仮面ライダーディレイド   作:白き翼

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吉良達を予期せぬ事態が何とか終わる中、レギオネクスの暗躍は吉良達の知らないところで続いていく。

そんな最中、紅音の方にも予期せぬ事態が起こってしまう・・・。



潜む偽り

~???~

 

「ごめんね、こっちの作戦は失敗しちゃった・・・ディナーレがやらかして、レンゲルバックルを奪い取られちゃった」

「・・・そうですか」

 

夕暮れに染まる街並みの中にある誰もいない廃ビルの中、霧彦はある人物と会話していた。

その人物は紅音達を眠らせた三澤と名乗っていた女性だ。

 

霧彦の言葉を聞いて落ち込む様子の三澤を見て霧彦は慌てて声を上げた。

 

「あぁっと、気にしないでよ。失敗したのはディナーレなんだしさ織姫ちゃんが気にすることは・・・っとと、三澤ちゃんだった」

「いえ、もうBOARDには戻る気は無いので・・・もう織姫で構いませんよ」

 

少し言い間違えた為に少し慌てた様子となる霧彦。

それを見て、気にしていない様子で三澤・・・織姫は返した。

 

 

 

実は織姫は偽名を使ってディレイド達が来るよりも前からBOARDに潜り込んでいたのだ。

その理由はディナーレが目論んだとおりに『レンゲルを自分達側につける為』であり、その為にしばらくの間仲間のフリをしていたのだ。

 

 

 

盗み出したまでは良かったんだけどなぁ、と織姫が思っているとそこに森亜が姿を現した。

 

「あら?森亜の旦那、どうしたの?」

 

「いえ、アルビノジョーカーが動き出すようです。そろそろこちらも動かさせてもらう、と伝えて来たので二人に教えておこうと思ってね」

「・・・報告ありがとうございます。こちらもアレに伝えておきます」

 

「アレ、ねぇ・・・正直言って、凄いね。見事に化けきっちゃってるけど」

「幸い、BOARDの方々に勘が良い方はいないようですから問題ないはずです。このまま上手く行けばいいのですが・・・」

 

 

 

 

 

~光風館~

 

「へぇ、目的の病院につけただけじゃなくって紺野って子の方も解決したんだ」

「はい、でも色々とバタバタしてるみたいで・・・」

 

「しっかし、解決できたのは良かったけどまさか鎧武の世界で倒した奴が生きてたなんてなぁ・・・さらには、鎧武が世界を超えて現れちまってるし」

 

「・・・神様のライダー、ってのも凄い話ねぇ」

「うん、正直驚いたよ・・・それより、そっちにはディナーレがレンゲルを狙って現れたんだったね」

 

「あぁ、ディナーレがレンゲルの変身アイテムを持ってたが、どうやって手に入れたんだか・・・それより、俺が引っ掛かってんのは変な黒いライダーだな」

「えと、ゲンムだっけ?自転車に乗っていきなり出て来たと」

 

「ゲンム、か・・・僕も聞いた事ないライダーなんだけど・・・」

「吉良も知らないライダーか・・・ったく、紅音さんの奴どこで拾って来たんだ?」

 

夕方、光風館に集まった吉良達はそれぞれ今日起こった事を話し合う。

吉良達がそれぞれ起こった情報を話している中、夕飯を作っていた宗一郎がふと気になった事を尋ねて来た。

 

「それはそうと吉良君、トラブルに巻き込まれちゃってたみたいだけどバイトは大丈夫だったのかい?」

「えーっと・・・それが、バイトに行ったらすぐに紅音さん・・・あっ、紫音さんのお姉さんに連行されたので」

 

「れ、連行って・・・大丈夫だったの?」

「うん、まぁ、何だろう・・・今回が初めてじゃないから」

 

「あー・・・吉良君、鎧武の世界でも似たような目にあったね」

「・・・お前、オーズの世界でもそんな目にあってなかったか?なんかそんな話をオーズの世界の連中から聞いた覚えがあるんだが」

 

「どんだけ連行されてんのアンタ・・・一体何したの?」

「いや、ほとんど無理矢理連れてかれたのばっかりだからね!?」

 

宗一郎に疑問に答えた吉良の言葉に思わずギョッとするキズナ。

それに対して吉良は困った様子で答えているのを聞いたクロウと零慈が思い出している傍でキズナは呆れた様子で吉良に尋ねる。

 

キズナの様子に対して失礼な、と言わんばかりに吉良は言い返した所で何やら不安そうな顔になった。

 

「ど、どうした吉良?」

 

「いや、その・・・また紅音さんに連行されないか不安になってね・・・」

「いやいや、連日トラブルなんてそうそう簡単には起きないわよ。考え過ぎよ、ちょっとリラックスしなさい?」

 

「・・・そう、だね」

 

心配そうに尋ねる零慈に対して、不安そうな表情のままで答える吉良を見かねたのかキズナが軽く頭を叩くように撫でながらも告げる。

急に頭を撫でられ驚きながらも、キズナの言う通り考え過ぎかと思ったのか吉良は少しだけ表情が明るくなったのであった

 

 

 

 

 

 

翌日・・・

 

 

 

 

 

~ダイシーカフェ~

 

「お、おはようございます」

 

「おぉ、おはようさん」

「・・・よぉ」

 

「あ、あれ?士・・・何か怒ってる?」

 

恐る恐ると言った様子でダイシーカフェに入る吉良。

吉良の姿を見たアンドリューが軽く手を上げながらも返すのに続くように士も声を上げるのだが、何やら士の様子がおかしい。

 

何やら苛ついているように見える士を見てどうしたのだろうと思った吉良にアンドリューが代わりに説明する。

 

「あー・・・実はさっきまで昨日来てた紅い髪の女が来ててよぉ・・・」

「え、紅音さんが?」

 

「あぁ、またお前の力を借りに来たみたいなんだが・・・話を聞いてた士がキレて、文字通り店から蹴り出しちまったんだよ」

「えぇ!?な、何してんの士っ!?」

 

「・・・吉良を連れてく理由を聞いたら『ちょっとは私が楽できるかな~?と思って』と笑いながら抜かしやがってな。とっとと帰れと言って追い返したんだよ」

「そ、そっか・・・」

 

紅音を蹴り出したと聞いて、吉良は思わずぎょっとなりながらも士に言うと士は軽くため息を吐いた後に吉良がいない間に起こった事を説明する。

それを聞いていると、何やら困った様子でアンドリューが声をかけてきた。

 

