そんな日の翌日に光風館に思わぬ来訪者が現れる・・・。
※2016年、3月2日 文章を追加しました
~光風館~
「ふぅ・・・初日から凄い事になったねぇ」
「全くですよ・・・それにしても、昨日のファンガイアは何だったんでしょうかね?」
「ファンガイアって・・・確か、キバの世界の怪人だったよね?」
「そうだよ、本来ファイズの世界にいないのに駒王学園に現れて戦ったんだ。逃げられちゃったけど・・・」
スワローテイルファンガイアとの戦いの翌日の朝、二人は朝食を食べながらも小さくため息をついていた。
その会話を聞いていたキズナがファンガイアの事を思い出していたので、吉良が昨日の出来事を簡単に説明しながらも答える。
やり取りを聞いていて大変だったんだなぁ、と宗一郎が思いながらも朝食を食べている最中にインターホンが鳴らされた。
「っ?誰だろう、こんな朝早くから・・・」
「私が見に行くよ」
インターホンが鳴ったと同時にキズナが時計を見ながらも呟く中で、宗一郎が玄関へと向かっていく。
ドアが開く音がして、少しすると少し急ぎ足で宗一郎が戻ってきた。
「吉良君、クロウ君。お迎えが来たみたいだよ?」
「っ?お迎え?」
「あれ、別にそんなの頼んでないけど・・・」
宗一郎の言葉に思わず首を傾げる吉良とクロウは誰だろうと思いながらも玄関へと向かった。
「よ、よぉ・・・」
「お、おはようございます、二人とも」
「おはよう、二人とも」
「「・・・え?」」
それと同時に聞こえた声に吉良とクロウは固まりながらも来訪者の姿を見る。
何故なら、そこにいたのは困った表情をした一誠とアーシア、そして笑みを浮かべているリアスだったからだ。
数分後・・・
「行ってらっしゃーい」
「「い、行ってきまーす」」
朝食を食べ終えて荷物を持った二人は宗一郎に見送られながらも光風館を出て、一誠達と共に歩き始める。
光風館から出て少ししたところで誰も周りにいない事を見ながらも吉良が一誠とアーシアに尋ねる。
「・・・二人とも、どうやって僕達が光風館にいると言う事を知ったの?」
「ごめんなさいね、私達の前からいなくなろうとした時に念のために私の使い魔を呼び出してていなくなった貴方達の後を追わせていたの」
吉良の言葉に対し、一誠とアーシアではなくリアスが答える。
それに合わせてボン、と煙を立てて小さな蝙蝠のようなものが現れた。
それに少し驚く吉良の前で再びボン、と煙を立てて蝙蝠の様なものが消えた所でクロウが口を開いた。
「・・・僕達の正体は既に御見通しって事ですね」
「えぇ、そうなるわ。今日の放課後、一誠達と一緒にオカルト研究部の部室に来てくれる?色々と聞きたいことがあるの、貴方達の事・・・そして一誠達と共に出くわした怪物の事もね」
「・・・どうする吉良君?」
「・・・ばれてる以上仕方ないです、話しましょう・・・その代り、そちらの事も少々聞いても大丈夫でしょうか?」
「えぇ、構わないわ」
リアスの言葉に観念したかのようにクロウが吉良を見る。
それを見た吉良は観念したかのように答えながらもこちらもいろいろ聞こうと思い尋ねると、リアスはあっさりと了承してくれた。
そんな事をやっている内に吉良達は駒王学園に到着するのだが、周りの生徒達がリアスの姿を見て何やらざわつき始める。
「っ?何か周りがざわつき出してない・・・?」
「あー・・・部長は学園のアイドルみたいなもんだからな」
「アイドル、か・・・まぁ、確かに凄く綺麗な人だし納得できるね」
周りを見て少し困惑するクロウに一誠が説明する。
それを聞いて納得しながらも全員揃って校内に入ったところでリアスが口を開く。
