ハイスクールD×D 天馬の神器を持つ者   作:gbliht

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第十話 現れる金髪シスター

公園から手を握らながら歩き始めること数分で駅の入口へと着いた。

 

傍から見たら、やーさんに連れてかれる可憐な少女だが、雨天さんが怪しい人扱いされて警察官に職質される……なんて事はなかった。これで職質されたらされたで面白いですが。

 

道行く人には視線を向けれられるが、気にせず入口から駅に入り、雨天さんの奢りでチケットを貰い、電車に乗る。

 

「……」

 

「……」

 

何故でしょう。気まずい。

 

先程からお互いに会話がない。別に仲が悪いとか、初対面とかではないはずなのに……なんで会話が無いんだ。

 

緊張してる? いやいやいや、そんなはずはない。だって、緊張する必要がないでしょうに。

 

なら――――――

 

「……銀華」

 

「ひゃい? なんでしょうか?」

 

いきなり掛けられた声に対して、変な声で返してしまうが、そこは無理やり気合でなかったことにする。そう、誰もひゃい? なんて聞いてない。聞いてないったら聞いてない。

 

「もう少しくっついて座れ。ほかのお客さんが座れないだろう」

 

それは、分かりました。分かりましたんですけど、どうして私の肩に腕を回して、私の体を自分の体の方に近づけるんですか!?

 

いや、席を広くするためってのは分かるんですよ。そうじゃあなくて、あの、その……ああもう! こうなりゃあ、ヤケだ!

 

自ら雨天さんの体にしがみつき、多少なりとも人が座れるようなスペースを開ける。

 

「……いくらなんでも、ここまで近づかなくていいと思うのだが」

 

そう言われても、こうなってしまっては、離ようがない。いや、離れられない。だって、もう隣に人が座ってしまったのだから。

 

でも、冷静に考えてみたら、この状況は好都合。今のうちに、霊的な瞳(アウラー・オブ・ヴィジョンアイ)で雨天さんを調べましょう。

 

今回はいつもと違いますよ。至って冷静ですし、この距離だから雨天さんの深いところまで見れる。これなら、勘違いやら見間違えなんかはしない。

 

……ん~やはり何にも見つからない。この前みたく、あのもう一つの気は見つかりませんし、今の雨天さんの気も雨天さんのままだ。

 

深くまで探りを入れてるから、間違えることはない。……やっぱり、今までのは見間違いだったのかな?

 

「……華……銀華」

 

「はい?」

 

「着いた、降りるぞ」

 

雨天さんの気の探りに集中しすぎていた。……もう駅に着いてたんだ。

 

雨天さんに手を引かれる形で電車から降り、人ごみの中を掻き分けながら駅の外へと出る。

 

「では、どうする銀華」

 

「まずは、あのデパートに行きましょう」

 

遠くにある大手のデパートを指差す。

 

本日は休日って事で、多少人が多いでしょうけど、でかいデパートだから大丈夫でしょう。

 

「よし、なら行こうか」

 

優しく手を引かれ、デパートの方へと歩いてく。後、ついでに霊的な瞳(アウラー・オブ・ヴィジョンアイ)は切っておく。目的は果たしたし、コレあんまり長時間発動してると、私の精神が持たないからね。

 

 

 

「いや~ありがとうございます、いいストレス発散になりました」

 

「そうか」

 

時刻は一時ちょっと過ぎ辺り。一通り買い物を済ませ、私と雨天さんはデパートの中にあるレストランへと来ていた。レストランと言っても、ファミレスみたいなもんですよ?

