打ちをかけるかのように二人はまるで知り合いのような会話をし始める。
それに仰天する二人を余所にクロウが尋ねると黒妻は笑いながらも答えると、固法は怒鳴るような口調で黒妻に尋ねる。
それを聞いて申し訳なさそうな表情となった黒妻は彼女の右腕についている風紀委員の腕章に気づく。
黒妻の視線に気づいた固法は咄嗟に腕章を手で隠す様子を見てクロウが首を傾げる中、黒妻は歩き始める。
そして、固法に対してすれ違いざまに一言告げた。
「安心しろ、すぐに消えるさ」
「っ、先輩っ!!」
黒妻の言葉に思わず振り返りながらも固法は黒妻を呼び止めようとするのだが黒妻はそのまま歩いて行ってしまった。
その光景にクロウもそうだが、美琴と黒子もどういう事なのかが分からないでいるのであった・・・。
「はぁ~、今日も疲れたねぇ」
「そうですねぇ・・・」
一方その頃、吉良はと言うとシャルロッテのバイトを終えて長谷川と篠内と共に帰路についている最中であった。
呑気に会話をしている中でふと思い出したかのような感じで長谷川が吉良に尋ねて来た。
「そういえば吉良、俺達が初めて会った時に異世界のアーマードライダーであるクウガと一緒にいたよな?でも、お前は今俺達のいる世界にいる・・・これは一体どういう事なんだ?」
「あ、えーっと・・・」
長谷川の質問に、吉良は話しておこうかと思いながらも篠内と長谷川に事情を説明しようとする。
その時、急に長谷川の腹の虫が鳴る。
「あー・・・ワリィんだけどさ、どっかでなんか食べながら話してもらっていいか?腹減った」
「構いませんよ、僕もちょっとお腹空きましたし」
「んじゃ、フルパーラに行こっか」
「フルパーラ?」
「果物をふんだんに使ったパフェとかケーキとか出す喫茶店だ、ここから近いしそこで話してくれよ」
「あ、はい」
篠内の提案を採用し場所を変えることにした三人。
そのまま吉良は、篠内と長谷川と共にフルパーラと言う店に行くことにした。
~フルパーラ~
「ふぅん・・・異世界を旅してまわってる、ねぇ・・・」
「しかも、俺達の世界は二つの物語がごちゃ混ぜになっている状態、か・・・」
「まぁ、信じられないかもですけどね・・・でも、僕の知ってる学園都市にはアーマードライダーもインベスもいないんですよ」
フルパーラでパフェをつつきながらも吉良から事情を聴く篠内と長谷川。
事情を聴いて驚いた様子の篠内と長谷川を余所に、吉良は普通にパフェの味を楽しんでいた。
「それはそうと、結構おいしいですね。ここのパフェ・・・」
「おぉ、そう言ってもらえるとうれしいぜ。頑張って作った甲斐あるよ」
「っ?」
吉良の呟きを聞いていたのか見知らぬ青年が声をかけて来た。
その青年は青いパーカーを羽織る青年であった。
「お、柏葉じゃんか・・・って、これお前が作ったのか?」
「へぇ、腕上げたじゃない」
「そ、そうか?ところで、お前等が他の奴と一緒に来る方が珍しいな・・・知り合いか?」
「あ、最近シャルロッテでアルバイトすることになった秋山吉良です」
「えっ!?シャルロッテのアルバイト!?良く面接通ったな、俺あそこの店長に気に入られなくて駄目だったのに・・・あ、俺は柏葉浩太。『チーム鎧武』のメンバーの一人さ」
「チーム、鎧武・・・?」
「えっ?チーム鎧武知らないの??」
「チーム鎧武ってのは、ビートライダーズって言うダンスチームの一つだよ。ビートライダーズってのはダンスやライダーバトルで競い合うダンスチームの総称。昔はインベスゲームってのもあったんだけど、今は色々あって禁止されてる」
「あ、なるほど・・・(大体、僕の知ってる鎧武みたいだな・・・)」
