仮面ライダーディレイド   作:白き翼

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修行を終え、とうとう迎えたレーティングゲーム当日。
吉良と紫音は、魔王サーゼクス・ルシファーと共にレーティングゲームを観戦することとなるのだが・・・



戦い、始まります!

~光風館~

 

「うーん・・・うーん・・・」

「・・・あの、キズナちゃん?宗一郎さん一体どうしたの?吉良君、もうすぐ帰ってくるってのに・・・」

「それが、吉良がちゃんと帰ってくるかが心配みたいで・・・ほら、もう11時ですし・・・」

 

「え、とりあえずトラブルはなかったって聞いてるし、紫音さんが家の前に転移させるって聞いてるけど・・・」

「いやいやいや、帰るまでに何かあるかもしれないでしょ?だから不安で・・・」

 

「もぉー!いつもなんだかんだトラブル巻き込まれてるけど、無事に帰ってきてるでしょ!?大丈夫だってばっ!!」

 

一誠達が修行を終えて帰ってくることになっている日の夜、何やらそわそわした様子でうろちょろしている宗一郎を見て何事かと思うクロウ。

そんな彼に対して、困った様子のキズナが既に11時を過ぎている時計を見た後に答えた言葉を聞いてクロウは思わずきょとんとなってしまう。

 

そんなクロウに対して心配してますと言わんばかりの様子の宗一郎の言葉にキズナが大丈夫だと言い聞かせていたその時、何やら玄関のドアが開く音が聞こえた。

その音にクロウ達が気づいて一斉に同じ方向を見ると同時に、吉良が姿を見せた。

 

「ただいま帰りましたー」

 

「おぉ!吉良君、お帰り~!」

「ふふっ、お帰り吉良君」

「やれやれ・・・お帰り、吉良」

 

「ん?クロウさん、どうしたんですか?それにキズナも」

「なんでもないわよ。ねえ、クロウさん」

「うん、なんでもないよ」

 

「・・・?」

 

吉良の姿を見た途端、嬉しそうに歩み寄る宗一郎。

それを見て思わす笑みをこぼしながらもキズナとクロウも吉良に声をかける。

 

急に笑い出した二人の様子が気になった吉良が尋ねてくるもなんでもないと返されたので、思わず首を傾げてしまいながらもクロウに声をかける。

 

「そうだ、クロウさん。こっちは大丈夫でしたか?」

「それが、気になる事が一つあって・・・何かレギオネクスの連中が仲間割れを起こしたみたいなんだ」

 

「えっ?仲間割れですか?それってどういう・・・」

「それが・・・」

 

クロウの言葉を聞いてきょとんとなる吉良はどういう事か詳しく聞こうとする。

それを見たクロウは、駒王学園でサーシェスと戦った際に乱入した魔進チェイサーとスワローテイルファンガイアの言っていた事を話した。

 

「・・・ってな感じだね」

「なるほど・・・スワローテイルファンガイアの言葉、ちょっと気になりますね・・・」

「そうだよね・・・って、そういえば吉良君の方は大丈夫だった?たびたび連絡が入ってたけど」

 

「あ、はい。こっちはとりあえずトラブルはなかったです・・・でも、ちょっとやる事が出来ちゃいました」

 

「やる事?何かあったの?」

「実は僕と紫音さんの二人で、一誠君達のレーティングゲームの観戦をすることになったんですよ。なんでも、ディレイドの力に興味を持った人がいるらしくてどうしても会いたいと言って来たらしくって」

 

「そうなんだ・・・何時から行くんだい?」

「とりあえず、紫音さんが迎えに来ることになってるんですけど・・・あっ」

「噂をすれば何とやら・・・」

 

宗一郎の言葉に答えようとしていた吉良は自分たちの近くにオーロラが現れた事に気づく。

そして、現れたオーロラを潜って何時もの格好だがフードは外した状態の紫音が姿を現した。

 

「やぁ、紫音さん。久しぶり」

「あぁ、久しぶりだなクロウ。それと・・・お邪魔します、宗一郎さん」

 

「いらっしゃい!紫音さん」

「・・・・・」

 

クロウが挨拶してきたので挨拶し返しながらも、紫音は宗一郎に対して軽く一礼しながらも挨拶する。

それを聞いて笑顔で答える宗一郎を余所に、何やら自分をじっと見るキズナに気づいて紫音が声をかける。

 

「んっ?どうした?」

「・・・紫音、あんた相変わらずその恰好なのね」

 

「フードは外していくから怪しい奴には見えないだろ?」

「いや、普通の格好で行きなさいよ・・・遊びに行くんじゃなくて、招待されてるんだし」

 

「そうだよ、紫音さん。君も女の子なんだからもうちょっと女の子らしい可愛い服装にしてみたらどうだい?絶対似合うと思うけど」

 

「いや、そういう服は持ってないんです。俺の持っている服は男物ばかりで・・・それに、これを着ていたほうが何か落ち着くんですよ」

「そうなの?もったいないなぁ~」

 

何時もの格好を見てやれやれと思うキズナに対して答えるものの、そういう事じゃないと言わんばかりにキズナにツッコミを入れられる紫音。

そんな時、宗一郎が紫音の格好を見ながらも声をかけて来たので、紫音は少し困った様子で返した。

 

それを聞いた宗一郎がもったいないなと思っていると、ふと吉良がある事が引っ掛かった。

 

「・・・あれ?宗一郎さん、紫音さんが女の子だって知ってたんですか?」

「えっ?知ってたよ?」

 

「キズナちゃんが話したの?」

「いや、私は話してないです・・・あんた、何時の間に話したの?」

「・・・話したも何も、俺と初めて会った時から宗一郎さんは俺が女だと気づいてたぞ?顔が見えなかったと言うのに・・・」

 

「「「えぇぇぇっ!!?」」」

「あれっ?皆、気づいてなかったの?」

 

吉良が引っ掛かった事、それは紫音が女であるを知っている事である。

少なからず吉良は話した覚えはなかったので宗一郎に尋ねるとあっさりと答えたのを見てクロウはキズナが教えたかと思ったのだがキズナはそれを否定する。

 

