仮面ライダーディレイド   作:白き翼

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ウィザード達が戦っている中、ディレイドも邪武はヴァルゴゾディアーツに飛ばされた場所で戦いを始める。

邪武に下手に攻撃できない状況の最中、思わぬ乱入者が・・・



黄金の果実

 

「はぁぁぁっ!!」

「っとと!?」

 

ウィザード達がアルビローチと交戦している頃、とある公園で二人の戦士がぶつかり合っていた。

それは、ヴァルゴゾディアーツによって飛ばされてしまったディレイドと邪武である。

 

 

二人はこの場所に揃って飛ばされると、邪武がディレイドを始末しようと攻撃を仕掛けた事が切っ掛けで戦いが始まったのだがその戦いの余波が原因ですでに公園に設置されていた遊具のほとんどが破壊されてしまっている状態だ。

 

幸いな事に、周囲に人がいなかったのでディレイドも周りの被害を考えずに戦ってはいるものの邪武に押され気味となってしまっている状態だ。

 

何故なら、邪武が木綿季の体を乗っ取っている状態のままで戦っているので木綿季を傷つけてしまう可能性があったからである。

その為に、余り強い攻撃を放てずに手加減をせざる終えないでいるディレイドに対して邪武は容赦なく攻撃を仕掛ける。

 

 

《ダークネススカッシュ!》

「ダークネスバレットッ!!」

 

《ファイナルアタックライド、ディ・ディ・ディ・ディレイド》

「くっ、このぉぉっ!!」

 

カッティングブレードを倒すと共に響く電子音声に合わせて邪武の周囲に出現した無数の林檎型のエネルギー弾――『ダークネスバレット』がディレイドに迫る。

それに対して、ディレイドはディレイドライバーにカードを装填。

ブレイブッカー・ガンモードを横に振るいながらもディメンションバスターを放ったことで放たれた攻撃をすべて撃ち落としてしまう。

 

撃ち落とした際に派手な爆発が生じる中で、邪武は指を弾く。

すると、邪武の傍に何処からともなく飛んできた黒いイナゴの群れが一ヶ所に集まり始める。

 

まさか、とディレイドが考えた直後に一ヶ所に集まったイナゴの群れが不気味に光ったと思うと、イナゴ怪人へと変貌した。

 

「くっ、イナゴ怪人まで・・・!」

「これで二対一だ、さぁ!どうするっ!!」

 

下手に大きい攻撃もできない上に、二対一・・・

この状況をどう切り抜けようかとディレイドが考えようとするが、そうはさせないと言わんばかりにイナゴ怪人が襲い掛かろうとする。

 

その時、銃声と共に数発の銃弾がイナゴ怪人に命中する。

銃弾を受けてよろけるイナゴ怪人を余所にディレイドと邪武が銃声のした方向を見ると、そこにはライドブッカー・ガンモードを構えるディケイドの姿があった。

 

「つ、士!?どうしてここにっ!?」

「ん?気づいてなかったのか?ここはダイシーカフェの近くだぞ、派手な爆発音がすれば嫌でも気づく」

 

「ちぃ、ディレイドの仲間かっ!おい、そこのピンクの奴を倒せっ!!」

「ガァァッ!!」

 

突然現れたディケイドに驚くディレイドに対して少し呆れた様子で答えるディケイド。

そのやり取りを見てディケイドがディレイドの仲間だと理解した邪武がイナゴ怪人をディケイドに向かわせ、邪武はディレイドに襲い掛かる。

 

イナゴ怪人はそのままディケイドに殴り掛かるものの、振るわれた拳はディケイドが左手で鷲掴みにすることで止められてしまった。

 

「・・・ピンクじゃねぇ、マゼンタだぁっ!!」

「グギャァァッ!?」

 

(そ・・・そんなに怒らなくても・・・)

「はぁっ!!」

「っとと!?」

 

