ハイスクールD×D 天馬の神器を持つ者   作:gbliht

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神父の外道っぷりが書けない。


第十二話 神父

「よ、ようやく完成した……」

 

あの全員集合から一日経つ。その間、堕天使達は目立った行動をせず、私は無事、目的のものを作り出せた。

 

それにしても眠い。流石に徹夜で作ったのだから仕方ないか。ああもう、手伝ってくれたらもうちょっと早く終わったのに。

 

「ふぁ~あ」

 

作ったモノをソファーの傍らに置き、ソファーに横になる。もうね、眠い。少し位寝たって文句は言われないでしょう。

 

まぶたを閉じ、気持ちを落ち着けるとすんなりと眠りにつけた。どうやら、私はすんなり眠れる程疲れてたみたい……。

 

 

 

「サ……ササ……」

 

ん? 誰? 私、まだ眠いから寝かせて欲しいんだけど……ああ、もう。分かった分かった、起きるわよ。起きればいいんでしょ。

 

「誰~?」

 

まだ眠りたいという気持ちを押さえてなんとか起き上がり、眠ったせいでボサボサになった髪を整えながらソファーへ座る。

 

「あ、ようやく起きったすか。ほら、髪の毛整えて」

 

重たいまぶたを開けてみると、そこには櫛を持って、紫色の髪を結ばずない状態でいるメルトがいた。

 

髪の毛を整えてもらいがら、いつでも考えれるように体を起こしていく。……よし、紅茶を飲もう。じゃないと、頭が回らん。

 

「メルト、紅茶をくれない?」

 

「ちょっと待ってくださいっすね」

 

普段は私に紅茶を入れさせるようなメルトだが、こういう時だけは大人しくいうことを聞いてくれる。

 

髪を整えてくれたメルトは、私のために紅茶を入れてくれると、テーブルの前へと置く。その紅茶を一口飲み、ゆっくりと呼吸をする。……よし、これで大丈夫。

 

「で、どうしたのメルト? なにか事件でも起きた?」

 

「それがっすねマスター。今イッセーが向かった依頼主の所に、例のシスターがいるらしいんですよね。ですから、今のタイミングで計画を実行したらどうっすか?」

 

チラッとソファーの傍らに置かれた例のモノを見ながら言ってくるメルト。

 

確かに、今のタイミングでもいいのだけど、それだと堕天使たちに気づかれる気がするのよね。どうせなら、もっとドサクサに紛れて計画を実行したい。

 

それに、私の思い通りに事が進めば、イッセーは赤龍帝の力を少しは開放できる気がするのよね。……さて、どうしたものか。

 

「……そうね、監視で留めて置いて。でも、もし堕天使がシスターの神器(セイクリッド・ギア)を取ろうとしたら、シスターを攫って計画を実行するわ」

 

「了解っす」

 

その一言だけ言って、メルトは部屋から出ていく。

 

さて、そろそろ実行の時ね。上手くいくように根回ししとかないと。

 

 

 

「……ここか」

 

悪魔としてのお仕事で呼び出されたのは、マンションやアパートといったものではなく、一軒家だった。

 

残念なことに、魔力が足りなさすぎて魔法陣からジャンプできない俺なので、毎度玄関から入るんだけど、大丈夫かね? 一軒家だから、依頼主の他に家族とか居たらマズイと思うんだけど……。

 

「それにしても……はぁ」

 

何故俺がこんなため息を吐くかというと、俺の駒が『兵士(ポーン)』だったんですよ。

 

なんでも、部長の『僧侶(ビショップ)』はいるらしい。なので、俺はあまりでいっぱいで、一番下っ端の『兵士(ポーン)』。

 

別に部長がそういった訳ではないけど、そう思っちゃうんだよね。

 

「……だああ! 落ち込んでる場合じゃない! 今は早く上級悪魔になるため頑張んないと! 集中」

 

依頼主の玄関前で自分の頬を叩き、気合を入れ直して集中する。

 

よし! 行こう!

 

だが、玄関から数歩踏み出してようやく気付いた。

 

「扉が……開いてる?」

 

こんな深夜遅くに開いているはずがない玄関の扉が、無造作に開かれていた。こんなこと、よっぽど無用心じゃなければやらない。

 

なら、どうして開いているんだ? 考えた通り無用心なだけ? それとも――――――

 

「ッ!」

 

そこで、言いようの無い不安感が襲ってくる。

 

もしかして――――――

 

ゆっくりと玄関へ歩み寄り、一歩だけ中に入ってみる。人の気配が……感じられない?

