『学生殺しのゲゲルを終わらせる』と言う吉良の考えとは・・・?
「吉良、一体どこに・・・」
「もうすぐ到着だよ・・・って、あれ?パトカーだ・・・」
「っ?おかしいな、この場所では被害者は出ていないはず・・・」
パトカーが止まっている事に気づく吉良と澪はとりあえずマシーンディレイダーから降り、吉良がマシーンディレイダーを押しながらも澪と共に歩いていく。
吉良がやってきた場所はクウガと共にグロンギと戦い、オーロラと共に現れた黒影とグリドンの二人と遭遇した公園であった。
吉良と澪が公園の中に入ると公園には見慣れた人物の姿があった。
「あ、あれ!?一条さん!?」
「どうしてここに・・・!?」
「っ!?君達は・・・って、なぜここに学生服姿で来たんだ!?」
公園にいたのは一条であった。
流石に驚いた声を上げる吉良と澪に対し、吉良が学生服を着ている事に驚く一条。
少し怒っている様子の一条を見た吉良は、気にせずに質問に答えた。
「簡単ですよ・・・学生殺しのゲゲルを終わらせる為です」
「なっ!?ゲゲルを終わらせるって・・・そんな事が出来るのか!?」
「はい、今回の事件の最後の殺人が起こるのはここで決まってるんです」
「えっ?な、何で最後だって分かるんだ?」
「殺す人間は5人と言うルールなんだよ。そして、今回のゲゲルは被害者を襲うポイントも決まっていて、あそこまでの距離が一定の場所だ」
吉良が指差す方向を一斉に見る澪と一条。
吉良が指差す場所、それは桜が丘高校であった。
「そして、さっき言ってた距離が同じ場所になるポイントはここ・・・ここで学び舎に集う若きリント、つまり学生を殺す事で奴等が行っている『聖なるゲゲル』は完了するんだ」
「聖なるゲゲル・・・?」
「さっき僕が言ったルールに加えてちょっと特殊な条件があるゲゲルの事だよ。まぁ、ゲゲルと言うか儀式らしいんだけどね・・・究極の闇を甦らせる為のね」
「究極の闇・・・?」
「一言で言うと・・・グロンギの中でも桁違いの強さを持つもの、かな?」
「・・・やけに詳しいな?まるで聞いたみたいに・・・」
「ん?聞いたんだけど?僕が倒した未確認からね」
「えっ!?聞いたって・・・あいつ等の言葉が分かるのか!?」
「そんな馬鹿な!?言語学者でさえ解読が出来ないでいるというのに・・・」
「じゃあ・・・証拠を見せます」
グロンギに聞いたという事に驚く澪と一条は吉良を見て信じていない様子だ。
そんな二人に吉良は一言言うと同時に、急に叫んだ。
「ギスボザパバデデス、ゼデビバジュ!(いるのは分かってる、出てきなよ!)」
吉良が人間の言葉とは思えない言葉を言った直後、木の上に一体とこっちに歩み寄るグロンギ怪人が一体現れた。
「っ!?」
「ゲゲルゾ、ザジレスゾ(ゲゲルを始めるぞ)」
そう言って木に登っていたピラニア種グロンギ『メ・ピラン・ギ』が木から飛び降りた。
「ゴラゲゾボソゲダ・・・ゴパシザ!(お前を殺せば・・・終わりだ!)」
そう言いながらピランの横に歩み寄るのは烏賊のグロンギ『メ・ギイカ・ギ』だ。
「ボンバギロ、ビダギバ(今回も、2体か)」
現れたグロンギ達に言葉を返すと吉良はポケットに手を突っ込み、刃が大きめのカッターを取り出す。
そして吉良は自分の右頬を持っていたカッターで切りつけ、頬から血が流れ始める。
「きゃぁぁっ!?」
「ちょ、何を・・・」
突然の行動に悲鳴を上げる澪の近くで一条が驚いていると、近づいていたグロンギが動きを止めた。
「リントボヂガバガセダ・・・(リントの血が流れた・・・)」
「ゲギバスゲゲルザギママギギダ!(聖なるゲゲルは失敗した!)」
「動揺してる・・・?」