叫びながらもディケイドがライドブッカーでイナゴ怪人の横っ面をぶっ叩いた。

その一撃を受けて大きくよろけたイナゴ怪人に対し、ディケイドはライドブッカーをソードモードに切り替えるとまるで八つ当たりをするかのように容赦なく攻撃を仕掛け始める。

 

その様子を見たディレイドが少しイナゴ怪人が可哀想に思っている中で、邪武がダーク大橙丸で斬りかかってくるがディレイドは何とかそれをかわす。

邪武がダーク大橙丸を振り下ろすが、その一撃をブレイブッカーで防御しながらもその状態のままでガンモードからソードモードに切り替え、ダーク大橙丸を払いのけると手加減を忘れずに邪武を蹴る。

 

蹴られてよろけてた邪武が少し後退したところでディレイドは、ダーク大橙丸を弾き飛ばそうと考えてブレイブッカーを振るおうとする。

それに対し邪武は仮面の中でフッと笑みを浮かべると、彼の目の前で変身を解除した。

 

「っ!?」

 

「ガァァァッ!!」

「なっ、うわぁぁっ!?」

 

それを見たディレイドが驚きながらも思わず攻撃を止めた所を狙って、ディケイドを無視して駆け出していたイナゴ怪人が飛び蹴りを放ってくる。

ディレイドは対処が遅れた事が原因でイナゴ怪人の飛び蹴りをまともに受けてしまい、吹っ飛ばされる。

 

それを見たディケイドがイナゴ怪人の背後からすれ違いざまにライドブッカーを一閃しながらも、ディレイドに駆け寄る。

 

「吉良、大丈夫かっ!?」

「う、うん。何とか・・・」

 

「ははは、思った通りだな!変身しているときはともかく、生身の状態では攻撃出来ないだろう?少しでも攻撃すれば、この小娘が傷ついてしまうからな」

「くっ・・・!」

「ちっ、体を乗っ取られているって事か・・・」

 

「木綿季ぃっ!」

「むっ?」

 

「えっ!?」

「っ、この声は・・・」

 

自分の予想が当たっていた事を確信した様子のコウガネに対して、どうするかと考えながらも立ち上がるディレイドの傍で状況を大体理解したディケイドもどうしたものかと思い始める。

その時、すぐ近くで聞き覚えのある声がした為にコウガネとイナゴ怪人共々声のした方を見ると、そこには明日奈の姿があった。

 

「ゆ、結城さん!?」

「結城、何でここにっ!?」

 

「っ?貴様、何者だ?何の用だ?」

「っ、木綿季・・・私が分からないの!?」

「結城さん!今の彼女はコウガネと言う奴に身体を乗っ取られているんだっ!!」

 

「っ、乗っ取られてるって・・・何でそんな事をっ!?木綿季を返してっ!!」

 

「・・・五月蝿い奴め、やれっ!!」

「ガァァッ!!」

 

「っ、結城さん!逃げてっ!!」

 

いきなり現れた明日奈に驚く余所で見覚えのない明日奈を見たコウガネが首を傾げる。

それを見て、信じられないと言わんばかりの様子で声を上げた明日奈にディレイドが事情を説明すると同時に明日奈はコウガネに対して叫ぶ。

 

それに対して、明日奈が目障りだと考えたのかコウガネは傍に来ていたイナゴ怪人に命令する。

それを聞いたイナゴ怪人の口の中が光り出したのを見たディレイドが叫ぶ中でイナゴ怪人が口から光弾を発射する。

 

突然の攻撃に動くことが出来なかった明日奈が、思わず目を瞑った。

 

「ぐぁぁぁっ!?」

「・・・えっ?」

 

爆発するような音と共に聞こえた叫びを聞いて恐る恐る目を開ける明日奈。

そんな彼女の目の前で、いつの間にか彼女の前にいたディケイドが膝をついた。

 

「つ、士っ!!」

「・・・心配するな、この程度・・・」

 

「ふん、馬鹿な奴だ。身を挺して庇うとは・・・ぐっ、あぁっ!?」

「グゥゥ・・・!?」

 

「えっ?」

「何だ・・・?」

 