そうなると本人が教えたのだろうと考えたキズナが紫音に尋ねたのだが、教えたどころか初めて会った時に顔が隠れていたと言うのに女であると知られていたと返してきた。

その答えを聞いて吉良とキズナとクロウが驚くのを見た宗一郎が思わずきょとんとなってしまっている中で紫音は軽く咳払いをして話題を切り替えた。

 

「コホン・・・さて、吉良。行くとするか?」

「あ、はい。それじゃ、行ってきますっ!!」

 

「「行ってらっしゃーい」」

「何を観戦するのか良く分からないけど、一緒に観戦する人にご迷惑かけないようにねー!」

 

吉良に声をかけながらも、再びオーロラを出現させる紫音。

それに対して頷きながらも答えると、吉良はキズナ達に声をかけるとそれに答えるように返しながらも手を振る三人に対して軽く手を振った後紫音と共にオーロラを潜る。

 

オーロラを潜った二人は、駒王学園の旧校舎前に現れるとそのまま旧校舎の中に入ってオカルト研究部の部室へと向かう。

二人が部室にやって来た時には、既にオカルト研究部の面々が揃っていた。

 

「いらっしゃい・・・って、あら?吉良、そっちの人は?」

 

「え?紫音さんですけど・・・」

「あっ、そういえば修行に同行した時、ずっとフードを被ってたからリアス達には顔を見せてなかったな・・・」

 

「そういえばそうでしたね・・・って、あれ?お風呂に入った時に顔を見られてるんじゃないんですか?皆、一緒に入ってるはずですけど」

「俺だけはディアーチェに頼んでネガデンライナーの風呂に入らせてもらったから、誰とも一緒に入ってないんだ。余り大人数で入るのは苦手なんでな・・・ん?」

 

紫音の姿を見て誰なのか分かってない様子のリアスを見てきょとんとなりながらも答える吉良のやり取りを見た紫音はしまった、と言わんばかりに自分がリアス達に顔を見せていない事を思い出した。

それを聞いた吉良は納得しそうになるが風呂に入った時はどうしたのかと尋ねるが、ばつが悪そうに紫音は答えているとある事に気づく。

 

他の面々は駒王学園の制服なのだが、アーシアだけはシスター服だったからだ。

 

「アーシア、どうしてお前は皆と異なる服装なんだ?」

「部長さんに聞いたら『自分が一番良いと思える服装で来てくれ』と言われまして・・・悩みましたが、これが一番動きやすいかと思ったんです。元々、私はシスターだったので」

 

「なるほどな・・・ん?」

 

アーシアの話を聞いて何か訳ありなのかと考えながらも、あまり深く聞かないでおこうと考える紫音。

そんな時、突然吉良達の近くに魔法陣が現れて光り出したかと思うと魔法陣が消え、魔法陣があった場所にグレイフィアが現れたかと思うと吉良と紫音に歩み寄って来た。

 

「お二人とも、いらっしゃったのですか。丁度良かったです」

「っ?丁度良かった、ですか?」

 

「はい、レーティングゲームの際に私は審判を務めないといけませんので、サーゼクス様の所に早めに行ってもらおうかと考えていたんです」

「なるほど、それじゃ俺達は移動した方がいいですね」

 

「はい、秋山様と天宮様。こちらに来てください」

 

言われたとおりに吉良と紫音がグレイフィアにと、三人の足元に魔法陣が現れ光を放ち始めた。

そんな中、吉良は一誠達の方を見ると少し大きめの声で声をかけた。

 

「一誠君!皆っ!頑張ってっ!!」

「っ・・・あぁっ!!」

 

吉良の言葉を聞いて笑顔でサムズアップしながらも一誠が返す前で吉良は紫音とグレイフィアと共に別の場所に転移する。

転移した場所はどうやらどこかの立派な屋敷の中と思える場所であり、かなり豪華な雰囲気が見てすぐにわかった。

 

「ここは・・・?」

「サーゼクス様のお屋敷です・・・お二人とも、付いてきてください」

 

「分かりました・・・って、おい吉良、行くぞ」

「あ、はいっ!」

 

転移した場所の状況に驚く紫音に説明しながらもグレイフィアが移動を始める。

それを見た紫音が周りをきょろきょろと見ていた吉良の肩を叩き、肩を叩かれた吉良はハッとなりながらも紫音と共にグレイフィアの後を付いてしばらく歩いていくと、どこかの部屋の前でグレイフィアが止まりドアをノックする。

 

それからすぐに、部屋の中から声が聞こえたかと思うとグレイフィアはそのままドアを開けて入っていく。

それに続くように吉良と紫音が入っていくとその部屋の中ではかなり若く見えるリアスと同じ紅の髪を持つ男性の姿があった。

 

「やぁ、秋山君と天宮君だったね?君達の事はグレイフィアから聞いている、急に呼び出したりしてしまってすまないね」

「いえ、お気になさらず・・・」

「・・・グレイフィアさん、こちらの方が・・・?」

 

「はい、リアスお嬢様の実の兄である魔王・・・サーゼクス・ルシファー様です」

 

紅の髪の男性――『サーゼクス・ルシファー』が部屋に入って吉良と紫音に微笑みながらも声をかけて来た。

それに対して少し緊張した様子で答える吉良とは違い紫音はわりと平然としており、紫音は言っておかないといけない事があったのでそのまま声をかけた。

 

「すみません、吉良だけ呼んだと言うのに俺まで付いてきてしまって・・・」

「気にしないでくれ、リアスやリアスの眷属の皆の安全を考えての行動なのだろう?だったら、私はその行動を責めるつもりは全くない。むしろ、君達がそこまで心配してくれる事に感謝しているよ。リアスは本当に友人を持ったな・・・さて、立ち話もなんだし座ってくれたまえ」

 

「どうも」

「失礼します」

 

紫音の謝罪に対し、サーゼクスは全く気にしていないどころか逆に感謝していると返しながらも座るように言って来た。

それを聞いた吉良と紫音はすごく高そうなソファに座るのを見て、サーゼクスも二人と向かい合う形になるような位置でソファに座る。

 

それに合わせて、グレイフィアが部屋から出ていく中でサーゼクスは吉良と紫音に話しかけた。

 