「おい、吉良。ワリィんだけどちょっと買い出し頼んでいいか?」

「えっ?構いませんが・・・何を買えば?」

 

「ちょっと待ってろ、今メモしてやるから・・・」

「店長、俺も付いて行ってもいいか?」

 

「え?買い出し位一人で大丈夫だよ?」

 

「・・・アイツが吉良が一人になったところに出てきかねん。そうなると非常に面倒だ」

「あ、あー・・・そりゃあるかもな。よし、行ってきな」

 

吉良に買い出しを頼んでくるアンドリューに自分も同行すると伝える士。

それを聞いた吉良がきょとんとするのを余所に、士は苛ついた様子で答えた内容を聞いてアンドリューも納得した様子で同行を許可する。

 

それから少しして、吉良はアンドリューの買い出しの品をメモした紙を受け取ると士と共に近くのスーパーへと買い出しへと向かうのであった。

目的地であるスーパーが近い為徒歩で向かう事にしたのだがその際、吉良はふと気になっていた事を士に尋ねていた。

 

「・・・そう言えば士、ちょっと聞きたかったことがあるんだけど」

「聞きたい事?何だ?」

 

「その、Dシリーズの適合者になったのってどうやって分かるの?」

「お、おいおい・・・そんな初歩的な事も知らないのか?初めてドライバーに触れた時、急に光り出しただろ?それが適合者に選ばれた証拠だ、手にした時誰かに聞いてないのか?」

 

「えっ?変だな・・・ディレイドライバーは紫音さんに渡されたんだけど、僕が渡された時にはそんな事起きなかったよ?」

「はっ?だが、レヴィはお前は適合者だと言ってただろ」

 

「ぼ、僕も分からないよ・・・適合者って言われたのあの時が初めてだったし・・・」

 

吉良の質問に対して呆れた様子で答えるのだが、その内容を聞いた吉良はディレイドライバーに紫音に渡された時を思い出すが、士の答えた内容のような現象は全く起こらなかった。

 

その事を伝えると士も驚いた様子で吉良に尋ねるが、吉良も適合者の事を知ったのはつい最近である。

 

士の言葉に上手く答える事も出来ないでいる中、ふと吉良はあの時紫音の言っていた言葉を思い出す。

 

『そこは、大丈夫だ・・・君にはコイツを使う資格がある』

(そういえば・・・渡された時、紫音さんは僕に使う資格があるって言ってたけど・・・まさか、僕は渡される前からディレイドライバーの適合者だったって事?でも、それなら・・・僕は何時、ディレイドライバーの適合者に選ばれたんだ?)

 

「おい、目的地通り過ぎて何処に行く?」

「え、あっ、ごめん」

 

紫音の言った言葉を思い出しながらも、気になった部分が生まれ始める吉良。

そのまま考え続けている中、目的地であるスーパーを通り過ぎようとしたので士に注意されてしまう。

 

その事を素直に謝りながらも、吉良は今は仕事優先と考え士と共にスーパーに入っていく。

 

 

 

 

 

 

~BOARD本部~

 

「いったたた・・・ったく、士の奴思い切り蹴り飛ばしてくれちゃって・・・あ、そういや、橘さん以外の連中大丈夫かしら・・・?」

 

「あっ!テメェ、見つけたぞっ!!」

「どこほっつき歩いてたのよっ!?」

 

その頃、紅音はと言うと士に蹴られた腰をさすりながらも廊下を歩いて橘の所に向かっている最中であった。

歩きながらも昨日倒れてしまった面々は大丈夫かと心配していると、前の方から慌てた様子で真壁と水津が駆け寄って来た。

 

「あら、ぴんぴんしてるわね。心配して損した・・・それより、何かあったの?」

「何かあったの?じゃないわよっ!アンタの知り合いが部屋で待ってんのよ!さっさと来なさいっ!!」

 

「はっ?私の知り合い・・・?」

「良いからさっさと来いっ!待ってる奴スゲェ怖い顔してるからっ!?」

 

水津の言葉に、紅音はやって来た自分の知り合いと言う人物が誰なのかが分からず首を傾げる。

そんな彼女の様子を見て、苛ついた様子の真壁と水津に腕を引っ張られて無理矢理連れて行かれる。

 

そして、紅音達が橘の待つ部屋にやってくると、そこには機龍と志村と橘の姿があったのだがそれ以外にももう一人いた。

その人物は少し鋭い青い瞳を持つ腰まで伸びた銀髪の少女だったのだが、紅音はその人物を見て顔を青ざめる中で銀髪の少女が声を上げた。

 

「・・・やっと来たか、放浪者」

「ま、抹消者!何であんたがここにいんのよっ!?」

 

「抹消者・・・?」

「あ、あー・・・紹介しとかないといけないわね。こっちはセツナ・フィンブルヴェド。あたしの同業者って所・・・なんだけど、何でここに?」

 

「・・・破壊者からお前がサボってると連絡を受けてな。博士に相談したら一発ぶん殴ってこいと言われてな」

「(ちぃっ、アイツ余計なことしてくれたわね!?)さ、サボっては無いわよ!?ちゃんとやる事やってるって!?」

 

「うだうだ言うな、いいから一発殴らせろ」

「こっちの話聞くつもり全くないわねアンタ!?」

 

紅音は銀髪の少女こと『セツナ・フィンブルヴェド』が何故ここにいるのか尋ねるや否や握り拳を作りながらも返して来たので、内心舌打ちしながらも慌てて弁解しようとする。

だが、セツナは話を聞く気ゼロなのか既に殴る気満々の様子であり思わず声を荒げてしまう紅音。

 

何やら険悪な雰囲気になりつつある中、突然アンデッドサーチャーが鳴り始めた。

 

「(ナイスタイミングッ!)アンデッドが出たみたいね、橘さん!」

「あ、あぁ。今場所を調べる・・・」

 

「うっし、場所分かったらとっとと行くわよー!」

 

「・・・逃げたいんだな」

「そう、みたいね・・・」

 

「待て、私も同行させてもらう。ちゃんとやる事やるなら、それなりの働きを見せてもらうぞ?」

「はっ!?付いてこなくてもちゃんとやるってのっ!!」

 

「念のためだ、無理矢理でも同行させてもらう。安心しろ、仕事に手を貸してやる」

「あぁー・・・はいはい!勝手にしなさいよもぉっ!!(あの野郎覚えてなさいよっ!絶対仕返ししてやるんだからぁっ!!)」

 