慌てて駆け寄るディレイドに対して答えながらも、ディケイドはふらつきながらも立ち上がる。

それを見たコウガネがとどめを刺そうと考えたその時、突然コウガネは頭を押さえて苦しみ始める。

 

その様子にイナゴ怪人も困惑し、ディレイド達も困惑し始める中でコウガネは苦しそうに声を上げた。

 

「あ・・・すな・・・!」

「っ、木綿季!?木綿季なのっ!?」

 

「何っ!?」

「コウガネの支配に抗っているの・・・?」

 

苦しそうに声を上げたコウガネが明日奈の名を呼ぶ。

それを見たディレイド達は今目の前にいるのはコウガネではなく、木綿季であると気づいて驚く中で木綿季はディレイドとディケイドを見る。

 

そして、涙を流しながらも二人に告げた。

 

「お願い・・・・僕を・・・ころ、して・・・!」

 

「なっ!?」

「木綿季、何を言ってるのっ!?馬鹿な事言わないでっ!!」

「ご、めん・・・でも、もう、もたない・・・だから・・・早、ぐっ!?あぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

「木綿季っ!?木綿季ぃっ!!!」

 

悲鳴を上げる木綿季を見て思わず叫ぶ明日奈。

だが、彼女の叫びもむなしく木綿季はコウガネに再び体を乗っ取られてしまった。

 

「ぐぅ・・・まさか、ここまで抗うとは・・・えぇい、何をしているっ!?奴等を全員始末しろぉっ!!」

「ガァァァァッ!!」

 

「くそっ、がっ!?」

「士君っ!?」

 

「くっ!!」

 

コウガネの命令を受けたイナゴ怪人が向かってくる。

それを見て明日奈を護ろうとするディケイドだったのだが、光弾を受けたダメージが大きかったのか再びその場で膝をついてしまう。

 

ディレイドが二人を護ろうと前に出てイナゴ怪人を迎え撃とうとしたその時、イナゴ怪人が何かに気づいた様子で頭上を見上げる。

その直後、イナゴ怪人の頭上から金色に光り輝く林檎が落ちて来たかと思うとイナゴ怪人がそれに包まれてしまう。

すると、イナゴ怪人はその中で苦しそうにもがき始めたかと思うとそのまま爆発してしまった。

 

「何っ!?」

 

「な、何なのあれ・・・?」

「あれは・・・」

 

その光景を見て驚きを隠せないでいるディレイド達を余所に、林檎が光り輝いたかと思えば一人の青年へと姿を変えたのだがその姿を見たディレイドは驚きを隠せなかった。

 

何故ならその青年は、ディレイドが行った鎧武の世界で知り合い共に戦った人物――柏葉浩太だったからである。

だが、驚いたのは突然の浩太の出現だけではなく浩太の外見も含まれている。

 

ディレイドが知っている浩太とは違って、今目の前にいる浩太の髪は金髪でさらには銀色の鎧を纏った姿であった。

その姿を見て、ディレイドは彼の知る仮面ライダー鎧武の物語の主人公である『葛葉紘汰』と同じ『始まりの男』と呼ばれる存在となっているのだと考えていると浩太がディレイドの姿を見た途端に駆け寄ってきた。

 

「よぉ吉良、久しぶりだなっ!!」

 

「あ、はい!お久しぶりです・・・って!?それよりどうしてここに!?それにその恰好・・・」

「あ、これ?いやぁ~、あれから色々あってなぁ~!簡単に言うと・・・俺、今は神様やってるんだよ」

 

「「か、神様・・・?」」

「あぁ、それのお陰かどうか分からないけど、気づけてな・・・まさか、生き延びていたとはな?コウガネッ!」

「っ、貴様・・・何者だっ!?」

 

「俺は柏葉浩太、アーマードライダー鎧武っ!吉良と一緒にお前を一度倒した奴だ!!今度こそお前を倒す・・・だがその前に、その体から出て行ってもらうっ!!」

「うっ、あぁぁぁぁっ!!?」

 