「さて、秋山君に天宮君・・・少し聞いておきたい事があるんだが、良いかな?」

「聞きたい事、ですか?」

 

「あぁ、とは言っても簡単な事だが・・・君達の事を吉良君と紫音さん、と呼んでも構わないかな?」

「え?あ、はい。大丈夫ですけど・・・」

「俺も構いません」

 

「そうか、ならそう呼ばせてもらうよ。吉良君はまだしも女性である紫音さんに君付けは失礼じゃないかと思えてね」

「っ、気づいていたんですか?」

 

「すぐに分かったよ?ちなみに、グレイフィアも君が女性であることに気づいていたんだよ?格好で少し分かり辛かったそうだが・・・」

「そ、そうなんですか・・・」

 

サーゼクスが聞きたいことがあると言った為に吉良と紫音は自分たちの事かと思っていたが、予想に反して名前で呼んでいいかと尋ねられる。

サーゼクスの言葉に少しきょとんとなりながらも、吉良と紫音は頷きながらも返すと紫音が女性であることに気づいているような様子でふっと笑みを浮かべるサーゼクスに紫音は驚きを隠せなかった。

 

そんな彼女に対してサーゼクスは、グレイフィアも気づいていたと言って来たために吉良も驚いていると突然宙に何かが浮かび上がる。

それは、何かのモニターの様なものであった。

 

「おっ、このモニターが出て来たと言う事は、お互い準備ができたようだね・・・」

 

「えと、これで戦いの様子を見るんですか?」

「そうだよ、さぁ・・・始まるよ」

 

『開始のお時間となりました・・・それでは、ゲームスタートです』

 

モニターを見たサーゼクスの言葉に吉良が尋ねると、サーゼクスは頷いて答える。

すると、どこからかグレイフィアの声が響いてそれを聞いた吉良と紫音はモニターを見ると同時にレーティングゲームがスタートするのであった・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~???~

 

「ふふふ・・・これさえあれば・・・!」

 

「・・・あの、良かったんですかね?それを持ち出しちゃって・・・」

「借りるだけだ。ここで使い魔の森で邪魔した連中共々ディレイド達を始末出来ればいいだけだ・・・それに、これは私でも使えるらしいからな。ディナーレ様から以前そういう話を聞いたから間違いない」

 

その頃、月明かりの照らすとある廃墟の中で何かを企んでいる様子の呟くソーンファンガイアに対してカメレオンを思わせるような姿をした『カメレオンファンガイア』が恐る恐る尋ねてくる。

それに対してソーンファンガイアは悪い事をしていないと言わんばかりに言い返しながらも、手に持っているものを見る。

 

それは、ディナーレの変身アイテム兼彼の武器でもある銃――ディナーレドライバーであった。

何故ディナーレドライバーを彼女が持っているのかと言うと、自身の邪魔をした連中に対する復讐を行う為である。

 

一応、彼女の部隊丸ごと連れてきている為に戦力はない訳ではない。

だが、使い魔の森での戦闘で戦力を減らされているだけではなく、ディレイドとその仲間がいる時点で明らかに劣勢になるのは理解していたソーンファンガイアはどうするか考えた結果、ディナーレドライバーの力を利用することを思いついた。

 

自分でもディナーレドライバーの力を使えると言う事はディナーレ本人から聞いていたので、透明化の能力を持ったカメレオンファンガイアに指示を出してディナーレドライバーを盗んでこさせたのだ。

幸い、レギオクライスでは何かのトラブルがあったらしく盗み出すのは簡単だったそうなので今こうしてソーンファンガイアがディナーレドライバーを持っているのである。

 

(ここまでやった以上、失敗は出来ん・・・そうでなければ私は・・・!)

『『『『『ぎゃぁぁぁぁっ!?』』』』』

 

「っ!?」

「な、何だぁ!?」

 

ディナーレドライバーを見ながらも、ソーンファンガイアは思わず硬く拳を握りしめる。

そんな時、派手な爆発音が連続で響き渡る中で外で見張りを任せていた他のファンガイア達の悲鳴が上がり始める。

 

何事かと思っていたソーンファンガイアとカメレオンファンガイアは思わず廃墟の入り口を見ると、それに合わせるかのようなタイミングでハーメルケインを持ったウォーロックとブレイクガンナーを構えた魔進チェイサーが姿を現した。

 

「ここにいたか」

「ようやく見つけましたよ?ソーンファンガイア」

「っ!?貴様等、これは何の真似だ!?」

 

「レギオクライス内で貴様の部下が起こした騒動に加え、ディナーレドライバーを盗み出した事でレギオネクスは完全にお前を部下諸共排除の対象にした」

「な、待て!?ディナーレドライバーを盗んだのはともかく部下の起こした騒動と言うのはどういう意味だ!?」

「そ、そうだぜお二人さん!?俺達、何の事だかさっぱり・・・」

 

「おやおや、しらばっくれるつもりですか・・・まっ、どうしようが変わりはありませんがね」

「外にいた連中はすべて始末した・・・残りはお前達だけだ、覚悟しろ」

 

「ふ、ふざけるなっ!心当たりのない事が原因で殺されてたまるかぁっ!!」

 

何事かと思うソーンファンガイアとカメレオンファンガイアにチェイサーが静かに告げるのだが、ソーンファンガイアとカメレオンファンガイアは『部下が起こした騒動』という言葉に全く身に覚えがなかった。

慌てて弁解しようとするが、それを聞こうとは思っていないウォーロックとチェイサーがそれぞれ武器を構えるち、ソーンファンガイアがディナーレドライバーを発砲して放たれた銃弾が二人の足元に命中して火花が上がる。

 

足元から火花が上がるが、ウォーロックとチェイサーはそれがどうしたと言わんばかりの様子でソーンファンガイアに攻撃しようとしたその時、ソーンファンガイアは自分の近くにいるカメレオンファンガイアの背後に回るとそのまま思い切り蹴り飛ばした。

予想外の事態に驚きながらもカメレオンファンガイアは吹っ飛んでそのままウォーロックとチェイサーにぶつかってしまう。

 