 

中には入り、廊下を覗いてみると、突き当りの部屋から明かりが漏れている。皆寝ているのか? いや、それでもこの異様な雰囲気は感じ取れるだろう。

 

唾を飲み込み、靴を脱いで持ち、静かに廊下を歩く。

 

「ち、ちわーっす。グレモリーさまの使いの者ですけど……依頼主の方はいらっしゃいま

すか?」

 

明かりが漏れている部屋の前で自信なさげに声を出してみるが、中から返答は帰ってこない。

 

意を決して、扉を開けて中に入ってみる。そこには、ソファーやテレビ、テーブル等、普通のどこにでもある部屋だ。

 

……え? これって……

 

何気なく床を見てみると、そこには血の跡がある。その血の跡を辿って見ると――――――

 

「ッ!? うげぇ」

 

そこにあったモノを見て、思わず腹の中のものを吐き出してしまった。なんで、なんで普通の家にこんなのがあるんだよ……。

 

二度と見たくはないが、なんとかそこにあるものを見る。

 

そこにあるのは、人間の死体。だが、その死体が異常すぎる。

 

リビングの壁に上下逆さまに杭で貼り付けにされ、体中が切り刻まれている。傷の一部からは、臓器らしきものも……。

 

この家の人か? でも、なんでこんな風になっているんだよ! こんなことやった奴、まともな神経じゃないだろう。

 

「なんだ……これ」

 

必死に吐くのを堪えて、死体をよく見ると、死体の傍に文字が書かれている。

 

「なんて、書かれてるんだ?」

 

「悪い子はお仕置きよって、偉い方のお言葉を借りたのさ」

 

急に聞こえた声の方に振り返ってみると、そこには白髪で、口もとをニンマリとさせている男がいた。若い、十代程かな?

 

「これはこれは~あーくまクンではないですか!」

 

本当に嬉しそうに言ってくる。

 

……そうだ、思い出した。確か部長が言っていた。もし、教会の悪魔祓い(エクソシスト)に会ったら注意しろと。何故なら、彼らは天使や堕天使の加護を受けて、光の力を使えるからだ。

 

マズイマズイ! この状況は非常にマズイ!

 

「お前がやったのか……?」

 

「勿論! 俺ことフリード・セルゼン様がぶっ殺しましたぁ。ああ、名前とか名乗ならくていいから。それに~くそ悪魔には関係無いことでしょう! 今ここで死ぬんだから!」

 

こ、こいつ、なんて事を平然と言ってやがるんだ! 頭のネジの二、三本外れてんじゃえねのか!

 

「なんでこんな事したんだよ! 殺す必要なんて無いだろ!」

 

「はぁぁぁぁ? 馬鹿じゃねえの? クズ悪魔にお願いしたんなら、その時点で人間として終わってんの。クズなのクズ! 殺して当然でしょ。それに何? 悪魔が俺に説教しよっての? マジ笑える! クソ悪魔の分際でよく俺にそんな口聞けるね」

 

くそ! やっぱりイカレテやがるこいつ! 完全に、キチガイだ!

 

「もういい? もうういよね! はい決めた、今決めた。この俺が決めた! 今からこの光の剣でバラッバラのひき肉にしてあげちゃう! う~ん、俺って良心的!」

 

勝手に自分の中で結論着けたキチガイ……もとい、フリードはいきなり持っていた剣の持ち手だけを振るって来る。

 

咄嗟に横にダイブして躱しはしたけど、アレってもしかして光? じゃあ、あれに切られたら、マズイんじゃ……。

 

嫌な汗が背中から吹き出るが、必死に思考を回転させて次の行動に移ろうとする……だが。

 

「いつッ!?」

 

急に右足に激痛が走る。何事かと右足を見てみれば、太ももに丸い穴があいていた。

 

やべえ、超痛え! 何だよこの痛み! これが、光の痛みなのかよ……。

 

「どうよー! エクソシスト特性の光の弾丸は! 超痛えだろう?」

 

ニタニタとウザったい笑みを浮かべるフリードの手元には、光の剣といつの間にとったのかは知らないが、銃が握られていた。

 

つか、光の弾丸? 銃声なんて、少しもしなかったぞ!