「それじゃ、私はここで・・・また放課後に会いましょう?秋山吉良君、クロウ・スペリオル君」
「「あ、はい」」
「「イッセェェェェェッ!!」」
「ぎゃぁぁぁっ!!?」
「うわぁっ!?」
「い、一誠くーん!?」
「一誠さぁぁぁん!?」
手を軽く振りながらもリアスは吉良達と別れる。
それを見送っていたその時、猛スピードで現れた松田と元浜が一誠を蹴り飛ばした為に驚きながらも何事かと思う吉良とクロウとアーシア。
その直後に松田が吉良に、元浜がクロウに掴みかかってきた。
「秋山ぁぁぁぁぁぁっ!!」
「スペリオォォォォォルッ!!」
「うわぁっ!!?」
「な、なになに!?何事!!?」
「お前等!何で二人揃ってリアス先輩と一緒に登校してるんだっ!転校してきたばかりの奴がどうして我が学園のアイドルであるリアス先輩と一緒に登校出来るんだぁぁぁぁっ!!?」
「それだけならまだしも、貴様等アーシアちゃんとまで一緒にいるとは!一体全体二人揃って何をやったぁぁぁぁっ!!?」
「いやいやいや!僕達だけじゃないし!一誠君も一緒だったよ!?」
「てか、何で一誠君ぶっ飛ばしちゃうの!?」
「「そんなどうでもいいっ!とっとと質問に答えろぉぉぉぉっ!!!!」」
いきなり掴みかかられたので何が何やらと思う吉良とクロウに松田と元浜が大泣きしながらもどうしてリアスとアーシアと共に登校したのかと二人を問い詰め始める。
それに対してクロウと吉良が倒れている一誠を指差しながらも反論しようとするが松田と元浜がどうでもいいと返しながらも問いただすのを止めはしなかった。
そのまま吉良達が周りの視線をそっちのけでばか騒ぎをし始めるの中、一誠の安否をアーシアはおろおろしながらも確認しているのであった・・・。
放課後・・・
「あー・・・もぅ、朝っぱらから大変だったね」
「松田君と元浜君だけなら良かったですが、クラスの男子や女子からも質問攻めにあいましたしね・・・」
「・・・なんか本当にすまん。アイツ等も悪い奴等じゃないんだ」
吉良とクロウは少々疲れた様子で廊下を歩き、その隣で心配した様子のアーシアを余所に一誠が謝罪していた。
吉良の言う通り、朝の松田と元浜との馬鹿騒ぎを何とか終わらせて教室に向かうと今度はクラス中の男子と女子に質問攻めにあったのだ。
どうしたものかと考えていた二人の様子を見かねたアーシアが『一誠さんが二人の家を知ってて、一緒に登校しようと私が言ったから皆で登校したんです』と説明したことで何とかなったのだ。
それはさておき、現在吉良とクロウは一誠とアーシアと共に旧校舎へとやってきていた。
その理由はもちろん今朝リアスにオカルト研究部の部室に来るように言われているからだ。
そして、一誠とアーシアの案内もあったのもあるがあっという間にオカルト研究部の部室前にやって来るとそのまま部室に入っていく。
オカルト研究部の部室は何やら至る所に何かの文字が書かれており、部室の中央には大き目の魔法陣が描かれてあった。
「うわ、何かすごいな・・・」
「おぉ、いかにもって感じですねぇ・・・」
「ふふっ・・・ようこそ、オカルト研究部の部室へ」
「部長、彼等が昨日話していた・・・」
「えぇ、そうよ」
「えーっと・・・君達は?」
「あ、ごめんごめん。僕は木場佑斗、オカルト研究部の部員だよ」
「・・・塔城小猫、私もオカルト研究部の部員です」
「ホントはもう一人いるのだけど・・・まぁ、良いわ。吉良にクロウ、貴方達の事情・・・聞かせてもらえるかしら?」