ぶつかってよろけたのを見てチャンスと思ったソーンファンガイアはオーロラを作り出して、そのまま一人でその場から逃げてしまった。

 

「なっ!?そ、ソーン様ぁっ!!」

「・・・可哀想に、捨て駒にされたようですね」

「だが・・・やる事に代わりは無い、始末する」

 

《ブレイク》

 

「・・・・くしょぉ・・・ちくしょぉぉっ!!」

 

自分を残して逃走したソーンファンガイアの行動に思わずカメレオンファンガイアはソーンファンガイアがいた場所を見ながらも叫ぶ。

それを見て憐れむ様子で呟くウォーロックを余所に、容赦なくチェイサーはカメレオンファンガイアを始末しようとブレイクガンナーを構える。

 

すると、自棄になった様子でカメレオンファンガイアが二人に突撃してくるのだがそんな彼の顔面をチェイサーがブレイクガンナーで容赦なく殴る。

カメレオンファンガイアがよろけた所にウォーロックがハーメルケインで斬り付けた後に肘打ちをお見舞いした。

 

攻撃を受けて後退するカメレオンファンガイアを見ながらも、ウォーロックがハーメルケインを構えると同時にハーメルケインの刃に黒い炎が灯る。

それを見たカメレオンファンガイアはとどめを刺す気だと瞬時に判断して逃げようとするが、それは叶わなかった。

 

「デッドエンドスラッシュッ!!」

「ぎゃぁぁぁぁっ!!?」

 

ウォーロックがハーメルケインを振るって放った黒い炎の斬撃『デットエンドスラッシュ』が逃げ出そうとするカメレオンファンガイアに炸裂。

そのままカメレオンファンガイアは断末魔を上げながらも砕け散ってしまった。

 

「・・・ソーンには逃げられたな」

「そうですね、ですが奴の部下は私と貴方で始末しましたから残りは奴一人、始末は容易い・・・後は、私が引き受けましょう。貴方は先に戻っていてください」

 

「っ?奴の行先、心当たりがあるのか?」

「えぇ・・・まぁ、外れる可能性もありますがとりあえず行ってみるだけ行ってきますよ」

 

地面にカメレオンファンガイアだったものが散らばる中、チェイサーが呟いた言葉を聞いたウォーロックがチェイサーに返しながらも、オーロラを作り出した。

ウォーロックの言葉に少し驚いた様子のチェイサーに対して告げながらウォーロックは一人オーロラを潜ってどこかに行ってしまう。

 

ウォーロックが作り出したオーロラが消えるのを見ていたチェイサーは後はウォーロックに任せようと考えてオーロラを作り出して先にレギオクライスへと撤収するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~サーゼクスの屋敷~

 

『試合終了、リアス様の投了(リザイン)によりライザー様の勝利です』

 

「・・・決着が付いたようだね」

「・・・えぇ」

 

グレイフィアの声と共に呟いたサーゼクスの言葉に頷いて答える吉良。

 

幸いゲームの最中にレギオネクスが何かして来なかったために、レーティングゲームは順調に終わった。

けれども、結果は吉良の知っている物語と同じでありリアス達の敗北であった。

 

レーティングゲームが終了して少しして、グレイフィアが部屋にやって来た所で吉良はサーゼクスに声をかけようとしたその時レーティングゲームの様子を映していたモニターを見ていたサーゼクスとグレイフィアが驚いた様子で口を開いた。

 

「っ!?」

「何だあのオーロラは!?」

「えっ!?」

 

オーロラ、と聞いてまさかと思い吉良がモニターを見た途端に思わず立ち上がる。

何故ならモニターの映像にははっきりと灰色のオーロラが映されていたからだ。

 

紫音もオーロラを見て、慌てた様子でサーゼクスとグレイフィアに声をかけた。

 

「サーゼクス様!グレイフィアさん!仮想空間内にいる全員を今すぐ避難させる事は出来ますかっ!?」

「っ?どうするつもりだい?」

 

「あのオーロラが出たと言う事は、使い魔の森で騒ぎを起こした奴が乗り込んできたんだと思います!俺と吉良で迎え撃ちますっ!!」

 

「・・・分かった。グレイフィア!今すぐ仮想空間内にいる全員の転移を!」

「畏まりましたっ!!」

 

「吉良、行くぞっ!!」

「はいっ!!」

 

サーゼクスの指示を受けたグレイフィアが動き出すのを見た紫音がディサイズドライバーを手にしながらも声をかけ、それを聞いた吉良もディレイドライバーを取り出す。

そして二人同時に装着して、それぞれカードを取り出して構える中でモニターの映像にはオーロラからソーンファンガイアが姿を現していたのが映されていた。

 

 

 

 

 

 

 

~仮想空間~

 

「な、何だ貴様っ!?どうやって入ってきた!?」

「っ、こんな時に・・・!」

 

「ほぉ、これはいいタイミングで出てこれたようだな!そこの小娘っ!!私の邪魔をした事、後悔させてやるっ!!」

 

突然現れたオーロラから現れたソーンファンガイアに驚くライザーを余所にボロボロの状態のリアスは呟きながらも自身の腕の中で自分以上にボロボロであり気を失った状態の一誠を見る。

その様子を見ていたソーンファンガイアは一誠がファイズである事を知っているので、ファイズが戦えない事に気づいてこれなら勝てると思いながらもリアスに近づこうとする。

 

ところか、彼女の目の前でリアス達やライザーの足元に魔法陣が出現したかと思うとそのまま彼女達は光と共に姿を消してしまった。

それどころか、ソーンファンガイア以外仮想空間内から誰もいなくなってしまったのだ。

 

「な、ど、どうなって・・・むっ!?」

 

突然リアス達がいなくなったので驚きながらも周りを見渡すソーンファンガイアの前にオーロラが現れる。

それにソーンファンガイアが気付くと同時にオーロラを潜り抜けて、吉良が変身したディレイドと紫音が変身したディサイズが現れた。

 

「なっ、き、貴様等!?何故ここに!?」

 

「お前が一誠君達にちょっかいをかけないかと不安になって同行してたんだよっ!」

「出て来た以上、倒させてもらうっ!!」

 