「っ、待てっ!アンデッドの反応がもう一つ現れた!」

「えっ!?」

 

アンデッドサーチャーが鳴ってくれたことに嬉しくなりながらも声を上げる紅音に頷きながらも、アンデッドの位置を探り始める橘。

そんな彼女を余所に元気よく声を上げる紅音を見て呆れた様子の真壁と水津がこそこそ話していると、セツナが同行すると言い始めた。

 

セツナの言葉に思わず付いてくんな、と内心思いながらも紅音が言うがセツナはどうしても付いてくる気である。

それを見た紅音はやけくそ気味に叫びながらも士に仕返ししようと考えている中での橘の発言のお陰で怒りがどこかに吹き飛んだ。

 

「状況は!?」

「片方は・・・以前ウルフアンデッドが現れた場所の辺りだな。しかも数が多い、恐らくあのアルビローチとか言う奴がいるんだろうが・・・もう片方はここから近い場所に一体だけだ」

 

「なら、二手に分かれましょう。一体だけの方は私と慎が行きます」

「うし、それで行くかっ!!」

 

「くれぐれも気を付けるんだぞ」

「「了解っ!!」」

 

橘の言葉を聞いた真壁と水津がその場を駆け出していく。

それを見送った後、紅音はオーロラを作り出していた・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ、何事もなく帰れたね」

「そうだな・・・まぁ、今日の所は放浪者が来る心配はなかったんだがな」

「えっ?どうして?」

 

「仕事仲間を無理やり連れて行った罰で抹消者に放浪者がサボってると言っといたんだ。今頃締め上げられてる頃だろうよ」

「し、締め上げるって・・・そんなに怖い人なの?」

 

「あぁ、結構おっかないぞ・・・まぁ、お前が出くわしてもアイツを怒らせない限り何も危害を加える事は無いさ」

 

一方、何事もなくダイシーカフェまで戻ってきていた士と吉良。

そんな中、士の言葉が引っ掛かった吉良に対して士は笑って返しながらもダイシーカフェに入る。

 

それに続くように吉良がダイシーカフェに入ると、そこにはアンドリューのほかに和人とその傍に座る黒髪の少女の姿を見つけた。

 

「おっ!噂をすれば・・・無事に帰って来たな」

「えぇ、何とか・・・って、おい和人。明日奈がいるのに他の女とデートか?」

「ちげぇよ!俺の妹だよっ!?」

 

「あ、あはは・・・初めまして。桐ヶ谷直葉と言います」

「何だ、妹か・・・俺は井上士、こっちは秋山吉良だ」

「よろしく」

 

和人と共にいる見知らぬ黒髪の少女こと『桐ヶ谷直葉』を見た士がジト目で見てきたので、思わず大きな声を上げてしまいながらも否定する。

その様子を見て思わず苦笑いしている直葉が挨拶してきたので、士が吉良の事も説明しながらも挨拶する傍で吉良も声をかける。

 

そんなやり取りをしていると、店のドアが開いたので吉良が客が来たのかと振り返るとそこにいたのはカンタビレであった。

 

「あれっ?カンタビレさん、どうしたんですか?」

 

「いや、たまたま入っただけだ。丁度いい、お前の仕事の見物がてらにコーヒーでも貰おうか?」

「あ、はい。士、コーヒー準備してくるね」

 

「おぉ、了解」

 

カンタビレの来訪に驚く吉良に対してカンタビレは笑いながらも答える。

それを聞いた吉良は士に席の案内を任せて、準備を始めるのを確認したところで士が席に案内する。

 

士に案内されて、和人達から少し離れた場所に座ってコーヒーを待つ事にするカンタビレ。

そんな時、ふと視線を逸らした際と和人と目が合う。

 

その時、カンタビレは何か和人の様子が変である事に気づいたのだが和人をじーっと見ていたために見られている和人は困った様子で声をかけて来た。

 

「・・・えーっと、どうかしましたか?」

「っと、すまない。何やら君が思いつめているように見えてしまってな」

 

「あ、やっぱりそう見えますか?私もそう思って何かあったの?って聞いてもなんでもないの一点張りで・・・」

「・・・何を悩んでいるかは聞かないでおこう。だが、君の周囲の人間をあまり心配させるなよ?」

「・・・」

 

「おい、あんた。あまり人の事に首を突っ込むのはマナー違反だと思うぞ」

「あぁ、すまない・・・彼を見ていたら、私の教え子とダブって見えてしまってな」

 

直葉の言葉を聞いて心配した様子のカンタビレの言葉に何も言えなくなる和人。

そんな彼の様子を見かねた士がカンタビレに注意すると、カンタビレは素直に謝罪した時に言った言葉にアンドリューが反応する。

 

「教え子?あんた、先生でもしているのか?」

「ん?まぁ、先生と言えば先生かな・・・剣を教えていたんでな」

 

「剣?剣って・・・もしかして、剣道ですか?」

「いや、剣術だ。まぁ、教え子と言っても一人だけだがな」

 

「剣術かぁ・・・お強いんですか?」

「まだまだ腕を磨いている最中だ、だが・・・周囲にはかなり恐れられてしまっているよ」

「へぇ~・・・」

「・・・ところで、剣道かと聞いて来た時少し声が弾んでいたように思えたが、君は剣道をしているのか?」

 

「あ、はい!小さい頃からやってて・・・一応、中学最後の大会でベスト8に入ったり、最近もインターハイとか玉竜旗のレギュラーに選ばれたりしてます」

「ほぉ・・・」

 

「コーヒー、持ってきましたー・・・って、あれ?何か随分会話が弾んでますね?」

「ん?あぁ、ちょっとな」

 

直葉とカンタビレの互いの剣に関する会話を聞いている中で、吉良がコーヒーを持ってくるのだが少し盛り上がっている様子にきょとんとなる。

そんな彼に笑いながらも答えるカンタビレの席に吉良は持ってきたコーヒーを置き、カンタビレがそれに口を付けようとした途端何やら表が騒がしくなり始める。

 

「・・・おいおい、また怪物か・・・?」

 

「・・・吉良、お前何かしらトラブルを呼び寄せる体質か?」

「いや、ディレイドになる前までこんなんじゃなかったからね!?と、とにかくちょっと行ってきます!」

 

「ったく、しょうがない・・・店長、俺も行ってくる。とっとと終わらせるぞ」

 

