しかし、この騒動の陰ではある動きがあった事には誰も気づいていなかった・・・
「・・・本当にこっちにいるんでしょうね?」
「待ち合わせの場所はちゃんと決めておいたから大丈夫だ」
「本当に大丈夫なのかねぇ・・・しっかし、人気がない事もあるからか不気味な所だねぇ」
ディレイド達がアンデッドと戦い始めていた頃、とある人気のない森の中を森亜とラストと霧彦が共に歩いていた。
きょろきょろと周りを見渡しながら歩く霧彦を余所に森亜とラストが急に立ち止まる。
霧彦がそれに気づいて足を止めると、彼等の前に一体の怪人が現れる。
それはかつて龍騎の世界に仮面ライダーマンティスとして現れ、ディレイドと戦ったこの世界の怪人――アルビノジョーカーであった。
「久しぶりだな、レギオネクス」
「そうですね、前にあったのは龍騎の世界に行く前でしたからねぇ・・・お元気そうで何よりです。アルビノジョーカー」
「状況はどうなっている?」
「あぁ、お前達に言われた通りに適当にアンデッドを放っておいた。奴が目的を果たしやすい様にな」
「えっ?ちょっと待てよ、内容的に病院で暴れているアンデッドって・・・囮か?」
「えぇ、邪魔者諸共この世界のライダーを奴等に集中させ・・・この世界のライダーの一人を捕え、我らの戦力とする。それが今回の作戦です」
「あぁ、その為に織姫を奴らの元に潜り込ませているんだからな。奴等が勘付かない様にするためにな」
アルビノジョーカーの言葉を聞いて少し驚いた様子の霧彦の問いに森亜が答える。
そんな森亜の横でラストは不敵な笑みを浮かべていたのであった・・・。
「グゥゥッ!!」
「おっとっ!!」
バッファローアンデッドが頭部の角を突き刺そうとするように突進をしてくると、ディザイアはその上を難なく飛び越える事でかわす。
そして少し体を捻って背後を向きながらも変身アイテムでもある銃――『ディザイアドライバー』を連射する。
放たれた銃弾が背中に命中してバッファローアンデッドがよろけたのを見て追撃をかけようとするが、それを邪魔するようにアルビローチがディザイアを襲う。
『『『『ギィィィッ!!』』』』
「っとと!?ったく、鬱陶しい連中ねっ!!」
襲い掛かってくるアルビローチの攻撃をかわしながらも次々と銃弾をお見舞いしていくディザイア。
すると、ディザイアは腰についているカードホルダーから一枚のカードを取り出すと、ディザイアドライバーの銃身にあるスリットにカードを通した。
《カメンライド、クロカゲトルーパー》
「行ってらっしゃいっ!」
電子音声と共にスリットに通したカードが紫の炎と共に消滅、それに合わせて引き金を引くと紫の光弾が放たれると、放たれた光弾が三体の黒影トルーパーに姿を変えた。
突然現れた黒影トルーパーに驚くアルビローチに対して、三体の黒影トルーパーが一斉に影松を構えながらも突撃して闘い始めるのを余所に、ディザイアはバッファローアンデッドとの戦いに集中し始める。
そんな中、彼女の近くで戦っているギャレンはディアーアンデッドの頭部の角から放たれる雷をかわしている所であった。
「ハァァァッ!」
「くっ・・・相変わらず面倒な奴だ、だがっ!」
《バレット》
「くらえっ!!」
「ガァァァァッ!!?」
次々と放たれる雷をかわしていたギャレンが雷をかわしながらギャレンラウザーのオープントレイを展開してラウズカードを取り出すとギャレンラウザーのスリットにカードを通す。
電子音声と共にギャレンラウザーを連射し、ディアーアンデッドの体に次々と銃弾が命中する中でディアーアンデッドの角を破壊する。
