仮面ライダーディレイド   作:白き翼

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突如現れたライザー・フェニックスとレーティングゲームで戦うこととなったリアスたち。

レーティングゲームまで10日の期限をもらったリアス達はさっそく行動を開始する・・・




修行、始まります!

 

~光風館~

 

「吉良、忘れ物無い!?着替えちゃんと入れた!?」

「入れたよ、大丈夫だって!えっと、後は・・・」

 

「吉良君、お世話になるんだからくれぐれもご迷惑をおかけしないようにね?」

「分かってますってっ!昨日何回も言ってたでしょう!?」

 

ライザーの一件の翌日の早朝、光風館では少しばたついていた。

キズナと宗一郎が色々言うのに答えながらも少し大きめのリュックの中身を確認する吉良。

 

「・・・よし、確認完了っと」

 

「おはよう、吉良君」

「あ、おはようございます。クロウさん。すみません騒がしくしちゃって」

 

「いや、それはいいよ。賑やかなの嫌いじゃないし・・・あ、足りないものあったら連絡してよ。コネクトでそっちに送るから」

「すみません、助かります」

 

中身を見終わって、吉良がバックのチャックを閉めているとそこに学生服姿のクロウがやってくる。

それに気づいて挨拶しながらも申し訳なさそうにする吉良に対して、クロウは首を横に振りながらも笑って返す。

 

そんなやり取りをしていると、突然インターホンの音が響いた。

 

「あ、来たみたいだな・・・よっと!」

 

「こっちは僕や零慈達に任せて、そっちはよろしくね?」

「分かりました、それじゃキズナ!宗一郎さん!行ってきます!」

 

「あ、行ってらっしゃい!」

「気を付けてね!」

 

インターホンの音を聞いた吉良はリュックサックを背負う。

それを見ていたクロウが声をかけてそれに返しながらも吉良はキズナと宗一郎に声をかけながらも玄関に向かう。

 

キズナと宗一郎が吉良に返している間に吉良は玄関に向かい、そのままドアを開ける。

そこにいたのは吉良の予想通り、自分と同じようにリュックサックを背負ったリアスであった。

 

「おはようございます、リアス部長」

 

「おはよう、吉良。準備は大丈夫そうね?」

「おはようございます、昨日帰ってすぐやりましたので大丈夫です・・・それじゃ、さっそく行きましょうか?」

「えぇ、一誠の家に集合と言う事にしてあるから合流しに行きましょう」

 

リアスと吉良は簡単にあいさつを済ませた後、二人揃って歩き始める。

 

 

 

早朝から一誠の家に行く理由は、オカルト研究部のメンバーで修業に行く事になっており吉良はそれに同行することとなっているのだ。

修行に行く理由はライザーとの一件の後に今よりも戦える力を手に入れるためにレーティングゲームの日まで自分たちを鍛えることにしたからだ。

 

何故吉良が同行しているのかと言うとレギオネクスがリアス達にちょっかいをかけてくると言う可能性が無いとは言い切れなかったからだ。

特に、使い魔の森の騒動で交戦したソーンファンガイアは自分の邪魔をした吉良達だけではなくリアス達も恨んでいるのはほぼ間違いない為に何かしら危害を加えてくる可能性が考えられた。

 

その為に、念のために自分も同行するとリアスに頼むとそれをリアスはあっさりとOKを出したから、今こうして彼女と共に集合場所である一誠の家の前に向かっているのだ。

ちなみに今日は平日なのだが、リアスが何とかするから気にしないでいいと言われているので吉良は気にしない事にしている。

 

 

 

「そういえば、使い魔の森で懐かれた光翼龍・・・フェンだったかしら?あの子はどうしたの?」

「留守番です、僕は使い魔の契約もしてないので・・・リアス部長の使い魔みたいにいきなり現れて、いきなり消えるようなのが出来ないので」

 

「そう・・・あの子、撫でてみたかったわ」

「っ?何か言いました?」

 

「い、いいえ・・・なんでもないわ」

 

