「どうする?」
「どうするって……ね~木場君、小猫ちゃん」
「……はい」
「そうだね」
学校の部室を抜け、教会の玄関口まで来たのはいいんだけど、どうやら中にエクソシストどもの大群がいるので、どうやってはいるか悩んでいる最中である。
でも、悩んでいる必要はないですよね。古来から、敵の陣地に乗り込むには――――――
「こうですよね」
「うおッ!?」
玄関にある扉を思いっきり蹴破り、中へと侵入していく。一瞬、イッセーが驚いていたが、すぐに平常心を取り戻し、一緒に中へと入っていく。……イッセー、異常な状況に慣れて、すぐに順応出来るようになってきましたね。いいことです。
「これはこれは~懐かしお久し悪魔くんじゃないですか。嬉しいねえ。一度殺しそこねた悪魔をまた殺す機会があるなんて」
拍手と共に、教会に設置されている大きな十字架の後ろからなんかよく分からん神父が現れる。
何アレ? 白髪の上にウザったい笑みまで浮かべてニタニタニタニタと。私と白髪ってキャラが被るからやめてほしんだけど。
「フリード!」
「うわお! 鬼気迫る顔でこわーマジ怖―。そんな怖い悪魔くんには、これでしょう!」
フリード……でしたっけ? が、ベロベロと舌を出しながら腰から銃と光の剣を取り出す。
……こいつ、ぶん殴って黙らせていい? ウザイんだけど。もしくは、喋れないようにぐちゃぐちゃにしていい?
「僕が行くよ」
「木場!?」
「イッセー君、小猫ちゃん、銀華さん。サポートお願い」
「了解」
「……分かりました」
「ひゅ~悪魔同士の熱い友情ってかぁ? ああ、嫌だ、きもちわるいねっと!」
「流石、腐ってもはぐれ神父」
ウザイ口を黙らせるために、木場君が腰に着けていた剣を抜いて神父に斬りかかるが、神父は光の剣で余裕に止める。
「やあーイケメン君。この前はどうも。ずっと考えてたよ。その小奇麗な顔をぐちゃぐちゃにしてやりたいってねえ」
「下賎な趣味だ」
「小猫ちゃん」
「……わかってます」
小猫ちゃんと二人。木場君の後ろから左右に駆け出し、教会に置いてある長椅子を同時に神父へ向かって投げつける。
「しゃらくせぇ!」
バッサリと二つの椅子は光の剣で切り捨てられるが、計算通り。既に、その二つを切り捨てられるのを木場君は理解してるからね。
「貰った!」
「うえっと! あっぶないね~こんな手が俺に通用するとおもったの? さっすがクソ悪魔、低能だねえ」
だが、神父の背後から放たれた木場君の一撃は、振り返った神父の光の剣のひと振りで弾かれる。更に、弾いた瞬間、追撃とばかりにもう片方の手に持っていた銃でき木場君を撃ち抜こうとする。
でも、甘い。その程度の反撃、見切ってるよ。
「さあ、出番だよ。行きなさい」
「プロモーション! 『戦車
「んな!」
神父の後ろに突っ込んでいくイッセーに、慌てて神父は銃をイッセーに向かって撃つ。Sかし、それは無駄。何故なら――――――
「『戦車
『戦車
全ての弾丸がイッセーの体へと当たるが、そんなことは気にせず、イッセーは神父に向かって走り続ける。
「マジですか……!」
「馬鹿げた攻撃力だ!」
「ぷぎゃう!」
力いっぱいに振るわれた拳は、神父の頬へと綺麗に入る。流石の神父でも、その威力に耐えられなかったのか、教会に置いてある椅子を巻き込みながら吹っ飛んでいく。
よし、ここはダメ押しでもう一発! こういう輩は徹底的に潰さないと気がすまないのでね。
「……先輩」
「ふぎゅ! ど、どうしたの小猫ちゃん」
神父に向かって駆け出そうとしたら、いきなり小猫ちゃんに首元掴まれてしまった。私、身長は結構あるから小猫ちゃんの身長じゃあ掴めるはずがないんだけど……どうやってんの?
「小猫ちゃん、どうやって掴んでるの?」
「……背伸びして摘んでるだけです」
ふ~ん。摘んでるだけね……力強すぎでしょう! まだ本気出してないとはいえ、私が動けなくなるほどの力って……相当だよ?