吉良とクロウが部室の中を見て驚いているところにソファーに腰掛けていたリアスが立ち上がりながらも歩み寄ってくると、金髪の青年『木場佑斗』が白髪の少女『塔城小猫』と共に近づいてきた。
木場の言葉にリアスが答えている中、木場と小猫の事を知らないクロウが尋ねると、謝罪しながらも木場は小猫と共に簡単に名乗った。
それを見ていたリアスはさっそく本題に入ろうと声をかけて来たので吉良とクロウは事情を話し始めた。
「色んな異世界を旅をしている、ですか・・・!?」
「しかも、本来の俺達の世界にはファイズの力は存在しないだって・・・!?」
「そして、色んな世界を荒らしまわってる奴等がこの世界に来てる、か・・・」
「・・・なるほど、貴方達の事情は大体分かったわ」
自分たちの事情を説明した吉良とクロウの言葉に驚きを隠せないオカルト研究部の面々を余所に二人の話を信じたのかリアスは納得している素振りを取っていた。
それを見ていたクロウは次はこちらから尋ねようと思い、リアスに問いかけた。
「それじゃ、次はこちらが質問しますけど・・・リアス部長、貴方は一体何者ですか?」
「と、言うと?」
「・・・貴方からは異常、と言ってもいいほどの強大な魔力を感じたんです。僕の世界で言う『ロストロギア』と呼ばれる使い方を間違えたら世界を崩壊させてしまうような代物並の・・・」
「そ、そんなレベルなんですか・・・!?」
「あ、あのね・・・私は流石にそこまで物騒な存在じゃないわよ?」
クロウの言葉に『ロストロギアは大体物騒な物ばかり』だと考えていた吉良は驚きながらもリアスを見る。
クロウの言葉や吉良のリアクションに失礼なと言わんばかりに返した後に、リアスは立ち上がると同時に二人を見ながらも告げる。
「私は・・・いや、このオカルト研究部のメンバーは、悪魔なの」
リアスは笑みを浮かべながらも告げた途端、リアス達オカルト研究部の面々の背に一対の黒い翼が現れる。
リアスの背の翼に驚くクロウに対し、吉良はリアス達の事を知ってる為に何かカッコいいなぁとどうでもいいことを考えていた時に、クロウは一誠とアーシアにも翼がある事に気づいた。
「っ?一誠君とアーシアさんも悪魔なの?」
「あ、あぁ。実は俺達も悪魔なんだ」
「だ、黙っていてすみません」
「あ、ううん。気にしないでよ・・・ところで、悪魔って何をするんですか?」
「簡単に言うと、人間の願いを叶えてその魂を奪うの。これを使ってもらってね」
クロウの言葉に申し訳なさそうにする一誠とアーシアに気にしないでと言いながらも別の質問をするクロウ。
それに対して、オカルト研究部の面々が翼をしまう中リアスは少々物騒な答えを返しながらも何かを取り出す。
それは『貴方の願いを叶えます!』と書かれ、魔法陣が描かれたチラシであった。
「っ?何ですかこれ?」
「私達が配っているチラシよ、書かれてある魔法陣は私達を呼び出すための物なの」
「チラシを配る、ですか?」
「えぇ、最近は魔法陣を書いてまで悪魔を呼び寄せる人なんていないから、簡易魔法陣をこうしてチラシとして悪魔を呼びそうな人に配っているの」
「「へぇー・・・」」
取り出したチラシを見て首を傾げるクロウに説明するリアス。
その説明の内容にそのあたりを詳しくは知らなかったのでクロウと共に吉良が納得していた所で、リアスが吉良に尋ねて来た。
「私達の事はこの位にして・・・昨日の怪物の事を教えてもらってもいいかしら?」
「あ、はい。昨日出て来た怪人はファンガイア・・・あれは吸命牙と呼ばれる牙の様なものを使用して人間の生命エネルギーであるライフエナジーと言うものを吸い取っていってるんです」
「吸い取られると、どうなっちゃうんですか?」