吉良に対して笑いながらも話していたかと思えば、急に真剣な表情となってコウガネに対して声を上げる浩太。

 

自分を知っている様子の浩太に対して警戒を露わにするコウガネに対し、浩太は言い放ちながらも右手を突き出すと同時に右手から光の波動が放たれる。

コウガネはそれを浴びると共に苦しみだしたかと思うと、突然木綿季の体から大量の黒いイナゴが出現したかと思うとそのまま崩れ落ちるように倒れる。

 

それを見た明日奈が慌てて木綿季に駆け寄って行ったその時、木綿季の体から出て来た黒いイナゴが一ヶ所に集まりだしたと同時に不気味に光り輝いた。

 

《ダークネスアームズ、オぅゴンの果実!》

 

「なっ、単独で動けるのか!?」

「おのれおのれおのれぇっ!貴様等、纏めて消し去ってくれるぅぅぅっ!!」

 

「吉良、行けるか?」

「えぇ、行けます!今度こそ・・・決着を付けましょう!」

 

「・・・今の俺では足を引っ張るか。結城、離れるぞ」

「う、うん!」

 

「行くぜ、吉良っ!!」

「はいっ!!」

 

不気味な光と共に響いた電子音声と共に再び邪武が姿を現した。

 

コウガネが単独で変身したことに驚くディレイドを余所に怒り狂った様子の邪武が叫ぶ。

そんな中、ディレイドの肩を叩きながらも浩太が尋ねて来たのでディレイドは頷いて答える。

 

その様子を見て一旦離れようと木綿季を抱えあげたディケイドと共に明日奈が離れる中、浩太の腰にカチドキロックシードと極ロックシードを装着した状態の戦極ドライバーが出現する。

 

「変身っ!!」

 

《ロックオープン》

《極アームズ!大・大・大・大・大将軍!》

 

浩太が極ロックシードのレバーを捻り、響き渡る電子音声と共に浩太は鎧武極アームズに変身する。

それを見た邪武が身構えるのを余所に鎧武が邪武に言い放った。

 

「さぁ、こっからは・・・俺達のステージだっ!!」

《無双セイバー》

 

「「はぁぁぁぁっっ!!」」

「うぉぉぉっ!!」

 

極ロックシードのレバーを捻り、電子音声と共に出現した無双セイバーを手にした鎧武とブレイブッカー・ソードモードを持ったディレイドが同時に駆け出す。

それを迎え撃とうとダーク大橙丸と無双セイバーを構えて邪武が襲い掛かった。

 

鎧武とディレイドを相手に攻撃を捌きながらも反撃する邪武だったが息の合った二人の動きに徐々に押され始める。

 

これでは分が悪いと思ったのか一旦距離を離すとそのまま駆け出していき、それを追いかけるように走り出した鎧武とディレイドに対してダーク大橙丸と無双セイバーを連結させてナギナタモードにした状態で振るって斬撃を飛ばしてくる。

 

放たれる斬撃を何とかかわしながらも鎧武は無双セイバーのトリガーを引いて放った銃弾で、ディレイドはブレイブッカー・ガンモードでの銃弾で攻撃し始める。

そのまま斬撃と銃弾の放ちあいをしている中で、邪武に銃弾が命中し続けた為に邪武の動きが止まる。

 

それを見た鎧武とディレイドは瞬時に行動する。

 

《アタックライド、ブラスト》

《ブドウ龍砲》

 

「「はぁぁっ!!」」

「くっ、ぬぉぉぉっ!?」

 

ディレイドはカードを装填して強化された銃弾を連射、鎧武は左手に出現させたブドウ龍砲と同時に無双セイバーで銃弾を放つ。

何とか防ごうとするものの、完全に防げきれずにまともに銃弾を浴び続けることになった邪武は倒れる。

 

倒れた邪武は倒れて動かなかった為にやったか、と考えたディレイドだったがそんな彼の考えを裏切るように邪武は素早く起き上がる。

 