店に入ってきた青年こと『柏葉浩太』の言ったチーム名を聞いて思わずきょとんとなる吉良。
その様子を見て知らないのかと思い少しショックを受けた様子の浩太を余所に篠内が耳打ちする。
「ん?どうした篠内?」
「あ、ごめんごめん。この子最近この学園都市に来たらしくって・・・」
「へぇー、そうなのか・・・あ、そうだ!今度俺達と一緒に踊って見るか?」
「え、でも僕ダンスなんて・・・」
「大丈夫大丈夫、皆の前で踊るとかじゃないよ。失敗なんて恐れず、気軽にチャレンジしてくれたんで・・・」
「くぉらぁぁぁっ!みずがめ座の坊やぁぁぁっ!!」
柏葉が吉良に踊らないかと誘っていると突然聞き覚えのある声が響く。
何事かと思うと吉良達が声のした方を見ると何時の間にいたのか源介の姿があった。
「げっ!?シャルロッテのおっさん!」
「誰がおっさんよ!いい加減その言い方やめなさいっ!!」
「「て、店長!?」」
「ど、どうしてここに?」
「ここのマスターの腕を見てあげようと思ったの・・・それだと言うのに、来てみればクソガキがうちの新入りをスカウトしようとしてたのを見つけてね!」
「誰がクソガキだ!?みずがめ座の坊やと言い、いい加減名前で呼べよ!それよか俺はスカウトする気は全く無いって!」
「黙らっしゃい!プロフェッショナルの目はごまかせはしないわよ!」
突然現れた源介に驚く吉良達。
それに対し源介は一方的に浩太に突っかかり始め、慌てて誤解を解こうとするも全く聞こうとしない源介は何処からか取り出したドリアンが描かれた『ドリアンロックシード』を開錠する。
《ドリアン》
「ちょ、待てって!?」
「問答無用よ!変身!」
《ロックオン》
《ドリアンアームズ!ミスターデンジャラス!》
浩太が慌てて止めようとするのを聞かずに源介はドリアンロックシードを開錠すると、いつの間にか装備していた戦極ドライバーに装着。
そしてカッティングブレードを倒した事で頭上に出現していた緑色のドリアンが源介の頭に被さると同時に展開して装甲と化す。
それにより、頭部に赤いトサカを持ち装甲部には棘が付いていると言う姿をした仮面ライダーこと『仮面ライダーブラーボ』に変身を完了する。
そして変身を完了すると同時にブラーボは専用武器である棘が大量についているノコギリ状の武器『ドリノコ』を構える。
「あーた・・・今日と言う今日はきっついお仕置きしてあげるわっ!!」
「だから誤解だって!あー、もぅ!!」
《オレンジ》
《ロックオン》
「あ、こら!お待ちなさぁーい!!」
「変身!」
《ソイヤッ!オレンジアームズ、花道オンステージ!》
ドリノコを浩太につきつけながらも言い放つブラーボに対し、浩太は戦極ドライバーを装着すると同時にオレンジが描かれた『オレンジロックシード』を開錠して戦極ドライバーに装着しながらも店を後にする。
それを見て慌てて追いかけて行くブラーボを余所に店の外に出た途端にカッティングブレードを倒した浩太に頭上に出現していたオレンジが落ちてきて展開して装甲へと変化し装着されることで鎧武者を思わせる姿をした仮面ライダーこと『仮面ライダー鎧武』へと変身を完了する。
そしてそのまま鎧武は逃げるように駆け出して行き、ブラーボはそれを追いかけて行ったのであった。
「えと・・・どうします?」
「・・・とりあえず、追いかけるか」
「だ、ね・・・」
二人のライダーを見ていた吉良達はとりあえず追いかけようとパフェ代をちゃんと払った後にフルパーラから出て行って、二人を追いかける。
それに合わせるかのように、店内の隅の方で座っていた黒い帽子を被った男が後を追うように店を後にするのであった・・・。
To be continued・・・