「・・・体がガラスみたいになって、最終的には砕け散る」
「っ・・・同じです」
「えっ?見た事あるの?」
「さっき部長が話した簡易魔法陣で私が呼び出された先でお二人が話していたファンガイアと言う怪物に出くわしてその光景を見ました・・・そのまま襲われたので応戦しましたが、逃げられてしまいました・・・」
ファンガイアの事を説明する中、小猫の呟きに反応する吉良。
そんな彼に対して小猫が返していると、突然部室のドアが開かれる。
全員がドアの方を見てみると、そこにはポニーテールの黒髪の少女の姿があった。
「部長、お話が・・・あら?お客さんですか?」
「っ?あの人は・・・」
「オカルト研究部の副部長、姫島朱乃先輩。さっき部長が言ってたもう一人の部員だよ」
「ちょっとこの二人には聞きたいことがあってね・・・それより、話って?」
「え、ええと・・・」
来客がいる事に少し驚いているポニーテールの少女『姫島朱乃』の説明を耳打ちで木場がクロウと吉良に説明する。
そんな中、リアスは朱乃の言葉が気になって尋ねるのだが朱乃は何やら言いにくそうな態度をとる。
それを見て、一般人であると思われている吉良とクロウがいるから話しづらいのだろうと考えて吉良が声をかける。
「あ、大丈夫ですよ?オカルト研究部の裏の顔は今リアス部長からお聞きしたので・・・裏の顔の方で何かあったんですね?」
「う、裏の顔って・・・危ない集団みたいに言うのやめてもらえないかしら?」
「うふふ、面白い事を言う子ですわね」
朱乃に対しての吉良の発言に、思わずこけそうになるリアス。
そんな様子を見ていた朱乃は思わず微笑みながらも、リアスに続けた。
「実は、使い魔マスターから緊急の依頼が入りましたの」
「つ、使い魔マスター?」
「使い魔の森・・・?」
「使い魔マスターは文字通り使い魔の専門家よ、そして使い魔の森と言うのは悪魔が使役する使い魔が沢山いる森の事よ・・・それはそうと、緊急の依頼って何なの?」
「はい、なんでも使い魔の森で妙な怪物が徘徊しているそうで何とかしてほしいそうですの。使い魔の森にいる使い魔たちを片っ端から捕獲してまわってるみたいで・・・」
「妙な怪物、ね・・・分かったわ、今日の夜に向かいましょう」
「え、ちょ、すぐに行かなくていいんですか?」
朱乃の言った言葉に一誠とアーシアが何のことか分からないでいるのを見たリアスが簡単に説明しながらも尋ねると朱乃は続ける。
朱乃の言った妙な怪物と言う言葉が気になりながらも夜に行くと言い始めたので、クロウは驚きながらも今すぐ行かなくていいのかと尋ねた。
「彼は満月の夜にしか会ってくれないの、それに・・・悪魔の仕事は夜に行うものだから」
「あ、そうなんですか・・・」
「・・・あの、僕達もそれに同行してもいいですか?」
「えっ?」
「その妙な怪物が僕達が追っている奴等だったら、放っておくわけにはいきません。それに、この世界の人達では対処できないものまでいるかもしれませんから」
「・・・分かったわ、頼りにさせてもらうわ・・・あ、でも・・・」
「大丈夫です、家族には連絡入れておきますから」
リアスの説明を聞いてへぇー、と思っているクロウ。
そんな中で吉良がリアスに言った言葉にリアスとオカルト研究部の面々も少し驚いた様子となる中、吉良は真剣な表情で告げる。
吉良の様子を見ていたリアスは少し考えた後吉良の同行を許すのだが家の方は大丈夫かと尋ねようとするが何を言おうとしたのか気づいていたかの如く吉良が返す。
そしてそのまま吉良は光風館に連絡を入れ、少しして連絡を終えた。