角を破壊されて思わず悲鳴を上げてしまうディアーアンデッドを見て、攻撃の手を休めまいとするギャレンだったがディアーアンデッドが突然ギャレンのすぐ近くまで跳ぶと、そのままギャレンの周囲を跳び回り始める。
周囲を飛び回るディアーアンデッドに狙いを定めることが出来ずにいるギャレンに対してディアーアンデッドはどこからか二本の七肢刀を取り出したかと思うと、跳び回りながらも七肢刀で攻撃したことでギャレンラウザーを弾き飛ばしてしまう。
ギャレンが思わず弾き飛ばされたギャレンラウザーを見た所を狙って七肢刀を振るうがそれは何とかかわされてしまう。
武器を持たないギャレンに対してディアーアンデッドが襲い掛かろうとするが、そこにバッファローアンデッドが吹っ飛んできた。
吹っ飛んできたバッファローアンデッドとぶつかって二体揃って地面に倒れる中で、ギャレンラウザーを持ったディザイアがギャレンに合流する。
「無事みたいね橘さん、これ回収しといたわよっ!」
「すまない、一気に決めるぞっ!」
「りょーかいっ!」
ディザイアがギャレンラウザーを投げ渡し、それをギャレンが受け取るとオープントレイを展開して三枚のラウズカードを抜き取る。
それを見たディザイアがカードホルダーから取り出したカードをディザイアドライバーのスリットに通し、それに続くようにギャレンも三枚のラウズカードをギャレンラウザーのスリットに通していく。
《ファイナルアタックライド、ディ・ディ・ディ・ディザイア》
《ファイア、ドロップ、ジェミニ》
《バーニングディバイド》
ディザイアドライバーとギャレンラウザーからの電子音声が響くと共に、まずはディザイアが空目掛けて銃弾を放つ。
すると、放たれた銃弾が無数の紫の光のバーコードと変化してディアーアンデッドとバッファローアンデッドを締め上げ動きを封じたと同時にディザイアがディザイアドライバーを連射する『ディメンションジェイル』を放つ。
ディザイアの必殺技をなすすべなく受けたディアーアンデッドとバッファローアンデッドが自由になったところで、二体に向かってギャレンが跳び上がる。
同時にギャレンが二人に分身し、そのまま二人同時にが炎を纏ったつま先蹴り『バーニングディバイド』を放ってディアーアンデッドとバッファローアンデッドを吹っ飛ばした。
吹っ飛ばされたディアーアンデッドとバッファローアンデッドが倒れると同時にバックルが展開したので、ギャレンがすぐさまラウズカードを投げて封印する。
アンデッドを封印したラウズカードがギャレンの元に戻って来ると、ギャレンとディザイアは黒影トルーパーが交戦しているアルビローチの群れへと向かって行くのであった。
「でやぁっ!!」
「ハァァッ!!」
「ガァァァッ!!」
「おっとぉっ!!」
「はぁっ!!」
「グゥゥゥッ!!」
一方その頃、ディレイドは頭部と右腕が巻貝を思わせるものとなっている『シェルアンデッド』と戦っていた。
ディレイドのブレイブッカー・ソードモードとシェルアンデッドの右腕がぶつかり合っている傍で、スパーダとグレイブも猪を思わせる姿の『ボアアンデッド』とライオンを思わせる姿の『ライオンアンデッド』と戦っている。
スパーダがボアアンデッドの攻撃をかわして専用武器でもある細身の剣『スパーダラウザー』を振るって攻撃を加えている傍でライオンアンデッドの右腕に装備されているクローとグレイブの振るう専用武器である剣『グレイブラウザー』がぶつかり合っていると、どこからかラルクとランスが吹っ飛んできた。
何事かと思うスパーダのようにシェルアンデッドと鍔迫り合いの状態となっているディレイドが二人の方を見ると、その場に蛾を思わせる姿の『モスアンデッド』が現れる。
