転生して超余裕!の世界で世界最高のボディーガードしてるけどなんか文句ある?   作:ミスター髑髏

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家系と総理と護るべきもの

「おかーさま!これよんで!」

「ふふっ。いいわよ、セン。こっちおいで」

 

センの母は自分の足をポンポンと叩き、センを座らせる。

本のページを開き、センの前へ出して読み始める。

 

「走れメロス───太宰治

『メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。メロスには────』」

 

読み聞かせているものは、断じて三才の子供へ読み聞かせるものではないが。

センの親は、とてつもなく親バカなのだ。家系が。というのもあるのかも知れないが、それよりも、何より、堪らなく愛しいのだ。何にも汚されていない、純白な心と瞳が。

自分たちはもう失くした、その真白な輝きが。

 

センとセンの母親の元へ、近付く一人の男がいた。

その男は、赤茶色の髪をオールバックにしてスーツを着ていた。

 

「明海。総理がお呼びだ。センもつれてこいと」

「⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅ねえあなた。もし、嫌だと言ったら⋅⋅⋅?」

「─────総理は、我々の全てを公開すると仰った」

「⋅⋅⋅ッ。下衆よ。あんなのよりあれの子供の方がマシじゃない!!」

「そんなことを言うんじゃないよ。仕方なのないことだ。

それに、いつか、変わる。変わらぬことなどないのだ。必ず淘汰される。

立場や地位に、絶対などあり得ない。いや。あり得てはならないのだよ─────」諦めとも取れる彼の言葉は、誰にも届くことはなかった。

「? どーしたの?おかーさま、おとーさま。おかお、こわいよ?」

 

穢れを知らぬ無垢なる声が初老の夫婦へ届く。二人ははっとしたように顔を見合わせると、いつもの優しい顔になり、センへ微笑む。

 

「センはまだ知らなくていい。

それより、今日はお友達の司く⋅⋅⋅さまにも会えるぞ」

「わぁい!ツカサにあえるの!?」

「ああ。もちろんだとも」

 

愛する妻の足の上にちょこんと座っているセンの頭をわしゃわしゃと撫でる。

 

「んきゃ~!」

「ハハハハ。こいつめ!かわいいぞぅ!」

 

今度は両手で撫でる。子供のようにはしゃぐ二人をみて、太陽のような笑みを浮かべる。先程までの泣きそうな顔がうそのようだった。

 

───羨ましいなんて思っていない。断じて。⋅⋅⋅⋅⋅やっぱり後で膝枕でも頼もうかな⋅⋅⋅⋅⋅

 

嫁バカで親バカのセンの父、安護穐茂は、本当はこの子を、センを我々の問題へ関わらせることなどしたくなかったのだ。だから、妻にも子にも、今は知られぬように、安護家当主として、彼らの前では気丈に努めようと思っていた。

 

「おとーさま、こわいよ。どうしたの?しんどいの?」

「────!」

 

驚いた。この子は、本能で感情の動きを感知する。

やはり、ハイブリッド。流石、私たちの子供。

だがしかし、関わらせたくないものは、関わらせたくないのだ。やはり、断るべきか─────────────「おとーさま。ぼく、だいじょうぶだよ?おとーさまができないことは、ぼくがするもん!!」

 

立ち上がり、小さな体で、幼い声で、大きな目標を掲げた。その目は、不安と決意と心配とがぐるぐると回っていた。けれども、輝いている。

─────参ったね。敵わない。⋅⋅⋅⋅⋅⋅もしかすると、この子ならば、或いは─────

 

「わかった。センにしかできないことを頼もう」

 

穐茂は立ち上がる。そのついでに、センを両手で持ち上げる。センはキョトンとしていた。

 

「何者にも汚されず、されど、全てを見聞きし知れ。それがセンに頼むことだ」

「わかった!」

「ようし。いい子だ。それじゃあ、着替えて来なさい」

「はぁい!!」

 