「ちぃっ・・・だが、私にはこれがあるっ!!」

 

ディレイドとディサイズがいるとは思ってもみなかったのか驚いた様子のソーンファンガイアに対して、ディレイドとディサイズがそれぞれ言い返しながらも構える。

すると、ソーンファンガイアは半分やけくそになった様子でどこからかディナーレドライバーを取り出した。

 

「っ!?それってディナーレの銃!?」

「何故お前が持っている?」

 

「ふん、そんなことお前達が知る必要はないっ!変身!!」

 

《カメンライド、ディナーレ》

 

ディナーレドライバーにカードを装填したと同時に発砲するのに合わせて響いた電子音声と共にソーンファンガイアは炎に包まれる。

そしてその姿を変えるのだが、ディレイド達の知っているディナーレとは違い、所々にステンドグラスを思わせるような部分がある全体的に女性を思わせる姿となった状態――『ソーンディナーレ』となっていた。

 

「へ、変身した!?」

「ちっ、あのドライバー・・・奴のと同じで生体認証を取り付けられてないものか」

「えっ?今なんて・・・」

 

《カイジンライド、スカラベオルフェノク》

《カイジンライド、フライングフィッシュオルフェノク》

 

ソーンディナーレの姿に驚く中でディサイズの言った言葉が引っ掛かったディレイド。

そんな中響き渡った電子音声に反応してソーンディナーレの方を見た途端に、ソーンディナーレはディナーレドライバーの引き金を引いて光弾を放つ。

直後、放たれた光弾はサーベルを持ったコガネムシを思わせる姿をしたオルフェノク『スカラベオルフェノク』と水中銃を持ったトビウオを思わせる姿をしたオルフェノク『フライングフィッシュオルフェノク』へと変貌する。

 

それを見て慌てて構えようとするディレイドはふとある事に気づいた。

 

「・・・そういえば、この世界でオルフェノクと初めて戦うな・・・」

「ん?そうなのか、おっと!」

 

ディレイドが二体のオルフェノクを見ながらも呟いた言葉がディサイズが意外そうにしていると、フライングフィッシュオルフェノクが持っていた水中銃から放たれたモリが飛んできたので腕を軽く振るって弾く。

それに合わせるかのようにスカラベオルフェノクとソーンディナーレがそれぞれ向かってきた為に迎え撃とうとディレイドとディサイズが駆け出すとそのままディレイドはスカラベオルフェノク、ディサイズはフライングフィッシュオルフェノクとソーンディナーレと戦い始める。

 

二対一でありながらもディサイズは互角以上の戦いを繰り広げる中、ディレイドはスカラベオルフェノクのサーベルの攻撃に苦戦する。

そんな中、スカラベオルフェノクの攻撃を何とか避けたディレイドはすぐにカードをディレイドライバーに装填した。

 

「これで行ってみようかっ!変身っ!!」

《カメンライド、キバ》

 

ディレイドがキバ・キバフォームに変身するや否やサーベルを振るって攻撃を仕掛けてくるスカラベオルフェノク。

Dキバは何とかかわしながらも反撃に蹴りをお見舞いしてスカラベオルフェノクが距離を置いた所でディレイドライバーにカードを装填する。

 

《フォームライド、キバ・ガルル》

 

電子音声と共に、キバの右手にはアームズモンスターの一体『ガルル』が姿を変えた波打った刀身を持つ剣『ガルルセイバー』が握られる。

それに合わせてDキバの体の赤い部分と顔の黄色い部分がすべて青に変わりながらも、左肩が狼の毛が逆立ったような形状となった姿『ガルルフォーム』へと姿を変える。

 

姿を変えたDキバはそのままスカラベオルフェノクに斬りかかり、そのまま二人は体術を混ぜた剣術で戦い始める。

そんな様子をディサイズと戦いながらも見ていたソーンディナーレがディナーレドライバーの銃口をDキバに向けるが、ディサイズが蹴りを放ってきて妨害する。

 

それに対してソーンディナーレはディナーレドライバーの銃身で殴ろうとするがアッサリかわしたディサイズから反撃を受けそうになるが、そこにフライングフィッシュオルフェノクが水中銃からモリを連射してきた為にディサイズはソーンディナーレから離れさせた。

 

「ちっ、こいつで行くか・・・変身っ!」

《カメンライド、スーパーワン》

 

軽く舌打ちしながらもディサイズはカードをディサイズドライバーに装填。

電子音声と共にディサイズは全体的に銀色で頭部がスズメバチを思わせるものとなった戦士『仮面ライダースーパー1』に姿を変えるとそのままディサイズドライバーにカードを装填した。

 

《アタックライド、レイネツハンド》

「チェンジ、冷熱ハンドッ!超高温火炎っ!!」

 

「ぎゃぁぁぁぁっ!!?」

 

「続いて冷凍ガスッ!!」

「ぐぁぁぁぁっ!!?」

 

電子音声と共にDスーパー1が叫ぶと同時に、銀色の両腕『スーパーハンド』が緑色の両腕『冷熱ハンド』に姿を変えると同時に右手を突き出して超高温火炎をソーンディナーレ目掛けて放つ。

放たれた標的であるソーンディナーレがまともに火炎を浴びて思わず悲鳴を上げて転がる中、フライングフィッシュオルフェノクが再び水中銃を連射してくるがDスーパー1はそれを難なくかわして今度は左手を突き出して冷凍ガスをフライングフィッシュオルフェノクに放つ。

 

まともに冷凍ガスを浴びてしまったフライングフィッシュオルフェノクは凍り付いて動けなくなってしまい、それを見たDスーパー1は冷熱ハンドをスーパーハンドに戻してカードを装填する。

 

《ファイナルアタックライド、ス・ス・ス・スーパー1》

「赤心少林拳、諸手打ちっ!!」

 

「がっ!?」

「とぁぁぁっ!!」

 

「がぁぁぁぁぁっ!?」

 

電子音声と共にDスーパー1はフライングフィッシュオルフェノクに接近してすぐさま両手で挟み込むように首に手刀を叩き込む『赤心少林拳 諸手打ち』をお見舞いする。

動けないでいるフライングフィッシュオルフェノクはまともにそれを受けただけではなく、Dスーパー1は続けざまに両手で掌底で顎を下から打ち上げて吹き飛ばした直後フライングフィッシュオルフェノクは空中で爆発してしまった。