 

「光の弾丸なので、音は出ません! 気づかなかっただろう!」

 

「グッ!」

 

必死に足の傷を押さえて座り込んでいる俺の横っ面を蹴り飛ばしたフリードは、地面についた俺の頭を踏みつけると、楽しそうな笑みを浮かべてくる。

 

「おいおい! もう少し楽しませてくれよ~悪魔ちゃん。これじゃあ、どれだけお前を細切れにできるか大会をするしかなくなるじゃない」

 

さらっととんでもない事を言いやがったな、こいつ! しかも、細切れにするって、細切れにされんのはごめんだぞ俺!

 

どうせ死ぬなら、昼間会った金髪シスターのアーシアって子の胸の中で……ってこんな死にそうな時に何を考えているだ俺は!

 

ここは、如何に逃げるかを考える――――――

 

「キャアアアアア!!」

 

「ッ!?」

 

いきなり聞こえた悲鳴に驚きながらも、咄嗟に悲鳴の方向を向くとそこには――――――

 

「アーシア……」

 

昼間会った金髪のシスター、アーシア。純情でおとなしいはずの彼女が、何でこんな所にいるんだよ!

 

「おんや~助手のアーシアたんじゃない。頼んどいた結界は張ってくれたんですか?」

 

「フ、フリード神父この人は……」

 

「人? 違う違う! コイツはクズ。悪魔なんかにお願い事をしたクズなの。人間じゃありません」

 

「ですが……!?」

 

気づいてしまった。アーシアが俺に気づいてしまった。ハハ、こんな姿、できれば気づいてくれない方が良かったよ。

 

「イッセーさん……」

 

「あ? 何、この悪魔くんと知り合い?」

 

「あ、悪魔?」

 

「そう、悪魔! 人間を徹底的に陥れるクズの中でも飛びっきりのクズである悪魔!」

 

「そ、そんなはずは……」

 

ああ、最悪だ。出来ればアーシアには、ただの優しい高校生でいてあげたかったのに……。

 

「ごめん」

 

「そんな……イッセーさん……」

 

「ねえ、もういい? 君らのウザったい空気のせいで、俺マジで吐きそうなんだけど」

 

倒れふしてる俺に向かって笑顔を向けながら、フリードは持っていた光の剣を振り上げる。

 

「それじゃあ――――――」

 

「やめてください!」

 

あと一瞬で光の剣が振り下ろされるといった瞬間、アーシアがフリー度に向かって抱きついて動きを遮るようにする。

 

「な!? このアマ! 離せ!」

 

「離しません! イッセーさんを滅する事なんてさせません!」

 

アーシア、なんで俺のためにそこまでしてくれるんだよ。さっさとにげればいいのに!

 

アーシアの言葉を聞いたフリードは、表情を険しくする。

 

「……おいおい、マジで言ってやがるのかよー? アーシアたん、何言っちゃってるのかわかってるの?」

 

「……はい、フリード神父。私は、このイッセーさんを助けます――――――キャッ!」

 

必死にしがみついていたアーシアをフリードは、持っていた銃で容赦なくアーシアを殴りつける。その衝撃に耐えられなかったのか、アーシアは地面に倒れこむ。

 

「さっすがの俺でも今のはちょいとカチンときたし、傷ついちゃいましたー。堕天使の姉さんには殺すなとは言われてますけど、他の事については言われてないんでねぇ。ちょっち俺の傷ついた心をアーシアたんで癒そうかねぇ」

 

殴られ、地面に倒れこむアーシアに、フリードはゆっくりと歩み寄っていく。

 

おい、あの野郎! アーシアに何しようとしてやがる! クソ、動けよ俺! 守ってくれた女の子が襲われそうになってるんだぞ! ここで動けなくて、何が男だ!

 

痛い脚を庇いながらも立ち上がり、右手で握り拳を作る。ただ一発、それだけでいい。それだけ出来れば……

 

「おい」

 

「ん? あぷぎゃ!」

 

振り返ったフリードの頬に、倒れ込みながら全体重を込めて打った拳がめり込む。そのまま地面へと倒れこむが、フリードの奴も軽く吹っ飛び、ソファーをひっくり返して動かなくなる。

 

ハハ、どうよ。これで、アーシアは大丈夫なは……グッ!? なんだ、いきなり腕に激痛が!

 

「この、クソ悪魔が! 俺を殴りやがって! 死ぬ一歩手前までメッタメタに切り刻んでやる!」

 

頭を抑えながソファーから体を起こしたフリードは、二三回頭を振るうと、立ち上がって俺の方に歩いてきた。

 

「クソ悪魔が! クソ悪魔が! 死ね!」

 

「グッ!」

 

なす術もなく蹴られ踏まれ続ける俺。

 

くそ、やっぱりおれじゃあ、勝てないのか……大切な女の子ひとり守れないのかよ!