ふと気になった事を尋ねたリアスに答える吉良。

その内容を聞いて少し残念そうにしながらもボソッと呟いたリアスの言葉が気になったがなんでもないと返されてしまう。

そんなやり取りをしながらも二人は一誠の家に到着し、家の前にいる一誠達と合流するのだが小猫の荷物を見て固まってしまう。

 

何故なら、吉良の荷物の数倍とも思える大きさのリュックを背負っているからだ。

 

「・・・塔城さん、その荷物は一体・・・」

「・・・修行の際に必要なものです」

 

「そ、そう・・・」

「さて、皆揃った事だし・・・目的地の近くまで行くわよ」

 

小猫の言葉に一体何を入れてるんだと思う吉良を余所に、リアスが指を弾く。

直後、一同の足元に魔法陣が現れて光と共に一同はその場から姿を消し、どこかの山の麓へと転移した。

 

「えーっと、ここからどう行くんですか?」

「ここから歩いて別荘に向かうわ・・・あ、その前に一誠、佑斗、小猫。小猫にはアーシアの荷物、佑斗には吉良の荷物、一誠は私の荷物と朱乃の荷物をお願いね」

 

「分かりました」

「はい、部長」

 

「ちょ、俺は二人分!?鬼ですか部長ぉっ!!?」

「ふふっ、何を言ってるの一誠・・・私は悪魔よ?」

 

「そ、そう言う意味じゃないかと思うんですけど・・・」

 

リアスの言葉に小猫と木場が頷いて答える中で、一誠は仰天しながらもツッコミを入れるがごとく叫ぶもののリアスはフッと笑みを浮かべて返す。

それを見ていた吉良は少しガクッとなりながらもリアスに言うのだが、言われた本人は聞いていないのか自分のリュックサックを一誠に渡すと続くように朱乃も自分のリュックサックを渡した。

 

「吉良君、貸して」

「だ、大丈夫?結構重いけど・・・」

 

「大丈夫だよ、こう見えて結構鍛えてるからね・・・よっと」

 

木場に言われてリュックサックを背中から降ろしながらも大丈夫かと心配する吉良に対し、木場は微笑みながらも返すと吉良のリュックサックを軽々と持ってしまう。

小猫に至っては既にとんでもない量を持っているにもかかわらず平気そうな顔をしている。

 

「さぁ、皆。出発するわよ」

「「「「はい、部長」」」」

 

「くそぉぉぉっ!負けるかぁぁぁっ!!」

 

「だ、大丈夫でしょうか・・・?」

「さ、さぁ・・・?」

 

皆、凄いなぁと吉良が思いながらも見ているとリアスが全員に声をかける。

それに合わせて移動を開始し始める中で一誠がやけになったかのように叫ぶと少しふらつきながらも進んでいくのを見ていて大丈夫だろうかと不安になってしまう吉良とアーシアなのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うーん・・・吉良君達、大丈夫かな・・・」

『何も騒ぎが起こってないと良いのですが・・・』

 

吉良達が山登りを始めているその頃、クロウは一人で駒王学園に登校している所であった。

そんな中、心配そうに呟くクロウに対し首からぶら下げられている状態のエクスも少し不安があるような感じに返すと言うやり取りをしながらもクロウは校舎に入ろうとする。

 

『バウッ!』

「んっ?」

 

その時、クロウの足元から何かの鳴き声が聞こえる。

クロウはすぐに足元を見ると、そこには小さな黒いケルベロスを思わせる姿をしたウィザードの世界に存在する『プラモンスター』と呼ばれるものの一体、『ブラックケルベロス』の姿があった。

 

ブラックケルベロスを見てクロウがまさかと考えた直後にブラックケルベロスはその場から勢いよく走り出していく。

走っていく方向には旧校舎があると考えながらもクロウはブラックケルベロスを追いかけ始める。

 

それからすぐにクロウは旧校舎の前へとたどり着くと、そこには肩にブラックケルベロスを乗せたある人物が立っていた。

それは仮面ライダーウォーロックの変身者であり、クロウもよく知る人物――アルケー・サーシェスであった。

 

「やっぱりお前か、サーシェス・・・」

「御機嫌ようスペリオル、学園生活を満喫しちゃってるみたいですね?」

 

