転生して超余裕!の世界で世界最高のボディーガードしてるけどなんか文句ある? 作:ミスター髑髏
そんなわけで、まっちゃりと見てってください。
では、どーぞ。
「だめだ!起きろ!目を閉じるな!!!⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅!!」
ああ、だめだ。最後の方が聞こえなかった。もうだめだ。けれど、最期に、これだけは、言わせてくれ。
「あ─────りが─────と────」
か細く、消え入りそうな声で、感謝を伝えた。彼の手を握り見守る二人は、目を閉じ、涙を流す。
瞼を開けば、彼は静かに眠った。
彼──
手が動く。足が動く。瞼が開く。心臓が鼓動する。
起きろ。起きろ。呆けている場合ではない。
そう、聞こえた気がした。
「んあ。へ?!か、体が動くぞ!!」
彼はぐるんぐるんと両腕を回す。ついでに周りも見る。殺風景と言えばそれで終わるのだが、それ以上に何もない。まるで無だ。
すこしおかしいと思ったが、まずはこの二度と動かぬと思っていた肉体を再び動かすことのできる感動を噛みしめようと、思考を隅へやる。
「ふふ。よかった」
凛と、透き通るような声が、一面白が続く少し眩い世界に響く。
「だ、誰だ!?」
センは声が聞こえた方へ振り向き身構える。その姿は、とても様になっていた。そして、何もないところから突然現れたのは、白のネグリジェをきた、長髪の美女であった。むねがすごい(語彙力)。
「ハァイ。アタシ女神。唐突だけれど、あなたは死んだわ。わーいぱちぱち!」
「はぁ⋅⋅⋅⋅⋅⋅」
センは本能的に悟った。この人、あんまり人のこと考えないタイプだ。と。
───実際この女神は何も考えていなかったりする。
ま、そんなことは置いといて。
女神は言葉を続ける。
「アタシね?あなたの最期、と~っても感動したわ!まるでドラマみたいですもの!
だ~か~ら~。あなたを転生させたげる!!」
「て、転生?もしかして、この状態で?」
「もちろん♪」
センは心の中でガッツポーズを決めた。五回ぐらい。
そして、彼がここまで喜ぶのには訳があった。
彼は高校を入学する直前に、膵臓癌になってしまった。だが、それこそ奇跡としか言いようがないが、5年も生き続け、丁度ハタチの誕生日当日、息を引き取った。
───僕は、つらい治療も、薬の副作用も乗り越えた。けれど、このまま生き続けたとして、何を楽しめるのだろう。医者には、いつ死んでもおかしくない。と言われた。だから、無理に生きる必要などない。自殺も考えた。けれど、僕の親友は、まるで僕の考えている事など、お見通しだと言うように、僕に会いに来るのだ。ずるい。彼はとてもずるい。
話がずれたが、中学の同級生は、二年もすれば次第にお見舞いに来なくなり一月経てば、ぱつりと来なくなった。ただ、一人を除いて───
思考していると、自称・女神には呆けているように見えたのだろう。センの顔の前で手を降ったりしている。
そのお陰かはわからないが、思考の海から抜け出し、女神にお辞儀をする。
「ありがとうございます!!あ、転生って言ったら漫画の世界ですか?!」
目をきらきらと輝かせながらセンは自称・女神に問う。
自称・女神はむねの下で腕を組み、その大きなむねをより大きく見せようとしている。ごほうび。
────────などでは断じてない。断じて。
まあ尤も、センの目にそんなものは写っていないので女神の無駄なのだが。
「ええ。そーよ。あなたが転生するのは『超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!』略して超余裕!の世界ね」
「あ」
そう。超余裕!は、ただ一人の親友が大好きな漫画だったのだ。単行本が出る度に持ってきてくれる───まあ、僕自身の記憶力がよろしくないのでキャラ名と大まかな流れしか分からないが───そして、僕が死ぬ前日に読んだ漫画でもある。
「そそ。あなたの考えてるとーり、死ぬ前に見たり読んだりした世界に転生させることになってるから。
じゃ、そーゆーことで。ぐっばーい♪」
「へ?ちょま」
女神がくるりとセンに向かって指を回す。直後、センは光に包まれ、姿を消した。
センが本能的に感じ取ったとおり、この自称・女神はなかなかどうして人の話を聞かないのだ。
「うふふ。あの子はアタシにどんな世界を見せてくれるのかしら」
所変わって、現代日本。
「あ~う~」
「可愛いわ。私のぼうや⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅いいえ。セン⋅⋅⋅⋅⋅」
某所。とある武家屋敷。表札には『安護』と達筆な字で書かれている。その屋敷内には赤子を抱えた女性が、たくさんの人に見守られている。
安護戦は、何の運命か同じ姓の安護家に、第二の生を受けたのだ。
え?何でも屋はどうしたかって?大丈夫。八割がたできてます。明日には投稿できるはず。
では。では。さよーなら。