 

「く、くそっ!だったら・・・」

「うぁぁぁっ!?」

「なっ、おわっ!?」

 

ソーンディナーレはすぐさま別の怪人を呼び出そうとするがその前にDキバによって吹っ飛ばされたスカラベオルフェノクがソーンディナーレと激突する。

それによってスカラベオルフェノク諸共地面を転がるソーンディナーレの手からディナーレドライバーが落ちてしまい、慌てて拾いにいこうとするがその前に狼の遠吠えと共に放たれた衝撃波がディナーレドライバーに命中して弾き飛ばされる。

 

衝撃波が飛んできた方向を見るとそこにはガルルセイバーを構えているDキバの姿があった。

 

「悪いけど、これ以上増援は出させない・・・これで決めるっ!!」

 

《ファイナルアタックライド、キ・キ・キ・キバ》

「ガルル・バイトッ!!」

 

Dキバがディレイドライバーにカードを装填、それに合わせて響く電子音声に続くようにDキバがガルルセイバーを構えながら叫ぶと、突然周囲の風景が満月の夜へと変わっていく

すると、Dキバの口の部分が展開したと同時にガルルセイバーを展開した口で咥えると、Dキバは勢いよく駆け出すと同時に大きく跳び上がる。

 

「ガルル・ハウリングスラッシュッ!!」

「ちぃっ!!」

「なっ!?ぎゃぁぁぁっ!!?」

 

ソーンディナーレとスカラベオルフェノクが立ち上がりながらも思わず上を見上げた途端、Dキバが勢いよく急降下しながらも咥えているガルルセイバーで相手を切り裂く『ガルル・ハウリングスラッシュ』を放つ。

Dキバは纏めて倒そうと考えていたのだがソーンディナーレがスカラベオルフェノクを盾にしてしまった為にソーンディナーレには届かなかった。

 

その代わり、盾にされたスカラベオルフェノクは防御することもできずにまともにDキバの放った一撃が決まると同時にガルルの顔が一瞬浮かび上がったかと思えばそのまま爆発を起こしてしまった。

風景が元に戻っていく中で爆発が起こる直前にスカラベオルフェノクから離れていたソーンディナーレはこのまま逃走しようと駆け出していたのだが、そうはさせまいとDスーパー1がディサイズドライバーにカードを装填する。

 

《アタックライド、エレキハンド》

「チェンジ、エレキハンド!エレキ光線、発射っ!!」

 

「がぁぁぁっ!?」

 

電子音声と共にDスーパー1の両腕は青い腕『エレキハンド』に変わる。

そしてすぐさま右腕を伸ばしながらもソーンディナーレに向けると同時に右手から光線の様に放つ稲妻『エレキ光線』を発射した。

 

エレキ光線をまともに受けて思わず膝をつくソーンディナーレを余所にキバフォームに戻ったDキバがDスーパー1に駆け寄る。

 

「紫音さんっ!」

「あぁ、決めるぞっ!!」

 

《ファイナルアタックライド、ス・ス・ス・スーパーワン》

《ファイナルアタックライド、キ・キ・キ・キバ》

 

「ウェイク、アップッ!!」

 

声をかけて来たDキバに答えながらもDスーパー1は再び両腕をスーパーハンドに戻してディサイズドライバーにカードを装填する。

それに続くようにDキバもディレイドライバーにカードを装填し、電子音声に合わせて周囲の風景が三日月の夜に変わっていく。

 

そんな最中にDキバが叫びながらも右足を振り上げると同時にヘルズゲートが展開、それに合わせてDスーパー1と共に空高く跳び上がる。

その間にソーンディナーレが何とか立ち上がるのだが、そんな彼女目掛けて三日月を背にした二人の必殺技が放たれた。

 

「ダークネスムーンブレイクッ!!」

「スーパーライダァァァァ!月面キィィィックッ!!」

 

「ぐぁぁぁぁっ!!?」

 

Dキバがダークネスムーンブレイクを放つと同時に、Dスーパー1は本来のスーパー1が使用する『赤心少林拳』と呼ばれる拳法の型を空中でやったかと思うとそのまま月面宙返りを数回繰り返した後に飛び蹴りを放つ『スーパーライダー月面キック』を放つ。

DキバとDスーパー1の同時攻撃に対して何もできずにまともに受けてしまったソーンディナーレは派手に吹っ飛ぶと、DキバとDスーパー1が屈むような状態となりながらも着地すると同時にソーンディナーレは地面に倒れ伏す。

 

着地してDキバとDスーパー1が静かに立ち上がる中、ソーンディナーレも立ち上がるのだがDキバの右足のヘルズゲートが映像を巻き戻すかのように展開前の状態に戻った直後に爆発を起こした。

爆発した場所でキバの紋章が浮かび上がり、終わったかと思っていた二人がそれぞれディレイドとディサイズの姿に戻るのだが爆発の中からふらつきながらも立っているソーンファンガイアが姿を現した。

 

「ま、まだだ・・・こ、こんな所で終わってたまるか・・・!!」

「・・・しぶとい奴め」

「くっ、今度こそっ!」

 

ふらつきながらも立っているソーンファンガイアのしぶとさに呆れているディサイズ。

そんな彼女に対してディレイドは今度こそ終わらせようとカードを構えようとする。

 

 

 

 

 

 

「グォォォォォォォォォンッ!!」

「「っ!?」」

「な、何だっ!?」

 

 

 

 

その時、突然何かの咆哮が響き渡った。

突然の事態に驚いてディレイドとディサイズが動きを止めてしまう中でソーンファンガイアも何事かと周りを見渡していたその時、どこからか飛んできた黒い火球がソーンファンガイアに直撃した。

 

「ぎゃぁぁぁぁっ!!?」

 

「なっ!?」

「い、一体何が・・・っ!?」

 