軽くため息を吐くアンドリューを余所に、呆れた様子の士がジト目で吉良に尋ねるが吉良は慌ててそれを否定する。

本当か?と疑いを持つ士を余所に外に出ていく吉良に付いて行くように士も外に出る。

 

すると、案の定アルビローチが暴れまわっていたのだがその中にはアルビローチと異なるものの姿があった。

それは剣と盾を持つ黒いカブト虫を思わせる姿をした怪人だった。

 

「あれは、ビートルアンデッド!?スペードのカテゴリーエースはまだ封印されてなかったの!?」

「どうでもいい、とっとと片付けるぞ!」

 

「う、うん!」

 

「ギギィィッ!!」

 

「っ、ちぃっ!?」

「うわっ!?」

 

黒いカブト虫の怪人こと『ビートルアンデッド』に驚きながらも変身しようとする士と吉良の死角からアルビローチが襲い掛かる。

突然の攻撃に驚きながらも士と吉良は何とかアルビローチの攻撃をかわしたのだが、吉良がかわした際にバランスを崩して倒れた拍子にディレイドライバーが手元から離れて転がってしまう。

 

「くそっ!!」

「お、おい吉良、っと!?」

 

『『『『ギギギッ!!』』』』

「ちっ、邪魔だっ!どけっ!!」

 

『『『『ギィィィッ!?』』』』

 

「変身っ!!」

《カメンライド、ディケイド》

 

転がってしまったディレイドライバーを回収しようと駆け出した吉良を慌てて追おうとする士だが、別のアルビローチが妨害するかの如く襲ってくる。

 

士はディケイドライバーを装着しながらも、周囲のアルビローチに対してライドブッカー・ガンモードを撃ちまくって数を減らした所でディケイドに変身。

そのままディケイドはライドブッカーを剣形態である『ソードモード』に切り替えてアルビローチを蹴散らして行き、ある程度数が減った所で吉良を助けようとするがそこにビートルアンデッドが立ちふさがった。

 

その間に何とかディレイドライバーを回収しようとしていた吉良がアルビローチに取り囲まれてしまった。

 

「ま、まずいなこれ・・・!」

「ギィィィッ!!」

 

「っ!?」

 

ディレイドライバーから離れた位置で取り囲まれてしまった吉良がどうしたものかと考えようとした矢先、吉良の背後にいたアルビローチが襲い掛かる。

それに吉良が気づいて振り返った時にはすでにアルビローチが吉良に対して腕を振るおうとしていた所であった。

 

吉良はそのままアルビローチの爪に切り裂かれるかと考え痛みを覚悟したその時、吉良を襲おうとしたアルビローチに和人が体当たりをした。

 

「ギッ!?」

「でぇいっ!!」

「ギァッ!!」

 

「き、桐ヶ谷君!?」

「吉良、これをっ!!」

 

「っとと!?ありがと、って桐ヶ谷君後ろっ!!」

「ギィィッ!!」

「っ、やべっ!?」

 

和人の乱入に驚く吉良に対して、和人は体当たりをしたアルビローチを蹴飛ばすと持っていたディレイドライバーを投げ渡す。

それを吉良が受け取り変身しようとするが、和人に蹴飛ばされたアルビローチが和人に襲い掛かろうとする。

 

だが、襲い掛かる前に突然現れたカンタビレが愛刀であるデバイスこと桜花を振るって、和人を襲おうとしたアルビローチを一撃で仕留めてしまった。

 

「なっ・・・!?」

「全く、無茶をしてくれるな?」

「そ、それはお互い様だろ!?アンタだって、吉良達を追うように出てったろ!?」

 

「ちょ、二人とも口論してる場合じゃないでしょっ!?」

「お前もツッコミ入れてないでとっとと手伝えっ!!」

 

「あ、ごめん!変身っ!」

《カメンライド、ディレイド》

 

呆れた様子のカンタビレの言葉に和人が少しムキになった様子で反論。

その様子を見て何しているんだ、と言わんばかりに吉良が声を上げたのだがそれに対してお前が何してんだ、と言わんばかりにビートルアンデッドと鍔迫り合いしている状態で吉良に怒鳴るディケイド。

 

ディケイドの言葉に素直に謝罪しながらも吉良はディレイドに変身。

そのまま、近づいてくるアルビローチを素手で蹴散らしてディケイドの援護に向かう間に和人とカンタビレの方にまでアルビローチが向かってくるがそれはカンタビレが苦戦する様子もなく、次々と斬り捨てていく。

 

そんな時、突然灰色のオーロラが現れたかと思えばそれを潜るようにしながらも紅音達が姿を現した。

 

「いたいたアンデッド、って吉良君に士がもう戦ってるし!?」

 

「な、何だあれは?」

「ぴ、ピンクのライダー・・・?」

 

「ピンクじゃねぇ!マゼンタだっ!!」

「グォォッ!?」

 

「な、何かキレてないかアイツ・・・?」

「あー、以前カラーリングの事を散々弄られててね・・・てか、聞こえてたとは」

「話してる場合か、私達も行くぞっ!!」

「了解ですっ!!」

 

「っ?随分と賑やかな連中が来たな・・・」

『主、彼等の中に異物が。数は1』

「何っ?」

 

紅音が驚く傍でディケイドの姿を見た橘と志村が困惑した様子となっているその話を聞いていたのかディケイドが怒鳴りながらもビートルアンデッドが振るった剣をライドブッカーで弾くとすぐさま顔面を殴り飛ばす。

その様子を見た機龍が何事かと思う傍で紅音が事情を説明すると、橘が声を上げて志村がそれに答える。

 

そのまま変身アイテムをそれぞれ構え始める紅音達を見ていたカンタビレに桜花が告げる。

その言葉が気になった彼女は、眼帯を外しながらも紅音達を見る。

 

眼帯に隠れていた赤い左目が紅音達を見るや否や、異物の正体を知る。

 

「あれか・・・桜花、頼む」

『了解、ソニックムーブ』

 

カンタビレの言葉に合わせた桜花の言葉に合わせて、カンタビレの体を紫のオーラが包み込む。

目の前で起こる現象に困惑する和人の前で、カンタビレが地面を思い切り蹴って駆け抜け、目にもとまらぬ速さで紅音達に近づいた。

 

紅音たちが対応する前に、カンタビレは紅音たちの中の一人に対して桜花で峰打ちを放つ。

その結果、カンタビレの一撃を受けて思い切り吹き飛ばされたのは・・・志村であった。

 

