そんな時、吉良は士に対して筆禍ていた言葉の意味を尋ねる・・・。
~ダイシーカフェ~
「色んな世界を旅して回ってる、か・・・」
「それに、本当なら私達があの怪物と出会う事なんてなかったなんて・・・あれっ?士君がそっちの二人の事を知っているとなると・・・」
「まさか、士も吉良達のように・・・?」
「・・・そうだ。こいつ等と同じでこの世界の住人じゃない。まぁ、俺はこいつ等と違って色んな世界をブラブラ回ってるだけだがな」
「そうなんだ・・・あ、士。さっきレヴィの言っていた事ってどういう事なの?」
「Dシリーズと適合者の事か・・・ったく、何で知らせてないんだ・・・まぁいい。教えといてやる」
店を閉めて、後片付けを済ませた後のダイシーカフェで吉良が自分たちの事情を話し終え、それを聞いて驚いた様子の和人達。
そんな時、シュテルとレヴィの事を知っていた士も同じような感じなのではないかと考えた和人と明日奈が士を見る。
それに対して士が観念した様子で答えると共に吉良も気になった事を尋ねると、士は何やら呆れた様子となりながらも説明してくれた。
「Dシリーズは、『ディメンションシリーズ』の略・・・『仮面ライダーディケイド』と『仮面ライダーディエンド』と呼ばれるDシリーズの原点と言える仮面ライダーを模した姿の世界を超える力を持つ戦士達の総称だ」
「ちなみに、零慈のディバインや紫音のディサイズもDシリーズだよ」
「へぇ・・・あっ、もしかして作ったのってグランツさんとシルヴィアさん?」
「いえ、ダークライダーの世界で作られてはいません。たまたまやって来た別世界の人が持って来られて・・・幾つかあったDシリーズの変身アイテムの内、ディバインドライバーとディサイズドライバーが二人を選んだのです。それ以来、二人は色んな世界を回って色んな騒ぎを解決していっています」
「えっ?ちょっと待って、選んだって・・・変身する人が選ぶんじゃなくて、変身アイテムが変身する人を選ぶの?」
「うん、何でもとある世界でディエンドの変身する人が変身アイテムをその世界にいた怪人に盗られて大騒ぎになった事があったらしくて・・・それ以来、他者が悪用することを防ぐためにあるプログラムが作られたんだって」
「それが使用者を変身アイテムが選ぶ、と言う代物だ。そして、変身アイテムに選ばれた人間の事を適合者と呼ばれている・・・まぁ、そのプログラムが原因で作ったもののなかなか適合者が見つからない変身アイテムが結構あるんだ」
「なるほど・・・って、そういえば士も適合者なんだよね?どういうライダーなの?」
途中シュテルとレヴィの解説が入りながらも、一通りDシリーズと適合者の簡単な説明を聞いていた吉良はふと気になった事を士に尋ねる。
それに対して士は懐からディレイドライバーと形状が全く同じものを取り出し、少し言いづらそうにしながらも答えた。
「俺は・・・ディケイドの適合者だ」
「えっ!?ディケイドって、でも、さっき・・・」
「俺のはオリジナルの複製品だ。まぁ、複製品とはいっても能力はほほ同等・・・だが、俺はこの力を使いこなせてない。だから、俺は・・・」
「士・・・?」
「っ、なんでもない・・・ちょっと、昔の事を思い出してな」
士の言葉に驚きながらもすぐに引っ掛かることが出来る。
それに対して士が答えるのだが、最後の辺りは何やら悲しそうな表情でディレイドライバーによく似たものこと『ディケイドライバー』を見ながら言った為にどうしたのだろうかと思う吉良に対して士は何でもないと返すが、吉良には何でも無いようには見えなかった。
けれども、士の様子を見る限り余り触れてはいけない事だと考える吉良を余所にレヴィとシュテルが士に尋ねる。
「ねぇねぇ士!僕達より先にこの世界にいたんなら、アンデッドの事以外に妙な事が起こらなかったか教えてよ」
「この世界に色んな世界で騒動を起こす連中が来ている可能性が少なからずあります、何かちょっとしたことでも構いません」
「妙な事・・・お前等の言う連中に関係があるかしらんが、一つだけある」
「えっ?どういう事?」