「――――――っくそ……」
急に聞こえてきた声の方を向いてみれば、そこには頬を赤く腫らせている神父がいる。……ふむ。『戦車
怒っているのか、神父はイッセーの拳を防いだせいでボロボロになった剣を投げ捨てると、銃を仕舞い、両手に光の剣を持つ。
「この、クソ悪魔共が! 調子に乗りやがってよぉぉぉぉぉぉ!! ぜってぶっ殺す! 粉微塵になるまでぶった斬って生まれてきたことを後悔させてやる!」
今にも飛び出して来そうな神父。……ああ、もうダメ。限界。
「あ゛?」
「ッ!?」
小猫ちゃんを優しく離してから歩き出し、一番神父に近いところにいた木場君を掴んで私の後ろへと下げる。
「テメエこそさっきから何調子こいてんだ? クソ悪魔クソ悪魔ってよ? 誰がクソだコラ! こいつらはな、私の大切な仲間なんだよ。それとも何か? 私の仲間をワザと罵って、喧嘩売ってんのか? よし、買った。殺してやるからそこ動くな」
「こりゃあ……ちょっとドジったなぁ。まさかアンタみたいなのがいるんなんて。そんなわけで、俺は死ぬ勝負は死なない主義なんだよねぇ。じゃ、バイナラチャ!」
私が掴みかかろうと走ると同時に、神父は咄嗟に胸元に手を突っ込み、小さな球体を取り出す。それを、地面に叩きつけると、強烈な音と眩い光が辺りを包み込む。これは、閃光弾か。小賢しい真似を!
気配だけで捕まえようとするが、逃げられた。……チッ、クソ野郎目。
「じゃあねえ。天才無敵の俺様に無様に逃げられる悪魔の皆さん。……ああ、それと。イッセー君だっけ? 次会ったら、首チョンパね」
教会の窓の淵に立ち、颯爽と外に出てく神父。ええ、今度会ったら、お前も首チョンパですけどね。
さて……気配が大量に地下から感じますね。アーシアちゃんが捕らえられているのは地下でしょうか? 床を割って直接行ってもいいのですが、その行き方ではアーシアちゃんを傷つけてしまうかもしれませんね。
なので、多分地下へ入れる入口があると思うのですが……おお、十字架の近くにある教壇を動かしたら地下へ続く階段が出てきましたよ。
「じゃあ、行こっか」
「……はい」
二人分程通れるスペースがある階段を小猫ちゃんと一緒に降りていく。
「なあ、木場。銀華があんなに怒ったのって見たことあるか?」
「ないね。僕は結構昔から銀華さんの事を知ってるけど、あんなに怒ってる姿は初めて見たよ」
「そっか……これから、銀華を怒らせないようにしよう」
「同感だよ」
「ほら、行きますよ」
全く、男二人で何を話しているのでしょうか。……やはり、木場君はホモなんですかね。なんだか、生き生きしてますし。
「あは! 今頃アイツ、死んでるんじゃないの~?」
「そうかもしれんな。あの程度の下級悪魔ではな」
「言えてる」
私ことナリヤはメルトと共に、教会にこっそりと忍び込んで例の作戦を実行してる最中です。本当ならすんなりと暴力的に解決できた。なのですが! 三人の堕天使を探っていたら、とっても険悪な場所にきてしまいました。
それは、リアスと朱乃。その二人に対して、堕天使三人がリアスの下僕であるイッセー君を罵ってる場所です。
私達の計画では、この三人の堕天使を無事に保護しなければいけないのだけど……どうしよう? この状況じゃあ、リアス達に保護するからその三人渡してって言っても素直に渡してくれませんよね。
「どうするー? メルト?」
「う~ん。もう横取りでいいんじゃないっすか?」
「やっぱりメルトって脳筋?」
「いや~最近また胸に脂肪がついたんすよ」
「そのくせお腹の肉は落ちたの? 羨ましいわ~」
メルト。なんで同い年のくせして、こんなスタイルいいの? 私なんて、まだそんなにないのに、メルトったらもう朱乃さんとかのレベルだよ? くそ、羨ましすぎる!
いいもん! ササンと一緒に貧乳同盟作ってやるもん! それと、銀華ちゃんも無理やり混ぜてやる!