「彼等は僕が教えたルールに加え、ある条件付きで殺人を行っていた・・・そのルールは『ターゲットから一滴も血を流さない事』」
「血を流さない・・・?」
「血・・・あっ!!」
様子がおかしいグロンギを見て呟く澪に吉良が言った今回のゲゲルのルールを聞いてハッとなる一条。
確かに、4人の学生の死体の周りには一滴も血が流れておらず・・・殺された4人の学生は全て絞殺だった事を思い出したのだ。
「聖なるゲゲルは一滴も血を流さずに殺すのがルール・・・けど血が流れたからこのゲームも終わりだ!」
「なら・・・後は、こいつ等を倒すだけだな!」
吉良の言葉を聞いた澪は腰にクウガと同じベルト――アークルを出現させる。
それを見て吉良もディレイドライバーを装着し、カードを取り出す。
「「変身!!」」
《カメンライド、ディレイド》
電子音声と共に吉良がディレイドに姿を変える。
それに合わせて澪はライガの基本形態に当たる姿『ガイアフォーム』に姿を変えた。
姿を変えると同時に、二人の戦士は構えるとどこからか一体のグロンギが出てきた。
そのグロンギはチョウ種グロンギ『メ・ゲアハ・バ』だった。
助太刀に着たのかと思う三人だったが、ゲアハは二人を無視していきなりピランに襲い掛かる。
「あ、あれっ?」
「な、何だ?」
「仲間割れか・・・?」
いきなり現れたゲアハがピランに襲い掛かったのを見て、困惑するディレイド達。
そんな彼等の前でゲアハはピランが腰にぶら下げるように付けていた複数の腕輪を奪い取った。
その腕輪はグロンギがゲゲルの際に殺した人間の数をカウントするために用いる道具『グゼパ』であった。
グゼパを奪い取るや否や、その場を慌てた様子で逃げ出そうとするゲアハを見てブレイブッカーからカードを取り出してディレイドライバーに装填する。
「逃がすかっ!!」
《アタックライド、ブラスト》
電子音声の後、ブレイブッカー・ガンモードを構えて引き金を引く。
すると、通常は一発ずつ放たれる銃弾がマシンガンの如く連射されてゲアハを襲う。
だが、ゲアハはまともに銃弾を浴びて倒れそうになりながらもその場を後にしようと走り出す。
「あ、待て・・・ぐぁぁっ!?」
ディレイドはさらに追撃をかけようとしたのだが、ギイカの放った爆発性の高い墨が命中し吹っ飛ばされる。
その間にゲアハには逃げられてしまい、悔しそうにするディレイドにギイカは再び墨を吐こうとするがライガに後ろから蹴られて倒れたために出来なかった。
ギイカが倒れたと同時に、ピランが持っていた剣を使ってライガに斬りかかって来るがライガはそれを難なく回避。
ピランの攻撃をかわしている間に立ち上がったギイカは同じく立ち上がっていたディレイドに襲い掛かるのに合わせて、ピランがライガに襲い掛かる。
「超変身!!」
向かってくるピランを見てライガが叫ぶと同時に、その姿を群青色の右肩だけが装甲をつけたような姿の『セドナフォーム』へと姿を変える。
フォームチェンジを終えたライガにピランが振り下ろした剣が右肩に命中するのだが、ライガは平気そうにしていた。
右肩に当たると同時にライガは、ピランの剣の刀身を掴んだ状態で腹に思い切り蹴りをいれて吹き飛ばす事で剣を奪い取る。
奪い取った剣を構えると同時にピランの剣は刀身部分が巨大な剣『セドナザンバー』へと姿を変える。
セドナザンバーを右手だけで持って右肩で担ぐような状態でピランに向かって少し駆け足気味に向かっていくライガ。
それを見てピランは、素早く近づいたと同時に両腕に付いた刃を使ってライガを斬りつけるのだが、ライガには全く効いていない。
それを見て連続で斬りつけ始めるのだが、何回か刃をぶつけた所で両腕の刃が折れてしまう。