 

適当に二、三品食事を頼み、二人でお互いを見るような形で席に座る。

 

お昼どきなだけに人でいっぱいですが、すんなり入れてラッキーでした。

 

「銀華、この後はどうする?」

 

ドリングバーから飲み物を持ってきて席に座ると、雨天さんが聞いてきた。

 

「一応、やりたいことはあらかたやってしまったので、帰ってもいいんですよね……雨天さんはどこか行きたい所とかありますか?」

 

「いや、無いな」

 

「そうですか」

 

じゃあ、どうしましょうかね。帰ってもいですけど、折角雨天さんと一緒にデートしているのですか、何かしたいですよね。

 

……そうだ。今朝集まった公園にでも行きましょうか。あそこ、結構雰囲気的に好きなんですよ。

 

やる事はないですけどね。あるとすれば、のんびりとする事だけ。つまり、何もしない。

 

つまらないでしょうけど、今はそれしか思いつかない。でも、あっちでのんびりとでもすれば、なにか思いつくでしょう。

 

「お待たせいたしました」

 

まあ、料理も来たことですし、コレを食べ終えてから、雨天さんにこの後の事を話しましょう。

 

 

 

持ってこられた料理を雨天さんの奢りで食べた私達は、電車に乗り、再び公園へと戻ってきた。

 

意外にも、雨天さんは公園でのんびりする事に異議を申し立てたりはしなかった。のんびりすることでも、好きなんでしょうかね。

 

公園に設置されているベンチに雨天さんと座り、のんびりとする。

 

ああ、空が青い。子供たちの元気な声が良いですねえ。昔を思い出します……とと、なんか思考がおばあちゃんみたいになってしまいましたね。

 

それに、昔を思い出すって、私の昔、散々じゃん。仲間を機関に殺されたり、襲ってくる天使やら何やらをボッコボコにしたり……

 

「……銀華、急にどうした」

 

「いえ、少し昔の事を思い出しまして」

 

昔の事を思い出している最中、何故だが憂鬱になり、顔を手で覆いながら下を向いしてしまった。

 

くそ、あの野郎め。今度会ったら、仲間の分も含めてボッコボコにしてから、豚の餌にしてやる。それか、木場君に任せて、殺してやる。

 

「フフ、フフフ」

 

「銀華、黒い何かが漏れているぞ」

 

おっと、いけないいけない。ドス黒い感情が漏れてしまいましたね。気を付けないと。

 

「うぇえええん!!」

 

「ほら、男の子でしょう、我慢なさい」

 

「ん?」

 

黒い感情を押し殺し、再び公園でのんびりしていると、急に子供の泣き声と、その泣いてる子供をあやしているお母さんの声が聞こえる。

 

声のした方向を見てみると、そこには転んで膝でも擦りむいたのか、膝から血を流してる子供とそのお母さんがいた。

 

これはいけない。早く治療しないと、傷口からばい菌が入ってしまう。

 

ベンチから立ち上がり少年の元へと歩いて行こうとすると、私より先に少年の元へと駆けていく人が現れた。

 

「大丈夫ですよ。男の子なんですから、しっかりしないと」

 

駆け寄って行った人は、そう言うと、少年の膝に手を当てた。

 

少年は不思議そうな顔をしていますね。それはそうでしょう、だって、駆けていった人は外人なんですから。

 

金糸のような綺麗な金髪のロングストレート。エメラルドグリーンのような双眸。シスターの格好。絵に書いたような美少女ですね。

 

「彼女が……」

 

「どうしました、雨天さん?」

 

「……いや、なんでもない」

 

……? 何か隠していますね。でも、私には関係ないことでしょうから、深入りはやめときますか。

 

っと、一瞬雨天さんを見て、再び金髪の少女の方を見てみると、そこには淡い緑の光を両手から出してる少女の姿があった。

 

あれは確か……そうだ『聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)』だ。回復用の神器(セイクリッド・ギア)だったはず。これは、また珍しいこと。

 

「はい。これで大丈夫ですよ」

 

少年の傷が全て治ると同時に、少女はニッコリと笑いながら言う。

 

「ありがとう、お姉ちゃん!」

 

少年はそう言うが、その少年の母親は、少女の事をまるで異物を見るかのよう瞳で一瞥してから、少年を引っ張って行ってしまう。

 

……やはり、そうなるんですね。この世界は、自分とは違う物、知らないものを異物、化物として扱ってしまう。それは、人間に限らず、動物でも変わらない。

 

故に、差別もなくならないし、なくそうとも思はない。何故なら、自分とは違う存在なのだから。

 

「ありがとうだって」

 

「あれは……」

 