とてとてと歩き、服を着替えたセン。父も、しっかりとネクタイをしめていた。

二人は愛する妻。或いは大好きな母に見送られ車へ乗り込む。

燦然と輝き、ぽかぽかと暖かな陽の光を降り注がせる太陽とは裏腹に、穐茂の顔付きは、とても重苦しいものだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はい。転生してから四年ぐらいが経ちました。今世のパパママはとても親バカで、楽しく過ごしてます。

まあ前世も今世ほどではないけど親バカだったかな。

 

今日は母さんに本を読んでもらう。そう思って、父さんが買ってくれた本棚へ行く。朝起きて朝食を済ませたばかりなので、パジャマのままだ。

─────────んん?⋅⋅⋅⋅え?なんでぼく専用の本棚に『走れメロス』があるの?入れ間違い?

ぼくはちょうど通りかかった女性の黒服さんに聞いてみた。腰に黒光りするナニかが見えたが、気のせいだろう。信じないぞ。ぼくは。

 

え?入れ間違いじゃない?奥様⋅⋅⋅つまり、マイマザーが入れてたのを見た?

おかしいだろマイマザー!!?どこの世界に四歳児の読み聞かせで『走れメロス』読ませようとする母がいるの?!

──────────────────────────────いたね。うん。おもっきしぼくの後ろにいるわ。

他に無いかと探したが、あるものと言えば『注文の多い料理店』や『伊豆の踊り子』などの有名文学しかない。子供に読み聞かせるやつじゃねぇよなぁ!!?ましてや四歳によォ!!

ま、『走れメロス』を持っていくんですけどね。初見さん。

 

マッマに読んでもらってると、今度はパッパが来た。その表情はとっても苦しそうだ。でも、仕事で疲れてるわけじゃ無さそう。というか、パパ上はあまりお仕事の話をしてくれない。なんでだろ。話したくない理由でもあるのかな?ただ、唯一知っているのは、総理、つまり司くんのお父さんのボディーガードとかをしているってことだけ。

 

ママ上の足の上でパパ上の話を聞いていると、どうやら総理の話をしているらしい。

二人が総理の話をしているときはこわい。いつもの二人じゃない。

だからパパ上にこわいって伝えた。そしたら驚いたような顔をしていた。でもすぐにこわい顔に戻った。う~んパパ上。そんなに眉間にシワ寄せてたら老けたように見えますよ?

なのでマッサージしますよってことを暗に伝えた。

────いや、うん。なに言ってんだぼくは。『できないこと』を『する』ってなんだ。うわ~ん!パパ上をバカにしたつもりは無いのに!!くそう。マッサージ券とか作ればよかった。───作るか。

それより、司くんとともだちになれるなんて思わなかったなぁ。

下らないことを思っていると、パパ上に抱えられて、すっごいカッコいい言葉を言われた。トゥンク⋅⋅⋅⋅。

いや、惚れかけたけど親子でしかもコッチ側(♂)なのは洒落にならない。すいませんパパ上。私は彼方のようなイケオジに責められるのは好きゲフンゲフン!

え?ゼンゼンチガウヨ?ボクソンナシュミモッテナイモン(カタコト)

 

まあそんなことは置いといて。

本棚のことを聞いたお姉さんに服を着替えさせてもらった。着替えたのは、 子供様のスーツだった。

車に乗り込む時、お母様は笑顔だった。けど、少し曇ってた。笑顔がひきつってた。お父様は、やっぱり暗いままだった。

これからいくところと、お母様たちの表情。何か関係があるのだろうか?




誤爆したけど前書きと後書きで悩んでたんで別にいいかなあって。
原作に入るまであと三話ぐらい挟むと思われ。
多分盛大なタイトル詐欺をかますと思いますが悪しからず。
何でも屋の方も今日中に投稿できると思いマッスル。



⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅有限不実行じゃないよ?
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