ならばと言わんばかりにピランはライガの腕に噛み付こうとするが、噛み付く前にライガの放った左拳が顔面に決まる。
流石に顔面に拳を喰らったせいか、よろけながら後退するピラン。
そんなピランに対しライガは持っていたセドナザンバーを両手で持って思い切り振り上げる。
「はぁぁぁぁぁっ!!」
振り上げたと同時に叫びながらもライガはセドナザンバーを思い切り振り下ろし、相手を叩き切るセドナフォームの必殺技『デストロイセドナ』を放つ。
まともに受けたピランは体を真っ二つにされながら、爆発を起こしたのであった。
「ふぅ・・・」
「わぁぁぁっ!?」
「っ!?秋山っ!!」
ピランを倒したのを確認して、ライガが軽く息を吐くと同時にギイカの吐き出す墨に苦戦するディレイドの悲鳴のような声が響く。
ディレイドを助けようとライガが走り出しのだが、その最中にギイカの吐き出す墨が命中する。
ところが、ライガはそれをものともせずにディレイドに駆け寄るのであった。
全く効いていない様子のライガを見て驚きながらもさらに墨を吐き出すギイカだが、ライガはディレイドを庇うように立ちながらもセドナザンバーを楯にして防御する。
そこで、ディレイドは横に飛んでライガから離れてすぐさまブレイブッカーで銃撃してギイカを怯ませる。
「超変身っ!!」
ディレイドの攻撃でよろけたギイカを見てライガが叫ぶと、その姿を空色の両肩が丸くなった感じの姿『ディオネフォーム』に姿を変える。
それに合わせてセドナザンバーも空色の槍『ディオネランス』へと姿を変えると同時にライガはギイカ目掛けてディオネランスを投げつけ、投げられたディオネランスはギイカの体を貫通しながらも突き刺さる。
よろけながらもディオネランスを抜こうとするギイカだったが、ギイカが抜く前に一気に駆け寄ってきたライガがディオネランスを引き抜く。
だが、引き抜くだけで終わるはずも無くライガは引き抜いてそのままディオネランスで敵を斬りつけるディオネフォームの必殺技『シュトゥルムディオネ』をギイカに叩き込む。
防御できずにまともに受けたギイカはそのままゆっくりと後ろに倒れると同時に爆発した。
「・・・これで、今回の事件は解決だな」
「そうですね・・・って、ところでどうして一条さんはここに・・・?」
「あぁ・・・ここで学生が襲われたって連絡があって、何か手がかりが無いかと思って調べに来ていたんだ」
「っ?もしかして・・・未確認4号から聞いたんですか?」
グロンギたちを倒した所を見て一条が呟いたのを聞いたライガは頷いて答えると、気になっていた事を尋ねると連絡があったと返した。
それを聞いたディレイドは一緒にいた勇介が連絡したのかと思いながらも名前を出すのはまずいと思い、未確認4号と言って尋ねると一条は驚きを隠せないでいた。
「っ?彼とも知り合いなのか?」
「えぇ、だってここに出てきたグロンギを一緒に倒しましたし・・・」
「そうだったのか・・・っと、心配は要らない。俺もライガも彼の正体も知っている」
驚いた様子のままディレイドに尋ねる一条に事情を説明するディレイド。
それを聞いた一条はすぐに正体を知っている事を教えてくれたのでそうなんだと思いながらも、ディレイドは逃げたゲアハのことを考えていた。
(・・・あのグロンギ、妙な事をしでかさなかったらいいんだけど・・・)
「グッ・・・ウッ・・・!」
その頃、何とかディレイド達から逃げ切ったゲアハはふらふらと人気の無い道を進んでいた。
その腕には先ほど、ピランから奪い取ったグゼパが装着されていた。
「よぉ、随分派手にやられたみたいだな?」
ボロボロのゲアハに対し、声をかけながらもゲアハの前に誰かが現れる。
