協力してくれた澪はゲゲルを終わらせたのでホッとしているが、吉良はいきなり出てきてすぐに逃げたグロンギが何か起こさないか不安になっていた。
そして、彼の不安は当たり・・・彼の知らない所で異変は起こっていたのであった。
「ありがとう、送ってくれて」
「気にしないでよ、それに・・・ありがとうはこっちの台詞だよ?手伝ってくれたんだし」
聖なるゲゲルを失敗させ、遭遇したグロンギを倒した澪と吉良。
あの後、一条は逃げたグロンギの行方を調査をする為にすぐにその場を後にしたので吉良達も帰宅する事にし、吉良がマシーンディレイダーで澪を送っていく事にしたのだ。
そして、澪の家に到着して澪にマシーンディレイダーから降りてヘルメットを返してもらうとそのまま光風館へと戻ろうとする。
それを見て澪は慌てて吉良を止める。
「ま、待った!」
「ん?何?」
「何?じゃないだろ!?頬から血が出てるんだぞ!?」
「えっ?別にほっといても大丈夫だと・・・」
「あぁもう!いいから来いっ!」
「わわっ!?待って待って!ヘルメット置かせて!?」
澪の言葉にきょとんとなりながらも返す吉良。
だが、大丈夫と言ってもカッターで斬った頬からはまだ血が流れている状態だ。
流石にその状態を放っておくのはよくないと考えた澪は実力行使だと言わんばかりにマシーンディレイダーから引っ張り降ろそうとする。
いきなりの行動に驚きながらも、吉良は観念してマシーンディレイダーから降り、そのまま澪に連行されるように澪の家の中へと連れて行かれるのであった。
~澪の部屋~
「これでよし、っと・・・」
「えと、ありがと・・・」
家に入って、すぐに澪の部屋に連れて来られた吉良は、澪に消毒してもらった後にガーゼを軽く押し当てた状態でテープで固定してもらう。
最初、そこまでしてもらうのは悪いと思い、自分でやろうとしたら大人しくしてろと怒られたので言われたとおり大人しくしていた。
「全く、こういうのはちゃんとしといたほうがいいぞ?放っておくのはよくない」
「あはは、僕は結構ほったらかしにしちゃうな・・・」
「はぁ・・・そういうの律に似てるな」
「えっ?田井中さんに?」
まるで下の子に注意するような感じに注意された為に、苦笑いしながら答える吉良。
その言葉に対して呆れながらも、いきなり律の名前を出す澪。
「あぁ、律とは小学校の頃からの付き合いなんだけど・・・良く怪我とかしてて何もしないでいることが多くてな・・・」
「あー・・・唾つけときゃ直るだろ、とか言いそうだね」
「・・・本当にそういうからな、アイツ」
「何の話してんだー?」
「いや、お前は怪我をほったらかしにする、って・・・んっ!?」
「あ、あれ!?田井中さん!?」
小学校の頃を思い出す澪の言葉に、吉良は想像した事を口にするとそれは当たりであったようで軽く溜息をつく。
そんな時、いつの間にかいた律が話に参加してきたので二人揃って驚いた。
「い、何時の間に・・・どこから入ったの?」
「ん?そこから入った」
「・・・ここ二階、だよね・・・?」
何時の間に入ったのか全く分からなかったので思わず尋ねる吉良。
それに対して律は換気用にあけていた窓を指差したので、吉良は固まってしまう。
「それで?何しにきたんだ?」
「何だよー!折角遊びに行くのに誘おうとしたのに!」
「ん?それなら携帯で連絡すれば・・・」
「連絡したら出なかったんだよっ!!」
「えっ?あ、本当だ・・・」
律の行動に呆れた様子の澪に少しムスッとしながらも律が返す。
それを聞いていた吉良の疑問に返すと同時に、澪が携帯を見ると確かに連絡があった。
「あ、そうだ!吉良も来ないか?」
「えっ?いいの?」
「いいっていいって、多いほうが楽しいだろうし・・・あ、澪はどうする?」
「・・・うん、行く」
「よしっ、久しぶりに全員揃うなぁ~」
「ん?全員って事は・・・軽音部の皆で行くの?」
「おぅ、あと勇介も一緒だぞ。さっき出会ったから聞いたらオッケーもらえたし・・・んで、待ち合わせは・・・」
翌日・・・
「おーい!皆ー!」
律から言われた待ち合わせの場所にやって来た吉良。
吉良が待ち合わせの場所に来た時には既に他のメンバーは全員集合している状態であった。