「実は一週間ほど前からこの辺りで、体が透明になった人間が倒れているのが目撃されると言う騒動が起こってる。透明になった人間を目撃した人物が薄い緑の病衣姿の少女を目撃したらしい」
「病衣?」
「病院に入院している人が着る服です、ですがそれよりも・・・」
「透明になった人間が倒れてる、だね?多分ファンガイアだろうけど・・・何で病衣姿なんだろ・・・?」
「・・・とにかく、私達の方でもいろいろと調べてみましょう。ところで、お店の方は良いんですか?」
「あぁ、こんな状況では人も来ないだろうしな・・・ほら、物騒だしとっとと帰っとけ」
「あ、はい」
「分かった」
士から気になる情報を得た後、エギルに気になった事を尋ねるシュテル。
それを来たエギルは軽くため息を吐きながらも返して士と吉良に声をかけ、そのまま帰る準備をし始める。
「それでは、私達も帰りましょうか」
「そうだね、吉良また今度ね!」
「うん、気を付けてねー!」
「それじゃ俺達も・・・ん?明日奈?大丈夫か?」
「あ、ううん。大丈夫・・・帰ろうか」
帰る準備をし始める吉良達を余所に、シュテルとレヴィは先にダイシーカフェを後にし始める。
その際、和人は近くにいた明日奈に声をかけようとすると明日奈がが暗い表情をしていた事に気づき心配した様子で声をかける。
和人を見て何かハッとなるような様子でなんでもなさそうに答えた明日奈と共に和人もダイシーカフェを後にする。
和人と明日奈が帰路に就くのを余所に、吉良達も帰る準備を終えてダイシーカフェから出ていく。
そしてそのまま帰ろうとしていたところに、一人の女性が二人の方に歩み寄ってきた。
「そっちの君、ちょっと良いかしら?」
「え、何ですか?」
「ちょっと悪いんだけど・・・死んでくれない?」
自分に対して声をかけてくる女性を見て、その女性とは初対面なので少し困惑した様子の吉良。
そんな吉良に対してにっこりと笑みを浮かべた女性が言い放った直後、その姿が変わる。
それは身体のあちこちに蛇が付いている蛇を思わせるアンデッド『サーペントアンデッド』であった。
「なっ、アンデッド!?」
「ごめんなさいね?貴方には恨みは無いけど、こうしないと私が危ないんでねぇっ!!」
「くっ、変身っ!!」
《カメンライド、ディレイド》
サーペントアンデッドの姿を見るや否や吉良は慌ててディレイドライバーを装着。
そこにサーペントアンデッドが攻撃を仕掛けてくるが、それを何とかかわしてディレイドライバーにカードを装填してディレイドに変身。
そのままディレイドはサーペントアンデッドに掴みかかって、士から引き離すようにするとそのままサーペントアンデッドと戦い始めた。
サーペントアンデッドと戦い始めるディレイドの様子を士は見ていたのだが少し引っかかるものがあった。
サーペントアンデッドとディレイドの戦いはどちらかと言うとディレイドの方が少し有利になっていたが、サーペントアンデッドは特に焦る様子もなく何か企んでいるように思えた。
「ふふっ、なかなかやるわね・・・」
「くっ、随分余裕そうだな・・・んっ?待てよ、こいつ確か・・・」
「ウォォォォッ!!」
「なっ、うぁぁっ!!?」
不敵に笑うサーペントアンデッドを見てディレイドはふとある事を思い出す。
その直後、何かの叫び声と共に放たれた体当たりを受けて吹っ飛ばされる。
吹っ飛ばされて倒れるディレイドが立ち上がって、サーペントアンデッドの方を見るとその傍に別のアンデッドの姿があった。
それは亀を思わせる姿をしたアンデッド――『トータスアンデッド』であった。
「ちっ、またこいつを従えてたのか・・・!」
サーペントアンデッドとトータスアンデッドを見て、面倒なことになったと思い始めるディレイド。
実はディレイドも先ほど思い出した事なのだが、ディレイドの知るブレイドの物語でもサーペントアンデッドはトータスアンデッドを従えていたのだ。
二体のアンデッドを前に身構えるディレイドに、二体のアンデッドがゆっくりと近づいて来る。
そして二体同時に襲いかかろうとしたその時、突然数発の銃弾が命中して二体のアンデッドから火花が上がる。