「今終わりました、同行しても問題なさそうです・・・あと、増援も来るそうです」
「増援?お前ら以外にも戦えるのがいるのか?」
「まぁね、僕達だけで旅してる訳じゃないから・・・ところで、誰か来るの?」
「分からないです、零慈が光風館に偶然来てたらしくって・・・電話を聞いて増援を送るって言ったみたいなんです」
「そっか・・・えと、夜まで待機・・・ですよね?」
「そうなるわね」
クロウの確認に頷いて答えるリアス。
それから、吉良とクロウはオカルト研究部の面々と共に部室内で夜になるまで過ごすのであった・・・。
しばらくして・・・・
「ここが使い魔の森ですか・・・」
夜になったところで、部室にあった魔法陣を利用して一誠達と共に使い魔の森へとやって来た吉良とクロウ。
やたら静かな森の中で周囲を見渡していると、突然目の前に灰色のオーロラが出現する。
何事かと思う一誠達を余所に吉良とクロウはそれぞれ変身アイテムを構えようとするが、オーロラから出てきた人物を見てそれを止めた。
何故ならオーロラから現れたのは零慈とソーマ、そしてカンタビレだったからだ。
「よっ、二人とも!」
「遅れてすまない」
「増援隊ただいま到着、って所かな?」
「カンタビレさん!ソーマさん!零慈!」
「っ、知ってる人と言う事は・・・もしかして、この人達が増援なのかい?」
「そうなるね・・・ところで、零慈も参加するの?」
三人が声をかけながらも歩み寄って来たので、少し戸惑いながらもクロウに木場が声をかける。
それに対して、クロウが頷きながらも答えると少し意外そうにしながらも零慈に尋ねた。
「念のためだよ、何が起こるか分からないからな」
「私とソーマの場合、これを使って戦いたかっただけなんだがな。模擬戦は何度もやったが実戦はまだなのでな」
「しっかし、いかにも何かでそうって感じの雰囲気の場所だな・・・」
「此処は悪魔が使役する使い魔の沢山住み着いている森なんだって」
「へぇー・・・」
クロウの言葉に零慈が返していると、カンタビレも懐から取り出した戦極ドライバーを見せながらも告げる。
そんな中、ソーマが森の様子を見て呟いた言葉を聞いたクロウが簡単にこの場所の事を説明するのであった。
「おぉ!すまないなっ!急に連絡よこしちまったってのにっ!!」
「っ!?誰だっ!!」
そんな時に急に響いた声に一同が驚く中、一誠が声を上げながらも声のした方を見る。
それに続くように吉良達も声のした方を見ると、大樹の枝の上にラフな格好をした男が立っていた。
「すまんすまん、驚かせちまったな・・・俺はマダラタウンのザトゥージ!使い魔マスターを目指して修行している悪魔だっ!!」
「使い魔、マスター・・・?」
「マダラタウン、どっかで聞いた事あるような・・・」
「えっと、あのおっさん誰だ?」
「使い魔の専門家らしいよ、何でもこの森で妙な連中が徘徊してるから何とかしてほしいと頼んできたんだって」
「妙な連中が徘徊、か・・・だから、こんなに森が静かなのか・・・?」
突然現れた男こと『ザトゥージ』の言葉に何か引っ掛かるものを覚える吉良。
それを余所にザトゥージが大樹から降りている間に事情を知らない零慈に対してクロウが説明すると、零慈は周囲を見渡す。
その時、どこからか赤い触手が伸びて来たかと思うとアーシアの体に巻きついて、そのままアーシアは引っ張られていってしまう。
「きゃぁぁぁぁっ!!?」
「っ!?アーシアッ!!」
引っ張られていくアーシアの手を一誠が掴む。
だが、アーシアを引っ張る力は凄まじいもので一誠がアーシア諸共引っ張られてしまう。