「ぐぁぁぁっ!!?」

 

「志村っ!?」

「ちょ、ちょっと!何を・・・」

 

「・・・仲間を欺けるほど上手く化けていたようだが、私の眼は誤魔化せないぞ」

「えっ?」

 

いきなり志村を攻撃したカンタビレに驚く一同の前で、カンタビレは吹っ飛ばされた志村のいる方に向かって告げる。

その言葉の意味が分からず首を傾げながらも紅音が志村のいる方を見た途端、目を見開いた。

 

何故なら志村のいるはずの場所にいたのは、地面に落ちているグレイブの変身アイテム『グレイブバックル』の傍に倒れている異形の怪物だったからだ。

 

「ギィィィ・・・ギィッ!?」

「え、えぇっ!?」

「し、志村が怪物に!?」

 

「合成アンデッド、ティターン!?」

「合成アンデッド?アンデッドとやらを合体でもさせたのか?」

 

「あぁ、二体のアンデッドが合体したものだ。奴は人間に化ける能力を持っているが、何故ここに・・・?」

「十中八九レギオネクスの差し金でしょうね、でもそれなら本物はどこに・・・」

 

「グギィィィィッ!!」

 

志村がいたはずの場所にいた怪人――『ティターン』が自分の姿に驚いていた。

それを余所に思わぬ敵の出現に驚く橘に対してカンタビレが尋ね、それに答える橘を余所に苛ついた様子で呟きながらも本物の志村がどこにいるのかと紅音が気になっていた。

 

そんな中、ティターンが一同に対して何処からか取り出した戦斧を構えながらも突撃してくる。

そして、一番近くにいたカンタビレに対して斬りかかってくるがカンタビレはそれを難なくかわす。

 

「どうやら、仕返しがしたいようだが・・・そうそう簡単にはやられんぞ?」

 

「ギィィィッ!!」

「遅いっ!!」

 

「グゲッ!?」

 

《メロン》

《ロックオン》

 

「変身!」

《ソイヤッ!メロンアームズ!天下御免!》

 

斧を振るって攻撃してくるティターンに対して、そう言い放つ中で突然桜花がカンタビレの手から無くなると、カンタビレはすぐさま戦極ドライバーを取り出して装着。

その間に襲い掛かろうとするティターンの顔に容赦なく蹴りをお見舞いして怯ませながらもメロンロックシードを開錠、戦極ドライバーに装着しカッティングブレードを倒す。

 

電子音声と共に頭上から降ってきたメロンが展開、カンタビレは斬月へと姿を変える。

 

「な、何だありゃ?!」

「め、メロンが落ちて来た・・・!?」

 

斬月の変身を初めて見た橘と機龍が目を丸くする中、ディターンは大して気にしていない様子で斬月に襲い掛かる。

 

斬月はティターンが振るった斧をメロンディフェンダーで防ぐと、そのまま斧を払いのけるようにメロンディフェンダーを振るうと、そのままティターンをメロンディフェンダーで突き飛ばすように殴り付ける。

斬月の反撃に思わず後退するティターンを余所に斬月は無双セイバーを抜いたと同時にメロンディフェンダーをティターン目掛けて投げつける。

 

ティターンは飛んできたメロンディフェンダーを弾き飛ばすが、メロンディフェンダーを投げつけると同時に駆け出していた斬月の接近を許し、そのまま無双セイバーでの連撃をまともに受けていく。

 

「グィィィィッ!?」

「はぁぁぁっ!!」

 

「なっ、合成アンデッドを一人で・・・!?」

「へぇ・・・結構やるわね」

 

「・・・なぁ、感心してる所悪いんだけど・・・あっちは良いのか?」

「あん?何が・・・」

 

戦いながらもティターンを圧倒する斬月を見て驚く橘の傍で戦いぶりに感心する紅音。

そんな時に機龍が声をかけて来たので、ふと視線を逸らした時に彼が何を言いたいのか理解した。

 

視線を逸らした時に、セツナの姿が目に入ったからだ。

 

「い、いや!サボってる訳じゃないからねっ!?斬月の戦いっぷりが凄くて圧倒されてただけだか・・・ら?」

 

必死に言い訳をしようとする紅音だったが、セツナは何かを見ながらも少し悲しそうな顔をしていた。

彼女の視線の先にはアルビローチを蹴散らすディレイドの姿があった。

 

「お、おーい?ど、どうしたの・・・」

 

「紅音、我々も行くぞっ!」

「えっ、あ、はいはい!了解っ!!」

 

セツナの見ているものに気づかずに、何故そんな悲しそうな顔をしているのか気になった紅音が問おうとする前に、紅音に対して橘はギャレンバックルを装着しながらも声をかける。

それを聞いて答えながらもディザイアドライバーを取り出す紅音はそのまま橘達と共に構えた。

 

「「「変身っ!!」」」

 

《カメンライド、ディザイア》

《Turn up》

《Open up》

 

響き渡る電子音声と共にそれぞれ変身する紅音達。

そのままディレイド達に加勢するようにしながら戦闘に参加し始めるのを見たセツナは慌てた様子でメタリックブルーになったディケイドライバーを思わせるものを取り出して腹部に当てる。

腹部に当てたと同時にベルトが伸びて腰に装着される中、右腰についたメタリックブルーのライドブッカーを思わせるものからカードを取り出して構える。

 

「変身」

《カメンライド、ディロスト》

 

電子音声と共にセツナを竜巻のように吹き荒れる吹雪が包み込んだ。

いきなり吹き荒れた吹雪に何事かと驚くギャレン達の前で、突然セツナを包んでいた吹雪が収まった。

 

その時にはセツナの姿は全体的にメタリックブルーになった赤い瞳のディケイドを思わせる姿――『仮面ライダーディロスト』へと姿を変えていた。

 

「なっ、アイツも仮面ライダーだったのか!?」

「いや、私ちゃんと『同業者』って言ったでしょうが」

 

「いや、それだけじゃ分からないんだがっ!?」

「ちょっ、た、橘さんっ!?」

「っ?どうした・・・っ!?あ、紅音!避けろっ!!」

「えっ?」

 

ディザイアの言葉にギャレンがツッコミを入れている中で、スパーダが慌てた様子で叫ぶ。

それを聞いて何事かと視線をそらすや否や慌ててそこから飛び退くギャレンを見てディザイアはすぐにその理由に気づく。

 