「おぉ、来たか秋山」
「あれ?吉良君、頬どうしたの?」
「あはは・・・ちょっとね」
駆けて来る吉良を見て声をかけてくる澪に続くように、唯がガーゼがテープで貼り付けられている頬を見て心配そうに声をかけてきた。
流石に『自分でカッターで斬りました』とは言えるはずないので笑って誤魔化す。
そして、そのまま全員で移動を始めようとした時に澪が吉良に小声で話しかけた。
「そういえば、昨日は大丈夫だったのか?」
「・・・帰った後、滅茶苦茶怒られました・・・」
「そ、そうか・・・」
澪の質問に少し疲れた様子で返す吉良。
昨日、光風館に帰った時に頬の怪我の事と何故制服姿でいるのかをキズナに問いただされてしまい、吉良は誤魔化しきれないと考えて正直に白状したら滅茶苦茶怒られてしまったのだ。
何となく予想はついていた澪は苦笑いしていると、勇介が歩み追ってきて二人に小声で話しかけた。
「二人とも、昨日一条さんから連絡があったんだけど・・・学生殺しのゲゲルを終わらせてくれたんだって?ありがとな」
「ううん、僕が勝手にやっただけだし・・・秋山さんも手伝ってくれたしね」
「い、いや、私は大した事は・・・」
「おーい!三人ともー!」
「置いてくぞー!」
聞こえないように吉良達に先に言っていた唯達が呼びかける。
それを聞いて、三人は少し駆け足で唯達を追いかけて合流してそのまま移動する事にした。
「へぇ、色んな楽器があるなぁ・・・」
まず吉良達がやってきたのは楽器屋であった。
何でも、唯達は良く来る店らしくたまにここに来て楽器を見ているらしい。
楽しそうに話しながらも、楽器を見ている唯達を見ていて微笑んでいると勇介が店の外に向かった事に気づく吉良は、勇介の後を追いかけた。
「何してんの?勇介」
「ん?外で待ってようと思ってな・・・楽器見るだけじゃ何かつまらないし・・・あっ!そういえばお前、自分の事を旅人だとか言ってたけど・・・あれ、どういう意味だ?」
「あぁ、あれ?その、信じてもらえないかもなんだけど・・・僕は別の世界から来たんだ。グロンギもクウガもライガもいない世界から」
「はっ?べ、別の世界?」
外に出た勇介を追いかけた吉良が勇介に声をかける。
吉良に笑いながらも返していたときに、ふと始めてあった時に吉良が言った言葉を思い出して尋ねる勇介に吉良は事情を説明し始める。
「・・・世界の異変を食い止める為にこの世界に来た、ってか・・・」
「うん。それに・・・この世界の異変は終わってないはずだし・・・」
「そうか・・・まっ!何が来ようが澪と協力しながら戦うさ!大切な人達を護る為にな」
吉良から事情を聞いた勇介は少し信じられないでいたが、吉良の表情は真面目なものであった為に嘘ではないと考える。
そんな彼に、まだ異変が終わってないという吉良に対し勇介は店内で楽しそうに話している唯達を見ながら返す。
その時、派手な爆発音がかなり近い場所で響き渡った。
「な、何だっ!?」
「っ!あれは・・・」
突然起きた爆発に驚く勇介。
それに合わせて、周りにいた人達がパニックになってその場から離れていく。
何事かと思いながらも周りを見ていたとき、、吉良は空に一体の怪物がいる事に気づく。
それはチョウを思わせる翼を背に生やしているメ・ゲアハ・バであった。
だが、昨日見たときと違ってかなり色鮮やかになっている。
「あのグロンギは・・・!」
「吉良っ!唯達を避難させてくれっ!俺が時間を稼ぐ!」
「あ、勇介!?」
吉良の呟きを聞いていた勇介がゲアハに気づいた途端、ゲアハのいるほうへと走っていく。
追いかけようとした時、店内から出てきた唯達が店から出てきた。
「い、一体何の騒ぎなの!?」
「未確認が暴れてるんだ!ここは危ないから離れようっ!!」
事情を聞いてきた唯に返しながらも吉良は唯達を連れて急いで離れる。
その時、澪がこっそりと離れていた事に吉良以外の面々は気づかずに・・・。
「出て来い・・・ディレイドッ!!」
ゲアハは手を突き出す事で放つ黒い稲妻を乱射。
光線がいろんなものに命中することであちこちで爆発が起き、辺り一面が火の海になり始める。
「変身っ!!」
その時、叫び声と共に不思議な音が聞こえて音がしたほうを見ると、そこにはマイティフォームのクウガの姿があった。