「くっ、なろぉっ!!」
「フゥゥッ!!」
ランスがモスアンデッドに対して専用武器である槍『ランスラウザー』を振るおうとすると、モスアンデッドの羽から鱗粉が放たれモスアンデッドを包む。
ランスラウザーが鱗粉に触れた途端にランスラウザーが弾かれてしまい、ランスがよろけた所でモスアンデッドがランスを蹴り飛ばす。
ランスが攻撃を加えようにもモスアンデッドの体を再び鱗粉が包み込んだ事によって攻撃が弾かれてしまい、そのまま一方的に攻撃を受けている所を見たラルクはランスを援護しようと専用武器であるボウガン『ラルクラウザー』でエネルギー矢を放つがそれも鱗粉に弾かれて逆にラルクとランスに命中してしまう。
「がぁぁっ!?」
「きゃぁぁっ!?」
「っ!慎!千和っ!」
「ガァァッ!!」
「ぐぁっ!?」
「ちぃっ、こりゃまずいぞっ!?」
『『『『ギィィィィッ!!』』』』
「っととと!?こいつ等もどんだけいんだよ!?」
「くっ、これを使うかっ!てか、邪魔っ!!」
「グェェッ!?」
吹っ飛ばされたラルクの悲鳴を聞いてグレイブが思わずラルクの方を見た所を狙い、ライオンアンデッドのクローの一撃をまともに受けてしまう。
そのままライオンアンデッドに押され始めたグレイブを見てどうしたものかと声を上げるスパーダにアルビローチの群れが襲い掛かる。
状況がかなりまずくなりつつあると考えたディレイドがブレイブッカーでシェルアンデッドを斬り付ける。
そして、そのまま思い切りシェルアンデッドを蹴り飛ばしたディレイドはブレイブッカーからカードを取り出してディレイドライバーにカードを装填した。
《スペシャルカメンライド、オーズ・オールスター》
《クワガタ、カマキリ、バッタ!ガ~タガタガタキリバッ!ガタキリバッ!!》
《ライオン、トラ、チーター!ラトラタ~!ラトラ~タ~!!》
《サイ、ゴリラ、ゾウ!サゴーゾ・・・サゴーゾッ!!》
《タカ、クジャク、コンドル!タ~ジャ~ドル~!!》
《シャチ、ウナギ、タコ!シャ・シャ・シャウタ! シャ・シャ・シャウタッ!!》
《プテラ、トリケラ、ティラノ!プットッティラ~ノザウル~スッ!!》
《コブラ、カメ、ワニ!ブラカ~ワニッ!!》
《タカ、トラ、バッタ!タ・ト・バッ!タトバ!タ・ト・バッ!!》
電子音声と共にディレイドが8人になると、そのままオーズのコンボ形態へとそれぞれ姿を変える。
目の前で起こった光景に驚きを隠せないでいるスパーダを余所に、一番にDガタキリバが駆け出したかと思うと突然分身を始め、Dガタキリバはどんどんと増えていく。
これはガタキリバコンボが持つ『ブレンチシェイド』と呼ばれる分身を精製する能力であり、最大50人にまで分身可能なのである。
Dガタキリバはこの力を最大限に使った為に50人となっている状態でアルビローチの群れと戦い始める。
『『『『『『うぉぉぉぉぉっ!!』』』』』』
「おわぁっ!?な、何だ!?どうなっているっ!!?」
「おぉっ、ナイスよ旅人君!とっとと蹴散らしちゃいましょう!!」
「よしっ、僕等も行こう!」
「了解っ!!」
アルビローチの群れに突撃していくDガタキリバの大群に驚くギャレンに対して、ディザイアは嬉しそうに声を上げながらもアルビローチの群れに銃撃をお見舞いしていく。
そのままアルビローチの群れと戦い始めるDガタキリバを見たDタジャドルとDプトティラとDブラカワニが加勢するために駆け出した。
その様子を見て固まっていたシェルアンデッドに対してDシャウタが飛び蹴りを放つ。