いつの間にかディロストの周囲に無数の氷の刃が生成されてあったからだ。

 

「フリーズスティンガーッ!」

「ちょちょちょ、わぁぁぁぁぁっ!!?」

『『『『『ギェェェッ!!?』』』』』

「わわっ!?な、何っ!?」

 

ディロストが腕を振るうと同時に周囲の氷の刃が一斉に飛んでいく。

それを見て慌ててディザイアが離れた直後に、アルビローチの群れが次々と氷の刃に貫かれて消滅していく。

消滅するアルビローチの中にはディレイドと交戦していた者達もいた為に、ディレイドは急に飛んできた氷の刃に何事かと驚いていた。

 

一通り攻撃がやんだところでもう少しで巻き込まれるところであったディザイアがディロストに文句を言おうとするが、それよりも先にディロストは何やら慌てた様子でディレイドに駆け寄っていった。

 

「す、すまない!大丈夫か!?」

「え、あ、はい。何とか・・・」

 

「ちょっとっ!あたしには謝罪も心配も無い訳っ!?」

 

「そうか・・・良かった」

「コラァッ!!無視すんじゃないわよっ!?」

 

「あ、あのー・・・紅音さんが・・・」

「心配いらないさ、あの程度でくたばる奴じゃないよ」

 

「変身しててもあんなの飛んできて当たり所悪けりゃ死ぬってのっ!?」

「・・・うるさい奴だ、何故そんなに騒ぎ立てる?」

 

「アンタのせいでしょうがぁぁぁぁっ!!」

 

「ふんっ!」

「グギィィィィッ!!?」

「ぶげらっ!?」

 

ディレイドには謝るのに自分には謝らないディロストの態度に怒り心頭のディザイア。

そんな彼女に斬月が蹴り飛ばして吹っ飛んできたティターンが直撃、そのまま一緒に倒れる羽目となった。、

 

ティターンを蹴り飛ばした張本人である斬月はしまった、と思いながら慌ててディザイアに駆け寄る。

 

「あっ!?す、すまんっ!大丈夫かっ!?」

「え、えぇ・・・何とか・・・ったく、あの氷のような冷たい女にも見習ってほしいわ・・・!」

 

「ぎ、ギィィッ・・・!」

「まぁいいわ・・・とりあえず、八つ当たりさせてもらうわよこの野郎っ!!」

 

「グゲェェッ!?」

 

斬月が駆け寄る中で立ち上がるディザイアの前でティターンが立ち上がる。

そんなティターンの顔目掛けてディザイアが八つ当たりと評して飛び蹴りをお見舞い、ディザイアの攻撃をまともに受けて吹っ飛ぶティターンを余所にディザイアはディザイアドライバーのスリットにカードを通した。

 

《ファイナルアタックライド、ディ・ディ・ディ・ディザイア》

 

「ギッ、ギィィィィッ!!」

 

「甘いっ!!」

「ぎ、ギギギッ!?」

 

電子音声が響くや否や、させるかと言わんばかりに向かってくるティターンに対して引き金を引くディザイア。

放たれた銃弾が紫の光のバーコードとなってティターンを拘束するや否やディメンションジェイルを容赦なくお見舞いする。

 

ディザイアの攻撃をまともに受けて体中から火花を上げたティターンが倒れると同時に爆発が起き、そのままティターンのベルトに付いている二つのバックルが展開。

それを見たギャレンは二枚のラウズカードを投げ、二枚が突き刺さると同時にティターンの体はカードに吸収されていった。

 

「んっ?カードを二枚投げた・・・?」

「え?あぁ、ティターンは合成アンデッド・・・カメレオンアンデッドとスコーピオンアンデッドの合体したアンデッドなんです。二体のアンデッドが一つになってしまっているから、奴を封印する時には二枚使うんです」

 

「あぁ、そういう事か・・・説明、ありがとう」

 

「フゥンッ!!」

「うぉぉっ!?」

 

「っ、士っ!」

 

ティターンに対してカードを二枚投げた事が引っ掛かるディロストにディレイドが説明する。

それに対してディロストが礼を言った直後、ビートルアンデッドと交戦していたディケイドがビートルアンデッドの盾で殴られて吹っ飛ばされた。

 

ディレイドがそれに気づいて慌ててブレイブッカー・ソードモードでビートルアンデッドがディケイドに対して振り下ろした剣を受け止める。

その間にディケイドが体勢を立て直し、ライドブッカーでディレイドが受け止めている剣を弾こうとするがそれよりも先にディロストがビートルアンデッドを横から蹴り飛ばして距離を置かせる。

 

蹴られたためによろけながらもディレイドから離れたビートルアンデッドが今度はディロストに襲い掛かろうとするが、ディロストが右手を前に伸ばした途端に右手から冷気が放たれる。

 

まともに冷気を浴びる羽目となったビートルアンデッドは慌てて距離を置く中、ディロストは腰につけたメタリックブルーのライドブッカーを思わせる装備――『ロストブッカー』を手に取るとそれを変形させる。

変形のさせ方から見てブレイブッカーで言うソードモードにするのかと思っていたディレイドだったが、その予想に反してロストブッカーは刀身が伸びると同時に柄部分も伸びて、槍を思わせる形態『スピアモード』にする。

 

「えっ、や、槍!?」

「はぁぁぁっ!」

 

「あっ、へ、変身!」

 

《カメンライド、ファイズ》

《アタックライド、ファイズエッジ》

 

ロストブッカーの変形に驚くディレイドを余所に、ロストブッカーを構えるや否やビートルアンデッドと戦い始めるディロストを助太刀しようとディレイドもディレイドライバーにカードを装填。

電子音声と共にファイズへと姿を変えると同時にディレイドライバーにカードを装填、電子音声と共に右手に出現したファイズエッジを構えてビートルアンデッドとディロストの戦いに乱入する。

 

「えぇいっ!!」

「ムゥッ!?」

「はぁっ!!」

 

「ウォッ・・・」

「「でやぁぁっ!!」」

 

「グォォォッ!?」

 

Dファイズの振るってきたファイズエッジを盾で防ぐビートルアンデッドだが、そこにディロストの蹴りが決まる。

ビートルアンデッドが後退した所を狙って、Dファイズとディロストがそれぞれの武器を同時に振るってビートルアンデッドを斬り付けた。

 

二人の一撃を受けて吹っ飛んだビートルアンデッドを余所に、Dファイズは一気に決めようとディレイドライバーにカードを装填する。

 