 

 

 

「よくやったねえ。イッセー君」

 

「え?」

 

「ぷげら!?」

 

俺とフリードとアーシアしかいないはずなのに、誰でもない新たな声が聞こえた。その声は、フリードの背後から聞こえたる、と同時に、フリードの体が吹っ飛んだ。

 

フリードのいた場所、そこにいたのは隣の木場のクラスの人、名前は確かメルト・コカトリス。最近休んでいたけども、復帰してきたらしいい。そんな彼女が、どうしてこんな所にいるんだ!?

 

「さあ、遊んであげるっすよ。ガキ」

 

 

 

結界を破壊し、中に入ってみれば、そこには倒れ込んでいる例の人物と、イッセーがいるじゃないですか。だけど、状況は芳しくない。何故なら、神父がイッセーをいたぶっていたから。

 

多分、イッセーの奴、光に撃たれたね。う~ん、早くリアス達は来てくれないですかね。私の目的はあくまで二人の保護。救出ではないのでね。

 

「やあ、イッセー君。元気っすか?」

 

「あ、ああ……って、何でこんな所にいるんだよ!」

 

「そんなことはどうでもいいじゃないっすか。今は逃げる三段でも付けておいてくださいっす……来ましたね」

 

イッセーとの話が一段落すると同時に、足元に赤色の魔法陣が浮かび上がる。この魔法陣は、グレモリーの紋章。よし、これで逃走ルートは確保できた。

 

「あらあら、これはこれは」

 

「……酷いですね」

 

続々と現れるグレモリー眷属を尻目に、先ほどの神父を見る。

 

「いてて……って、おんやまあ! 悪魔さん御一行様じゃないですか!」

 

「神父か」

 

イッセーを持ち上げて小猫ちゃんの方にぶん投げてから、神父を再び見てから、ゆっくりとリアスに近づく。

 

「リアス嬢。私の目的はシスターにあります。故に、これ以上はそちらに任せてもいいですか?」

 

「ええ、分かったわ。イッセーを助けてくれてありがとうね、メルト」

 

シスターの安全だけを確保し、リアスに持ち場を譲る。これ以上は、私の干渉する必要はないからね。

 

「俺っちを無視して話をするのはやーよ!」

 

いきなり斬りかかってくる神父に、木場が握っていた剣を引きに抜いて応戦する。

 

「神父とは思えない言動だ」

 

「あれー? クソ悪魔の君に何がわかるのかな?」

 

「本当、吐き気がする話し方だ」

 

木場は光の剣を押し返し、横凪に剣を振るうが、神父に軽く避けられてしまう。だが、避けたのは剣だけで、後の攻撃は避けきれないね。

 

「……飛べ」

 

「ふげっ!」

 

体に見合わない大きさのソファーを軽々とぶん投げる小猫ちゃん。相変わらず、馬鹿げた力だこと。

 

「今のうちに飛ぶわよ! 朱乃、準備を」

 

「はい、部長」

 

「部長、アーシアを一緒に連れてってくれませんか!」

 

魔法陣からジャンプしようとしたが、イッセーはシスターを指差して叫ぶが、リアスは首を横に振る。

 

「無理よ。この魔法陣は私の眷属しか飛べないわ……メルト、あなたもいいわね」

 

「ええ、こちらもこちらで用意してるっすから」

 

「アーシア! アーシアアアァァァアアア!!」

 

魔法陣の光が一層濃くなり、グレモリー眷属は全員この場からジャンプして逃げていった。……さて、私も逃げましょうかね。この近辺に堕天使が数名近づいてきてる事だし。戦ってもいいけどね。

 

ま、この分だとシスターももう少しは生き長らえるでしょう。神器(セイクリッド・ギア)も、まだ大丈夫。なら――――――

 

「逃げましょうかね」

 

お決まりの気配を薄くしていく技術を使って、この場から気配を消してゆっくりと外に出ていく。どうやら、堕天使にも気づかれてないようですし、ミッションは成功ってとこですかね。

 

「う~ん、ヤッパリ疲れるっすねぇ、監視は。どうせならもっとこう、ドカンと一発やりたいですよね」

 

あの家から離れ、そろそろ堕天使に見つからないであろう距離まで来たところで、自分の気配をいつも通りに戻す。

 

「でもま、それは今後のお楽しみって事で我慢するっすか」

 




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