何事かと思うディレイドは自分の後ろから銃声がしたので振り返ると、そこには腰にディケイドライバーを装着した状態の士がブレイブッカー・ガンモードとそっくりな武器―『ライドブッカー・ガンモード』を構えていた。
「士っ!?」
「2対1、しかも不意打ち攻撃のおまけってのは見てて気に入らないな・・・吉良、助太刀してやる」
「ちぃっ、貴様・・・何者だっ!?」
「こいつのバイトの先輩だ、覚えとけ」
突然の士の行動に驚くディレイドに対してライドブッカーからカードを取り出しながらも答える士。
そんな彼に対して怒りを露わにした様子のサーペントアンデッドが声を上げ、それに対して返しながらも士は取り出したカードを構えた。
「変身」
《カメンライド、ディケイド》
ディケイドライバーにカードを装填すると同時に響く電子音声。
それに合わせて士の周囲に現れた虚像が士にぶつかると同時に、士は姿を変えた。
それは全体的にマゼンタで緑の瞳を持つディレイドとそっくりな姿をした戦士であり・・・Dシリーズの原点の一人でもある仮面ライダー――『仮面ライダーディケイド』である。
「っ、お前も仮面ライダーだと!?」
「そういう事だ・・・吉良、蛇女は俺がやる。お前は亀を頼む」
「え、わ、分かった!」
「えぇい、いけぇっ!!」
「ガァァァッ!!」
ディケイドとディレイドにそれぞれ襲い掛かるサーペントアンデッドとトータスアンデッド。
そのまま向かってきたサーペントアンデッドと戦い始めるディケイドを余所に、ディレイドがトータスアンデッドの体を殴るが頑丈な体にはびくともせずに反撃をくらう。
反撃を受けて後退するディレイドにトータスアンデッドが殴りかかるが、ディレイドはそれをかわしてそのままブレイブッカーからカードを取り出す。
「ったく、頑丈な奴だな・・・だったらっ!」
《フォームライド、ガイム・パイン》
《パインアームズ!粉砕!デストロイ!》
ディレイドライバーにカードを装填し、電子音声と共にディレイドの頭上に出現したクラックからパイナップルが落下し被さる。
それに合わせてパイナップルが展開、そのままディレイドは鎧武の使用した形態の一つ『パインアームズ』へと姿を変える。
そして、D鎧武は手に持った全体的に鎖鉄球を思わせ、鉄球部分がパイナップルになっているパインアームズの専用武装『パインアイアン』を思い切り振り回してからトータスアンデッド目掛けて振るう。
振るわれたパインアイアンの一撃を受けたトータスアンデッドは思わず後退してしまう。
「おっ、効果あるっ!よっしゃ、パインパインにしてやるっ!!」
「・・・パインパインって何だ?」
「そんなもの私が知るかぁっ!!」
「だろうなっ!!」
「あがっ!?」
パインアイアンでの攻撃が効いているのを見たD鎧武はトータスアンデッドに突撃。
その際、パインアイアンを振り回しながら言った言葉に首を傾げているディケイドがサーペントアンデッドに尋ねるがそんな事知る訳無いサーペントアンデッドがディケイドに襲い掛かる。
だが、ディケイドはサーペントアンデッドの攻撃を難なくかわしながらもライドブッカーで銃弾を至近距離で浴びせ、怯んだところで放った蹴りでサーペントアンデッドを吹き飛ばす。
それに合わせてD鎧武も思い切り振りまわしたパインアイアンの一撃でトータスアンデッドを吹き飛ばし、二体のアンデッドが倒れた所でディケイドとD鎧武はカードを構えると同時にそれぞれのドライバーにカードを装填した。
《ファイナルアタックライド、ディ・ディ・ディ・ディケイド》
《ファイナルアタックライド、ガ・ガ・ガ・ガイム》
「はぁぁぁぁっ!!」
「ぎゃぁぁぁっ!!?」
「せいはぁぁぁぁっ!!」
「グァァァァッ!?」
電子音声と共にディケイドは目の前に出現し始めたカードのオーラを見て、飛び上がると共に飛び蹴りの体制となる。
そのままカードのオーラを潜り抜けていきながらも放つ飛び蹴り―『ディメンションキック』をサーペントアンデッドにお見舞いし、D鎧武もオレンジアームズと違ってパイナップルの切り身を潜り抜けるパターンの無頼キックをトータスアンデッドに放った。
命中と同時に響く叫びと共に二体のアンデッドは倒れたと同時に、二体のアンデッドの腰に巻かれたベルトのバックルが音が響く。