《ファイナルアタックライド、ファ・ファ・ファ・ファイズ》

「はぁっ!!」

「ムゥッ・・・!」

 

「逃がすかっ!!」

 

「ヌッ、オォォッ!?」

 

電子音声に合わせてエネルギーがファイズエッジの刀身に集まるや否やDファイズはファイズエッジを下から斬り上げるように振るって赤い光波を放つ。

地を滑るように向かってくる光波をかわそうとするビートルアンデッドの両足をディロストが冷気を浴びせて凍らせる。

 

凍らされたために盾を構えようにも身動きの取れない状態となったビートルアンデッドに光波がビートルアンデッドに命中すると、赤い光の円柱となってビートルアンデッドを拘束する。

それに合わせてDファイズが駆け出すのを見たディロストはディロストドライバーにカードを装填しながらも駆け出した。

 

《ファイナルアタックライド、ディ・ディ・ディロスト》

 

「はぁぁぁっ!!」

「でやぁぁっ!!」

 

「グァァァァッ!!?」

 

電子音声が響くや否や放たれたDファイズのファイズエッジでの一撃『スパークルカット』に続くように、ディロストのロストブッカーで放つ一撃『ディメンションスラスト』が決まる。

二人揃って武器を振り切った状態で止まるや否や、ビートルアンデッドの体にΦが浮かび上がると同時に爆発を起こしてその場に倒れる。

 

そのままビートルアンデッドのバックルが展開した事に気づいたスパーダがカードを投げてビートルアンデッドを封印する中、八つ当たりと言わんばかりに暴れるディザイアと共に戦っていたギャレン達によってアルビローチ達が全滅したところであった。

それを見て終わったな、とカメンライドを解除したディレイドが一安心している最中にディザイアはディケイドが蹴り飛ばしにかかっていた。

 

「うおらぁぁっ!!」

「おわっ!?な、何しやがるっ!!」

 

「やかましい、抹消者に余計なこと言った癖に!一発殴らせなさいっ!!」

「あぁ!?何が余計な事だ、お前が吉良を利用して楽しようとしてた部分は事実だろうがっ!!」

「わぁぁっ!?な、何してんの士、っと?」

 

「下がっていろ・・・ったく、やめないか馬鹿共がっ!!」

「ぎゃぁぁぁっ!?」

「寒ぃぃぃっ!?」

 

「・・・何やってんだか、ってあれ?あいつは・・・橘さん!前に言ってた奴って、アイツじゃないですか!?」

 

喧嘩を始めるディケイドとディザイアを止めに入ろうとするディレイドをディロストが手で制す。

いきなり止められたことに驚くディレイドを余所に、ディロストが右手を前に伸ばすや否や冷気を喧嘩している二人に浴びせる。

 

まともに冷気を浴びた結果、ディザイアとディケイドが余りの寒さに喧嘩をやめて悶え苦しみだした。

その様子に呆れていたスパーダがふと視線を逸らした際に、たまたま和人が目に入ると同時に和人を指差しながらもギャレンに声をかける。

 

スパーダの言葉を聞いて指さす方を見たギャレンが和人の姿を見るや否や、驚きの声を上げた。

 

「っ、和人っ!どうしてお前がここに・・・」

 

「え、あれ?橘さんって桐ヶ谷君と知り合いだったんですか?」

「き、吉良君、知り合いってか・・・橘さんとは、知り合い・・・てか、戦友よ」

 

「戦友って・・・まさか、桐ヶ谷君は・・・」

「そう・・・しかも、この世界の戦いを終わらせた仮面ライダー、ブレイドよ・・・」

 

「・・・あの、紅音さん、大丈夫ですか?」

「テメェ・・・俺まで浴びせやがって・・・!」

 

「喧嘩してるお前等が悪い」

 

「やれやれ・・・戻って、何か温かいものでも飲むとするか」

「そ、そうするわ・・・」

 

「桐ヶ谷、だっけ?ほれっ」

「っと!?」

 

「とりあえずお前に渡しとく、何かあったらよろしく頼むぜ」

 

ギャレンの様子が引っ掛かったディレイドに対し、和人がブレイドだと言う驚きの事実を聞いたディレイドだが正直今はがたがた震えるディザイアが心配になっていた。

その近くで同じく震えているディケイドがディロストに文句を言うがディロストは何処吹く風と聞き流す。

 

目の前で行われるやり取りに呆れるギャレンの提案に賛成しながらもディザイアはオーロラを作り出して潜っていく。

それにギャレンが続く中でスパーダが持っていたビートルアンデッドが封印されたカード――『チェンジビートル』を和人に投げ渡す。

 

和人は驚きながらも何とかキャッチするのを余所に、スパーダもオーロラを潜ってその場を後にした。

オーロラが消滅する中で持っているカードを見つめる和人を余所に、ディケイドの変身を解除した士がこの場に残っているディロストを見て尋ねる。

 

「・・・ん?おい、お前は良いのか?」

「あぁ、放浪者は一応働いてはいるようだからな・・・殴るのは勘弁しておいてやる」

 

「あの、ありがとうございます。手伝ってくれて・・・」

「ん?あ、あぁ・・・気にしないでくれ、それより・・・一つ良いか?」

 

「えっ?な、何ですか?」

 

ディロストが士に答えている中で、ディレイドの変身を解除した吉良がディロストに礼を言ってくる。

それに対して返しながらもディロストが何か言おうとしたので思わず緊張してしまう吉良。

 

「・・・その、敬語はやめてくれないだろうか?」

「えっ?」

「・・・あん?」

 

「・・・事情を知らないと言えども、君にそう言う話し方をされるのは・・・ちょっと嫌だからね」

 

突然の申し出に困惑する吉良と何言ってんだと言わんばかりの様子の士。

そんな二人を余所にディロストは変身を解除し、セツナの姿に戻るのだがその姿を見た途端に吉良が声を上げる。

 

 

 

「せ、せっちゃん!?」

「・・・はっ?」

 

 

 

「ふふっ・・・久しぶりだな?吉良君」

「・・・え、えぇっ!?」

 

 

 

セツナの姿を見た途端、驚きを隠せないでいる吉良。

それを余所に吉良の驚いた様子を見ていたセツナは悪戯成功、と言わんばかりに微笑みながらも返す。

 

その光景を間近で見た士は、セツナの見た事ない表情に思わず固まりそうになりながらも、恐る恐る吉良に尋ねてみることにした。

 