火球を受けたソーンファンガイアは黒い炎にその身を焼かれながらも断末魔と共にディレイドとディサイズの前で派手な爆発を起こした。

ディレイドとディサイズはソーンファンガイアの思わぬ最期に困惑していると、突然自分達の周囲に影が出来た為に何事かと思いながらも上を見上げると同時に目を見開いた。

 

何故なら二人の頭上には、全体的に黒い体で黒い一対の翼を持つウィザードラゴンにそっくりなドラゴンが自分達を見下ろすように見ていたからだ。

 

「黒い、ウィザードラゴン・・・!?」

「ウィザードラゴン?何の事か知らないが俺は黒魔龍(ディザスタードラゴン)のディザスターだ!間違えんじゃねぇっ!!」

「まぁまぁ。そんなに怒らなくてもいいじゃないですかディザスター」

 

「っ!?誰だっ!!」

 

ディレイドが驚きの声を上げた途端、見下すように見ていた黒い龍――『黒魔龍』こと『ディザスター』が機嫌が悪そうな様子で声を上げる。

すると、ディザスターの上から別の声が聞こえた為にディサイズが身構える中、ディサスターの乗っていた誰かが飛び降りてディレイド達の前に着地する。

 

ディレイドも身構えながらも降りてきた誰かの姿を確認してみると、それは以前ウィザードの世界で現れた仮面ライダーこと仮面ライダーウォーロックであった。

 

「さ、サーシェスさん!?」

「こんばんは、旅人君・・・ウィザードの世界以来ですね」

 

「挨拶はどうでもいい・・・一体どういうつもりだ?」

「あぁ、実はソーンの奴は我々の排除対象となってたんですよ。彼女の部下であるスワローテイルファンガイアが我々の基地であるレギオクライスで馬鹿騒ぎを起こした件に加えて、ソーンファンガイアがディナーレの変身アイテムであるディナーレドライバーを持ち出した件が加わりましたからね」

《コネクト、ナウ》

 

ウォーロックの登場に驚くディレイドに軽く手を上げながらも挨拶してくるウォーロック。

それに対してディサイズが警戒した様子で尋ねてくるが、ウォーロックは事情を説明しながらもウォーロックドライバーを操作、自身の傍に現れた魔法陣に手を突っ込んですぐに抜いた。

 

すると、魔法陣から抜かれた手にはディレイドが弾き飛ばしたディナーレドライバーが握られていた。

それを見たディサイズがサイズブッカーに手を伸ばすのを見てウォーロックは少し慌てた様子で軽く両手を上げる。

 

「ちょっとちょっと、そんなに警戒しないで下さい!今回の私の目的はあくまでもこれの回収です・・・また、別の機会に戦いましょう?」

「・・・そんなこと言われて『はい、そうですか』と言うと思うかっ!!」

 

「させるかよっ!!」

「っ、危ないっ!!」

 

《アタックライド、バリア》

 

ディナーレドライバーを見せながらも告げたウォーロックの言葉に対して、ディサイズがサイズブッカーを勢いよく振るう事でサイズモードに切り替えながらもウォーロックに仕掛けようとした途端にディザスターがディサイズとディレイド目掛けて黒い火球を放ってきた。

それを見たディレイドが咄嗟にディレイドライバーにカードを装填し、電子音声と共に出現したドーム状のバリアがディレイドとディサイズを包んだ途端にバリアに火球が命中して爆発が起こる。

 

爆発によって生じた煙の中からバリアのお陰で無傷のディレイドとディサイズが姿を現すのだが、すでにウォーロックとディザスターの姿はどこにもなかった。

 

「ちっ、逃がしたか・・・」

「でも、ソーンファンガイアを撃破する事はできました・・・あの人の無念を少しは晴らせたから良かったです」

 

「っ?あの人・・・あっ」

 

状況を見てウォーロックとディザスターが逃げている事を瞬時に理解したディサイズが悔しそうに声を上げる中、ホッとしている様子のディレイドが最後に言った言葉に引っ掛かる。

最初は誰の事を言っているのか分からなかったが、それがキバの世界でソーンファンガイアやディナーレによって利用されてしまい、最終的に強制的にサバトにされてしまったファンガイアことダンピールファンガイアの事だとすぐに分かった。

 

その事を理解したディサイズは静かにディレイドの肩を叩いた所で、二人の足元に突然魔法陣が現れる。

思わず二人が魔法陣を見た途端に二人は仮想空間内からレーティングゲームを見ていた部屋に転移したと同時にグレイフィアが声をかけて来た。

 

「お疲れ様でした、お二人とも」

「いえ、こちらは自分達のやるべき事をしただけですよ」

 

グレイフィアの言葉に対してディサイズは答えながらも変身を解除し、紫音に戻る。

それに続くようにディレイドも変身を解除して吉良に戻ると、そのまま恐る恐るサーゼクスに声をかけた。

 

「あの、サーゼクス様・・・皆に会う事は出来ますか?」

「もちろん、構わないよ。医務室で治療を受けている頃だろう・・・グレイフィア、二人を案内してあげてくれ」

 

吉良の言葉に対してサーゼクスは優しく微笑みながらも返しながらもグレイフィアに声をかける。

その言葉に軽く頷いたグレイフィアに連れられて、吉良と紫音は一誠達がいる医務室へと向かう。

 

吉良達が医務室へと付くと、そこでは傷ついている面々の治療を行うアーシアと気を失っている一誠の眠るベッドに寄り添うボロボロのままのリアスの姿があった。

 

「二人とも・・・」

「部長さん、それに皆・・・大丈夫?」

 

「あ、あらあら・・・そんな顔しないでください。大丈夫ですから」

「そうだよ、アーシアさんに治療してもらったからね・・・ねっ?小猫ちゃん」

「はい、アーシア先輩に治療してもらってますからぴんぴんしてます」

 

「心配してくれてありがとう・・・でも、ごめんなさい。無様なところを見せちゃって・・・」

 

「無様な訳あるか、全員立派に戦っていたじゃないか」

「紫音さんの言う通りです・・・そんな事、言わないでください」

 

「・・・ありがとう」

 

二人が入って来た事に気づくリアスの声を余所に、不安そうにする吉良。

そんな彼を見て慌てた様子の朱乃の言葉に続くように木場と小猫も慌てて答えた。

 