「くっ、何故だ・・・黄金の果実である私が・・・貴様ら如きにっ!!」

《ダークネススカッシュ》

 

邪武は訳が分からないと言わんばかりに叫びながらもカッティングブレードを倒す。

それに合わせて響く電子音声と共にダークネスバレットをディレイドと鎧武目掛けて放つ。

 

それに対して、鎧武がブドウ龍砲を手放したと同時に左手を突き出すと向かって来たダークネスバレットが見えない壁に阻まれたかのように止まるとそのまま消滅してしまった。

 

「な、何だとっ!?」

 

「・・・前に吉良が言ったはずだぜ?お前はただの金メッキだってなっ!」

「ぐぅぅ・・・貴様も私を愚弄するかぁっ!!!」

 

《ダークネスオーレ!》

「くたばれぇぇぇぇっ!ダークネスバーストォッ!!」

 

「おっとっ!!」

《マンゴパニッシャー》

 

鎧武の言葉に怒りを露わにした邪武はカッティングブレードを二回倒すと同時に響く電子音声と共に大型のリンゴ型のエネルギー弾――『ダークネスバースト』を放つ。

それを見たディレイドが動く前に鎧武は花切りにしたマンゴーの果肉を模した頭部のメイス型の武器――『マンゴパニッシャー』を取り出す。

 

「うおらぁぁぁぁっ!!」

 

「えっ、えぇぇぇっ!?」

「何っ、ぐはぁぁぁぁっ!!?」

 

マンゴパニッシャーを両手で持つと同時に、鎧武が叫びながらも豪快にフルスイングする事でダークネスバーストをコウガネ目掛けて打ち返してしまった。

鎧武の行動に仰天するディレイドに対し、放った技があっさり返された挙句かわすこともできずに自分が放った技を自分でくらう羽目になった邪武は吹っ飛んでしまい、地面を転がる。

 

「決めるぜ、吉良っ!!」

「あ、はいっ!浩太さんっ!!」

 

《ファイナルアタックライド、ディ・ディ・ディ・ディレイド》

《極スカッシュ》

 

マンゴパニッシャーを放り捨てた鎧武の言葉を聞き、カードを装填するディレイドの傍でカッティングブレードを一回倒す鎧武。

響く電子音声と共に二人同時に飛び上がると、そのまま邪武目掛けて無頼キックとディメンションストライクを放つ。

 

「いっけぇぇぇぇっ!!」

「せいはぁぁぁぁっ!!」

 

「ぐっ、あぁぁぁぁっっ!!?」

 

邪武はダーク大橙丸と無双セイバーを分離、そのまま二本を交差させてそのまま二人の攻撃を防ごうと試みる。

 

だが、二人の攻撃はダーク大橙丸と無双セイバーを砕き、勢いも衰えることなく邪武に届いた。

大きく吹き飛ばされた邪武を余所に二人同時に着地した鎧武とディレイドの前で何とか立ち上がる邪武だったが、二人の目の前で体中から火花を上げ始める。

 

「ば、馬鹿な・・・この私が、一度ならず二度までも・・・貴様ら如きにぃぃぃぃっ!!?」

 

信じられないと言わんばかりに叫んだ直後、邪武が倒れたと同時に大爆発を起こした。

目の前で起こった爆発を見た鎧武とディレイドは顔を見合わせる。

 

「やったな、吉良」

「はい・・・ありがとうございました、浩太さん」

 

「何言ってんだ、こっちが礼を言いたいくらいだっての・・・あっ、そう言えばさっきの子達は・・・」

「吉良君!」

 

鎧武が明日奈と木綿季は大丈夫かと言おうとした時、明日奈の声が響く。

それを聞いたディレイドと鎧武は明日奈と木綿季、そしていつの間にか変身を解除していた士を見つけて歩み寄っていく。

 

そんな中、ディレイドは士が明日奈を庇った際に負傷している事を思い出してカードを装填する。

 

《スキルライド、アーシア・アルジェント》

 

「士、ちょっとごめんね」

「っ?おい、何を・・・」

 