「挨拶は良い、ブラックケルベロスを使って僕をここに連れて来て一体何の様だ?」

 

笑みを浮かべてクロウに挨拶するサーシェスに対して、要件を尋ねようとするクロウ。

すると、サーシェスは急に真剣な表情になりながらも話し始めた。

 

「実はちょっと妙な事態が発生しているようでしてね・・・それを伝えておこうと思っただけですよ」

「妙な事態、だって?」

 

「えぇ・・・どうやらこの世界の人間のライフエナジーを奪って回っているファンガイアが一体いる様なんです」

「単独行動を取っているファンガイア・・・あっ、もしかしてスワローテイルファンガイアか?」

 

サーシェスの言葉に、この世界に来た日に吉良と共に出くわしたスワローテイルファンガイアの事を思い出す。

ちなみに、スワローテイルファンガイアの名は事情を教えるように言って来たリアス達から逃げた後、光風館で吉良から教えてもらっている。

 

それはさておき、スワローテイルファンガイアの名を出した途端にサーシェスは少し驚いた様子となった。

 

「おや?ご存じなんですか?」

「あぁ、一度吉良君と一緒にいる時に出くわした。その時、僕達の知り合いのライフエナジーを奪い取ろうとしたけど・・・お前が言ってるファンガイアはそいつで間違いないか?」

 

「えぇ、単独行動を取っているファンガイアは貴方の予想通りです・・・ですが、私は彼がそんな事をするとは思えないんですよ」

「はっ?どういう意味だ?」

 

「レギオネクスに入って間もない頃に彼と話した事があるのですが・・・彼は非常に大人しい奴で、誰かを傷つけるのは嫌だと言ってました。他のファンガイアもアイツはここにいるのは向いてないと言われてましたしね」

「・・・僕達が出会った奴は、とてもそんな奴とは思えなかったぞ?」

 

「えぇ・・・実は私もこの世界で出くわしたんですが、私の知っている優しい彼ではありませんでした・・・文字通り、別人のように思えましたよ」

「別人、ねぇ・・・」

 

サーシェスの語ったスワローテイルファンガイアの姿が自分が出くわした奴とは違うと感じるクロウ。

それに対してサーシェスも少し困った様子で返していると、サーシェスは話を別の内容のものに切り替える。

 

「それともう一つ・・・この世界に我々レギオネクスでも、貴方を含めた旅人君御一行でも無い別の何かが忍び込んでいるみたいですよ」

「っ?お前達でも僕達でもない、別の何かだって・・・?」

 

「えぇ、ディナーレ曰く気に入らない奴が来たとかどうとか言ってましたが詳しい情報は全く分かりません・・・一応用心はしておいた方がいいですよ」

「・・・了解、覚えとく・・・用はそれで終わりか?悪いけど、あまり時間食ってられないんだよ」

 

サーシェスの話した内容が気になりながらももうすぐHRが始まる時間だと思いながらも、クロウはこの場を後にしようとする。

クロウが自分に背を向けた途端に、サーシェスは忘れてたと言わんばかりに声を上げた。

 

「あ、すみませんスペリオル!もう一つ用がありました」

「・・・ったく、纏めて言えよ・・・っと?」

 

「はい、用はこれで終わりです。どうぞ行ってください」

 

サーシェスの言葉に少しムッとなってしまいながらもクロウが振り返ると同時にカシャッ、と言う音が響いた。

何の音かと思ったがその音の正体はサーシェスがいつの間にか持っていた小型のカメラのシャッター音である事にすぐに気づいた。

 

何故カメラなんか持っているんだと思っているとサーシェスは笑みを浮かべながらも告げるのだが、告げられたクロウは困惑してしまう。

 

「サーシェス・・・今の行動にどういう意味があるんだ?」

 

「いえ、ただ単に普通の学生生活を満喫している貴方のその姿を一枚納めておきたいと思いましてね?私にとってはかなり新鮮な光景なので・・・」

「・・・それだけか?」

 

「あと、フェイトさんに見せてどういうリアクションを取るか試したいと思いました」

 