それを受けてよろけながらもシェルアンデッドがDシャウタに反撃を加え、そのままシェルアンデッドとDシャウタが戦い始める中で、Dラトラーターはグレイブを、Dサゴーゾはスパーダを援護し始める。
そんな中で、Dタトバがラルクとランスを苦戦させているモスアンデッドに攻撃を仕掛けていた。
「はぁっ!!」
「グゥッ!?」
モスアンデッドは鱗粉に包まれていない状態だったのでDタトバの背後からの蹴りを受けてよろける。
振り返ってくるモスアンデッドに対してDタトバが両腕のトラクローで斬りかかるが、モスアンデッドの体は鱗粉に包まれていたので弾かれてしまう。
一旦距離を置いたDタトバはそのままラルクとランスの傍に行く。
「二人とも、大丈夫ですか?」
「何とかな・・・ったく、面倒な奴だぜ・・・!」
「あの鱗粉が体全体を包むから攻撃しても弾かれるし・・・どうすりゃいいのよ!?」
「いえ、あいつの鱗粉は体全体を包みきれてる訳じゃないんですよ」
「「えっ?」」
《スキルライド、カナメマドカ》
Dタトバの言葉を聞いたラルクとランスが思わずDタトバを見てくるのを余所に、Dタトバは腰にブレイブッカーから取り出したカードをディレイドライバーに装填。
電子音声と共にDタトバの傍に魔法少女の姿のまどかが現れると、Dタトバの左手に魔法少女の姿でまどかが使用する弓が現れる。
Dタトバが弓を構えようとするのを見たモスアンデッドが口吻から毒矢を放ってくるが、これはDタトバがトラクローを使って弾くとそのまま素早く弓を構えて弦を引くことで矢を生成する。
それを見たモスアンデッドが鱗粉に包まれるがDタトバは静かに狙いを定めると、光の矢を放つ。
放たれた矢は寸分狂う事もなく鱗粉が包みきれない部分――先ほど毒矢を放ってきた口吻に命中した。
「グォォォォォッ!!?」
「っ、今ですっ!」
「え、えぇっ!!」
「あぁっ!!」
矢が命中したと同時に苦しそうに声を上げながらも体から火花を上げるモスアンデッドを包む鱗粉が無くなったのを見たDタトバが叫ぶ。
それを聞いたラルクとランスが腰につけたカードホルダーからカードを取り出すとそれぞれの武器にあるスリットにカードを通した。
電子音声と共にラルクがエネルギーが集束した紅いエネルギー矢『レイバレット』をモスアンデッド目掛けて放ち、防ぐこともできずにまともに浴びた所で続けざまにランスが放つランスラウザーでの一撃『インパクトスタッブ』が決まる。
二人のライダーの連続攻撃を受けて倒れたモスアンデッドのベルトのバックルが開きランスがラウズカードを投げてモスアンデッドを封印したのであった。
「おっ、アイツ等封印できたみたいだな!手助けがあったけど、上出来だぜ!」
「こっちも早く終わらせましょう!」
「そうだなっ!」
「グァァッ!?」
モスアンデッドを封印する様子を偶々見ていて感心した様子のスパーダに話しかけるDサゴーゾ。
それを聞いて答えるスパーダがDサゴーゾと共にボアアンデッドに対して蹴りをお見舞いする。
蹴りを受けて後退するボアアンデッドは二人に対して突進してくるが、それは二人が左右に動いた事で丁度二人の間を通り抜けるような形とすることでかわされる。
ボアアンデッドが何とか止まったかと思うと、今度はDサゴーゾ目掛けて突進してくる。
それを見たDサゴーゾは両腕を前に突き出すことでバゴーンプレッシャーを放ち、突進してきていたボアアンデッドを吹っ飛ばした。
「よし、トドメお願いしますっ!」
「あぁっ!遠慮なくやらせてもらうっ!」
《マイティ》
「おらよっとぉっ!!」
「ガァァァッ!!?」
ボアアンデッドを吹き飛ばしたと同時にDサゴーゾがスパーダに声をかけると、スパーダはスパーダラウザーのスリットにカードを通す。