「クウガ・・・貴様には用は無い!」
「・・・用が無いといわれて、『はい、分かりました』と言って逃げるような事すると思ってんのかよっ!!」
興味なさそうな態度にカチンときたクウガは助走をつけてから思い切りゲアハ目掛けて飛び上がる。
そしてそのままゲアハに向かって飛び蹴りを放つのだが、ゲアハはそれを右の拳で迎え撃つ。
空中で二人の攻撃がぶつかると同時に、クウガが弾き飛ばされる。
「なっ・・・!?」
「消えろっ!!」
「がぁぁぁぁぁぁっ!!?」
弾き飛ばされて驚くクウガ目掛けてゲアハは稲妻を放つ。
まともに浴びたクウガは体中から火花を散らしながらも地面に落下してしまった。
「ぐっ、コイツ・・・!」
「ほぉ、まだ立つか・・・むっ!?」
「はぁぁぁぁぁっ!!」
何とか立ち上がるクウガを見て面白そうに見ながらも降りてきたゲアハ。
その時、クウガを跳び越えながらも現れたディオネフォームのライガがディオネランスを振り下ろしてきたので後ろに跳んでディオネランスをかわす。
「勇介!大丈夫か!?」
「あ、あぁ・・・けど、唯達は!?」
「心配ない、秋山に任せてきたっ!」
「なら、大丈夫かな・・・超変身!!」
ディオネランスを構えながらクウガに返すと、クウガはドラゴンフォームにチェンジ。
そして、その辺に落ちていた箒を手にとってドラゴンロッドに変えると同時にライガと共にゲアハに向かっていく。
向かってくる二人目掛けて稲妻を放つが、命中する直前で二人同時に跳びあがって回避。
そのまま二人同時にそれぞれの武器で突きを放つのを見たゲアハは展開させたままの翼を羽ばたかせて、二人に向かって鱗粉を放つ。
二人が鱗粉を浴びた直後、体のあちこちから火花を散らし始めながらも空中で体制が崩れる。
それに合わせてゲアハが稲妻を二人目掛けて放つと、二人はそれぞれの武器を手放しながら吹き飛ばされる。
受身も取れずに地面に叩きつけられた二人は、苦しそうに声を上げながらも倒れたまま動けないでいた。
それを見てトドメをさそうと再び稲妻をクウガとライガ目掛けて放つ。
この時、勝利を確信していたゲアハだったが、その予想は『鳴り響いた電子音声』によって裏切られる事となる。
《アタックライド、バリア》
鳴り響いた電子音声と共に、突然ドーム状のバリアがクウガとライガを包んで、ゲアハが放った稲妻から二人を護った。
「何っ!?」
「えっ・・・?」
「こ、これは・・・」
《ファイナルアタックライド、ディ・ディ・ディ・ディレイド》
「いっけぇぇぇぇっ!!」
「ぐっ、あぁぁぁっ!!?」
思わぬ事態に戸惑うゲアハの前で、自分達を包むバリアを見て驚きを隠せないクウガとライガ。
その時、別の電子音声が響き渡ると同時に二人を包むドーム状のバリアを踏み台にして飛び上がったディレイドがブレイブッカー・ガンモードで放つ銀色の光線――『ディメンションバスター』を放つ。
咄嗟に腕をクロスして光線を防御するゲアハだったが、威力を抑えきれずに吹っ飛ばされてしまった。
「秋山っ!」
「お、オイ吉良!唯達は・・・」
「大丈夫!安全な所まで連れて行ったからっ!」
「そうか・・・なら、心置きなくやれるっ!超変身!」
「超変身!」
着地と同時に声をかけてくるライガとクウガにサムズアップしながら答えるディレイド。
それに合わせるように二人を包んだバリアが消え、クウガとライガはそれぞれ基本形態であるマイティフォームとガイアフォームにチェンジしながらディレイドに駆け寄る。
「おのれぇ、ディレイドォ・・・!!」
「悪いけど、この二人を倒させるわけには行かないんだ!」
駆け寄ったと同時に立ち上がったゲアハは怨みを込めてディレイドの名を呟くように言う。
それを見たディレイドはブレイブッカーを腰に装着しなおしながらもゲアハに言い放つ。
「この二人が大切な人達を護るように・・・僕は、大切な友人であるこの二人を護るっ!!」
その時、ブレイブッカーからカードが飛び出してディレイドがキャッチするとその手に収まったクウガに関係するカードのイラストが元に戻る。
ここまではディレイドの思っていた通りなのだが、なんと出てきたのはクウガだけではなくライガに関係するカードもあった。