さった少年のと入れ替えになるようにイッセーが公園の入口からやってきた。

 

まさか、イッセーの知り合いだったとは……これも、赤龍帝の影響ですか。

 

龍とは、古代から力の象徴。その象徴には、強いものと女が集まる性質がある。赤龍帝だって例外ではない。

 

イッセーと少女は、何か話すと、二人して公園から出て行ってしまった。

 

……なぜでしょうね。妙な胸騒ぎがして仕方ないのですが……ただの気のせいですよね。

 

その後、約五時になるであろう時間に、私は雨天と別れ、一人学校の部室へと向かった。

 

 

 

「ササン、例の少女がこの街に入った」

 

「そう。じゃあ、そろそろ本腰を入れて作らないとね」

 

一人、部屋である物を作りながら、部屋に入ってきた雨天に返事を返す。

 

はぁ、材料を集めてきて貰ったのはいいけど、思った以上に作るのが難しいわね。特に、人型にするのが。

 

変な形なら問題ないけども、人型で固定するのが……それに、他にもある物を作らないといけないし……ああ、もう! 忙しい!

 

でも、この計画を実行するためだし、仕方ない。頑張ろう。

 

「なんか手伝うっすかマスター?」

 

「別に、問題ないわよ、メルト」

 

いつの間に部屋にいたのやら、いきなり声を掛けられてびっくりした。

 

ソファーの方を見てみると、そこにはまたもや紅茶に砂糖を五個入れて、一気飲みしているメルトがいた。

 

「でもササンー辛そうだよ?」

 

「大丈夫」

 

何故お前がいるナリヤ。そして、なんで全員集合してるの?

 

「それでも、無理をしているのなら、頼りにしてよー? ササンはマスターである前に、あたし達の家族なんだから」

 

……全く、いいこと言ってくれるわねえ、ナリヤったら。

 

手を止め、皆を見渡してみると、皆私を見ながら頷いてくれた。

 

「……フフ、分かったわ。でも、本当に大丈夫」

 

「そう? じゃあ、頑張ってねー」

 

「頑張ってくだっさいっすね、マスター」

 

「失礼する」

 

……あれー? この場面って、皆が手伝ってくれる展開じゃないの? いや、断ったのは私だけど、もう少しほら何ていうかその、食い下がってよ!

 

「うがー! やってやる!」

 

こう、モヤモヤっとした気持ちをぶつけるかのように、私は再びあるモノを作り始めた。

 

 

 

「で? こんな時間に呼び出して、どうしたの?」

 

雨天さんと別れた私は、一旦家に戻ってから制服に着替えてオカルト研究部の部室へと来ていた。

 

そこには、ソファーに座って優雅に座るリアスがいる。……人を呼びつけておいて、優雅にお茶とは……いいご身分ですこと。実際いい身分ですが。

 

リアスは飲んでいた紅茶をテーブルに置くと、膝を組んだその上に手を置いて、手の上に顎を置いてこっちをニンマリと見つめてくる。

 

「実はね、大公からはぐれ悪魔討伐の指令がきたの」

 

「はぁ……」

 

はぐれ悪魔……ね。この前倒しちゃったんだけど。

 

「場所は廃工場。討伐は今夜。だから、ついでにイッセーのコマの説明をしちゃおうと思ってね。……もちろん、ついてくるよね?」

 

夜の廃工場ではぐれ悪魔の討伐ですか……ってか、そもそもいるのでしょうか、はぐれ悪魔。この前ブッ倒した奴とは違うのですかね。

 

「まあ、いるのなら行ってもいいですよ。その代わり、私は自分が危なくならない限り戦闘はしませんからね」

 

「ええ、別に構わないわ。一番の目的は駒の説明だから」

 

「そうですか……では、後は夜になるまでのんびりしていていいのですね?」

 

「ええ、してていいわ」

 

なら、お言葉に甘えて夜までのんびりと紅茶を飲んで待ちましょうかね。

 

自分で紅茶を注ぎ、ソファーに座って皆が集まるのを待つ。さてと、今回の討伐では、皆無事だといいですね。

 




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