それを見て零慈がディバインドライバーで触手を叩き斬ろうと考えるが、それよりも速く動いたクロウがいつの間にか剣の形態にしたエクスを触手に振り下ろす。
エクスで放った一撃は触手を切り裂き、それによっていきなり引っ張られる力が無くなった事で一誠とアーシアが共に倒れてしまう。
そんな中、一同の前にタコを思わせる姿をした『オクトパスファンガイア』が現れる。
「おのれぇ、よくも邪魔を!」
「っ、ファンガイア!」
「早速お出ましか!」
「行くぜ、変身!」
《カメンライド、ディバイン》
「「変身!」」
《カメンライド、ディレイド》
《フレイム、プリーズ!ヒー、ヒー、ヒーヒーヒー!》
「なっ、仮面ライダーが三人も!?ま、まずいっ!ソーン様に報告せねばっ!!」
「あ、逃げたっ!?」
「逃がすかっ!!」
「待ちやがれっ!!」
ファンガイアの姿を見てクロウと吉良がそれぞれの変身アイテムを装着する中、零慈は素早くディバインドライバーのスリットにカードを通す。
それによって零慈の体は黒い炎に包まれてそのままディバインへと姿を変えると同時に、吉良とクロウも電子音声に合わせてディレイドとウィザードにそれぞれ変身する。
それに対しオクトパスファンガイアは三人も仮面ライダーがいるとは思ってなかったようで両足を車輪に変化させたかと思うとそのままかなりの速さでその場を逃げ出した。
逃走し始めたオクトパスファンガイアを見て、ディレイド達は急いで後を追おうとするのだが、意外と移動速度が速かったためにオクトパスファンガイアを見失ってしまうのであった。
「くそっ、見失った・・・!」
「折角とっとと終わらせれそうだったってのに・・・どこ行きやがった!」
「んー・・・こんな森の中だしなぁ・・・っ!そうだっ!!」
周囲を見渡すウィザードとディバインを余所にどうしたものかと考えていたディレイドは何か思いついたかのように声を上げながらもディレイドライバーにカードを装填する。
《フォームライド、ガイム・ジンバーピーチ》
《ミックス!オレンジアームズ!花道、オンステージ!ジンバーピーチ!ハハーッ!》
電子音声に合わせて頭上に出現したクラックから出て来たオレンジと桃が合体して陣羽織となって落ちてディレイドの頭に被さる。
被さると同時に陣羽織が展開して装甲となる事で、ディレイドは鎧武が通常のロックシードとエナジーロックシード、二種類のロックシードの力を使って変身した強化形態の一つ『ジンバーピーチアームズ』へと姿を変える。
「あ、その手があったなっ!」
「うん、ちょっと待ってて・・・」
「っ?何する気だ?」
「しーっ、静かにしててくれ」
忘れていたと言わんばかりに声を上げるディバインに対して答えながらもD鎧武は静かに目を閉じる。
何をするのか気になったザトゥージに静かにするようにディバインが注意したので、ディバイン以外がどういう事だと気になり始めるものの言われたとおり静かにする。
すると、D鎧武は他の面々の方を見ながらも口を開いた。
「・・・どうやらそこまで離れていない所にいるみたい。声が聞こえた」
「はっ!?」
「な、何も聞こえませんでしたけど・・・?」
「あ、ごめんごめん。この姿は耳が良くなるんだ。だから、離れた場所にいるさっきの奴の声が聞こえたんだ・・・でも、どうやらアイツ以外にもたくさんいるみたい」
「だったら、一誠君も変身しといたほうがいいかもね」
「あぁ、分かった」
「それじゃ、私達も変身しときましょうか」
「はい、部長」
ウィザードの言葉を聞いて頷きながらも一誠がファイズフォンを取り出すと同時に腰にファイズドライバーが出現する。