それを聞いて少しホッとする吉良を余所に、歩み寄ってきたリアスは申し訳なさそうにするとそのまま悲しそうな表情となる。

リアスの表情を見て紫音がリアスの言葉を否定するように言うのに続くように吉良もリアスに声をかける。

 

その言葉を聞いたリアスは静かに二人に礼を言ったその時、治療をしていたアーシアが倒れてしまう。

 

「アーシアさんっ!?」

「だ、大丈夫か!?」

「へ、平気です・・・それより、早く一誠さんを治さないと・・・!」

 

「アーシア、無茶しちゃ駄目よ!ただでさえ、貴方はレーティングゲームで魔力を消耗しているのよ!?」

「でも・・・でもっ・・・!」

 

慌てて倒れたアーシアに駆け寄る吉良と紫音に何とか立ち上がりながらも答えるアーシアだったが、また倒れそうになりリアスに受け止められた。

無理をしてでも治療をしようとするアーシアを止めようとするリアスだが、アーシアは涙を流しながらも一誠の治療を行おうとする。

 

どうしたものかと紫音が考えていたその時、吉良はある事を思いついてディレイドライバーを装着してカードを取り出す。

 

「変身」

《カメンライド、ディレイド》

 

「っ?吉良・・・?」

「おい、何をする気だ?」

 

いきなりディレイド変身した吉良に驚くリアス。

同じように驚いていた紫音は何をする気だと尋ねるが、それには答えずにディレイドはブレイブッカーからあるカードを取り出す。

それは、以前使用した事のあるさやかのスキルライドのカードであった。

 

ディレイドは以前使った時から知っていた事だが、使った剣を生み出す能力以外にも彼女の願いによって生まれた力である強力な治癒の力があり、ディレイドはその力を応用出来ないかと考えたのだ。

 

(美樹さんの治癒の力・・・これは元々『他人を救う為の願い』によって手に入れた力・・・だから、この力を自分だけじゃなくて誰かにも使ってあげられるはず・・・)

 

「力を貸して・・・美樹さん」

《スキルライド、ミキ サヤカ》

 

さやかの持つ力の可能性を信じ、静かに呟きながらもディレイドがディレイドライバーにカードを装填したと同時に響く電子音声。

それに合わせて魔法少女姿のさやかが一瞬現れたかと思うと、そのままディレイドは一誠に歩み寄った。

 

『魔力は体全体を覆うオーラから流れるように集めるのです、意識を集中させて魔力の波動を感じるのですよ』

「意識を集中させて・・・・魔力の波動を、感じる・・・」

 

困惑した様子で見ている紫音達を余所に、ディレイドは一誠の魔力の特訓の際に朱乃が言っていた事を思い出すように呟きながらも両手を一誠に近づける。

すると、ディレイドの両手に水色の光が灯ったかと思うとその光は一誠の体を包んでいく。

 

何事かと思う一同の前で光に包まれたボロボロになってしまっている一誠の体は徐々に治り始めていく。

 

「っ!?これって・・・」

「治癒魔法・・・!?」

 

目の前の光景にディレイドが治癒魔法を使っていると気づいて驚くリアス達。

それから少しして、一誠の傷が無くなってきた所でディレイドが両手を離すと共に光が収まった。

 

「・・・・ふぅ、こんな所かな・・・?」

 

「秋山様、今のは・・・?」

「さっき使ったカードの力です、思いつきだったんですけどね・・・あ、部長さんも治療しないと」

 

軽く一息ついたディレイドに対し、驚いた様子のグレイフィアが尋ねる。

そんな彼女に対して、ディレイドがスキルライドの力で使えるようになった治癒の力が上手く発動してくれたのでほっとしながらも説明すると、ディレイドは今度はリアスに近づいて治癒の力を使い始める。

 

リアスは一誠よりも外傷が少なかったので一誠よりも早く治療が終わった。

 

「・・・これでよし、っと」

「・・・ありがとう、吉良。一誠を治療してくれて」

 

「いえ、気にしないでください。これ位しか出来ませんから」

 

「なるほど・・・君の力は本当に不思議なものだね」

 

「って、さ、サーゼクス様!?」

「お、お兄様!?」

「い、何時の間に・・・!?」

 

ディレイドが治療を終えた所でリアスが礼を言って来たので、ディレイドは笑いながらも返すとディレイドライバーを外す。

それに合わせて、ディレイドの変身が解除されて吉良の姿に戻ると同時にいつの間にか医務室にいたサーゼクスが吉良を見て面白そうに呟いていたので一同が仰天する。

 

それはさておき、サーゼクスは急に真剣な様子で吉良に声をかけて来た。

 

「正直、先ほどの戦いや今のを見ていると君がただの人間とは思えれない・・・秋山君、君は一体何者なんだい?」

「えっと・・・この世界にたまたまやって来た、通りすがりの旅人です」

 

「旅人、か・・・はははっ!本当に君は面白いな・・・」

 

サーゼクスの問いに対して、少し考えた後よく言う言葉で返す吉良。

それを聞いたサーゼクスは本当に面白そうに笑みを浮かべながらも返していると、グレイフィアが吉良と紫音に声をかけてきた。

 

「お二人とも、レーティングゲームも終わりましたのでこの後は少し忙しくなりますので今から駒王学園にお送りします」

 

「そうですか・・・なら、お願いします」

「す、すいません。連れてきて貰った挙句に送ってもらっちゃって・・・」

 

「お気になさらないでください、お二人はサーゼクス様のお客人・・・これ位の事をするのは当たり前ですよ」

 

グレイフィアの言葉を聞いた紫音はとっとと帰った方がいいと考えて頷いて傍に行く中、続くように傍に来た吉良は申し訳なさそうにし始める。

だが、それを聞いたグレイフィアは微笑ながらも特に気にしていない様子で返すとグレイフィアは二人と共に駒王学園へと転移した。

 

二人を転移させた後、グレイフィアは一礼した後に再びサーゼクスの屋敷へと転移していくのを見送った吉良と紫音はそのまま帰路に就くのであった・・・。

 

 

 

 

 

To be continued・・・

 

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