電子音声と共に駒王学園の制服姿のアーシアが一瞬現れると、ディレイドの両手にアーシアの神器である聖母の微笑が現れる。

士の前で屈むディレイドを見て、何をする気かと思う士を余所にディレイドは士に両手を伸ばす。

 

それに合わせるように聖母の微笑から放たれる緑色の光が両手を包むのに合わせ、士の傷を光が包み込むとあっという間に治っていく。

 

「っ、これは・・・」

「治癒魔法だよ、さっきのカードの効果で使えるようになっているんだ・・・はい、終わりっと」

 

傷が治っていく事に驚く士に説明している間に治療を終えたディレイドが立ち上がると、そのまま変身を解除する。

それを見た鎧武も変身を解除するのだが、変身を解除した浩太の姿は何故か吉良が知り合った頃の浩太の姿となっていた。

 

「あ、あれ?さっきと格好が違う・・・」

「ん?あぁ、姿は一応切り替え可能なんだ。それより、コウガネに乗っ取られてた子は大丈夫か?」

 

「それが、脈はあるみたいなんだけど目を覚まさなくて・・・」

「・・・とりあえず、紺野さんの入院していた病院・・・横浜湾北総合病院、だっけ?に連れて行こうか。あ、でも場所が・・・」

 

明日奈が浩太の姿が違う事に驚くのに気づいた浩太が簡単に説明しながらも、木綿季の様態を尋ねる。

それに対して悲しそうな表情で答える明日奈を見て、木綿季を横浜湾北総合病院に連れて行こうと考える。

 

だが、吉良は横浜湾北総合病院に行ったことはあるものの、行った際は紅音のオーロラを使った上にそこからヴァルゴゾディアーツで飛ばされてここにいる状態なので場所がさっぱり分からないのであった。

どうしたものかと吉良が悩んでいるのを余所に、立ち上がった士が右手を前に伸ばす。

 

すると、士の前にオーロラが作り出されたのであった。

 

「っ、オーロラ・・・?」

「・・・これを潜れば目的の病院に行ける。俺も一度結城を連れて行ったことがあるから場所は知ってるんでな。行くぞ」

「あ、うん」

 

「そんじゃ、ここでお別れだな。俺も用事が済んだから俺の世界に戻るよ」

「分かりました。それじゃ、浩太さん。お元気で!」

「あぁ、吉良も頑張れよ」

 

浩太と話し終えた所で、吉良は木綿季をおぶった士と明日奈と共に士の作ったオーロラを潜っていくのを笑顔で手を振って見送る浩太。

浩太の目の前でオーロラが消えたのを見た後に、浩太の体を光が包み込んだかと思うと最初の時のように黄金の林檎となって空へと舞いあがっていったのであった。

 

 

 

 

 

「おーらよっとぉっ!!」

「はぁぁっ!!」

「おりゃぁぁっ!!」

 

『『『『『ギィィィィッ!!?』』』』』

 

ディレイド達の戦いが終わった頃、ウィザード達もアルビローチを全滅させ終えた所であった。

断末魔と共に消滅するアルビローチの群れを見ながらもそれぞれ武器を下ろし始めた。

 

「やれやれ、流石に疲れたぜ・・・てか、お前何でカード一枚もねぇんだよ?フォローするの大変だったぞ・・・」

「知るかっ!?俺も無いとは思ってなかったってのっ!!」

 

「ま、まぁまぁ・・・無事に終わったんだから良いじゃない・・・ん?」

 

疲れている様子のディバインの一言にレンゲルが言い返す。

そのまま放って置くと言い争いに発展しかねないと考えたのか、ウィザードが止めに入ろうとするとバイクが近づいてくる音がし始める。

 

ウィザード達が音のする方を見た途端、彼の前で金色のカラーリングのバイクに乗ったグレイブが現れた。

 

「っ、何だあの仮面ライダー・・・うぉっ!?」

 