「お・・・おい、吉良?そいつとは一体どういう・・・」

「ん?友達だよ。小さい頃に、うちの父さんと母さんが連れてきてね。でも・・・久しく会ってなかったんだ。最後に会ったのって、父さんと母さんの葬式の時、だったよね?」

 

「あぁ、そうだな・・・すまないな、吉良君。余り顔を見せないで・・・」

「ううん、気にしないで・・・って、士。さっきから気になったんだけど、何で固まってるの?」

 

「いや、その・・・目の前の光景が信じられなくてな・・・」

「へっ?何で?」

 

親しそうに話す吉良とセツナの傍で固まる士が気になった吉良。

そんな彼に対して困惑した様子で正直に思っている事を告げる士を見てきょとんとなる吉良の頭にセツナが右手を置いた。

 

「・・・色々と話していたいが、そろそろお暇するよ。吉良君、くれぐれも無茶はしないでくれよ」

「うん。そりゃもちろん・・・あっ、せっちゃんもあんまり無理しないでよ?」

 

「ふふっ・・・ありがとう」

 

セツナの言葉に頷きながらも答えながらも、吉良は少し心配した様子でセツナに告げる。

それを聞いたセツナは吉良の頭に乗せた右手で吉良の頭を撫でた後、そのままどこかに向かって歩き出す。

 

その様子を見送る吉良の前でセツナは目の前に現れたオーロラを潜って消えてしまう中、士はある事が引っ掛かっていた。

 

 

(吉良と抹消者が友達、だと?そんな話、聞いた覚えがないが・・・どうなってるんだ?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おーいっ!真壁っ!水津っ!どこだっ!!」

 

その頃、紅音達は別行動を取っていた慎と千和を探しにアンデッドが出現した森の中を探索していた。

何故そんな事をしているのかと言うと、三人が戻った際には慎と千和が対処したアンデッドの反応がないのに、二人が戻ってきていなかったのだ。

 

それだけならまだしも、二人がいない事を不審に思い橘が携帯に電話しても、通じない状態となっていたのだ。

その状況に何かあったのではないかと考えた三人は慎と千和を探しに来ていたのだ。

 

「・・・ったく、二人とも無事だと良いんだが・・・!」

「全く、こっちはまだ寒いってのにアイツ等何処に行ったんだか・・・っ!?」

 

「あ、おい!?紅音っ!!」

「ど、どうしたんだよっ!?」

 

機龍が二人の無事を祈る中、紅音が何かを見つけて橘と機龍から離れて行こうとした為に二人は慌てて追いかける。

 

幸い、直に紅音が立ち止まったためにはぐれる事は無かったのだが追いつくや否や言葉を失う。

何故なら彼らの目の前には地面を血で染めながらも倒れる慎と千和の姿があったからだ。

 

「・・・遅かったみたいね」

「くそっ、一体誰が・・・!」

 

「あぁ?テメェ等、そいつ等の仲間か?」

「っ、誰っ!?」

 

念の為に、と脈を測った紅音が首を横に振りながらも言った言葉を聞いて機龍が悔しそうな声を上げる中で、誰かの声が響く。

いち早く声に反応した紅音は声のする方を見ながらもディザイアドライバーを構えると、そこには一部赤い部分がある白髪の男の姿があった。

 

その手には刃の部分が赤く染まったナイフを持っていたために二人を襲撃したのはこいつだと判断した紅音がディザイアドライバーを構えながらも男に問いかける。

 

「アンタ、一体何者?何でその二人を襲ったっ!!」

「あん?そこの二人の始末を依頼されたからだ・・・いるんだろ、出てこいよ依頼主さんよぉ」

 

銃を構える紅音に対して対して臆する様子も見せない男が視線をそらしながらも続ける。

すると、その男の言葉に答えるように志村が姿を現した。

 

「っ!?志村っ!!」

「志村、どういう事だっ!?」

 

「どういう事?今彼が言ったじゃないですか・・・慎と千和を始末してくれって」

「は、はぁっ!?何だってそんな事をっ!?」

 

「ははっ・・・こういう事だ、と言えば分かるかな?」

 

志村が依頼主と聞いて驚きを隠せない機龍と橘。

そんな彼等を余所に、志村は男が持っているナイフを借りると軽く頬を斬る。

 

斬った事で頬から血が流れるのだが、その血は赤い血ではなく・・・緑色の血であった。

 

「緑色の血・・・!?」

「っ、お前まさかっ!?」

「・・・勘付くのが遅いですよ、橘さん?」

 

緑色の血を見て驚く機龍を余所に、その血が意味するものを知っている橘が信じられない様子で声を上げた。

それを見て少し不気味さを覚えるような笑みを志村が浮かべるや否や、姿を変える。

 

それは以前、橘も遭遇した事のある緑と黒の体ではなく赤と白の体のジョーカー――アルビノジョーカーであった。

 

「なっ!?」

「もう一人のジョーカー、だと!?」

 

「・・・なるほどね。合成アンデッドとか言うのが入り込んでる時点で何か妙だと思ってたけど、潜んでいた余所者は三澤ちゃん以外にもいたって訳ねっ!!」

 

「っ、ティターンがしくじったのか?お前達が思った以上に早く戦いを終えた事にも驚いたが・・・まぁいい、こちらも用は済んだ・・・目的のものの一部をこいつ等が持っていたとは思わなかったがな」

「なっ、それはカテゴリーキングの・・・!」

 

志村の頃とは口調を変えながらも喋るアルビノジョーカーはあるものを見せる。

それがカテゴリーキングと呼ばれるアンデッドを封印しているカード――『エボリューションパラドキサ』『エボリューションギラファ』『エボリューションコーカサス』『エボリューションタランチュラ』であった。

 

「・・・今、『目的のものの一部』って言ったわね?って事は、まだ何か狙うって事ね?それは一体何なのか答えてもらいましょうかっ!!」

「ふん、答える義理は無いっ!はぁっ!!!」

 

「うぉっ!?」

「っととっ!?」

 

紅音はアルビノジョーカーの言葉に引っ掛かった部分があった為にディザイアドライバーを向けながらも問い詰めるが、誰が言うかと言わんばかりにアルビノジョーカーが答えるや否や手を突き出して光弾を連射してくる。

咄嗟に横に跳んでかわした紅音達だったが、かわしている間にアルビノジョーカーと慎と千和を殺した男の姿は無くなっていたのであった・・・。

 

 

 

 

To be continued・・・

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