「・・・撮るだけならまだ見逃そうかと思ったけど・・・そのカメラぶっ壊すっ!!」

「おっと!」

 

念の為に、と思い尋ねたクロウに対し悪戯っぽい笑みを浮かべながらも告げるサーシェス。

直後、怒りを露わにしながらもクロウが右手を突き出して銀色の雷を放つと、サーシェスはそれをかわしながらも腰につけた状態となっていたウォーロックドライバーを操作して指輪をつけていた右手をかざす。

 

《テレポート、ナウ》

「では、用も済ませたんでこの辺で失礼しまーす」

「あ、待て・・・ったく、サーシェスの奴・・・!」

 

『マスター!急がないとHRに遅れてしまいますよ!』

「あ、やばっ!?」

 

電子音声と共に光に包まれるサーシェスを見て慌てて止めようとするクロウだったが、クロウが動くよりも早くサーシェスは彼の目の前から消えてしまう。

逃げられたことに少し苛ついた様子となるクロウに今まで黙っていたエクスが少し慌てた様子で言った言葉を聞いたクロウはハッとなりながらも慌てて教室へと向かっていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくして・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「着いたわよ、皆」

 

「おぉ~・・・」

「大きいですねぇ~・・・」

「た、確かに・・・で、でかい、な・・・」

 

リアスが告げると同時に、目的地である別荘を見て驚いた様子の吉良とアーシアと一誠。

ちなみに、荷物を持たずに歩いていたためか吉良とアーシアは少し疲れているだけだが、三人分の荷物を持っていた一誠はかなり息が荒い。

 

「さて、すぐに修行を行うから荷物を別荘の部屋に・・・っ!?」

 

リアスが別荘に入るように促そうとしていたその時、突然目の前に灰色のオーロラが出現する。

それを見た吉良が慌ててディレイドライバーを装着しながらも前に出て、警戒するのだがその警戒はすぐに解かれた。

 

何故なら、灰色のオーロラから現れたのは紫音とディアーチェとシュテルにレヴィ、そしてユーリとオーマだったからだ。

しかも、ユーリは光風館で留守番をしているはずのフェンを抱えていた。

 

「紫音さん!それに他の皆も・・・って、フェンまでいる!?」

「っ?貴方の知り合い?」

 

「えぇ、使い魔の森で協力してくれた二人と同じで・・・皆、僕の旅を手助けしてくれてる頼もしい仲間なんです」

「キュゥ~!」

「うわっと!?」

 

紫音達の事を説明していると、ユーリの腕の中から逃げ出したフェンが吉良に突撃。

思わずよろけてしまいながらもフェンを受け止めた吉良に紫音達が歩み寄ってきた。

 

「驚かせて済まない・・・光風館で宗一郎さん達から事情を聴いて応援に来たついでにこの子を連れて行ってあげようと思ってな・・・光風館に行った時にすごい寂しそうにしていたぞ?」

「そ、そうなんですが・・・ごめんね?フェン」

「クゥ~・・・」

 

紫音達が何故ここにいるのか、そしてどうしてフェンを連れて来たのかを紫音が説明する。

それを聞いた吉良は悪い事したな、と思いながらもフェンを撫でているとフェンは何やら嬉しそうにしていた。

 

「あらあら、うふふ・・・」

「・・・和みます」

 

「ふふっ、そうね・・・さて、と。気を取り直して荷物を部屋に置きに行って、すぐに修業を始めましょう・・・応援に来てくれた皆も案内するわ」

 

「すみません、急に押しかけてしまったのに・・・」

「大丈夫よ、部屋はいっぱいあるから・・・それじゃ、移動するわよ」

 

嬉しそうにしているフェンを撫でる吉良を見ていて微笑ましい光景だと思いながら優しい笑みを浮かべる朱乃の傍で少し笑みを浮かべて呟く小猫。

二人の様子を見てリアスも微笑むと、紫音達が出て来る直前に言おうとしていた事を告げながらも紫音達も付いてくるように言う。

 

それを聞いたとシュテルが申し訳なさそうに頭を下げるとリアスは気にしないでいいと返しながら、吉良達と共に別荘へと入っていき部屋へと案内する。

それから少しして動きやすい格好へと着替えたオカルト研究部の面々は特訓を開始する事になった・・・。

 