その人物はディレイドに似てはいるがベルトの右側にあるホルスターに一本の剣を挿した、全体的に黒で瞳は黄色の肩の部分が四角い形状で頭部同様カードが突き刺さってるような形状のライダーであった。
「ザセザ・・・?(誰だ・・・?)」
「・・・名乗るほどのものじゃないさ。それより、これからどうする気だ?没収された腕輪も取り戻したから、中断していた自分のゲゲルを再会する気か?」
「ッ!?」
「大体知ってるぞ?お前、聖なるゲゲルに参加しようとしなかったからそれを没収されたんだろ?」
警戒するゲアハの言葉に返しながらも、謎のライダーはゲアハに尋ねるとゲアハは何故その事をと言わんばかりに驚いた様子となる。
それに対し、謎のライダーはゲアハの腕についているグゼパを指差しながらも言う。
「クウガとライガによって次々倒され続けたお陰で残った仲間も僅かになり、最後の悪あがきで協力して究極の闇を甦らせようとしたがそれも失敗に終わった・・・残ってるのはお前だけだぞ?ゲゲルをやってもすぐにライガとクウガに倒されるのがオチだぞ?」
「ザラセッ!!(黙れっ!!)」
呆れた様子で言う謎のライダーの言葉に対し、叫びながらもゲアハは謎のライダーに殴りかかる。
ゲアハの攻撃を難なくかわす謎のライダーは一旦距離を置くと、右手で剣を抜いて構えるながらもベルトの左側にある四角い部分を開き、その中にあった一枚のカードを取り出す。
そして、剣の刀身にあるスリット部分にカードを通す。
《アタックライド、マッハ》
カードを通すと同時に通したカードが黒い炎に包まれて消失、それに合わせて剣からの電子音声が響いた直後に謎のライダーはかなりの速さでゲアハに突っ込んだ。
いきなりの行動に対処できず防御の姿勢をとるが、謎のライダーは攻撃をせずにただ横を通り過ぎただけであった。
その行動に首をかしげながらも、背後に回った謎のライダーを見る。
すると、謎のライダーはゲアハに何時の間にか手に持っていたものを見せた。
「これ、なーんだ?」
「っ!!?」
謎のライダーが持っていたもの、それはゲアハが腕につけていたグゼパであった。
すぐに奪い返そうと謎のライダーを攻撃するが、それをかわされながらも反撃に蹴りを喰らって吹き飛ばされる。
倒れたゲアハは立ち上がって、謎のライダーに再び殴りかかろうとするが謎のライダーはそれを手で制しながらも剣を腰にあるホルスターに収める。
「まぁ待て、ディレイド・・・あ、ライガと一緒にいた奴な?そいつを倒したら返してやるよ。ほれっ」
そう言うと、謎のライダーはゲアハに何かを投げ渡す。
それは何かの果実の様な物であった。
「それでも食べとけ、力を蓄えとかないと勝てないぜ?じゃあな」
そう言うと同時に、謎の人物の前に灰色のオーロラが現れる。
謎の人物はそれの中に入ると同時にオーロラが消え、謎の人物も姿がなくなっていた。
目の前の出来事に困惑しながらも、ゲアハは謎の人物が渡した果実を恐る恐る齧る。
その果実は食べた事の無い味だったが、美味かったのですぐに食べきってしまう。
だが、食べ終えたと同時にゲアハの体に異変が起こる。
「グッ!?ウ・・・ァ・・アァァァッ!?」
食べ終わると同時に苦しみ始めたかと思うと、ゲアハの体が不気味に輝く。
光が収まった時には、ゲアハの姿は黒一色から色鮮やかなものへと変貌し、傷も全快していた。
「な、何だ・・・っ!?」
ゲアハは力が漲り始めた事に困惑したと同時に、自分がリントの言葉を喋っている事に気づき驚く。
さっきの果実が原因とすぐに考えていたが、それよりもやるべき事が出来た。
「ディレイド・・・!!」
To be continued・・・