電子音声と共にスパーダが駆け出すとそのまま刀身に白い光を纏ったスパーダラウザーで放つ一撃『フラッシュブレイク』をボアアンデッドにすれ違いざまに放った。
スパーダの一撃をまともに受けて倒れたボアアンデッドのバックルが展開し、それに気づいたスパーダが投げたラウズカードによってボアアンデッドが封印される。
そんな時、Dラトラーターとグレイブが戦っていたライオンアンデッドが周囲のアンデッドが次々と封印されている状況を見て突然二人に背を向けて駆け出した。
「あっ!?待てっ!!」
「逃がすかっ!」
逃げ出したライオンアンデッドを追いかけようとするグレイブを余所にDラトラーターが猛スピードで駆け出した。
それによって、Dラトラーターはあっという間に逃げようとしたライオンアンデッドに追いつくとそのまま背後から追い抜きながらもラリアットをライオンアンデッドの後頭部にお見舞いする。
その結果、ライオンアンデッドは地面に顔を打ち付けるかのように倒れるがすぐに起きあがった為にDラトラーターがトラクローを展開しようとする。
「ギャァァァッ!?」
「ウォォッ!?」
「ラトラーター、一緒に行こう!」
「了解っ!」
その時、吹っ飛んできたシェルアンデッドがライオンアンデッドにぶつかって一緒に倒れ込んだ。
何事かと思うDラトラーターに対してシェルアンデッドを吹っ飛ばしたDシャウタが駆け寄りながらも声をかけると、Dラトラーターと共にディレイドライバーにカードを装填。
電子音声と共に、Dラトラーターの瞳が一瞬紫に光ったと同時に地面に手を突っ込んでプトティラコンボの武器であるメダガブリューを取り出す傍でDシャウタは右手に出現した大型の剣――『メダジャリバー』に左手に握られた三枚のセルメダルを装填し、メダジャリバーに付いているレバーを操作した後に左手を刀身に滑らせる。
《ラトラーター!》
《トリプル、スキャニングチャージ!》
「なら、俺もっ!」
《マイティ》
それぞれが構える武器からの電子音声を聞いて決めに行く気だと判断したグレイブもグレイブラウザーにカードを通す。
電子音声と共に金色のエネルギーを纏ったグレイブラウザーを構える中、Dラトラーターが再び猛スピードで駆け出してシェルアンデッドとライオンアンデッドにグランド・オブ・レイジを決める。
Dラトラーターの一撃を受けてよろけるシェルアンデッドとライオンアンデッドに対して今度はグレイブが駆け出したかと思うとそのままグレイブラウザーでの一撃『グラビティスラッシュ』を放つ。
グレイブがDラトラーターの傍に来るような形でシェルアンデッドとライオンアンデッドの背後に着た途端、Dシャウタがメダジャリバーを振るう事で相手を空間諸共切り裂く『オーズバッシュ』をシェルアンデッドとライオンアンデッドに放ち、文字通り空間ごとシェルアンデッドとライオンアンデッドを切り裂いた。
切り裂かれた空間が元に戻った直後、シェルアンデッドとライオンアンデッドは爆発を起こしてそのまま仰向けに倒れるとベルトのバックルが開く。
それを見たグレイブが二体のアンデッドを封印する中、DラトラーターとDシャウタはまだ警戒した様子で周囲を見渡すが周囲には他のライダー達以外何もいなかった。
それを見てアルビローチは全滅したのだろうと思っていると、そこにアルビローチと戦っていたDオーズ達とディザイアが近づいてきた。
「そっちも終わったみたいね?」
「えぇ、何とか・・・」
「けど、どうしてアンデッド達はこの場所を・・・?」
「さぁね、良く分からないわ・・・それはそうと、どうなってるのこれ?イリュージョンで分身した後にフォームライドした、って訳じゃないわよね?イリュージョンってたしか6人までだし・・・」