 

 

 

 

 

 

特訓その1

 

「うぉりゃぁぁぁっ!」

「そうじゃない、剣の動きを見るだけじゃなく視野を広げ、相手と周囲も見るんだ!」

 

最初に行われた特訓は剣術訓練。

リアス達と吉良達が見守る中で一誠と木場が木刀を使って軽い模擬戦をしているが、木場は一誠の攻撃を楽々と捌いていく。

 

そんな時、焦ったのか一誠が少し大振りの攻撃を放った際にそれをかわしながらも一誠の右側に回り込むとそのまま勢いよく木刀を振り下ろす。

力強く木刀に与えられた一撃によって、一誠の木刀は地面に落とされてしまう。

 

「っ、すげぇな木場・・・!」

「ほら、油断しないっ!」

 

「あだっ!?」

 

木場の実力を改めて実感している一誠に対し、木場は木刀を振り下ろして一誠の脳天に命中する。

思わず痛そうに頭を押さえる一誠を余所に木刀を構えようとした木場に対して、模擬戦を見ていたオーマが声をかける。

 

「木場、と言ったか?少し腕試しをさせてもらって構わないか?お前の実力が知りたい・・・」

「っ?構わないよ」

 

オーマの言葉に対して木場が頷いて答えたのを見て、オーマは一誠が使っていた木刀を片手で構える。

それを見た木場も木刀を構えると、そのまま二人は相手の出方を窺っていたかと思えば二人同時に駆け出してそのままぶつかり合い始める。

 

「っ、速いな・・・」

 

ぶつかり合ってすぐに木場と木刀を交えた感想を思わず呟くオーマ。

それに対して木場は素早く的確な一撃を次々と放っていくがオーマは難なくそれを防いでいく。

 

そんな時、オーマは力強く横に木刀を一閃するのだが木場はそれをあっさりとかわすとそのまま背後に回り込んだ。

 

「貰ったっ!」

 

がら空きとなっていた背後から木場が斬りかかろうとする。

ところが、オーマは木場に背を向けたままで自分の後ろで木刀を構える事で木場が放った一撃を防いでしまった。

 

「なっ・・・!?」

「うぉぉぉぉっ!!」

 

「うわっ!?」

 

思わぬ防御をしてきたことに驚く木場に対し、オーマはその場で回りながらも木刀を振るう事で木場の木刀を払いのける。

そして、オーマはそのまま払いのけられた時に体勢を崩した木場の首元目掛けて木刀を振るったかと思えば首に当たるスレスレの位置で止める。

 

「・・・僕の、負けだね」

 

「す、すげぇなアイツ・・・背後からの攻撃を後ろに向いたまま防ぐなんて・・・」

「今の防御って・・・」

 

「あれはバックガードと言う防御法です。元々長太刀を背負うような具合で、肩から背中を斜めにガードする構えですよ」

「「へぇー・・・」」

 

木場はオーマに対して言いながらも降参の意味を込めて両手を上げる。

それを見たオーマが木刀を下ろす中で、木場が負けた事に驚きを隠せない一誠の傍で首を傾げてる吉良を見ていたシュテルの解説を聞いてそんなのがあるのか、と一誠と吉良が思っている中で木場とオーマが話していた。

 

「まさか、あんな防御法を取るとは予想外だよ・・・」

「いや、あれは一か八かの防御法だった。正直、早さに追いつくのはやっとだったんだぞ?けど・・・お前の攻撃は単純すぎる気がした。何と言ったらいいか・・・そう、教科書通りの動きをしている感じだったな。こういうタイプは攻撃パターンが読まれやすいし、フェイントにも引っ掛かりやすい」

「なるほど・・・」

 

「もう少し意外性がある攻撃をしてみたらどうだ?例えば剣を持っていない方の手で相手の肩を掴んで思い切り頭突きをかましたり、相手を捕まえてブレーンバスターをお見舞いするとか・・・」

「えっ・・・?」

 