「でも、それ以外に手段ってあるっすか?」
「う~ん……こう、上手い具合に立ち回る?」
「私と変わらないじゃないっすか」
「う、うるさいよ。もう! いいから突っ込もう!」
「了解っす」
呆れ顔で了承してくるメルトに対して自分の発言が恥ずかしく思えてきた私は、若干頬が熱いのを感じながら、両者の間に飛び出していく。
「ちょっと待ったー!」
「いや、何も待ってないと思うんすけどね」
「もう! 細かいことはいだよ!」
どうしてこう、細かいところを突っ込んでくるかな? メルトのせいで、両者共にポカンとしてるじゃん!
「なに? また新しい悪魔? うわ~めんどっくっさ」
「別に構うまい。何人いようが、問題はないだろう」
「そうだけど、正直めんどくさい事には変わりないわね」
堕天使が何やらごちゃごちゃ言ってますが気にしない!
「メルト、ナリヤ。貴方達どうしてここに?」
「久しぶりです。リアス・グレモリー様」
「久しぶりっす。今回、私達は極秘に動いてる計画を完成させるために来ましたっす」
「極秘の計画? ……その内容は?」
「あまり深くは教えられませんけど、簡単に言えばあの堕天使三人の保護です」
「なッ!?」
やっぱり、案の定驚いたちゃってるよ。そりゃあそうだよね。悪魔の宿敵である堕天使を保護しようってんだから。私だっていきなりササンに言われた時は戸惑ったよ。
「ですから、イッセー君を侮辱されお怒りなさっているでしょうが、ここは私達に任せていただけましょうか?」
「……分かったわ」
怒りを押さえて、渋々といった感じで提案を受けいれてくれるリアス。いや~良かった。これで下手にごねられても面倒なだけだからね。
「そんなわけ、ちゃっちゃとやっちゃいましょうか、メルト」
「そうっすね。終わらせまっすすか」
「なーんか、ごちゃごちゃ言ってるんですけどー」
「終わらせる? 終わるのはお前たちだろ?」
「貴方達の死によってね!」
堕天使三人は同時に光の槍を持つと、私達の方へと突っ込でんくる。本当なら、少し位怖いもんだけど、この程度じゃねえ……ぬるすぎるよ。
「神をも捕縛する砕けぬ鎖
両手を左右に伸ばし、握るモーションをした瞬間、私の両手から黄金の鎖が飛び出し、三人の堕天使を全員を縛る。
神をも捕縛する砕けぬ鎖
本数に限りは無く、幾らでも出せる。他には……まだないかな? もしかしたらこれからも成長して新たな能力を手に入れられるかもしれないからね。だって、神器
「な、なにこれー!」
「う、動けん!」
「むぐーむぐー!」
「メルト」
「了解っす」
地面へと落ちた堕天使三人に向かって、メルトは歩き出し正面で止まる。そして、しゃがんで大きく息を吸うと――――――
「はい、お休みっす」
ふっ……と短く息を吐き出す。すると、先程まで慌てふためいていた三人の体が徐々に灰色へと変わり、やがてカチコチの石へと変わった。
これは、メルトがコカトリスとしての種族の特性上持っている能力。
コカトリスであるメルトは、自身の息に念じた状態で他の奴に吹きかけることによって、石にしたり毒を与えたり誘惑したり、後ちょっと気合を入れれば炎を吐いたり冷気を吐いたりすることが出来る。……まあ、炎やら冷気やらは実際に見たわけではないけど。
完全に石になった三人を端っこの木の根元に置き、自身の鎖を戻す。
「よし、これで任務完了!」
「そうっすね。それじゃあ、戻るっすか」
「それじゃあ、リアス様。私達は少し暴れてきますんで」
「待って頂戴」
頭を下げ、教会の地下へと行こうとしたら、リアスに肩を掴まれてしまった。
「もしかして教会の地下に行くの?」
「そうですけど?」
「私達も行くわ」
……どうしよう? マズイな~。雨天さん、今回、神器
「分かりました。じゃあ、一緒に行きましょうか」
「ええ、行きましょう」
「……驚かないでくださいっすよ?」
「何が?」
「いえいえ、なんでもないっす」
「あらあら、気になりますわね」
「……行けばわかりますよ」
もう、危ない発言しないでよ、メルト。……はぁ、大変だ。
結局、なんとか秘密は誤魔化して、四人一緒に教会の地下へと向かった。
「行くぞ、クリストフ」
『イエス。マイマスター』
「天駆ける天馬の脚
如何だったでしょうか?
感想、アドバイス、誤字、お待ちしております!