だが、ライダーをさまざまなものに変形させる『ファイナルフォームライド』と呼ばれるカードはライガはなかった。
そのことが気になりながらも、とりあえずクウガのファイナルフォームライドのカードを装填する。
《ファイナルフォームライド、ク・ク・ク・クウガ》
「勇介、痛いかもしれないけど我慢してっ!」
「えっ?」
歩み寄ってくるディレイドの言葉に何する気だろうと思って不安になるクウガに歩み寄る。
そんな彼の背中をポン、とディレイドが叩いた途端にクウガは変形してクワガタのような姿『クウガゴウラム』へと姿を変えた。
「なっ・・・!?」
『な、なんじゃこりゃぁぁぁぁぁ!!?』
「だ、大丈夫大丈夫!ちゃんと元に戻るからっ!!」
クウガゴウラムになったクウガを見て、言葉を失うライガ。
それに合わせて自分が変形した事にクウガが大声を上げた為に、慌ててディレイドがフォローを入れる。
そんな中でゲアハはクウガゴウラムを見て、危険だと感じ取ったのか空に舞い上がって逃走を謀る。
「あっ!逃げられるっ!」
『っと!逃がすかよっ!!』
ライガの声に反応したクウガゴウラムが飛翔してゲアハを追いかける。
先に飛んだゲアハにあっと言う間に追いついたクウガゴウラムに対しゲアハは鱗粉を放つと、まともに浴びたクウガゴウラムは体中から火花を起こす。
だが、鱗粉を浴びたにもかかわらずクウガゴウラムは止まらずにそのままハサミでゲアハを挟んで捕まえると地上目掛けて降下。
それを見たライガが右足に赤い稲妻を纏わせながらも思い切り跳躍すると同時に、クウガゴウラムは勢い良くゲアハを振り回しながらも開放。
それによってゲアハはまるでライガに向かって投げ飛ばされた状態になる。
「はぁぁぁぁっ!!」
「グァァァァッ!!?」
そのままライガが放った飛び蹴り――『ガイアスマッシュ』がゲアハの背中に直撃、その一撃によりゲアハの背中の翼が千切れ飛ぶ。
元々飛行能力が無いライガはクウガゴウラムが背中に乗せたので大丈夫だが、ゲアハは飛行能力を失いそのまま地面目掛けて落下。
それを見て、ディレイドは再びディレイドライバーにカードを装填する。
《ファイナルアタックライド、ク・ク・ク・クウガ》
ディレイドライバーの電子音声の後、クウガゴウラムはゲアハに向かって急降下。
それに合わせてディレイドもゲアハ目掛けて跳び、そのままとび蹴りの体制となる。
ゲアハは何も出来ぬままクウガゴウラムの突撃とディレイドのとび蹴りの合体技『ディレイドアサルト』をまともに受けて、空中で爆発を起こすのであった。
その爆発の中からライガとディレイド、そして元の姿に戻ったクウガの三人が現れて着地する。
「ふぅ・・・終わったな・・・」
「そうだね・・・」
空を見上げながら呟くクウガに答えるよう、ディレイドも空を見上げながら呟くのであった。
そして、三人は変身を解除した後にすぐに避難した唯達の所へと向かっていくのであった。
しばらくして・・・
~光風館~
「ただいまー」
「あっ・・・吉良っ!!」
光風館に帰って吉良を見てキズナが慌てて駆け寄ってくる。
キズナの表情が心配しているような感じに見えたので、恐らくテレビで未確認が暴れたとでもニュースがあったのかと思いキズナの頭を撫でながらも微笑みかけた。
「大丈夫、僕はこの通りピンピンしてる・・・それと、この世界の異変も終わらせてきたよ」
「そっか・・・じゃあ、次の場所に行く事になるのかい?」
「そういう事になるな」
キズナに話しかけていた吉良の言葉を聞いていた宗一郎が呟く。
その時、光風館に黒コートの人物が入ってきた。
「ディレイド、事件を解決してすぐで悪いんだが・・・」
「大丈夫です、お別れは済ませておきましたから」
「・・・そうか。それじゃ・・・次の世界に行くとするか」
申し訳なさそうに言ってくる黒コートの人物に対し、吉良は笑いながらも返す。
それを見て黒コートの人物は微笑んだ後、背景ロールに近づいたかと思うと勢い良く背景ロールを降ろす。
降りてきた背景ロールには、様々な色のメダルに囲まれた三つの赤い宝石のようなものが描かれてあった。
To be continued・・・
今回でクウガ編は終わりです。
次回から新しい世界での物語が始まります。