「ちょっと待って!頭突きはギリギリセーフかもしれないけど、何でブレーンバスターなの!?木場君は剣士だよ!?」

「そんなのしてたら佑斗の最大の武器であるスピードが生かせないわよっ!?」

 

真剣な表情で木場と話す中、真顔で妙な事を言い始めるオーマ。

それを聞いて困惑する木場を余所に、やり取りを聞いていた吉良とリアスはツッコミを入れるのであった・・・。

 

 

 

 

 

 

 

特訓その2

 

 

「ぐぬぬぬぬ・・・!」

「そうじゃないわ一誠君。魔力は体全体を覆うオーラから流れるように集めるのです、意識を集中させて魔力の波動を感じるのですよ」

 

「で、出来ましたぁっ!!」

「えっ!?」

 

剣術訓練が終わった後、室内に戻った一誠は朱乃と共に魔力の扱いに関する修行をアーシアと一緒に行い始める。

一誠は朱乃にアドバイスを貰いながらも集中して魔力の塊を作り出してみると米粒程度の大きさのものしかできていなかったのだが、アーシアはソフトボール位の魔力の塊を作り上げていた。

 

「あらあら、やっぱりアーシアちゃんは魔力の才能があるようですわね」

「ま、まぁ、アーシアが強くなるならそれはそれで・・・」

 

「げ、元気だしなよ一誠君、まだ始まったばかりだよ?」

「そう落ち込むな、吉良の言う通りまだ始まったばかりだ。諦めずに練習あるのみだ」

 

「あ、あぁっ!そうだなっ!!」

「ふふっ、その意気ですわ一誠君・・・それじゃ、一誠君は引き続き魔力を集中させる練習をしていてください。アーシアちゃんはちょっとステップアップしてみましょう」

 

朱乃に褒められて照れるアーシアの傍で複雑な表情となる一誠を見て見学していた吉良と紫音が声をかけ、それを聞いた一誠が頷いて答える。

そんな中、朱乃は水の入ったペットボトルを机の上に置いた。

 

何をするんだろうと思う一誠達の前で朱乃はペットボトルの中の水に魔力を送る。

直後、ペットボトルの中の水が動いたかと思うと鋭い刃と化して内側からペットボトルを破壊してしまう。

 

「うわっ!?」

「すげぇ・・・」

 

「慣れれば何もない所からでも炎や水、雷などを操る事が出来ますわ。アーシアちゃんこれを練習してみましょう」

「は、はいっ!」

 

壊れたペットボトルを見て驚く吉良と一誠に朱乃は微笑みながらも説明していく。

それを聞いてアーシアが早速練習を始める中で一誠も魔力の塊を作り出す練習を続ける。

 

けれども、結局は米粒程度のサイズから大きくなることはなかったのであった・・・。

 

 

 

 

特訓その3

 

「だぁぁぁっ!?」

「・・・弱っ」

 

次の特訓は小猫による体術の訓練。

 

悲鳴と共にぶっ飛ばされた一誠は木に激突した。

その様子を見て、ぶっ飛ばした張本人である小猫が呟いていると見学していたユーリが慌てて一誠に駆け寄る。

 

「い、一誠さん、大丈夫ですか!?」

「お、おう!まだまだぁぁぁ!!」

 

「・・・打撃は相手の中心線に向かって抉りこむように打つんです」

「ぬがぁぁぁっ!?」

 

ユーリに対して心配すんなと言わんばかりに立ち上がった一誠は再び小猫へと向かっていく。

 

それに対し小猫は一誠に対してアドバイスを送りながらも一撃で一誠をぶっ飛ばしてしまうが、一誠は諦めずに小猫に立ち向かっていく。

そんな様子をユーリと共に見学していた吉良がじっくり観察するように見ていた事にシュテルとレヴィが気づいて声を書ける。

 

「吉良、どうしたの?やけに真剣に見てるけど・・・」

「あ、いや、ライダーの戦いって基本は体術だから参考になるかと思って・・・」

「なるほど・・・」

「どわぁぁぁぁ!?」

 

吉良とレヴィとシュテルが会話していた所で一誠はまたぶっ飛ばされた。

それを見て流石に一誠を心配し始める吉良を余所にシュテルは小猫に歩み寄って行った。

 