「あれ?倒されてない・・・?」
「俺のは複製品なんでな、元になったディケイドと違ってアンデッドを倒すことが出来ないんだよ・・・あっ」
「ど、どうしたの?」
「吉良・・・ラウズカード、持ってるか・・・?」
「・・・あぁっ!?」
ディレイドの知るディケイドのようにアンデッドを完全に倒してない事に驚くD鎧武にディケイドが説明していると何やらしまった、と言わんばかりに声を上げる。
それを見て何事かと思うD鎧武に対してディケイドが尋ねた途端、D鎧武はこの状況はかなりまずい事に気づく。
前回のウルフアンデッドとの戦いではギャレンが封印した為に問題はなかったが、今回はこの世界のライダーもいない事に加えて封印に使用するラウズカードがない以上、アンデッドを封印することができないのだ。
一応動けなくなっているもののこのまま放置しておく訳にもいかないのでどうしたものかと、二人揃って悩み始めたその時何処からともなく二枚のカードが飛んできた。
カードが二体のアンデッドの体に刺さると同時にアンデッド達はカードに吸収されたかと思うとそのままカードがどこかへと飛んでいくのでD鎧武とディケイドがそれを目で追うと、そこには黒いコートを羽織った紅い髪の女性の姿があった。
「ったく、二人揃って何してんのよアンタたちは・・・」
「っ、何故お前がここにいる?放浪者」
「アンタとアギトの世界で別れた後に博士にとっ捕まったのよ・・・おかげで紫音達みたいに異変の調査する羽目になって、今はこっちの世界のライダーの手伝い中よ」
「ん?珍しいな、お前が博士にとっ捕まるとは・・・」
「それが博士の奴、抹消者を引き連れてきやがったのよ・・・!」
「っ、アイツとやり合ったか・・・そりゃ運がなかったな」
「え、えーと・・・お話の所悪いんだけど、そっちの人は士の知り合い?」
「ん?あぁ、一応な。こいつは俺達と同じDシリーズの適合者の一人の天宮紅音。仮面ライダーディザイアだ」
見知らぬ女性と話すディケイドを見て恐る恐る尋ねるD鎧武。
彼の言葉を聞いたディケイドは、話していた女性こと『天宮紅音』の事を簡単に説明するのだが、それを聞いたD鎧武は引っ掛かる事が出来た。
「あれ?天宮って、もしかして紫音さんと何か関係が・・・?」
「関係も何も・・・私、紫音の姉よ?」
「あ、そうだったんですか・・・あ、僕は――」
「あぁ、大丈夫大丈夫。君の事は知ってるわよディレイド・・・いや、秋山吉良君?」
「えっ、何で僕の名前を・・・」
「聞いたのよ、グランツさん達からね・・・っと、そんじゃこれを回収したから私は帰るわ。じゃあね~」
D鎧武の疑問に対してあっさりと答える紅音。
それを聞いてへぇー、と思いながらもD鎧武は名乗ろうとするが何故か彼女は名前を知っていた。
何故知っているのか、その疑問に対して簡潔に答えた後に紅音は軽く手を振りながらD鎧武達に背を向けると同時に指を弾く。
すると、彼女の目の前に灰色のオーロラが出現すると同時に紅音はオーロラを潜っていったかと思うとそのままオーロラと共に姿を消してしまったのであった。
いなくなってしまった紅音がいた場所を見るD鎧武を余所に、ディケイドは変身を解除して士に戻るとそのままこの場を後にしようとしていた。
変身を解除した吉良はそれに気づいて、慌てて士に声をかける。
「あ、士!助けてくれてありがとうっ!」
「・・・気にすんな、俺が勝手に手を出しただけだ」
吉良に背を向けたままで返しながらも士はその場を後にした。
それを見送った後、吉良も今度こそ帰ろうと思いその場を後にしたのであった。
「ふぅ・・・何か緊張するなぁ」
一方その頃、キズナは何やら疲れた様子で公園のベンチに座り込んでいた。
そして、ふと自分の隣に置いてある少し小さめの鞄を見た途端に突然鞄の中で何かが動き始める。
それを見たキズナが鞄を広げて中を見ると、そこからフェンが顔を出してきた。
何故キズナとフェンが共にいるのか、その理由は『素早く危険を察知して貰って、逃げやすくするため』である。
光翼龍であるフェンは警戒心が強い事もあってか気配にはかなり敏感であり、アンデッドの気配をフェンに察知して貰えば逃げやすくなるのではないかと考えた零慈は、キズナに出掛ける際はフェンを連れて行くようにと釘を刺したのだ。