グレイブを見たレンゲルが驚いた様子で呟くのを余所に、グレイブがバイクから降りるや否やいきなりグレイブラウザーを構える。

それを見たディバインとウィザードがそれぞれ武器を構えると、グレイブはグレイブラウザーの切っ先をレンゲルに向ける。

 

「レンゲルバックルが奪われた後でレンゲルの反応が出現したと聞いて来てみれば・・・お前は一体誰だ!?」

 

「おいコラッ!いきなり武器を向けるなよ、物騒だな・・・そもそもこいつは元々レンゲルに変身していた奴だぞ?問題はないはずだ」

「えっ、元々変身していたって・・・まさか、下野睦月君か?三年前にレンゲルとして戦っていた・・・」

「あ、あぁ・・・そうだけど、アンタは?」

 

「っと、すまない・・・僕は志村純次。この姿は新たに生み出されたライダーシステムで変身するライダーの一人、グレイブだ。橘咲夜さんの指示の元行動している」

「へぇ、橘さんの知り合いか・・・」

 

レンゲルが睦月が変身していると聞いたグレイブはグレイブラウザーを下ろすと、腰のホルダーに収めながらも名乗る。

レンゲルも橘の知り合いだと聞くと警戒を緩めたので、ウィザード達も武器を下ろす中でグレイブがディバインに尋ねて来た。

 

「そうだ、知り合いと言えば・・・そっちの黒いライダーは天宮紅音さんか秋山吉良君の知り合いか?」

「っ!?何で吉良君の事を!?」

「はっ?紅音さんと知り合いなのか?」

 

「あぁ、紅音さんは僕達の協力者だ。そして秋山君は紅音さんが今日僕達の所に連れて来てね・・・彼もアンデッドを封印するのを手伝って貰った」

「ちょ、ちょっと待ってくれっ!アンデッドを封印!?アンデッドは三年前に全て封印したはずだぞっ!!」

 

「あぁ、けれども再びアンデッドが解き放たれてしまっているんだ・・・まだ、封印されていないアンデッドが残っている状態だ」

「うげ、マジかよ・・・」

 

「・・・えっと、吉良君は今日はバイトって聞いてるんだけど・・・」

「そ、その辺は良く分からないんだ・・・紅音さんが橘さんと共に引っ張って来たのは知っているけど、どういった経緯で連れて来たかまでは・・・」

 

「・・・相変わらずだな」

 

紅音と吉良の名を出されて驚く二人にグレイブが事情を説明すると、それを聞いてレンゲルが声を上げる。

それに対して答えていると、ふとウィザードが気になった事を尋ねる。

 

ウィザードの疑問に対して、グレイブは困った様子で答えて来たので何となく無理やり連れて行ったと考えたのかディバインは呆れた様子だ。

そんなこんなありながらも、グレイブはひとまずレンゲルの処遇をどうするか確認するために橘に連絡を取り始めた。

 

そして、連絡を取りながらもレンゲルに声をかけた。

 

「・・・今確認を取ったんだが、レンゲルバックルは君が所持してくれて構わないそうだ」

「いいのか?」

「あぁ、だが、いざというときは協力して欲しいと言っているんだが・・・」

 

「・・・大丈夫だ。こうなった以上、戦ってやるよ」

 

レンゲルの答えを聞いたグレイブは橘にその事を伝える。

そのまま少し話したかと思うと電話を切って、ウィザード達の方を向く。

 

「それでは、僕はここで・・・また、何かあった時は共に戦ってくれると助かる」

「・・・状況次第だな」

「まぁ、そうなるね・・・」

 

「・・・それと、秋山君の事だが多分先に家に戻っていると思うだそうだ。なんでも紅音さんの知り合いがバイト先まで送ると言っていたらしい」

「ふぅん、紅音さんの知り合いがねぇ・・・」

 

「それじゃ、僕はここで・・・」

 

ウィザード達に声をかけた後でグレイブはバイクに乗ってそのままこの場を後にした。

それを見送った後で、ウィザード達も変身を解除した後で解散するとそのまま帰路につくのであった。

 

 

 

 

To be continued・・・

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