「小猫さん、少し私の相手をしてもらってもよろしいでしょうか?」

「・・・構いません」

 

シュテルの言葉に少しきょとんとなりながらも返す小猫は拳を構える。

それを見たシュテルも拳を構えると、小猫が素早く近づいて拳を放つ。

 

咄嗟に腕を交差して小猫の拳を防御するシュテルは吹き飛ばされそうになりながらも何とかこらえる。

 

「っ、なかなかの一撃ですね・・・」

「はぁぁっ!!」

 

「・・・ですが」

 

小猫の一撃の重さに驚きを隠せないでいるシュテルに対し、小猫が畳み掛けるかのように攻撃を仕掛ける。

ところが、シュテルは小猫の攻撃を難なく受け流し始めてしまう。

 

「っ・・・このっ!!」

 

余裕そうなシュテルの姿が気に障ったのか小猫はシュテルを本気で殴り飛ばそうとする。

それに対してシュテルは小猫の放った一撃を軽く体を捻る事でかわすのだが、その時にはシュテルは右拳を構えていた。

 

「はぁぁぁっ!!」

「あぐっ!?」

 

シュテルの声と共に放たれた一撃は小猫を捕え、その一撃を受けた小猫は吹き飛ばされる。

そのまま小猫は近くにあった樹にぶつかるかと思ったが、いつの間にか小猫の背後にいたレヴィが小猫を何とか受け止めた。

 

「もぉ~シュテルん!やりすぎだよっ!!」

「あっ・・・加減を忘れていました」

 

レヴィがシュテルに少し怒った口調で声をかけるとシュテルがしまった、と言わんばかりに声を上げながらも小猫に駆け寄った。

それに続くように吉良達も慌てて小猫に駆け寄っていく。

 

「すみません、大丈夫ですか?」

「平気です・・・でも、今の一撃、とても重い一撃でした・・・」

 

「確かに・・・綺麗にカウンターが入ったね」

「カウンターは使いどころは難しいかもしれませんが、非常に有効な戦法でもあります・・・カウンターが可能なのであれば狙ってみるのもいいかもしれません」

 

「なるほど・・・」

 

シュテルに対して少しふらついた様子で答える小猫の言葉に頷く吉良。

それを聞いていたシュテルはカウンターの事で、小猫に質問をし始めた。

 

「ところで、小猫さんはカウンターがどういうものだと思っていますか?」

「・・・相手の攻撃の勢いがそのままこちらの攻撃に上乗せされる為に威力を倍加させられる・・・と言う風に考えています」

 

「一般的にはそういう感じですね・・・ですが、これは正確なものではないんです。通常、人は殴られる時には身を引いたり、目を瞑ったり、顎や首の筋肉を緊張させるなどして防御行動を取ります。防御を意識していればこれらは自然に生じるものですが、攻撃に意識が回っていると防御への反応が鈍くなってしまいます。だからこそ、そんな状態で攻撃をもらえば・・・」

「大きなダメージを受けることになる、と言う事ですね?」

 

「そうです。もちろん、物理的な衝突の速度もありますが防御反応の有無が最も威力に影響していると言えます」

「・・・勉強になります」

 

「それでは、さっそく一誠さんを相手としてやってみましょう。実験台にはちょうどいいはずです」

「ちょ!?俺は実験台にしないでくれよ!?」

 

「分かりました・・・訓練のついでにやってみます」

「お、お手柔らかにしてあげてね・・・?」

 

シュテルのカウンターの説明を聞いた小猫はなるほど、と納得した様子であった。

そんな彼女を見ていたシュテルはさっそく練習しようと言いながらも一誠を指さしながら実験台と言い始めた為に一誠は思わずツッコミを入れる。

 

そんな彼に対し、やる気満々な様子の小猫に対してやんわりと注意をする吉良だったのだが小猫は結構容赦なくカウンターの練習と言う意味合いでの一撃を加え初める。

一誠の悲鳴が何度も上がる中、太陽が沈み始めた為に一日目の訓練は終了となったのであった・・・。

 

 

 

 

To be continued・・・

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