とはいっても流石にフェンをそのまま肩に乗せて歩くわけにもいかずに、小さめの鞄の中に隠すと言う形で行動を共にしていると言う訳だ。
「キュ~」
「・・・本当に、人がいないって分かるんだね」
「クゥ?」
顔を出したフェンを見て呟くキズナに対して、首を傾げるフェン。
それを見て微笑みながらも、キズナが頭を撫でるとフェンは気持ちよさそうに目を細めていた。
だが、突然何かに気づいた様子のフェンがいきなり鞄の中から出てきたかと思うと何かを睨みつけて威嚇するように声を上げ始めた。
見た事ないフェンの様子に驚きながらもキズナがフェンが睨む方向を見ると、そこにはこちらに歩いてくる腰くらいまである紫の髪の病衣姿の少女の姿があった。
「フゥゥゥゥ・・・!」
「えっ、あの子って・・・」
威嚇するように声を上げるフェンを余所に、キズナは少女を見て驚きを隠せないでいた。
何故ならその少女はキズナも知っている人物ではあったのだが、その人物は病院で寝たきり状態になっているはずだからである。
どういう事かと考えていたその時、少女の頭上にあるものが出現した。
それは、キズナも一度は見た事のあるもの・・・ファンガイアの吸命牙であった。
「っ!?あれって、確かファンガイアの・・・」
「っ?ファンガイアを知っている、だと・・・まぁいい。貴様も私が完全に復活するための糧となってもらおう」
キズナの言葉に少し驚いた様子の少女だったが、すぐに切り替えて吸命牙を放とうとする。
だが、そうはさせないと言わんばかりにフェンが口から青白い炎を放って吸命牙を焼き払ってしまう。
「ふぇ、フェンちゃん!?」
「フゥゥゥゥッ!!」
「っ、トカゲ如きが・・・っ!?」
フェンが炎を放ったことに驚くキズナを余所にフェンは威嚇するように声を上げる。
それを見た少女が苛ついた様子で声を上げた途端、何かに気づいて振り返った直後に剣の切っ先が目の前に突き付けられた。
そして、少女に付きつけている剣ことエクスを持ったクロウが少女を睨みつけていた。
「っ、クロウさん!どうして・・・」
「たまたま通りかかってね・・・それより、誰かは知らないけどこの子に手を出すと言うなら、黙ってはおけないな」
「くっ・・・また貴様か・・・!」
「っ?また、だって?それはどういう・・・」
「キュゥゥ~!?」
「きゃぁぁっ!?」
「っ!?キズナちゃん、おわっ!?」
忌々しそうに言った少女の言葉の意味を聞き出そうとしたクロウだったが、突然キズナとフェンの悲鳴が聞こえた。
それに気づいたクロウが視線をそらすと、キズナとフェンの周囲を何かが飛び回っていた。
それを見たクロウが助けようと思った周囲を何かが飛び始める。
突然現れた大量の何かが周囲を飛び回る事にクロウが驚く中で、少女はその場から逃げ出した。
それを見て追おうとしたクロウだったが、フェンが周囲を飛び回るの何かを口から吐く炎で薙ぎ払っているのを見て先にこっちを何とかするべきだと判断して銀色の雷を放って飛び回る何かを薙ぎ払う。
電撃を浴びて落ちた何かを見た途端、クロウは目を見開いた。
何故なら落ちた何かの正体は、見覚えのある黒と青のイナゴだったのだ。
「っ、こいつ鎧武の世界で出て来た・・・って、それよりも!キズナちゃん!大丈夫だった!?」
「あ、はい。フェンちゃんが守ってくれたんで大丈夫です」
「キュゥッ!」
「・・・そっか、なら急いで光風館に帰ろう。まださっきの奴が近くに可能性があるしね」
キズナの安否を確認したクロウはそのままフェンを鞄に戻したキズナと共に急いでその場を後にした。
クロウ達がその場を後にして少し経った後、その場には再び少女が姿を現す。
「・・・奴がいるとなると、ディレイドもこの世界にいるのか・・・」
面倒なことになったと言わんばかりの様子で呟く少女はふと右手に持った何かを見つめる。
それは全体的に真っ黒になったリンゴが描かれたロックシードであった。
「障害は確実に始末してくれる・・・今度こそ私は、新世界の神となる・・・!!」
To be continued・・・