すると、一誠に続くようにリアスや他のオカルト研究部の面々も携帯を取り出すのだがその中でアーシアだけは銃のグリップを思わせる携帯を構えた。
それに合わせるように全員の腰にベルトが出現し、それを見てD鎧武達が驚く前でオカルト研究部の面々はそれぞれ携帯を操作してアーシアは口元に携帯を持っていきながらも携帯にあるトリガーを引く。
≪≪≪≪≪≪ Standing by ≫≫≫≫≫≫
「「「「「変身!」」」」」
《Standing by》
携帯を操作して響く音声に合わせて他の面々が声を上げ、ベルトの中央部に携帯を装着して横に倒す。
アーシアのみ携帯に向かって声を上げると同時に携帯から電子音声が響くと同時にベルトの右側に装着する。
≪≪≪≪≪≪ Complete ≫≫≫≫≫≫
それぞれが動作を終えると同時にオカルト研究部の面々は仮面ライダーに変身する。
木場は顔部分がギリシャ文字のΧ(カイ)を思わせる形状で、黒い体に所々に黄色のラインが入った戦士―『仮面ライダーカイザ』
朱乃は顔部分がギリシャ文字のΨ(プサイ)を思わせる形状で、白い体に所々に青いラインの入った戦士―『仮面ライダーサイガ』
リアスは顔部分はギリシャ文字のΩ(オメガ)を思わせる形状で、黒い体に所々に金のラインが入った戦士―『仮面ライダーオーガ』
アーシアは全体的にギリシャ文字のΔ(デルタ)をイメージさせるようなデザインで、黒の体に白いラインが入った戦士――『仮面ライダーデルタ』。
そして、小猫は体は全体的にカイザに似た感じだが頭部は顔の正面にギリシャ文字のΛ(ラムダ)が描かれているものとなった黒の体に水色のラインが入った戦士へと姿を変えるのだがD鎧武とディバインはその戦士の姿には見覚えがなかったので首を傾げてしまう。
「んっ?ファイズの世界にあんなライダーいないはずなんだけど・・・」
「俺も知らないな・・・なぁ、その姿って何ていうんだ?」
「帝王のベルトと呼ばれるベルトの一つ・・・『海のベルト』と呼ばれる『ラムダドライバー』で変身する、ラムダです」
「えっ?帝王のベルトに海のベルトなんてものがあるの?」
「っ?どういう事?」
「あー、その・・・僕の知ってる帝王のベルトのライダーってオーガとサイガしかいなくて・・・そもそも、僕の知ってる帝王のベルトのライダーはその二人しかいませんし」
「俺もだ、天のベルトと地のベルト以外に帝王のベルトがあるなんて聞いた事ない」
小猫の変身するライダーこと『仮面ライダーラムダ』の説明を聞いて困惑するD鎧武。
その様子が気になったオーガがD鎧武に尋ねてそれに答えるのに続くようにディバインも一言告げている間に何時の間にか戦極ドライバーを付けたソーマとカンタビレがロックシードを開錠する。
《バナナ》
《ロックオン》
《メロン》
《ロックオン》
「「変身!」」
《カモン!バナナアームズ!ナイトオブスピアー!》
《ソイヤッ!メロンアームズ!天下御免!》
電子音声と共に頭上にクラックが出現すると同時に叫びながらもカッティングブレードを倒す二人。
それに合わせてソーマの頭にバナナ、カンタビレの頭にメロンが被さって同時に展開して装甲となる事でソーマはバロンにカンタビレは斬月へと変身を完了する。
「く、果物が降ってきました!?」
「か、変わった変身ね・・・」
「あぁ、私も最初は戸惑ったよ」
「うし、皆変身したことだし・・・とっとと済ませちまおうか、吉良!案内よろしく!」
「了解っ!」
斬月とバロンの変身に驚くデルタと同じ様にオーガも少し戸惑い気味に声を上げた。