「あ、いえ。スペシャルカメンライドカードを使ったんです」
Dオーズを見ながらも尋ねて来たディザイアに対してDシャウタが答える。
すると、何故かディザイアは固まってしまったのでどうしたのだろうと思うDオーズ達を余所に何やら困惑した様子でディザイアが声をかけてくる。
「・・・ねぇ、スペシャルカメンライド、って何???」
「え、えっと詳しく分かんないんですけどファイナルフォームライドの代わりに手に入れて・・・簡単に言うと、一度に複数の変身を発動させるカード、ですね」
「複数の変身・・・?」
「えーっと、オーズで言うとオーズのコンボ形態に一斉に変身できるカードと言う感じです。今の所、オーズの他にウィザードと鎧武があって・・・鎧武のは鎧武を含めたアーマードライダー大集合で、ウィザードはウィザードの4つの強化形態に一斉に変身するものに加えてもう一つあるみたいです」
「な、何よそれ・・・そんな能力のカード、聞いた事ないわよ・・・!?」
スペシャルカメンライドの力を聞いて驚きを隠せないでいるディザイアを余所にDオーズ達が一ヶ所に集まると同時に光に包まれる。
そしてその光が収まった時には一人となったディレイドが姿を現すと、そのまま歩き始める。
何処に行くのだろうと思う他のライダー達を余所に、ディレイドは病院内へと入っていくと病院内にいる不安そうな様子となっている人々に対してそのまま大きな声を上げた。
「皆さん、お騒がせしてすみませんでしたっ!怪人達は倒しましたから、もう大丈夫ですよっ!!」
「っ、お、終わった・・・?」
「って事は、助かったのか!?」
「よ、良かったぁ・・・!」
(これでよし、っと・・・)
「あ、あのっ!!」
ディレイドの言葉を聞いた人々はホッとしたり、助かった事を嬉しそうにし始める。
その様子を見てディレイドはそのまま病院を後にしようとしたが、突然誰かに声をかけられる。
ディレイドが声のした方を見ると、少年が乗った車いすを押しながら一人の看護婦が近づいてきた。
「あっ、さっきの・・・」
「あの、助けてくれてありがとうございました!」
「えっ、あ、いえ・・・どういたしまして。あっ、怪我は無かったですか?」
「はい、貴方が助けてくれたお陰で私もこの子も無事です。ほら、貴方もお礼言いなさい」
「お兄ちゃん、ありがとう!」
「いえいえ、どういたしまして」
近づいてきた看護婦と少年を見て、アルビローチに襲われそうになっていたのを助けた二人だと気づくディレイドに対して看護婦は頭を下げながらも礼を言ってきた。
それを見てディレイドは少し驚きながらも、看護婦と少年の安否を確認すると大丈夫と返されたのでホッとしていると今度は少年が礼を言ってきたので、ディレイドは少年の頭を撫でてあげた。
そしてディレイドは今度こそ出ようとするが、出る前に振り返って少年と看護婦に軽く手を振ってから病院を後にする。
少年と看護婦が手を振りながらも見送ってくれる中で外に出たディレイドは隠れて変身を解除しようかと思っていると、先に変身を解除していた紅音が面白そうに笑みを浮かべていた。
「えと、何ですか?」
「んー?お礼を言われて困惑してたのを見てちょっと笑っちゃっただけよ」
「わ、笑う事ないじゃないですか・・・って、そう言えば他の皆さんは?」
「先に帰らせたわ、私は旅人君を送ろうかと・・・」
「あ、ちょっと待ってください。少し調べたいことがあって」
「調べたい事?何それ?」
「・・・ちょっと、この病院に入院していたとある患者さんについて知りたいことがあって・・・帰りはこっちで何とかします」