それを聞いて斬月も少し苦笑いしながらも返す中でディバインがD鎧武に声をかける。
それにD鎧武が頷いて答えると、そのまま一同はD鎧武に案内されながらも森の中を進んでいくのであった・・・。
「ソーン様!ソーン様ぁっ!!」
「何を騒いでいる?オクトパス」
オクトパスファンガイアはとある場所にいたソーンファンガイアの元へとやってきていた。
ソーンファンガイアの周りには、鼠を思わせる姿の『ラットファンガイア』の群れと共に数体のファンガイアの姿があり、その近くには幾つもの檻に入れられた様々な姿の使い魔の姿があった。
それはさておき、やけに慌てた様子のオクトパスファンガイアの様子が気になったソーンファンガイアが尋ねるので慌てたままでオクトパスファンガイアが答えた。
「か、仮面ライダーがこの森に現れました!」
「なっ!?おのれ、一体何処からやって来たと言うのだ・・・まぁ、いい。数は何人だ?」
「はっ、三人ほどでしたが・・・」
「三人か・・・よし、その位なら数で押せば何とかなる・・・」
「見つけたぞ!ファンガイアッ!!」
「っ、この声は!?」
三人と聞いてそれなら余裕だなとソーンファンガイアが考えていたその時、聞き覚えのある声が響く。
その声のした方を見るとD鎧武と共に大勢のライダーがこの場に姿を現した。
「あ、あれ!?増えてるっ!!?」
「何が三人だこの馬鹿者っ!!明らかに倍以上いるではないかぁっ!?」
「あいてっ!?」
「あっ!あいつキバの世界の騒ぎに絡んでたファンガイアじゃねぇか!」
「木場の世界?木場さんの世界なんてものがあるんですか???」
「いや、木場君の世界じゃなくて仮面ライダーキバって言うライダーのいる世界だからね・・・?」
「っ!おいおい、ありゃぁこの森に生息している使い魔達だぜ!?」
「貴女、その使い魔達をどうするつもりっ!!」
オクトパスファンガイアがソーンファンガイアに殴られる中、ディバインがソーンファンガイアの存在に気づく。
そんな中、素でボケるデルタの発言に思わずこけそうになりながらもD鎧武がツッコミを入れる中、ザトゥージが檻に入れられた使い魔たちに気づきそれを聞いたオーガがソーンファンガイアに少し声を荒げながらも尋ねた。
「ふん、こいつ等を売りさばいて我々レギオネクスの運営資金の足しにするのさっ!ここにいる使い魔達の中には存在が希少なものもいるらしいからなぁっ!」
「うわ、くだらねぇ理由・・・」
「使い魔をそんな事に利用しようとするなんて・・・絶対に許せないわっ!行くわよ皆っ!」
「「「「「はいっ、部長(さん)っ!!」」」」」
「ふん、数ではこちらが上だっ!かかれぇっ!!」
『『『『『うぉぉぉぉぉっ!!』』』』』
「俺達も行くぞっ!!」
「了解!あ、ザトゥージさんは隠れててくださいっ!!」
「おぉ、頼んだぜっ!!」
ソーンファンガイアの言葉と共に一斉に向かってくるファンガイア達を見てD鎧武達が迎え撃とうと駆け出し、そのまま乱戦状態で戦いが始まる。
そんな様子を少し離れた位置の大樹の枝の上でウォーロックと影武がこっそりと覗き見していた。
「やれやれ・・・ソーンの奴が何をしてるのか見に来てみればこんな森の中で乱戦をしているとは」
「ソーマとカンタビレが私と同じタイプのライダーになれるようになってるとはねぇ~・・・どうする?サーシェス」
「・・・ひとまず様子を見ましょう、下手に乱戦に割り込むと疲れますしね」
ウォーロックの言葉に対して、影武は了解と答えながらも頷く。
そして、二人はそのまま森の中を舞台に行われる戦いを覗き見しているのであった・・・。
To be continued・・・