「ふーん・・・分かった、それじゃ私は橘さんの所に戻るわね」
本来の目的を果たしておきたいと考えるディレイドの言葉を聞いて、紅音はオーロラを作り出すとそれを潜ってオーロラと共に消えてしまう。
それを見送った後で、ディレイドはとりあえず変身を解除しようと人気のない場所へと向かう事にした。
~BOARD 研究施設~
「あー・・・終わった終わった」
「お疲れ様です、紅音さん。どうぞ」
「おっ、三澤さん。サンキュ~!相変わらず気が利くわねぇ」
「いえ、これ位しか出来ないので・・・ドジばっかりしてますので」
オーロラを使って帰って来た紅音に対して三澤と呼ばれた女性が紙コップ片手に歩み寄ってきた。
持っていた紙コップを差し出してきた三澤に礼を言いながらも、紅音は紙コップの中に入っていた茶を一気飲みした。
「ふぅー・・・仕事終わりの一杯は良いわねぇ」
「おいおい・・・親父臭いぞ、紅音」
「いいじゃない別に・・・飲み方なんて人それぞれよ、っと?」
茶を一気飲みした紅音の一言に、紅音と同じように三澤から渡された茶を飲んでいた他の面々に混ざっていた橘が苦笑いする。
そんな彼女に対して返していると、急に紅音のポケットに入れた携帯が鳴り出した。
携帯を取り出して、画面を見るととある人物からの電話である事に気づいた。
「ん?何かあったのかしら・・・もしもし?」
『紅音さん、今どこにいる!?』
「え?協力してる皆と一緒に休憩中だけど?」
『なっ、休憩中!?アンデッドが出てるのにか!?』
「へっ!?アンデッドが出てるの!?」
「何っ!?」
「そんな馬鹿な!?アンデッドサーチャーは鳴ってない、ぞ・・・!?」
「う、ぐっ・・・!?」
「ちょ、皆どうし・・・あ、ぐ・・・!?」
アンデッドが現れていると言う紅音の言葉に驚く一同。
だが、それならばアンデッドサーチャーが鳴り響いているはずの状況に一同が混乱している中で突然真壁が倒れる。
それに続くように他の面々も倒れだし、紅音は何事かと思った途端に急に強烈な睡魔に襲われてその場に倒れてしまった。
『紅音さん!?どうした、おい!返事を・・・』
倒れた際に手から離れた携帯から声が聞こえるが、その携帯を三澤が拾うとそのまま電話を切ってしまった。
そして、三澤は倒れている紅音の手の上に携帯を置いた。
「み、三澤さん・・・これは一体・・・」
「・・・すみません、皆さんに動かれると少々困るのでアンデッドサーチャーを止めさせてもらいました。それと、皆さんに配ったお茶に強力な眠り薬を入れさせてもらいました・・・おやすみなさい。ゆっくり眠っていてください」
紅音が三澤を睨みながらも尋ねると、三澤は申し訳なさそうに答えた。
それに合わせるかのように、倒れた面々はそのまま気を失うかのように眠りについてしまった。
それから少しの間、倒れている面々を見ていた三澤は倒れている面々の中にいるある人物の肩を叩く。
すると、肩を叩かれたその人物は何事もなかったかのように起き上がったのだ。
「・・・上手く行ったみたいですね」
「えぇ・・・後は、作戦が上手く行くかですね・・・幸い、すでに必要なものは揃っていましたし」
起き上った人物の言葉に頷きながらも三澤はあるものを懐から取り出した。
それはこの世界にいる仮面ライダーの一人の変身アイテム、そしてそのライダーの変身に必要なカードだ。
三澤は改めてそれを確認した後で懐に入れると、そのままある人物と共に部屋を後にしたのであった。
・・・・部屋から出る直前、部屋の中に灰色のオーロラが出現していた事に気づかずに。
To be continued・・・